自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、6本目の作戦シナリオである南太平洋海戦に挑戦する。
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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
入手方法は-->こちらを参照して下さい。
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南太平洋海戦シナリオの概要は-->こちらを参照されたい
前回までの展開-->こちら
10月27日
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決戦3日目である。敵空母2隻を撃沈破した日本空母部隊は、傷ついた空母「エンタープライズ」に止めを指すべく南下する。対する米軍は「エンタープライズ」の生還が最大の目標となる。例によって夜間偵察を担当するPBYカタリナが発進していく。彼らはサンタクルズ諸島とソロモン諸島の間を南下する大規模な日本艦隊を発見した。その位置は米艦隊から4~6ヘクス(120~180海里)の距離になる。日本軍はまだ追撃を諦めていないようだった。
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決戦3日目の夜が明けた。日本軍の索敵機が日本艦隊の南方3~5ヘクス(90~150海里)を南下する米艦隊を発見する。空母の発見報告もあったが、情報が錯綜しており、どの情報が本物なのかははっきりしない。とにかく攻撃隊を発進させた。零戦36、艦爆18、艦攻15の計69機だ。これが文字通り日本空母艦隊に残された最後の攻撃兵力である。彼らは日本空母の150海里南方に目指す「エンタープライズ」を発見した。昨日来度重なる戦闘で疲れ切ってはいたが、なおも健気に波間を蹴る光景は感動すら覚えさせるものであった。艦隊上空で散開する日本軍の攻撃隊に対し、エスピリッツサント基地を発進した米海兵隊のF4Fワイルドキャット、米陸軍航空軍のP-39エアラコブラ計24機が迎え撃つ。彼らは低空から近づく雷撃隊を見落としたため、全力で高高度を飛ぶ艦爆隊に向かっていった。しかしP-38とは違って性能に劣るF4FとP-39は零戦の防衛ラインを突破できず、艦爆、艦攻隊は1機も失うことなく「エンタープライズ」上空に到達した。
これまで何度となく繰り返された光景はまたもや繰り返された。激しい対空射撃。火を噴く日本機。炸裂する爆弾、魚雷・・・。
再び大量の日本機が撃墜された。艦爆3機、艦攻5機の計8機が対空砲火の犠牲となったのである。しかし生き残った日本機は必殺の一撃を「エンタープライズ」に放った。250kg爆弾2発、魚雷1本が命中した。損傷した「エンタープライズ」にとって、この損害は止めを刺すのに十分な損害であった。
「エンタープライズ」沈没。南太平洋に残っていた最後の米空母は、エスピリッツサント沖の海上に姿を消した。
再び大量の日本機が撃墜された。艦爆3機、艦攻5機の計8機が対空砲火の犠牲となったのである。しかし生き残った日本機は必殺の一撃を「エンタープライズ」に放った。250kg爆弾2発、魚雷1本が命中した。損傷した「エンタープライズ」にとって、この損害は止めを刺すのに十分な損害であった。
「エンタープライズ」沈没。南太平洋に残っていた最後の米空母は、エスピリッツサント沖の海上に姿を消した。
この後、日本艦隊は北方に向けて撤退を開始。B-17等の長距離爆撃機がこれを追ったが、及ばなかった。
日本軍:131VP
連合軍: 62VP
連合軍: 62VP
しかし海戦終了段階で3隻の日本空母に残された攻撃兵力は艦爆18、艦攻9に過ぎなかった。損耗率で言えば、零戦隊の18%、艦爆隊の50%、艦攻隊の67%が失われた。後に「南太平洋海戦」と呼ばれるこの戦いは、日本海軍航空隊にとって最後の勝利であると同時に、日本空母部隊にとっての「終わりの始まり」となった。
感想
