ラコック


イメージ 10「ラコックの陰謀」はTDFという同人グループが出版しているシミュレーションゲームです。テーマはアニメ「太陽の牙ダグラム」における連邦軍と解放軍の戦い。「太陽の牙ダグラム」といっても若い人たちにはピンと来ないと思いますが、1980年代前半に放映されていたアニメ作品です。「ガンダム」で「リアルロボット」というのが一つのキーワードとなった時代の作品で、「ガンダム」のミリタリー色をより強めた感じの作品です。

今から約200年後の未来。地球から何光年か離れた植民惑星デロイアでは、地球連邦による支配を脱するべくデロイア人を中心とした独立運動が行われていた。地球連邦評議会議長ドナン・カシムの息子クリン・カシムは、父がデロイアにて独立勢力に拉致されたことを知り、父を救うべくデロイアに向かう。しかしクリンはデロイアで独立運動の実態と地球連邦軍によるデロイア人に対する苛烈な迫害を目の当たりにする。やがて独立戦争に身を投じたクリンは、新型コンバットアーマー「ダグラム」のパイロットとして、サマリン博士やロッキー達と共にデロイア独立の為に連邦軍と戦う・・・。

とまあ、こんな感じのお話しです。



イメージ 11本作は、デロイア独立戦争を戦略レベルで描いた作品で、A3マップ1枚に描かれたデロイア星でデロイアの独立を賭けて戦います。スケールは不明ですが、1ユニットは数百~数千名の歩兵、1機(ダグラム)~50機ぐらいのコンバットアーマーといった所でしょうか。1ヘクスは数千キロ、1Turnは2~4週間、といった所でしょうか・・・。基本的には移動・戦闘の繰り返しですが、戦闘はダグラムらしさを再現するため、まずはコンバットアーマー同士の戦闘、コンバットアーマーと歩兵の戦闘、歩兵同士の戦闘という順番で解決していきます。歩兵の能力は両軍とも同じですが、コンバットアーマーは機種別にユニット化されているので、ユニット毎に性能が微妙に違っています。ちなみに最強のユニットは勿論ダグラムですが、連邦軍の中で最強なのは四足歩行型の最新型「ブリザードガンナー」というのが渋いです。(そういえばコーチマスペシャルというのもありました)

イメージ 12戦争の序盤は解放軍側の軍事力が十分ではなく、コンバットアーマーは殆どダグラムのみ(かなりダグラム自体は過大評価されていますが・・・)。あとは歩兵のみという状況なので、コンバットアーマー多数を揃えた連邦軍相手に正規戦では勝ち目がありません。そのため潜伏や捜索、地下活動で治安維持といったゲリラ戦を再現するためのルールも用意されています。

イメージ 13またダグラムは「戦争ドラマ」というよりも「政治ドラマ」といった方が良いほど、政治ネタが多い作品でした。極端な話、主人公達の活躍に関係なく政治が進行し、両軍の置かれている状況が急変するといった具合です。そういった政治的なイベントを解決するため、本作ではカードが採用されています。解放軍45枚、連邦軍54枚用意された様々なカードを使ってデロイア星での政治状況を自らに有利なように誘導していくことになります。盤上における戦略とカードプレイによる政略。本作は戦略と政略を別ルールで扱いつつ、適宜カードプレイの結果を盤面に再現するような場面も出てきます。

今回、この「ラコックの陰謀」をソロでプレイしてみます。

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1-3Turn

イメージ 14序盤は首都カーディナルとダグラム秘密工場の噂があるボナール市を巡って連邦軍とデロイアゲリラの戦いとなる。連邦軍の歩兵を両地点に集中投入してゲリラの鎮圧を図るが、巡り合わせが悪く、今ひとつ決まらない。対するデロイア側もダグラムの完成を急ぐが、未だ完成せず。
しかし第3Turnに漸くカーディナルの潜伏チットを1枚まで減らす事に成功。すかさず「サマリン逮捕」を発動する。

「そうそう、息子さんのクリンくん。彼は貴方とは違う生き方をするでしょう」

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4-6Turn

イメージ 10その息子さんのクリンくん、いきなりやってくれました。「ダグラム奪回」。これで主役がそろったぞ。
カーディナルを脱出したダグラムは西へ向けて進撃開始。目指すは「グランプリの町」ボナール。ボナールでダグラムを量産する。これがサマリン博士の描いたシナリオであったが、果たして・・・。

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連邦軍はボナールとスパに歩兵部隊を集中投入し、同地区のゲリラ殲滅を図る。また折から発布されたデロイア州自治法により大幅に行動の自由を得た在デロイア連邦第8軍は、今までよりも苛烈なゲリラ狩りを展開する。そのためダグラムがボナールに到着した頃には、同地のゲリラ組織はほぼ壊滅状態に陥っていた。

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イメージ 15ゲリラにとって致命的であったのは、ボナール市前市長デスモント氏の失脚とフォンシュタイン派であるグランフェルド氏の市長就任である。デスモント氏はどちらかと言えばゲリラに同情的な政策を取っており、そのためゲリラ側もデスモント氏に依存している面はあった。しかし新たにボナール市長に就任したグランフェルド氏はバリバリのフォンシュタイン派。ボナールで開発中と噂されていたダグラムの量産機も、グランフェルド氏の就任によってほぼ絶望的となった。ちなみにデスモント氏はこの事件の暫く後に悲劇的な最期を遂げるが、それはまた別の物語である。

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それに対してゲリラ側はダグラムがスパ市の南に到着し、初のゲリラ会議を開いた。「太陽の牙」を率いてきた若きリーダー、ロッキーが叫ぶ。
「みんな、聞いてくれ・・・」
しかし所詮は新参者。誰も相手にしてくれない。しかし新しい出会いもあった。Jロック。孤立無援のロッキー達にとって、初めて頼りになる味方を得たのである。

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7-9 Turn

イメージ 11ゲリラ会議を終えたダグラム以下太陽の牙は、味方のゲリラ部隊と共同で東へ向かう。目指すはランベル刑務所。サマリン博士が収監されている難攻不落の要塞だ。砂漠地帯でゲリラ部隊を苦しめている連邦軍傭兵部隊(ガルシア隊)を捕捉したダグラム以下解放軍は、テキーラガンナー2ユニットを撃破し、ガルシア隊を事実上骨抜きにした。しかしそこに現れたのが連邦軍ザルツェフ少佐率いるラウンドフェイサー部隊である。8ユニットものラウンドフェイサーと4つの歩兵部隊、さらにデューイ攻撃ヘリまで加えた連邦軍。その中には、かつてクリンと共に戦ったダーク曹長の姿もあった。
圧倒的な兵力で襲いかかる連邦軍。ダグラムと太陽の牙は奮戦し、ダーク曹長の部隊を含めたラウンドフェイサーの半数を撃破した。しかし連邦軍の攻撃もまた苛烈であり、ダグラムは中破してしまう。

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ダグラムは一旦スパに後退。そこで再起を期するが、再びラウンドフェイサーの部隊がダグラムを囲んだ。5ユニットものラウンドフェイサーに囲まれたダグラムは進退極まったが、何とかこの場は切り抜けた。

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実はダイス目によればここでダグラムが撃破される目が出ていたのだが、ここは「神采配」によってダイスの振り直しを行い、ダグラムを生き残らせることにした。もう少し続きを見たかったしね。

傷ついたダグラムはスパを密かに出港。海路でパルミラ大陸に渡った。この地域では連邦軍の兵力が比較的少ないので、ダグラムの再建は容易な筈だ。

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