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久しぶりに新版Ukraine'43をプレイした。今回は枢軸軍を担当する。このゲーム、どちらの陣営を担当しても面白いが、枢軸軍がミスが許されない(ワンミスのダメージが大きい)ので難しい。しかも今回の対戦相手とは、以前にプレイして苦戦を強いられている。この方は厳しい手を打ってくるので、今回は慎重にプレイしたい。

なおルールはGMT社のLiving Rule 7-4-15版に従い、SS装甲師団2個を投入すればティーガーシフトが得られる選択ルールを採用した。

1Turn(43/08/03)

イメージ 9ソ連軍は2個保有する機動戦車軍をスムイ(Sumy 3407)方面、そしてスムイ~ベルゴルド(Belgorod 4409)間のドイツ軍要塞線攻撃に向けてきた。5-1攻撃が2個所、3-1攻撃が4個所。ソ連軍の出目は平均3.5で平均的であったが、ドイツ軍の重損害ダイスがしょぼい。6回振って4以上が1回だけ。要塞線突破でソ連軍に出血を強いる予定がこれではのう・・・。当然の如くスムイ付近とベルゴルド西方が突破された。スムイ陥落。

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イメージ 10戦線中央イジウム(Izium 4819)西方の渡河点(4618)に対してソ連軍は航空支援つきで2-1攻撃を実施。出目は"5"で結果は"A1/D1"。ドイツ軍はマンシュタインの振り直しまで投入して突破の阻止を図ったが、死守に失敗。ソ連軍は渡河点を押さえて突破口を啓開する。以後、このイジウム渡河点は独ソ両軍の激戦地となる。

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イメージ 11南方、ドンバス正面からは第1打撃軍を投入して2-1攻撃を実施。出目良く"6"が出て結果は"D1"。ソ連軍は突破口を啓開する。他には低比率攻撃を2個所で実施。いずれも突破はできなかったが、"EX"の結果を得たのでドイツ軍に損害を与えることに成功している。

一連の攻撃でドイツ軍が失ったステップ数は8ステップ(装甲1ステップ)、対するソ連軍の損害は10ステップ(装甲1ステップ)。損害自体はソ連軍の方が多かったが、キルレシオは必ずしもドイツ軍にとって満足できる数値ではなかった。

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イメージ 12ドイツ軍は反撃をイジウム方面とドンバス方面に指向した。イジウム方面では、現時点で最強の第5SS装甲擲弾兵師団「ヴィークング」(12-10-7)等、装甲3個師団、歩兵数個師団を投入。さらに虎の子第503重戦車大隊(3-2-5)を投入した。AutoDSその他で前衛のソ連歩兵2ユニットを一蹴した後、ソ連軍キラースタックに対して機動強襲を実施。5-1の戦闘比であったが、出目は最悪の"1"で結果は"DRX"。ティーガー戦車装備の虎の子重戦車大隊が昇天してしまう。それでもソ連軍を撃退することには成功し、イジウム付近の要塞防衛線を再度取り戻した。

ドンバスでもドイツ軍はSS装甲擲弾兵師団2個を主力とする反撃部隊を投入して突破口に対して反撃を実施。ここでも5-1攻撃で"DRX"を出してしまい、第3SS装甲擲弾兵師団「トーテンコップ」(8-7-7)がステップロスして基幹部隊となってしまう。ダイス目の悪さに暗澹たる気持ちになる。

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獲得VP=1(0)(カッコ内はベンチマーク値、以下同じ)

2Turn(43/08/08)

天候チェックのダイス目が"3"であった。この目では航空支援がソ連1個、ドイツ2個となる。制空権を失いつつあるドイツ軍にとって、天候チェックの出目"3"は、ドイツ軍にとってまさに干天の慈雨というに等しい。

イメージ 13ソ連軍は第1戦車軍をスムイ西方、第5親衛戦車軍をスムイ南方方面に向けてきた。明らかにスムイ方面、さらにはその西方地区を重視した攻撃布陣である。第1ハンガリー師団(2-4-3)と突撃砲大隊(2-2-7)のスタックがソ連第1戦車軍その他の攻撃を受けた。比率5-1で出目は"6"。結果は最悪の"DS"。ハンガリー師団は大損害を受けて後退。さらにその側面を守っていたドイツ第327歩兵師団(5-7-4)が退路を遮断された上、2-1攻撃でA1/D1の結果を受け、後退不能で除去されてしまう。

