以前に紹介させて頂いた第1回テストプレイの約1週間後に第2回のテストプレイを行いました。前回、戦術部分をテストしているので、今回は作戦ゲームのテストしたいとは思っていました。とはいえ、かなり複雑なゲーム。しかもルールブックすらまだ完成していない状態。さらに言えば、今回のテストプレイヤ―は前回とは違う人物で、本作のプレイは初めて。予めドラフト版のルールブックを送付しておいてはいましたが、全部読み切れたとは思えない(50ページ以上なので)。なので今回の作戦ゲームのテストは「できたら良いな」という程度の期待です。
不明点の確認や誤記の指摘等を受けた後、まずは戦術シナリオをプレイ開始。シナリオT1「空母「レキシントン」の最後」、T3「空母「翔鶴」危機一髪」、T4「海軍航空隊最後の勝利」をプレイしました。特にシナリオT4はツボに嵌ったらしく、同じシナリオを2回プレイ。
「前回のテストは米空母が2隻とも沈んだよ」
という私の言葉が今回のテストプレイヤー(以下、相方)を刺激したのか。あの手この手で米空母撃滅を狙いますが、そう上手く行くものではない。それでも航空攻撃での楽しさは理解して頂けたようでした。
最後にシナリオT5「第1次ソロモン海戦」で相方に日本軍を担当してもらって連合軍に快勝。この段階でかなりテストプレイヤーの気持ちをこちらに引っ張れたようです。
「前回のテストは米空母が2隻とも沈んだよ」
という私の言葉が今回のテストプレイヤー(以下、相方)を刺激したのか。あの手この手で米空母撃滅を狙いますが、そう上手く行くものではない。それでも航空攻撃での楽しさは理解して頂けたようでした。
最後にシナリオT5「第1次ソロモン海戦」で相方に日本軍を担当してもらって連合軍に快勝。この段階でかなりテストプレイヤーの気持ちをこちらに引っ張れたようです。
ここまでの所要時間が3時間弱。昼食を挟んで、午後は本命の作戦シナリオに挑戦します。ここで初登場の作戦マップ。A1 1枚のフルマップサイズで、ソロモン諸島、東部ニューギニア、珊瑚海などを納めています。ここまで出てくると本格的な空母戦ゲームっぽい感じ。
最初に練習シナリオのOp1「ラバウル攻撃」をプレイ。私が日本軍を担当し、相方には連合軍を担当してもらいました。このシナリオは日本側の基地航空部隊と連合軍の空母部隊が交戦するという比較的シンプルな内容で、競技用としては些か寂しい内容です。このシナリオで索敵の方法や艦隊運用、作戦レベルでの航空機運用等を理解して頂きました。
まだまだ時間があったので、いよいよ本格的な空母戦シナリオに挑戦します。選択したのはOp2「空母同士の対決」。本格的なヒストリカルシナリオに比べればまだまだ小規模ですが、両軍に空母2隻が登場し、戦艦、重巡、防空軽巡などが加わる本格的な空母機動部隊同士の戦いを再現します。
最初は相方に連合軍を担当して頂き、私は日本軍を担当しました。この時は日本側のダイスが冴えまくり、米空母「エンタープライズ」大破、同「ホーネット」中破。日本側は敵機の攻撃をほぼ完全に防ぎきり、日本軍の一方的な勝利に終わりました。
これでは納得できない相方。今度は立場を入れ替えて下名が連合軍を担当し、相方に日本軍を担当してもらいました。今度は相方が思いきった戦法を採用。空母中心の空母群と高速戦艦中心の水上打撃部隊に分け、空母の前方200~250海里に水上打撃群を展開させ、米軍機の攻撃を吸収する戦法に出てきました。この戦法が見事に奏功。米軍の攻撃が日本水上部隊に指向されて時間を取られている間に(この攻撃で重巡「筑摩」撃沈)、日本空母艦載機の攻撃で空母「エンタープライズ」が重大な損傷を被り、航空機運用能力を失ってしまました。
遅れを取った米軍は艦載機を収容し反撃を決意。日本空母を目指して急速北上し、日本空母を距離約60海里の至近距離に捉えました。ただちに艦戦1個中隊、艦爆3個中隊の計35機が生き残った空母「ホーネット」を発進。日本艦隊を急襲します。CAPの零戦に対してワイルドキャットが善戦し、艦爆隊は零戦の阻止線を突破。日本空母群へ向かう(ちょっと口調が変わって来たぞ)。
「敵機直上、急降下!!」
見張員の絶叫が響く。唸りを上げて急降下してくるドーントレス爆撃機は2個中隊が「翔鶴」、1個中隊が「瑞鶴」を狙ってピタリと照準を合わせていた。その時、2隻の空母の飛行甲板には、米空母攻撃に向かう攻撃隊が魚雷、爆弾を満載して並んでいた。まさに絶体絶命のピンチ。いや、チャンス。・・・・
「敵機直上、急降下!!」
見張員の絶叫が響く。唸りを上げて急降下してくるドーントレス爆撃機は2個中隊が「翔鶴」、1個中隊が「瑞鶴」を狙ってピタリと照準を合わせていた。その時、2隻の空母の飛行甲板には、米空母攻撃に向かう攻撃隊が魚雷、爆弾を満載して並んでいた。まさに絶体絶命のピンチ。いや、チャンス。・・・・
