応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱
呉座勇一 中公新書
中世史にはあまり興味が無いのだが、ベストセラーということで読んでみた。「超絶面白い」という程でもないが、応仁の乱についてその発生から進展、そして終焉とその後の影響についてコンパクトにまとめている。本書を読んでいて面白かったのは、戦後の歴史学を支配した「マルクス主義的歴史観」(要するに歴史とは弱い立場の民衆が権力者を倒すことによって発展してきた)に対して真っ向から意義を唱えている点である。その点、「マルクス主義的歴史観」で歴史を学んできた私のような世代の人間にとっては、十分に興味深い内容であった。筆者は若手(1980年生)の歴史研究家で中世史を専門にしているらしい。本書が面白かったので他の作品にも目を向けてみようと思っている。
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