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Wing Leader(GMT)については以前に何度か紹介したことがある。平面スクロール方式の空戦ゲームだ。1ユニットが小隊(1~6機)又は中隊(7~12機)を表し、数十機が入り乱れる大空中戦も比較的容易にプレイできるようになっている。例えば真珠湾攻撃の全場面を再現する、といったことも可能だ。
今回、そのWing Leaderのシナリオをまとめてプレイしてみた。

シナリオV02:バースデイ・プレゼント

イメージ 12最初にシナリオ1「タイガー、タイガー」をプレイしたのだが、これは戦闘機で護衛なしの爆撃機を襲うというどちらかといえば練習用のシナリオなので、詳細は省略する。
最初の実戦用シナリオとして選んだのがこのシナリオだ。
これは1942年4月28日におけるビルマ上空の戦いで、帝国陸軍航空隊第64戦隊の一式戦「隼」I型1.5個中隊18機に守られた97式重爆2個中隊24機を、フライング・タイガースのP-40B/E 2個中隊16機が迎撃する。タイトルの「バースデイ」とは、言うまでもなく昭和天皇の誕生日4月29日のことだ。私は米軍を担当する。

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このシナリオでは、12.7mm機銃6丁の重火力が大活躍。僅か4機のウォーホークが「隼」4機と重爆2機を撃墜した。一方米軍の損害は、爆撃機の防御砲火によって旧式のP-40Bが2機撃墜された。VP的には日本軍14VP、米軍8VPでドローとなった。

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シナリオV03:スターリングラード航空輸送

イメージ 131942年12月。スターリングラードで包囲されたドイツ第6軍に対して空から救援すべく輸送機や爆撃機を動員した航空輸送作戦をドイツ空軍が展開する。それに対してソ連空軍もそれを妨害すべく戦闘機を派遣してきた。このシナリオは、輸送機に転用されたHe111H-1爆撃機8機とBf109F-4戦闘機4機の編隊を、ソ連軍Yak-1戦闘機18機が迎え撃つという内容のものである。私はソ連軍を担当する。

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結果から言えば両軍共損害なし。ドイツ軍輸送機2個小隊のうち1個小隊を追い返すことには成功したので、辛くもドローに持ち込むことができた。

シナリオV04:ペニー・ポケット

イメージ 14次にプレイしたのは英本土決戦、所謂バトル・オブ・ブリテンにおける一場面を描いたシナリオである。侵攻側はドイツ空軍で、He111H-1双発爆撃機が3個小隊(27機)とBf109E-4戦闘機2個小隊(18機)からなる戦爆連合の攻撃隊が登場する。対する英軍はハリケーンMk.1とスピットファイアMk.1Aが各2個中隊(24機)、計48機が登場する。私はドイツ軍を担当した。

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今回ドイツ軍は技量の高さと戦術柔軟性を生かして数的優位に立つ英軍戦闘機を終始圧倒した。ドイツ爆撃機を迎撃すべく上昇してきた英戦闘機に対し、高度で優位に立つBf109が上方から奇襲する。当時英空軍戦闘の戦術は固定的なものだったので、防御に回ると弱い。一連の交戦でハリケーンとスピットファイア各2機が撃墜され、Bf109の損害は1機のみだった。Bf109の編隊が弾切れの為に引揚げた隙をついてスピットファイア1個中隊がドイツ爆撃機を奇襲。1機のHe111H-1がスピットファイアによって撃墜されたが、爆装中のドイツ爆撃機は残り全機が突破に成功し、VP差でドイツ軍が勝利した。

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シナリオV05:Haway the Lads!

イメージ 15先のシナリオV04もそうだが、このゲームのシナリオタイトルは英国独特のスラングから持ってきている例が多く、意味を和訳しにくい。まあ意味がわからなくても別に困らないのだが・・・。
このシナリオは、バトルオブブリテンの一局面を扱ったもので、ノルウェーに展開するドイツ空軍第5航空艦隊所属のBf110C-4とHe111H-1の戦爆連合5個中隊(45機)が、北海を超えて英本土北部を攻撃する場面を再現したものである。独軍の淡い予想に反して英軍の反撃は強力で、ハリケーンMk.1とスピットファイアMk.1Aの計3個中隊(36機)をこれを迎撃する。私は英軍を担当した。

