久しぶりに新版Ukraine'43をプレイした。今回は枢軸軍を担当する。ルールはGMT社のLiving Rule 7-4-15版に従い、SS装甲師団2個を投入すればティーガーシフトが得られる選択ルールを採用した。
これまでの展開-->第1~3Turn
3Turn(43/08/13)(承前)
このTurn、ソ連軍の攻撃は出目の冴えもあって大成功をおさめ、西方ではコノトプ(Konotop 2609)が陥落。要域ハリコフ(Kharkov 4213)は3方向から包囲の危機を迎えている。ソ連の第5親衛戦車軍はスムイ(Sumy 3407)から南下してポルタワ(Poltava 3316)に迫る勢いを見せており、その南方、イジウムの浅瀬は再びソ連軍が突破口を啓開していた。南方のドンバス方面でもソ連軍は主要な都市部に迫る勢いを見せ、2個所で突破に成功したソ連軍は、ドイツ軍の虎の子第3SS装甲擲弾兵師団「トーテンコップ」(8-7-7)を包囲していた。
このTurn、ドイツ軍は長考に沈んだ。特に悩んだのが包囲された第3SS装甲擲弾兵師団の処遇。見捨てるのは論外だが、反撃して戦闘後前進で逃がすか、あるいは交戦離脱(敵ZOC内のユニットはダイスチェックに成功すると、敵ZOCから離脱して後退できる)を試みて戦線内に収容するか。交戦離脱の成功率は2/3。マンシュタインの振り直しを使えば90%近い成功率があるが、ノーリスクではない。しかしイジウム方面での反撃兵力を捻出する必要もあったのでここはリスク覚悟で交戦離脱を行うことにした。幸いダイス目は良くて交戦離脱には成功。貴重な装甲師団を戦線内に収容できたのは幸いであった。またイジウム方面でも反撃を実施し、ソ連軍の進撃を推しとどめた。
このTurn、ドイツ最強のグロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団(以下、GD師団)が登場する。その戦力評価は15-12-7。ティーガー効果ありのエリート修正。まさに向かう所敵なしの最強部隊。この最強部隊をドイツ軍はポルタワ、ハリコフ、イジウムの重心点に配置し、いずれの方向へも対応できるようにした。
獲得VP=3(2)
4Turn(43/08/18)
ドイツ軍は今や南北に連結した戦線を構築するのを諦め、北西はスムイ方面から敗走してきた部隊が薄いスクリーンを張りながらドニエプル川へ向けて後退戦闘中。そしてポルタワ西方まで張り出した戦線は、ドニエプル川に繋がらずに薄くスクリーンが形成されているに過ぎない。ソ連軍は当然そこを突いて攻めてくる。西方ではソ連軍の第1戦車軍等がドイツ軍部隊を撃破しながら、西方の要域チェルニーヒウ(Chernigov 1604)にまで達している。ポルタワ西方では、ソ連第5親衛戦車軍がLokhvytsya(2711)を守る弱体化したドイツ第68歩兵師団(2-5-4)を撃破している。しかし主に補給上の制約からソ連軍の突破は西部方面へ集中しており、ドイツ軍が解放したポルタワ北西部への進撃はそれほど顕著ではない。同方面はさすがのソ連軍も補給線を維持することが難しいからだ。
ハリコフ方面でもハリコフに取り付いたソ連軍は同地に対して2-1の攻撃を実施した。戦闘結果は"A1/DR"。ドイツ軍が死守に失敗すればハリコフが陥落する所であったが(確率1/6)、ドイツ軍は航空支援を投入して何とかハリコフを守り切った。
ドンバス方面では、主要都市部に取り付いたソ連軍が都市部に対する攻撃を開始していたが、さすがに都市の守りは硬く、ソ連軍の突破構成は悉く失敗に終わった。
ドンバスの防衛成功やGD師団の到着によって機動兵力の余裕を得たドイツ軍は、イジウム方面に大規模な反撃を開始した。マンシュタイン将軍の指揮の元、投入されたのはGD師団を初め、SS装甲擲弾兵師団3個、通常の装甲師団4個、さらにはティーガー重戦車装備の第503重戦車大隊(3-2-5)や歩兵師団数個を投入したその攻勢でソ連軍の装甲2ステップ、騎兵2ステップを含む計8ステップを撃破して大損害を与えた。ドイツ軍の損害は装甲1ステップを含む計2ステップである。
