「OCS-Sicily2」ソロプレイ第3弾は、シナリオ3「Primosole Bridge」。英第8軍によるシシリー島東部の突破作戦だ。シラクサから北上する英第8軍がアウグスタAugusta(56.13)とカターニアCatania(52.18)占領を目指す。途中にレンティーニ川やシメト川等の河川があり、シメト川にかかるPrimosole Bridgeが両軍にとっての激戦地となった、とシナリオには書かれている。
勝利条件は、英軍は最初のTurnにアウグスタを占領し、第2Turnにカターニアを占領しなけれならない。

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1943年7月14日

イメージ 7このTurn、英軍の攻撃目標は。アウグスタとレンティーニLentini(52.16)だ。前者は勝利条件都市、後者は北方へ向けた進撃路のスプリングボードとなる。これまでのシナリオでは両軍ともオーバーランを多用したが、今回は些か状況が異なる。進撃路上にはドイツ降下猟兵が陣取り、そのAR値は5とゲーム中最高。これまでは弱小部隊が前線を守っていたのでオーバーランで踏み潰せたが、相手のAR値が我と同等又はそれ以上の場合、オーバーランはリスクが大きい。下手をすると逆奇襲を食らって突撃部隊が大損害を被る可能性もある。そこで今回はオーバーランを行わず、通常攻撃で両拠点を攻撃することにした。
アウグスタに向かったのは第5歩兵師団(24-3-3)と第1空挺師団の1個大隊(3-5-3)だ。航空機による攻撃で半数を失った独軍守備隊を容赦なく攻撃する英軍。アウグスタは1回の戦闘で陥落した。
またLentiniに向かったのは第50歩兵師団(22-4-3)と第23機甲師団その他である。Lentiniを守るのは第1降下猟兵師団の1個戦闘団(4-5-3)を主力とする3個連隊である。事前砲爆撃は英艦隊の駆逐艦が担当し、辛くも射圧に成功した。7-1の攻撃は英軍に損害を強要しつつも何とか成功し、レンティーニを占領した。しかしその過程で英軍も最精鋭の2個連隊掃相当を失い、前途多難を予想させる。

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イメージ 8なお、このシナリオでは初めて本格的な航空兵力が登場する。そこで航空機を使って対基地爆撃なるものを実施してみた。セットアップ時にはドイツ空軍が非活性化状態なので戦闘機の迎撃は気にしなくても良い(あっているのかな?)。そこでチュニジアを発進したウェリントン爆撃機3ユニットとP-38 1ユニットでシシリー島東部のドイツ軍航空基地を爆撃する。対空砲火でウェリントン爆撃機を1ステップ失ったが、爆撃は成功し、飛行場は1レベル低下、さらに地上にあったBf-109F 1ユニットがステップロスした。

ドイツ軍は積極的な反撃を実施せず、勝利条件都市であるCataniaを守るために縦深に部隊を配備する。また航空兵力はスタンバイ状態にした。貴重な1SPが勿体ない・・・。その分を補充すべくイタリア本土からJu52輸送機が貴重な補給ポイント3T!!をカターニアに送り込んだ。

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1943年7月17日

イメージ 10枢軸軍は二重の防衛ラインを敷いてきた。しかもAR値が4とか5とかいった強力な部隊が守りを固めている。これならオーバーランで蹂躙していくことは考えがたい。防衛ラインを1つずつ潰していくしかない。攻撃の中核になる歩兵師団は2個しかないので1つを通常戦闘に投入し、もう1つを突破戦闘に投入する。それでも第1波攻撃はかなりリスクが高い。シナリオのタイトルにもなっているPrimosole Bridgeの渡河作戦だ。まともに戦闘すれば河川越え攻撃なので戦闘比は精々1-1。しかもARも互角以下である。唯一の希望は砲爆撃でDG状態にした後に戦闘を仕掛けること。これなら戦闘比3-1まで持って行ける。ARでも優位に立てる。しかしこちらがDGになってしまえば元も子もない。しかも枢軸軍側の機動予備が投入されたら黙阿弥である。まず枢軸軍の砲兵と機動予備を黙らせる必要がある。