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Ukraine'43は防御側の配置にも気を遣うゲームである。今回、第327歩兵師団を襲ったような悲劇は、敵が3ヘクス以上前進できる戦闘結果(D1,DRM,DS)を出せば起こりうる。逆に言えば、戦闘結果がD1,DRM,DSを出さなければ、包囲殲滅される危険はほぼない。CRTを見ると、2-1~3-1で1/6、4-1からは2/6,3/6,4/6,5/6と7-1まで増えていく。Ukraine'43で中比率攻撃が恐ろしいと言われる所以だが、2-1~3-1なら発生確率が1/6であることに注目したい。これはマンシュタイン効果を使えば発生確率を1/36まで下げられる。さらに戦線の引き方によれば、反対側の翼が破られないと包囲は完成しない。従ってUkraine'43でのドイツ軍は、戦線を引く際に以下に気を配るのが重要である。
(1) 3面攻撃を受けない戦線を引く
(2) 戦闘比4-1を達成させない(2面攻撃ならTQ優位が得られる場合、11以上又は14以上の防御力が目安)。
(3) 包囲されたくない戦線にはマンシュタイン将軍を派遣する。
逆に上記が達成できないような弱体な戦線では、ZOCボンドに拘らず、部隊数の節約を図るために2ヘクス間隔の防御スクリーンを敷くのも手である。

また北方の要域ベルゴルドが包囲攻撃を受けて陥落する。その他、イジウム、ドンバス方面ではソ連軍は4個所で攻撃を実施。4-1攻撃で"DR"の結果を得たものの、重要な部分ではなかったのでドイツ軍は予定通り後退。その他3個所では全て"EX"の結果であった。装甲1ステップを含む3ステップを失ったのは痛かったが、ソ連側に2倍の損害を強要したのでヨシとしよう。

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ドイツ軍は4個所で高比率反撃を実施。いずれもDS又はD1の結果を得て、ソ連軍に計4ステップの損害を強要する。

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獲得VP=2(1)

3Turn(43/08/13)

イメージ 15ソ連第1戦車軍はスムイ西方のコノトプ(Konotop 2609)にまで到達した。コノトプ攻撃は戦闘比5-1。ジューコフ将軍による振り直しまで投入して戦闘結果は"D1"。トルクマン戦闘グループ(1-2-2)は壊滅し、その他は西方に退いた。
第5親衛戦車軍は、スムイ南西部、Zen'kov北の森林地帯(3211)に布陣する消耗したドイツ歩兵師団と突撃砲大隊(2-2-7)のスタックを攻撃した。戦闘比5-1で戦闘結果は"D1"。突撃砲大隊が壊滅し、その他は南西に潰走していく。勢いに乗る第5親衛戦車軍は、機動強襲でドイツ第11装甲師団(9-8-5)を攻撃したが、これはさすがに調子に乗り過ぎ。戦闘比1-1だったが、戦闘結果は"A1"であった。

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ウクライナ第2の重要都市ハリコフ(Kharkov 4213)西方でも、Bogodukhov北東の森林帯(3912)を守る歩兵部隊が戦闘比2-1で"A1/DR"の結果により後退。ハリコフは三方から包囲される危機に直面する。

イメージ 14ソ連軍の攻撃はさらに続き。イジウム付近では、3-1攻撃によって"A1/D1"の結果によって再び防衛線が破られてしまう。さらにドンバスでは2個所で攻撃を実施し、戦闘比2-1と同4-1の戦闘結果はいずれも"D1"。またもやダイス目が走ってソ連軍は2個所で突破口を穿つ。それだけならまだしも、ドイツ軍のホープ、第3SS装甲擲弾兵師団がソ連軍のZOCボンドに囲まれて身動きが取れなくなる。このままでは包囲壊滅の危機に戦慄を覚えるドイツ軍プレイヤーなのであった。



Game Journal 93-パンツァーカイル
パンツァー・オペラツィオーネン――第三装甲集団司令官「バルバロッサ」作戦回顧録 独ソ戦大全 失われた勝利(上) 失われた勝利(下)