自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、7本目の作戦シナリオである第3次ソロモン海戦に挑戦する。実際にプレイを開始する前に、こちらで提唱した「ブレスト的バグ検出法」に従って机上でバグを探してみようと思う。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
入手方法は-->
こちらを参照して下さい。
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なお、第3次ソロモン海戦シナリオの概要は-->こちらを参照されたい

前回まで --> こちら

ブレスト的に考えよう(承前)

例によって「ブレスト的バグ検出法」でバグを探してみよう。

日本軍輸送船団の話を続ける。
イメージ 1次に脅威として考えられるのは、空母「エンタープライズ」の艦載機である。こちらは性質的にはヘンダーソン基地と同じだが、攻撃兵力がやや少ないことと。さらには「エンタープライズ」自体が南太平洋海戦による損傷修理が完了していないことによる整備力低下によって脅威度自体は前者よりも小さい。しかし当然ながら無視できるような性質のものでもない。
こちらに対しては、日本側も空母で対抗する方法がある。「隼鷹」が作戦可能なので攻撃を担うことになる。米空母部隊の恐るべき防空火力を考慮すると「隼鷹」1艦では些か心許ないのだが、攻撃姿勢を示すことで航空機の運用を抑制できる効果はある。また「隼鷹」を一種の「囮」として、「エンタープライズ」の目を引き付けることも期待できる(「隼鷹」が撃沈破されれば、VPラインが上がってしまうので善し悪しだが・・・)。場合によっては基地航空隊による対空母攻撃も期待できる。
いずれにしても空母の場合は基地とは違って修理が効かないので、チャンスと見れば積極的に潰していきたい。

イメージ 2最後に潜水艦である。こちらは駆逐艦による護衛をしっかりとつけていればそれほど脅威ではない。潜水艦の苦手な浅深度海域であることや米魚雷の低性能を考慮すると、攻撃成功率は精々14%、対潜CAPをつけていれば8%になる。逆に攻撃してきた潜水艦を仕留める可能性が24~36%もあるので、日本軍にとっては美味しいVP源になる可能性もある。

イメージ 4このように考えてみると、日本輸送船によるガダルカナル上陸の成否は結構「良い感じ」のバランスに仕上がっていると思われる。日本側から見たら様々な脅威が存在しているが、米側から見ればどの攻撃手段も決定打にはなっていない。ヘンダーソン基地が戦闘の焦点になることは間違いないが、日本側がそれを潰す決定的な手段を今回のデバッグで潰したので(多分)、結構良いバランスになったのではないかと思われる。(幾分日本軍が不利かな、とも思えるが・・・・)

そういえばPBY飛行艇による夜間攻撃についても少し触れておこう。このシナリオでは米PBY飛行艇による夜間攻撃が認められており、計3個中隊のPBY飛行艇が夜間攻撃を実施できる。しかし命中率は30%に過ぎず、しかも撃沈が確実な訳ではない。しかも攻撃を実施したPBY飛行艇は、翌日に索敵兵力として使い物にならなくなる(疲れて寝ているため)。従ってPBY飛行艇による夜間攻撃が大きな脅威になることは、まずないと見て間違いない。

イメージ 3余談だが、PBYやTBFアヴェンジャーによって輸送船団を攻撃する際には、魚雷よりも爆弾による低空爆撃の方が有効である。輸送船や駆逐艦のような目標は装甲値がないので小型爆弾が弾き返されることはないし、攻撃力自体は魚雷よりも爆弾の方が大きいので(米製魚雷は低性能)命中率が高いからだ。

以上、第3次ソロモン海戦シナリオについて「ブレスト的バグ検出法」でデバッグしてみた。次回からは実際にこのシナリオをプレイしてみて、問題点を探っていきたい。


イメージ 5



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