2次元スクロール空戦ゲーム「Wing Leader」。


既に世間には大戦後半を扱った「Supremacy」が出版され、新型機の圧倒的な性能を見せつけつつありますが、我れは性懲りもなく「Voctory」のシナリオを楽しんでいます。
V11.The Bridges at Sedan
1940年5月。アルデンヌの森林地帯を突破したドイツ装甲部隊は、ムース川を渡河してフランス領内に雪崩れ込んだ。ドイツ空軍のJu-87スツーカ急降下爆撃機が飛来し、ドイツ軍の前に立ち塞がるフランス軍部隊を撃破していく。一方の英軍は、ブレニム爆撃機とバトル爆撃機の編隊をセダン橋梁攻撃に派遣し、橋梁破壊を試みる。この橋梁を破壊できれば、フランス領内へ攻め込むドイツ装甲部隊の補給線を遮断できるはずだった。
と言う訳で1940年5月のフランス戦である。独英の航空部隊同士がセダン橋梁を巡って激突する。ドイツ側の兵力は、Ju87B-1スツーカが4個中隊36機とそれを護衛するBf109E-4が4個中隊36機の計72機である。一方の英軍側は、セダン橋梁爆撃を狙うブレニム爆撃機2個中隊24機とバトル軽爆撃機2個中隊24機、そして護衛のハリケーン戦闘機が3個中隊計36機、合計84機である。機数では英軍が有利だが、中隊数では独軍有利である。
このシナリオ、下名は独軍を担当した。
今回ドイツ軍は戦闘機性能で勝るBf109E-4なので、空中戦での勝利を期待したが、ダイス目のせいなのか今一対戦闘機戦闘がさえない。ハリケーン3機撃墜と引き換えにBf109E-4 4機を撃墜される始末。キルレシオでは負けとるやんけ。
この苦境を救ったのはセダン橋梁周辺に配備されているドイツ軍高射砲陣地。これが恐るべき威力を発揮し、五月雨式に飛来する英軍機に大損害を与えた。ブレニム4機、バトル3機が対空砲火の犠牲となり、他に友軍のBf109E-4も1機撃墜するオマケつき。戦闘機隊によるブレニム3機撃墜を加えると、計10機の英軍爆撃機を撃墜し、セダン橋梁を完全に守り切った。
ドイツ側のスツーカ隊は、ハリケーン戦闘機によって2機を失ったものの、地上目標に対する攻撃は成功し、歩兵部隊、戦車部隊の両方とも撃破した。
結果:ドイツ軍の勝利
V12.The Rain Upon the Sea
待ちに待った太平洋線である。珊瑚海海戦である。このシナリオは、空母「ヨークタウン」を発進した攻撃隊が空母「翔鶴」「瑞鶴」かならなる日本艦隊を攻撃するシナリオである。
攻撃側である米海軍は、急降下爆撃を実施するSBD-3ドーントレスが3個中隊24機、雷撃を担当するTBDデバステータが1個中隊8機。そして護衛のF4F-3ワイルドキャットが2個小隊8機。合計40機である。日本側は零戦4個小隊計12機が登場する。下名は米軍を担当した。
レーダーを持たない日本軍はGCIによる戦闘機誘導ができない。全てを目視に頼る日本軍に対し、先手をとった米艦爆隊は、早くも敵空母に対して急降下爆撃を敢行する。激しい対空砲火弾幕を突いて「翔鶴」に迫るSBDドーントレス。
日本艦隊の対空砲火は激しく、3機のドーントレスが対空砲火の餌食になった。しかし零戦による迎撃は精彩を欠き、1機のドーントレスが零戦によって撃墜されたものの、逆に防御砲火によって2機の零戦を返り討ちにした。
「翔鶴」は中破相当の損害を被り、米軍は12VPを獲得した。他に敵機撃墜のVPを加えると、米軍は14VP、日本軍は4VPを獲得した。10点差は辛うじて米軍の勝利という結果になった。
時間の関係上、最後にプレイしたシナリオは、再び空戦のみのシナリオになった。1943年北アフリカ戦線。チェニジアの一角に追い詰められたドイツアフリカ軍に対し、補給物資を届けるべく、空の大輸送艦隊が編制された。イタリア空軍のSM.79雷撃機の大編隊が燃料を満載し、イタリア本土やサルジニア島の基地を発進。北アフリカを目指す。それを護衛するのは、当時イタリア最強の戦闘機、MC.202フォルゴーレ。固定武装が12.7mm機銃x2、7.7mm機銃x2とやや弱体だったが、機動性能は優秀で、本作の評価に依れば火力を除けばスピットファイアMk.5と互角に渡り合える性能を持っていた。
対する連合軍はP-40FウォーホークとスピットファイアMk.5の混成編隊。性能ではスピットファイアの方がP-40Fよりも優秀で、その空戦性能はBf109E-4やBf109F-2、あるいは零戦21型よりも優秀、ただしBf109F-4やFw190A-2が相手の場合、速度性能で劣勢である。P-40Fは、P-40シリーズの中でマリーンエンジンを搭載した出力強化版で、P-40シリーズの中では傑出した性能を有していた。その性能は、零戦21-52型を完全に凌駕し、Bf109F-2に匹敵(火力を加味すれば凌駕)、ただしFw190A-2やBf109F-4が相手なら劣勢といった所。今回対戦するMC.202とは、速度性能は互角、火力性能は優位だが、旋回性能で劣っており、総じて互角といった所か。
登場兵力はイタリア空軍がSM.79雷撃機2.5個中隊30機、MC.202戦闘機2個中隊24機の合計54機。米英軍がスピットファイアMk.5B戦闘機1個中隊12機、P-40Fウォーホーク2.5個中隊30機、合計42機である。イタリア軍は燃料輸送中のSM.79を盤端へ逃がすことを目指し、米英軍はその阻止を目指す。私はP-40Fが好きなので米英軍を担当する。
序盤、エースの乗るスピットファイアが護衛のMC.202を先制攻撃で撃破すべく高度を利用して接敵してくる。しかし性能で勝るスピットファイアはMC.202との交戦によって1機を失い、続いて接敵したP-40Fも1機を失う。MC.202側に損害はなし。
その後に戦場に現れたP-40Fの奮戦によってMC.202 2機が撃墜され、なんとかスコアを互角に持ち込んだ米英戦闘機。そしてMC.202は損害を被って帰投していく。護衛の傘を失ったSM.79に対して米英戦闘機が襲いかかる。しかし米英戦闘機も半数が既に帰投していた。
連続攻撃によってSM.79は次々と撃墜されていく。燃料を満載しているので、被弾には脆い。それでも健気に盤端突破を目指すSM.79。勝利条件的にはSM.79の損害を6機以内に抑え込めばイタリア軍の勝利、9機以上を撃墜すれば米英軍の勝利となる。
盤端突破目前の最後の攻撃で3機のSM.79が撃墜されてSM.79の損害は10機に達し、米英軍の勝利が確定した。



