自作の空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。自分で作ったゲームだが、個人的にも気にいっている作品である。今回、本作のメインシナリオである「Op.6 南太平洋海戦」を対戦プレイすることになった。私は日本軍を担当する。今回、日本軍を担当するにあたり、「米空母撃沈」を第1目標に置いてみようと思う。
なお、選択ルールは「64.0 生存者」を除いて全部採用した。
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10月25日1000(つづき)
各艦隊は前回記載した決心に従って機動を実施する。索敵機は大艇18機と長距離水上偵察機18機が依然として在空しており、強力な索敵網を構築している。各空母から上空警戒の零戦が発進し(4隻の空母から計54機)、さらに第1次攻撃隊が発進準備を整えている。「敵空母ミユ」の報を受けてすぐに飛び立てる体勢だ。ジリジリとした時間が流れていく。「敵空母ミユ」

各空母からは当初の予定に従って攻撃隊が発進していく。ここまでは予定通りだ。しかし問題はこれからだ。



激しい対空砲火が攻撃隊を包む。攻撃目標となったのは空母「ホーネット」を中心とする機動部隊で、軽巡1隻、防空軽巡2隻、駆逐艦数隻が援護していた。対空砲火によって艦爆9機、艦攻3機が失われたが、被弾機も含めて「ホーネット」に攻撃を敢行し、爆弾4、魚雷2を命中させた。「ホーネット」は火災を起こして洋上に停止する。

余談だが、この時の空中戦でCAPに当たっていたF4Fワイルドキャット4ユニット(32機)は全機アボートという結果になった。これにより米機動部隊上空は裸となり、続く攻撃隊の攻撃を助ける結果となった。この空戦結果は米軍にとって相当ショックだったらしく、続く戦いでCAP機の割り当てに苦慮することになった。
第2波攻撃隊は「隼鷹」を発進した零戦9、艦爆18からなる攻撃隊だ。攻撃指揮官は「隼鷹」零戦隊長志賀淑雄大尉(ということにしておこう)。「隼鷹」隊は目標地点に到達したが、遂に敵空母の姿を見ずに空しく帰路についた。

残った艦攻の半数は防空軽巡「サンファン」を攻撃した。魚雷2~3本が「サンファン」に命中。「サンファン」もまた海の藻屑となった。

米軍の反撃は高速戦艦2隻を中核とする前進部隊に向けられた。SBDドーントレス27機からなる攻撃隊2個が襲いかかる。攻撃目標となったのは高速戦艦「比叡」である。1000ポンド爆弾数発が「比叡」に命中して「比叡」は中破。最大速度が20ktまで低下してしまう。(3Hit)

ヘンダーソン飛行場を発進したB-17重爆撃機36機がブイン飛行場に来襲し、在地の数機を炎上させていた。
さらにニュージーランド空軍(RNZAF)のハドソン双発爆撃機27機がショートランド基地攻撃に飛来したが、こちらは上空警戒中の零戦9機の迎撃を受け、6機を失って後退した。

日本軍も負けてはいない。ラバウルを発進した一式陸攻36機が零戦18機の援護を受けてヘンダーソン飛行場を襲った。零戦隊はCAP機のワイルドキャット戦闘機を一蹴。中攻隊は対空砲火で9機を失ったが(い、痛い・・・)、地上で数機の敵機を撃破した。
ここでルールミス申告。ラバウルから6ユニット発進させたら、移動力-2になるので零戦がヘンダーソンに届きません。すいません。
10月25日1400
攻撃隊を収容した機動部隊本隊と前衛は一旦東北東に退いた。予想される敵空母の反撃を避けるためだ。しかし後から振り返ると少し消極的過ぎたかもしれない。午前中の攻撃で失われた艦爆、艦攻は被弾機も含めると約40%。逆に言えば攻撃力の60%程度はまだ使える状態で残っている。今こそ生き残ったもう1隻の敵空母「エンタープライズ」を叩くチャンスだった。このような退嬰的な作戦指導。以前に空母戦を戦った際にはこれが致命傷となってしまったが、今回はその二の舞は演じたくない。このように瞬間瞬間の判断が勝敗に微妙な影響を与え、それが後になってわかってくる。このあたりの機微が空母戦ゲームの面白さであり、魅力と言えよう。何はともあれ、我が機動部隊は敵との距離を離隔する。敵空母も先ほどの戦意はどこへやら。いったん後退して再編成を図っているらしい。両者の距離は今や13Hex(390海里)まで開いた。
その時味方索敵機から驚きの報告が入った。
「ガダルカナル西方60海里に戦艦2隻を含む有力な水上部隊あり」


10月25日1800

含みを持たせたまま戦艦「金剛」を中心とする砲撃任務部隊(TF1)は、ヘンダーソン基地から北方7Hex(210海里)の地点にいた。そこにヘンダーソン基地を発進したと思われるSBDドーントレス36機が襲いかかる。対空砲火によって6機の艦爆を撃墜したが、敵機の攻撃は戦艦「金剛」に集中し、「金剛」は5発以上の1000ポンド爆弾の直撃を受けてかなり大きな損害を被った。(4Hit)
10月25日2200
夜の間に機動部隊は南下し、翌日の決戦に備える。また先に爆撃を被った砲撃任務部隊(TF1)は、大破した「金剛」に随伴艦をつけて分離。残りも北東へ向けて後退し、ヘンダーソン基地の空襲圏から離脱を図った。この行動は、当初予定していたヘンダーソン飛行場への砲撃を中止するという決心の現れであった。米水上部隊がヘンダーソン飛行場近海に進出してきたことは、ある意味好機とも言える。水上兵力は圧倒的に日本軍が有利なのだから、ガダルカナル沖に米新鋭戦艦を捕捉し、これを海底に送り込むことも十分に可能だった。外南洋部隊に所属する3隻の軽巡と15隻の駆逐艦は、夜戦で米戦艦部隊の防御スクリーンを容易に突破し、米戦艦に致命傷を与えることは十分可能と思われる。そして生き残った米水上部隊を「金剛」「榛名」以下の砲戦部隊で殲滅することもまた容易だった。
しかし仮に水上戦に勝利しても問題はその後だ。ヘンダーソン飛行場への艦砲射撃は当然中止になる(敵艦隊と戦いながら艦砲射撃はできないから)ので、夜明けと共に飛行場から多数の米軍機が飛来し、日本艦隊を襲うだろう。この空襲で被る被害はひょっとしたら水上戦での勝利を帳消しにするほど大きなものになる可能性は十分にある。そのように考えてリスクの大きい艦砲射撃は中止することにしたのだ。
同じ頃、機動部隊の前衛部隊は米潜水艦「トラウト」による攻撃を受けていた。戦艦「霧島」を狙った魚雷は辛くも外れ。護衛駆逐艦による反撃も功を奏さず、夜の対決は双方戦果なしに終わった。







