自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、7本目の作戦シナリオである第3次ソロモン海戦に挑戦する。なお、第3次ソロモン海戦シナリオの概要は-->こちらを参照されたい。ちなみに上記のページは「デバッグ済み」である。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
入手方法は-->こちらを参照して下さい。
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前回は-->こちら

11月12日10:00

イメージ 7日本軍による攻撃はなおも続く。ラバウルを発進した戦爆連合54機の編隊が、ルンガ水道に姿を現した。爆弾装備の陸攻27機とそれ護衛する零戦27機だ。F4Fワイルドキャット24機が迎え撃つが、ワイルドキャット隊は零戦に全く敵わず、6機が撃墜されてしまう。残りは陸攻隊に一指も触れずに避退する。無傷の陸攻隊は堂々たる編隊を組んで米艦隊上空に迫る。激しい対空砲火がそれを迎え撃つ。2隻の防空軽巡を含む重巡3、軽巡3、駆逐艦14、輸送艦7からなる大艦隊の対空砲火は凄まじいものであった。陸攻隊は次々と撃墜され、攻撃に参加した27機中実に22機もの未帰還機を出してしまう。目も眩むような大損害だ。しかも悲しい事に戦果は「ゼロ」。投下した爆弾は悉く目標とする輸送船から逸れていく。あぁ^。雷撃を行っていれば、同じ全滅するにしても「戦果なし」ということはなかったものを・・・。
「たとえ全滅しても、次は雷撃をさせて下さい」
生還した陸攻隊の搭乗員達が涙ながらに訴えたのも、言わずもがな、であった。

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イメージ 8それでも日本軍もなおも諦めない。空母「隼鷹」を発進した零戦9、艦爆9、艦攻9の計27機からなる第2次攻撃隊である。攻撃隊はルンガ泊地上空でF4Fの迎撃を受けて九七艦攻が瞬く間に撃墜されている。一方の艦爆隊は敵戦闘機による妨害こそ受けなかったものの、またもや激しい対空砲火の洗礼を浴びることとなる。艦爆3機が撃墜された。残った6機の艦爆が防空軽巡「アトランタ」を狙って決死の爆撃を敢行したものの、至近弾を与えるのが精一杯。直撃弾を与えることはできず、「アトランタ」は無傷で残った。

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イメージ 9こうして日本軍による航空総攻撃は終わった。日本軍は延べ戦闘機81機、艦爆45機、艦攻9機、陸攻54機の計189機を投入したが、艦船に対する戦果は重巡「ペンサコラ」小破のみ。真珠湾攻撃時の第1波攻撃隊に匹敵する規模の攻撃隊を発進させながらも、戦果は真珠湾の時とは比較にならないほど低調であった。開戦からわずか1年足らずの間に、日米の力関係はかくも劇的な程に変化していたのである。
一方損害は艦爆15機、艦攻6機、陸攻31機の計52機に達した。未帰還機は、出撃機の28%、戦闘機を除いた出撃機に対しては48%の未帰還率にも及んだ。唯一の慰めは零戦がワイルドキャット相手に一方的な勝利を収めたこと。零戦の損害は皆無で、11機のワイルドキャットを撃墜したのである。しかし攻撃隊の惨憺たる結果に比べれば、零戦隊の勝利は所詮はささやかな勝利に過ぎないものであった。

日本側のダイスが悪すぎたのが今回の敗因だが、ここまでは行かなくても日本軍にとって米艦隊攻撃がかなりリスキーであることは変わらない。今回に関して言えば防空軽巡2隻という(輸送船団にしては)贅沢な対空火力が日本軍苦戦の大きな要因であったが、それならば艦船攻撃を避けて地上基地を狙う手もあったかもしれない。あるいは対空砲火に対して比較的(あくまでも"比較的"にだ)抵抗力のある艦爆隊に対艦船攻撃を任せる手もあっただろう。基地を爆撃で叩いておけば、次に述べるような悲劇は避けられた可能性が高い。

イメージ 10米軍の索敵機はサンタイザベル島北方から接近する日本艦隊の姿を捉えていた。距離6~7ヘクス(180~210海里)である。米軍は近い方の目標に対してF4F 1個中隊、SBD艦爆3個中隊からなる攻撃隊を発進させた。攻撃隊はサンタイザベル島北方30海里の地点で日本艦隊発見。重巡「鳥海」を旗艦とし、重巡4隻、軽巡2隻、駆逐艦6隻からなる有力な艦艇部隊だ。ブカ基地から発進した27機の零戦が上空を警戒している。零戦による迎撃でSBD艦爆6機が撃墜され、3機が被弾して後退した。残りのSBD艦爆18機が重巡「鳥海」目指して急降下爆撃を敢行する。1000ポンド爆弾2発が「鳥海」に命中した。「鳥海」は沈没こそ免れたものの、中破により最大速度が22ktまで低下してしまう。