イメージ 9戦車1個旅団(3-3-12)がDittaino川とSineto川を渡ってGerbini北方(49.18)のイタリア軍砲兵部隊30-3-2をオーバーランしかける。しかし防御力(1)にすぎない砲兵部隊は意外なほど強靱で、移動隊形のまま突っ込んだ戦車旅団は逆奇襲を食らって脆くも壊滅してしまう。なお、その途上で49.16の枢軸軍飛行場を蹂躙し、在地の航空部隊を蹴散らしたが、これはミニシナリオのみの「練習」的なイベントである。実際の対戦では貴重な航空兵力を守備隊も置かないで放置することはあり得ない。

戦車による蹂躙に失敗したので、次の作戦として戦車大隊を的の後方に突入させて観測班として布陣させることにした。この観測班を目標として航空攻撃を仕掛ける。飛行場攻撃のために2個編隊、砲兵部隊と敵地上部隊攻撃のために3個編隊が発進した。その内訳はP-38 2ユニット、スピットファイア2ユニット、ハリケーン1ユニット、ボストン1ユニット、キティホーク2ユニット、ウェリントン3ユニット、計9ユニットである。それでも迎撃用のスピットファイア2ユニットと近接攻撃用の空母艦載機は温存している。駆逐艦1ユニットは沿岸砲撃を行う。
しかし結果は連合軍にとって失望を誘うモノとなった。敵航空兵力の制圧こそある程度目的を達成したものの、地上部隊に対する爆撃は悉く失敗し、砲兵部隊も機動予備部隊も制圧できなかった。駆逐艦の艦砲射撃でPrimosole Bridgeを守る枢軸軍をDG状態にしたのが唯一の戦果であった。

イメージ 1予想通りリアクションフェイズには枢軸軍の砲弾が降り注ぎ、Primosole Bridge前面で突撃準備中の英軍部隊は見事にDG状態になってしまう。さらにイタリア軍最強の第2空輸大隊(3-5-6)(イタ公のくせにAR値が"5"だとおぉ・・・、腐った連邦軍にしたはよくやる)

戦闘フェイズに英軍は砲兵部隊による砲撃をPrimosole Bridge守備隊に対して実施。先のイタリア空輸部隊をDG状態にした上でPrimosole Bridgeを巡る戦闘はDG状態同士の戦いになる。戦闘比は河川の防御効果で1-1。地形はOpen。AR差はなしである。最初の奇襲チェックで連合軍は"4"の目を出してしまって万事休す。逆奇襲。コラムシフトは4。戦闘比は最低比の1-5までダウンする。それでも「6ゾロが出れば良い」とばかりダイスを振ったが、なんとホントに6ゾロが出た。しかし戦闘結果は"AL1o1/Do1"。連合軍は2ステップを失い、枢軸軍は1ステップ失ってそこで力尽きた。

突破フェイズを待たずして連合軍の勝利は絶望的になったので、枢軸軍の勝利が確定した。

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感想

防御側のAR値がそこそこ高いと途端に突破が難しくなる。元々OCSは戦闘結果表が防御側有利な上(平地でも3-1でほぼ互角)、奇襲発生確率は防御側の方が高い。攻撃側のAR値が圧倒的に高く、砲兵支援なども揃っているとまさに電撃戦を地で行く展開になるが、防御側がしっかり守っている所はなかなか抜けない。そのことを実感した。
このシナリオで初めて航空戦力が本格的に登場するので、航空戦力の使い方を習熟するという意味でも良いシナリオと思える。

ちなみに後から考えると今回連合軍の戦い方は基本的な所で間違えていた。シナリオタイトルになっているPrimosole Bridgeに英空挺部隊を下ろして確保するのが定石だった。そこを外せば、まあ連合軍が惨敗したのは当然と言えよう。

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