獲得VP=4(3)
5Turn(43/08/23)
ここに至り、ソ連軍の西方方面重視戦略の弱点が明らかになってきた。突破戦の主役となるべき戦車軍2個がいずれもハリコフ、ドンバスの主戦場からはるか離れた場所にいるため、ハリコフやイジウム、ドンバス方面での兵力不足が目立ってきたのだ。ドイツ軍による一連の反撃で失ったソ連軍ステップ数も無視できない。記録によれば、第4Turn終了時までにドイツ軍の反撃によるソ連軍の損害は計20ステップ、その間ドイツ側の損害は5ステップである。西方に向けたソ連軍の進撃は無人の野を行くが如し。第1戦車軍と第5親衛戦車軍はドイツ軍を撃破しつつウクライナの首都キエフ(Kiev 1211)まであと4ヘクスと迫っていた。しかしキエフの前面には渡河困難なドニエプル川がある。さすがにドイツ軍もキエフを無傷で明け渡す気はないので、守備隊を入れて守りを固めている。西方を目指すソ連軍の進撃は、ドニエプル川という自然の障害と、補給という人為的な制約によって、キエフを目前にして失速しつつあった。
ハリコフ方面ではハリコフ正面に対してソ連軍は1-1攻撃を実施したが、ドイツ軍による死守が成功してハリコフは持ちこたえた。それでもハリコフ南部にソ連軍が進出し、ハリコフ包囲を完成させた。
ドンバス、イジウム方面では、ソ連軍は2個所で低比率攻撃を実施するも、悉く失敗に終わる。
ドンバス、イジウム方面では、ソ連軍は2個所で低比率攻撃を実施するも、悉く失敗に終わる。
ドイツ軍はイジウム方面では第503重戦車大隊とSS装甲師団3個を投入して掃討戦を継続し、同方面に残っていたソ連軍機械化部隊を撃破した。またハリコフ南方ではGD師団と装甲2個師団その他を投入して攻撃を行い、ハリコフ南方を守るソ連軍を撃破してハリコフへの連絡線を回復した。
獲得VP=5(4)
6Turn(43/08/28)
さすがにソ連軍もハリコフ、ドンバス方面の兵力不足を感じてきたようである。このTurnは珍しくソ連側が長考に沈んだ。キエフ前面まで進出していた第1戦車軍と第5親衛戦車軍がキエフ方面から転進して、それぞれスムイ南方、ハリコフ西方に布陣した。そして機械化部隊がハリコフ南西で攻勢を仕掛けて、ドイツ軍を撃破し、ハリコフ~ポルタワ街道に進出した。
ドンバス方面ではスラヴャンスク(Slavyamsk 5021)とその南のクラマトルスク(Kramatrosk 5022)がソ連軍の手に落ちた。ドンバス北部の防衛ラインが破られつつある。ドンバスの核心部にもソ連軍が迫ったが、こちらはなおもドイツ軍が耐えている。
ドイツ軍、このTurnはハリコフ南方とドンバス北方で高比率攻撃をそれぞれ1個所で実施した。前者はハリコフへの補給線確保、後者はドンバス北部防衛戦構築のためのヒットエンドラン攻撃である。攻撃はいずれも成功し、ドイツ軍は当初の目的を達成した。
獲得VP=8(6)
7Turn(43/09/01)
ソ連軍はハリコフ~ポルタワ間に戦車2個軍が集結。ハリコフ西方の補給線を断つべく攻勢を仕掛けて来た。この攻勢によってドイツ軍歩兵1個師団が撃破され、戦線後退を余儀なくされる。対するドイツ軍。一旦はハリコフ~ポルタワ街道を放棄したものの、ソ連軍がハリコフ付近の鉄道基地から同街道沿いに補給線を伸ばせることを知り、その補給線を断つべく再びハリコフ正面へ反撃を指向した。GD師団、SS師団2個、さらにはティーガー大隊、一般装甲師団3個を投入した反撃で戦線をハリコフ方面まで押し上げたドイツ軍は、ハリコフへの連絡線を再び確保した。
ドンバス方面ではソ連軍がゴロフスカ(Gorlovka 5324)を攻撃する。4-1攻撃で結果は"D1"。ドイツ軍は死守チェックを試みるも失敗。ゴロフスカは陥落した。
獲得VP=9(8)