「田原坂」は、ウォーゲームハンドブック2017の付録ゲームである。西南戦争最大の激戦となった田原坂周辺の戦いを1Hex=約1km、1Turm=約3日のスケールで描いたシミュレーションゲームだ。基本システムは、ドイツ戦車軍団シリーズと同じで、戦闘比、メイアタック、ZoC2ZoC禁止である。また本作では連絡線ルール、陣地ルール(薩軍のみ)、抜刀隊ルール(政府軍のみ)といった特別ルールがあり、田原坂らしさを表現している。
A3サイズマップには西は高瀬周辺、東は植木周辺が描かれ、マップほぼ中央に田原坂がある。勝利条件は政府軍が田原坂の向こう側まで連絡線を通すことで政府軍は勝利し、それを阻止すれば薩軍が勝利する。
Wild Blue Yonderの対戦が終わり、時間が余ったので、本作をプレイしてみた。下名は政府軍を担当する。
序盤、薩軍が優勢な兵力を生かして高瀬に迫るが、政府軍の増援が到着すると高瀬への進撃を阻まれる。その後、両軍一進一退の戦闘が続くが、兵力に劣る薩軍は徐々に政府軍に押され始める。
第7~8Turnぐらいだったか、吉次峠の西方で薩軍3ユニットが連絡線を立たれて孤立。政府軍の包囲攻撃を受けて壊滅すると、兵力バランスは一気に政府軍に傾く。
第7~8Turnぐらいだったか、吉次峠の西方で薩軍3ユニットが連絡線を立たれて孤立。政府軍の包囲攻撃を受けて壊滅すると、兵力バランスは一気に政府軍に傾く。
その後政府軍は抜刀隊を投入して薩軍を圧倒。田原坂のラインも落ちそうになった時点で時間切れで終了となった。このまま戦い続ければ、ほぼ間違いなく政府軍の勝利に終わっただろう。


基本システムはシンプル。しかもマップの広さに比してコマ数が多いので、戦線を張るのに苦労はしない。「少ない駒を巧みに操る」といった感じではないが、その分初心者には優しい仕様に仕上がっている。ルールも簡単でテーマ的にも興味深い作品なので、短い時間にプレイするには最適の作品だ。