イメージ 5

「講談級大坂の陣」は、Game Journal誌59号の付録ゲームで、タイトル通り慶長19~20年における大坂の陣を扱ったシミュレーションゲームだ。大坂の陣は、冬の陣と夏の陣に分かれているが、本作ではそれぞれ専用マップ、専用ユニットで両方の役を再現する。冬の陣シナリオでは真田丸を中心とする大坂城南部の攻城戦を扱い、夏の陣シナリオでは天王寺周辺の野戦を扱う。

イメージ 1

イメージ 2


基本システムはチットドリブン。チットを引いた軍勢が行動するというもの。移動と戦闘は混然一体となっており、例えるなら旧SPIのセントラルフロントシリーズに似たようなシステムが採用されている。戦闘システムはシンプルで、ダイス1個を振って戦闘力以下の目が相手のユニットを除去できる。ダイスを振る順番は「武勇値」によって決まり、武勇値=10の真田幸村は、いかなるユニットが相手でも先撃ちができる。
他にはユニットは攻撃モードと防御モードがあり、攻撃モードでは移動力と攻撃時の戦闘力が大きく、防御モードでは防御時の戦闘力が大きい。

イメージ 4


いずれのシナリオもプレイ時間はセットアップ込みで1時間前後。ルール的にも迷う部分が少ない。簡単なゲームなのでダイス目に左右されやすい面があるのは否めないが、プレイ時間が短いのでダイス目が悪ければ「もう1回やろう」で修正がきく。

バランスは不明だが、各シナリオ1~2回プレイした感想では、冬の陣シナリオでは大坂方有利。夏の陣シナリオは互角かやや大坂方有利ではないかと思われる。

イメージ 3


難点を上げると、ルールの一部に不明な個所や間違いがあること。例えば夏の陣の「影武者ルール」は「以上」という用語の使い方が間違っている。また冬の陣シナリオでは、地形効果表の中に高度に関する記述が欠落している。

やや難点はあるが、短時間で終わるゲームであり、ダイスを振る回数も多くてそこそこ盛り上がるゲームなので、メインのゲームが終わった後に軽くプレイするには良いゲームだと思う。