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このTurn終了時点で米軍の輸送船は上陸を完了した。連合軍は35VPを獲得し、これまでの獲得と合わせて53VPに達した。日本軍はわずか7VPであり、その差は45に達した。

11月12日14:00

イメージ 11日本軍は艦隊に対する損害を避けるため、ヘンダーソン飛行場に対する攻撃隊を発進させた。ブイン基地から発進した零戦9機、艦爆18機が編隊を組んで南に向かった。彼らの多くがこの日2度目の出撃となっていた。
ヘンダーソン基地上空ではワイルドキャット戦闘機16機による迎撃を受けた。これまでは零戦相手に圧倒されっぱなしであったワイルドキャットであったが、ここでは違っていた。数的優勢を得たワイルドキャット隊は零戦隊を軽く撃破し、そのまま艦爆隊になだれ込んだ。艦爆9機が撃墜され、5機が被弾して後退する。残った4機の艦爆は果敢に急降下爆撃を敢行するも、その攻撃は見事にハズレとなった。

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イメージ 12ヘンダーソン基地を発進した米海兵隊機は、F4Fワイルドキャット8機とSBDドーントレス18機からなっていた。彼らはサンタイザベル島北方海域を航行中の日本艦隊に向かっていく。日本艦隊上空に達したとき、彼らは「隼鷹」を発進した零戦18機の迎撃を受けた。ここでもワイルドキャットは奮戦し、零戦と互角の戦いを演じた上、味方艦爆隊を零戦の攻撃から完全に守り切った。18機のドーントレスは重巡「鈴谷」目がけて急降下していく。激しい対空砲火がこれを迎え撃つ。艦爆の半数は対空砲火によって撃退され、残り9機が「鈴谷」に向けて投弾した。またもや重巡が撃破されてしまうのか・・・。
しかしここは日本軍が幸運であった。「鈴谷」を狙って投下された爆弾は悉くハズレ。「鈴谷」は至近弾の水柱に揺さぶられながらも、何とか重大な被害を免れることができた。

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11月12日18:00

イメージ 13夕暮が戦場を覆いつつあった。ヘンダーソン飛行場上空にはラバウルから発進した陸攻18機、零戦27機の計45機が姿を現した。陸攻は旧式の九六陸攻だ。新型の一式陸攻は午前中の対艦攻撃で大消耗を被っており、残っているのは旧式の九六陸攻だけだったのだ。上空警戒に当たっていたのは海兵隊のワイルドキャット16機であったが、基地で待機していたワイルドキャット8機と新鋭のP-38ライトニング8機が応援に加わる。零戦27機と米戦闘機32機の激しい空中戦。その間隙を抜けたP-38 1個中隊が陸攻隊に襲いかかる。瞬く間に5機の陸攻がライトニングの高速攻撃によって撃墜された。さらに対空砲火を浴びて4機の陸攻が失われる。一方陸攻隊の爆撃によって地上で数機の海兵隊機が炎上。日本機の攻撃は、わずかながらヘンダーソン基地に損害を与えた。

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イメージ 14味方水上部隊を援護するためにヘンダーソン飛行場の空襲圏内に踏み込んだ空母「隼鷹」は、米海兵隊機の反撃を受けることとなる。ヘンダーソン基地を発進したSBD艦爆5機、TBF艦攻9機の計14機からなる小規模な攻撃隊は、ガダルカナル島北方150海里に空母を含む日本艦隊を発見した。空母「隼鷹」を中心に、空母1、戦艦2、重巡1、駆逐艦4からなる空母機動部隊。この戦いに日本軍が投入した唯一の空母部隊だ。上空警戒中の零戦は計27機。そのうち9機が敵艦爆の接近を察知して迎撃に向かう。しかし零戦はSBD艦爆の反撃によって逆に2機を失い、米攻撃隊は零戦の防衛ラインを突破して艦隊上空に迫った。激しい対空砲火が海兵隊機を迎え撃つ。上空から急降下で突入してきたSBD艦爆は対空砲火によって3機を失い、残りも被弾して戦場を去った。しかし低空を突入してきたTBF艦攻は、対空砲火をかいくぐって低空から次々と爆弾を投下した。各機が4発ずつの500ポンド爆弾を搭載していたTBF艦攻は計36発の500ポンド爆弾を投下した。そのうち2~3発が「隼鷹」を直撃した。「隼鷹」の飛行甲板は一部が破壊され、航空機運用能力の大半が失われることとなってしまう。


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