なんたることか、この絶好のチャンス。しかし日本艦隊の対空砲火を恐れたドーントレス艦爆隊は、突入寸前で目標を随伴する護衛艦艇に変更してしまった。攻撃の的になった重巡「熊野」と新鋭の防空駆逐艦「照月」が直撃弾を受けて炎上する。わずかに1個中隊のドーントレスが対空砲火を冒して「翔鶴」に照準。爆弾を投下したが、なんと全弾外れ・・・。このチャンスをモノにできないとは・・・。
その後、両軍は激しい航空戦を展開。日本軍も生き残った空母「ホーネット」に対して執拗な攻撃を仕掛けるも、「ホーネット」は軽微な損害で切り抜けた。一方で日本側攻撃隊は米戦闘機及び対空砲火によって甚大な被害を被り、特に「瑞鶴」はその搭載艦爆、艦攻の全機が一時使用不能になるという危機的な状況。後の記録によれば、日本艦爆、艦攻隊の被弾率は90%に達したとか・・・。その夜の修理で何機かは蘇ったものの、翌朝の日本側使用可能な艦爆、艦攻は、前日の約40%、約36機に過ぎなかったという。
シナリオの結果としては、空母に対する損害では日本側に分があったものの(「エンプラ」大破、「ホーネット」小破)、日本側も重巡「筑摩」を失い、同「熊野」大破、駆逐艦「照月」中破の損害と、艦載機約50機を失うという大損害によってVP的には連合軍の勝利に終わりました。
最後のシナリオについては、敵味方立場を変えて計2回プレイしましたが、所要時間はセットアップ含めて約4時間。プレイ時間は1ゲームあたり平均2時間というスピーディさです。これは嬉しい誤算で、他のシナリオの標準プレイタイムも全体的に当初の75%程度に下方修正することにしました。
今回のテーマの1つに索敵システムの検証があります。「海空戦、南太平洋1942」は、従来のダミー方式やブラインド方式の弱点を克服した画期的な索敵システムが採用されています。逆探知不可能でしかも空母の位置は完全隠匿可能という内容です。とはいえ、例えば某T社の空母戦ゲームのように索敵システムのプレイアビリティが極端に悪いと、ゲームのテンポに悪影響を与え、最終的にはゲームのイメージそのものにも影響を与えてしまいます。
今回のテストでは、その索敵システムが理論倒れになっていないか検証するという重大な目的があったのですが、予想以上に巧くいきました。1回の索敵解決に必要な時間は通常5分以下(数分)。1ターン(実際の4時間に相当)の中で索敵の実施回数は両プレイヤー合わせて2~4回なので(普通は2回で終わる)、1ターンの中で索敵処理に必要な時間は精々10分といったところです。Flat Topをプレイした方なら、これが如何に画期的なことはご理解頂けると思います。
しかも索敵システム自体も非常に理解し易い内容で(決してルールが少ない訳ではない)、今回初体験の相方にとっても簡単な説明で直ぐに理解して頂けました(少し適用ミスもありましたが、それはご愛敬・・・)。
今回のテストでは、その索敵システムが理論倒れになっていないか検証するという重大な目的があったのですが、予想以上に巧くいきました。1回の索敵解決に必要な時間は通常5分以下(数分)。1ターン(実際の4時間に相当)の中で索敵の実施回数は両プレイヤー合わせて2~4回なので(普通は2回で終わる)、1ターンの中で索敵処理に必要な時間は精々10分といったところです。Flat Topをプレイした方なら、これが如何に画期的なことはご理解頂けると思います。
しかも索敵システム自体も非常に理解し易い内容で(決してルールが少ない訳ではない)、今回初体験の相方にとっても簡単な説明で直ぐに理解して頂けました(少し適用ミスもありましたが、それはご愛敬・・・)。
もう1点、本作がゲームとして面白いかという点についてです。これについては以前に少し危惧を表明しましたが、これは杞憂に終わりました。今回の対戦はメチャメチャ面白かったです。システム自体がランダム性の高いシークエンスなので、主導権判定のダイスに思わず力がこもる。先手を取って敵に先んじた時の快感、乾坤一擲の攻撃を外したときの虚脱感、さらに敵空母だと思って勇んで仕掛けたら巡洋艦の落ち武者だったとか・・・。
「空母戦ってこんなに面白かったんだ」
と改めて感じました。相方も面白いと喜んでくれて、「システムはシンプルだけど、所々に空母戦に対する拘りを感じる」と最大級の賛辞を頂きました。
次回はいよいよヒストリカルシナリオ。その前にルールブックや未完成シナリオを完成させなければ。あと、
「潜水艦がほしい」
という声が結構あったので、選択ルールの形で潜水艦の導入を検討してみます。
「潜水艦がほしい」
という声が結構あったので、選択ルールの形で潜水艦の導入を検討してみます。