GMT社の「Zero!」については改めて紹介する必要もないだろう。WW2期の空中戦を扱った傑作カード空戦ゲームである。空戦ゲームといえば、平面マップ上で3次元空間を再現するため「難しい」と言われることが多い。また単純な空戦ゲームの場合、空中戦の結果についての「発展性」が乏しいため、勝っても負けても「だから何?」という意識がつきまとう。
その点、この「Zero!」はカードを使うことで複雑な空中戦を簡単なルールで再現することに成功している。実の所ルール自体は「簡単」ということはなく、もし何も知らないプレイヤー同士がプレイした場合は「何をすれば良いのかわからない」ということになるかもしれない。「Zero!」が簡単というのは、プレイの仕組みがシステマティックに組み立てられているので、プレイ中に悩むことが少ない、という意味で簡単なのである。
また「発展性」についてはキャンペーンシナリオを用意することで対応している。これはミッドウェー海戦やフィリピン航空戦といった歴史上の戦い全体を再現するゲームである。この中ではプレイヤーは究極の勝利を目指して戦いことになるので、個々の空戦の意味を感じることができる。ちなみにこのキャンペーンシナリオは、厳密の考えると少しおかしい。というのも、例えばミッドウェー海戦やフィリピン航空戦は数十機から数百機単位での大航空戦であった。そのような戦いを数機の戦闘機、爆撃機の戦いのみで再現する「Zero!」のキャンペーンシナリオは、正しい歴史の再現とは言えない。しかしゲームとしてみた場合、該当する戦いの雰囲気を再現できるので、十分に魅力的な再現方法だと言える。
その点、この「Zero!」はカードを使うことで複雑な空中戦を簡単なルールで再現することに成功している。実の所ルール自体は「簡単」ということはなく、もし何も知らないプレイヤー同士がプレイした場合は「何をすれば良いのかわからない」ということになるかもしれない。「Zero!」が簡単というのは、プレイの仕組みがシステマティックに組み立てられているので、プレイ中に悩むことが少ない、という意味で簡単なのである。
また「発展性」についてはキャンペーンシナリオを用意することで対応している。これはミッドウェー海戦やフィリピン航空戦といった歴史上の戦い全体を再現するゲームである。この中ではプレイヤーは究極の勝利を目指して戦いことになるので、個々の空戦の意味を感じることができる。ちなみにこのキャンペーンシナリオは、厳密の考えると少しおかしい。というのも、例えばミッドウェー海戦やフィリピン航空戦は数十機から数百機単位での大航空戦であった。そのような戦いを数機の戦闘機、爆撃機の戦いのみで再現する「Zero!」のキャンペーンシナリオは、正しい歴史の再現とは言えない。しかしゲームとしてみた場合、該当する戦いの雰囲気を再現できるので、十分に魅力的な再現方法だと言える。
今回、Zero!のキャンペーンシナリオを1本、単独のドッグファイトを数回プレイしたので、その結果を報告する。
ビスマルク海海戦
C3i誌に掲載された追加のキャンペーンシナリオで、1943年3月のビスマルク海海戦を再現する。通常のキャンペーンシナリオとは違って目標の日本艦隊が駆逐艦「荒潮」、輸送船「旭盛丸」といった個艦別にレーティングされており、1隻単位での運命を追いかけることができるようになっている。史実では輸送船は8隻中8隻全部が沈没、駆逐艦も半数の4隻が撃沈された。史実通りの結果なら「引き分け」で、連合軍が勝利するためには史実を超える結果が要求される。一方の日本軍は損害を史実以下に抑えるか、又は連合軍に史実以上の損害を与えることで勝利する。このシナリオは4回の任務よりなり、4回の任務が終わった時点で勝敗を決定する。

零戦21型、32型

一式戦1型

P-38G ライトニング

B-25C-1/D ミッチェル

A-20A改 ハボック

ボーファイターIC

B-17E/F フライングフォートレス

戦闘経過
第1任務 3月2日前半
連合軍の兵力はB-17E/Fが計4機、それを護衛するP-38Gが2機登場する。対する日本軍は3機の零戦21型/32型が登場する。このシナリオでは、特別イベントとしてMissed Escort(護衛失敗)とBad Weatherが適用される。前者は護衛戦闘機の到着が遅れるというイベント、後者は爆撃機の防御射撃の際、僚機の援護を受けられないというイベントだ。そのために防御力の劣った4機のB-17編隊は零戦の集中攻撃を浴び、2機が大破、2機が小破(再出撃可能)という損害を被った。それでもB-17の編隊は爆撃によって海軍の運送艦「野島」を撃沈、他2隻を中破させるという戦果を上げた。
ちなみにこの時日本側にも"Late Arrival"(到着遅延)のイベントが適用されることになっているが、適用漏れが発生したため適用できなかった。もしLate Arrivalが正しく適用されていれば、B-17の損害はより小さくなり、逆に戦果がさらに増えた可能性がある。
第2任務 3月2日後半
第1任務で撃墜又は大破した機体を除くB-17が再出撃する。該当する機体は2機だけなので、2機のB-17が出撃する。今回は護衛戦闘機なし。対する日本側は一式戦1型が3機である。今回は"Cloud Over Target"(目標上空の雲)のイベントが適用され、ただでさえ命中率の低いB-17の対艦船攻撃が、より一層困難になる。今回はB-17が一式戦のなぶり殺しに近い状態になり、1機が撃墜、1機が大破した。返り討ちで1機の一式戦を仕留めたものの、明らかに交換比はこちらに不利であった。雲上から艦船を狙った爆撃も失敗に終わる。