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イメージ 17結果から言えば、このシナリオはドイツ軍にとって厳しい結果に終わった。航続距離に制約があるBf110C-4は増槽を積んだまま空戦に巻き込まれてしまう。只さえ劣悪なBf110Cの運動性能が、さらに悪化。そのため序盤、スピットファイアに良いようにあしらわれて苦戦。3機を失った時点で護衛の任務を放棄して離脱する始末。護衛を失ったドイツ軍爆撃隊は英戦闘機の良いカモになり、27機中1/3にあたる9機を失ってしまう。
英軍の損害は皆無。VP的には独軍は爆撃編隊1個が辛うじて突破に成功したので6VP。英軍は24VPを獲得し、差し引き-18VPで英軍の圧勝となった。
このシナリオは、現象的にもVP面からも英軍の勝利は動かないが、唯一勝機があるとすればBf110Cの運用だろうか。先にも述べた通り空戦性能に対する評価は甚だ低いBf110C-4だが、火力と防御力では並の単発戦闘機を凌駕している。従って主導権を取った上で反撃に転じる手もあっただろうと思われる。

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シナリオV06:Let's Go and Surround Them

イメージ 16もうタイトルの和訳は諦める。このシナリオもバトルオブブリテンを扱ったもので、Ju87B-1スツーカによる英本土南岸の海軍基地攻撃を扱っている。登場兵力は独軍がJu-87B-1が3個中隊(27機)、近接護衛のBf110C-4が2個中隊(18機)、スィープを担当するBf109E-4が3個中隊(27機)の計72機である。
対する英軍は、スピットファイアMk.1Aが1個中隊(12機)、ハリケーンMk.1が2個中隊(24機)の計36機だ。タイトル"Let's Go and Surround Them"は、ハリケーンMk.1に登場して同様の状況に直面したIan Gleed中尉が叫んだ一言とのこと。下名は独軍を担当した。

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イメージ 18このシナリオ。史実ではスツーカは大損害を被って英本土航空戦から撤退。Bf110Cも護衛の任務を全うできず逆に自らが護衛の必要な存在となってしまった、とあるが、果たせるかなプレイの結果はどうだろうか。シナリオでは守勢に回ったドイツ軍戦闘機隊は苦戦を強いられBf109Eを5機、Bf110Cを1機の計6機を失った。戦果はハリケーン2機のみ。しかしこの犠牲によって爆撃機を敵の攻撃から守ることができ、Ju87B-1スツーカは1機も失うことなく突破に成功した。VP的には独軍が20VP、英軍7VPで差し引き13VP。ギリギリで独軍が勝利した。数に勝る独軍戦闘機隊に対し、英軍としては隙を突くような戦い方が求められよう。このシナリオの場合、英軍の戦闘機中隊数がBf109Eのそれと同じなので、戦闘機同士1対1で戦っていては英軍はスツーカを攻撃できない。如何にして独軍戦闘機を躱してスツーカ隊を阻止するかが英軍戦闘機隊にとって課題となろう。
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シナリオV07:Malta Recce

イメージ 171941年4月11日。地中海戦線。このシナリオはマルタ島に対する独軍の強行偵察とそれを迎え撃つ英軍戦闘機の戦いを描いている。登場兵力は、独軍は主役となる偵察機がBf110C-4が1機。それを護衛する戦闘機としてBf109E-4が1個中隊(8機)、イタリア軍のMC.200サエッタが1個中隊(8機)、複葉のCR.42が1個小隊(4機)の計20機。対する英軍はハリケーンMk.1が1個中隊(8機)と新鋭のハリケーンMk.2Aが1個小隊(4機)の計12機。そのハリケーンMk.2Aは、機動性がMk.1に比べて向上している上、FirePowerが1から3にアップしている。このFP=3はゲーム中最強。並の戦闘機なら一たまりもない。またこのシナリオで初めて対空火器が登場する。
このシナリオでは下名は英軍を担当した。

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結論から書けば、英軍の戦闘機が偵察機Bf110Cを一撃の元に撃墜し、英軍の勝利。独伊軍戦闘機は索敵に失敗し、英軍の奇襲を阻止できなかった。しかし後で調べてみると、このシナリオに登場するハリケーンMk.2Aは、FPが3ではなく1であることが判明(FP=3はハリケーンMk.2C)。従ってこのシナリオについてはノーゲームとして扱うのが適当と思われる。