今回はシナリオの確認と選択ルールの確認の両面での確認となったが、概ね期待通りの結果であった。選択ルールについては潜水艦と天候ルールが今回の目玉だったが、特に天候ルールは面白かった。天候ルールの影響が変に大きいと興醒めだが、今回の天候ルールはちょうど良い具合にアクセントになったと思う。
潜水艦についてはこんなものかな。今回は潜水艦が意外な戦果を挙げたが、対人戦では相手の裏をかくような機動をお互いに実施すると思われるので、潜水艦の活躍できる余地は乏しいだろう。
プレイしていて少し気になったのだが、遠隔CAPが「必勝方法」(又はそれに近い非現実的なプラン)になるのではないかと少し心配になった。例えばヘンダーソン基地又はエスピリッツサント基地のいずれかに大量の陸上戦闘機を配備する。そして米空母はこれらの基地から9ヘクス以内に配置する。基地の戦闘機は全て空母艦隊への遠隔CAP提供に使用されると、最大8ユニットの戦闘機が空母艦隊に遠隔CAPを提供できる。8ユニットの陸上戦闘機と空母搭載の戦闘機が組み合わせて空母艦隊上空にCAPを提供すると、米空母の防空組織は完璧に近いものとなり、日本軍としてはこれを突破するのが非常に困難になる。
これを避けるために、新たに以下の修正を行うことにした。
(1) 遠隔CAPの展開可能な距離は、従来の移動力の半分以下ではなく、移動力の1/3以下とする。これにより空母に遠隔CAPを提供できる範囲が著しく制約を受ける。
(2) 1つの航空基地が展開可能な遠隔CAPは最大1個編隊のみとする(これで非現実的な数の陸上戦闘機を友軍空母のために投入する愚から解放される)。
これを避けるために、新たに以下の修正を行うことにした。
(1) 遠隔CAPの展開可能な距離は、従来の移動力の半分以下ではなく、移動力の1/3以下とする。これにより空母に遠隔CAPを提供できる範囲が著しく制約を受ける。
(2) 1つの航空基地が展開可能な遠隔CAPは最大1個編隊のみとする(これで非現実的な数の陸上戦闘機を友軍空母のために投入する愚から解放される)。
それに関連し、日本艦隊による飛行場砲撃を認めることにする(元々は外南洋部隊の軽巡・駆逐艦のみが飛行場砲撃可能であった)。これによってヘンダーソン基地への過剰な航空兵力集中を抑制し、ヘンダーソン周辺への「引き籠り」を抑制できる。
もう1点。多数のTFを編成し、バラバラに行動させることで敵側の索敵情報を混乱させようとする作戦が考えられる。この戦法がそのまま必勝法になることはないが、必勝法とまでは行かなくても、敵を攪乱する有効な戦法になることが考えられる。本作では、編成できるTFの数は最大8個に制限されているが、それでも8個のTFを編成し、バラバラに行動させることで敵を攪乱できる可能性がある。この戦術について、その有効性を完全に否定する必要は無いが、例えば某「日本機動部隊」のように「駆逐艦2隻からなる囮艦隊」のような運用は認めたくないモノだな。
この対策としては、索敵の精度を今よりも少し高くして、欺瞞しにくくしたい。具体的には現在の索敵カードのうち、精度0のカードを何枚か精度3に格上げする。それによって小規模艦隊による欺瞞戦術は(少しだけ)使いにくくなるはずだ。
この対策としては、索敵の精度を今よりも少し高くして、欺瞞しにくくしたい。具体的には現在の索敵カードのうち、精度0のカードを何枚か精度3に格上げする。それによって小規模艦隊による欺瞞戦術は(少しだけ)使いにくくなるはずだ。
あと夜間偵察ルールも少し強力過ぎるように思う。夜間偵察能力を使えば、PBYカタリナ哨戒機が極端な話、「24時間連続オンステーション」も可能になってしまう。それを防ぐために、直前のTurnに帰投してきた索敵機を即座に索敵機として発進することを禁止すると供に、夜間航空作戦を実施した航空機はその日は再発進できないようにする。
次は第3次ソロモン海戦。これは戦艦同士の戦いということで、本作にとってはやや異色のシナリオとなるはずだ。
空母瑞鶴戦史:ソロモン攻防戦
空母瑞鶴戦史:南太平洋海戦
日本空母戦史
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空母エンタープライズ上巻
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