Saipanは、Compass Games社が2017年に発表したシミュレーションゲームで、タイトル通り1944年のサイパン攻略戦を扱ったシミュレーションゲームである。1Hex=500m、1Turn=2時間(夜間は6時間)、1ユニットは実際の中隊規模に相当する(一部小隊規模あり)。
システムはCSS(Company Size Series)と呼ばれるシステムで、師団又は連隊単位で行動チットを購入し、購入したチットをカップに入れて行動を行ういわゆる「チットドリブン」システムである。以前にMMP社から出版されていたGTS(Grand Tactical Series)の改良版(簡易版?)というシステムに仕上がっている。
移動は地形毎に移動コストを消費するオーソドックスな方法だが、射撃システムは戦術級ゲームらしく1対1で解決する方式になっている。基本的にはD10で火力値以下の目を出せば命中だが、火力値は地形や相手の地形等によって増減する。戦闘結果は射撃タイプ(小火器、榴弾、徹甲弾等)とダイス目によって決まり、同じ火力、同じ修正値でも、火砲のタイプによって相手に与える損害の内容が変わってくる。また太平洋戦線を再現するルールとして、バンザイ突撃や玉砕戦に関するルールがある(Gyokusai、と英文ルールに書かれている)。


今回、Saipanを4人でプレイしてみた。私は日本軍を担当し、主力の第43師団を除いた独立混成旅団と海軍部隊を担当する。
序盤、サイパン島西海岸に上陸を敢行してきた米海兵隊2個師団に対し、日本軍の砲兵射撃が炸裂する。砲撃の矢面に立たされたのは、レッドビーチに上陸した米第2海兵師団で、砲撃と歩兵の防御射撃により上陸した歩兵部隊が残らず撃破されてしまう。
序盤、サイパン島西海岸に上陸を敢行してきた米海兵隊2個師団に対し、日本軍の砲兵射撃が炸裂する。砲撃の矢面に立たされたのは、レッドビーチに上陸した米第2海兵師団で、砲撃と歩兵の防御射撃により上陸した歩兵部隊が残らず撃破されてしまう。

第2Turn、アムトラックを先頭に仕立てた米海兵隊は強引に上陸を敢行。海岸に橋頭保を確立するが、その間にも日本軍の砲撃によって次々と撃破されていく。

午後に入ると第4海兵師団が橋頭保を確立。強襲戦闘で日本軍守備隊を撃破し、日本軍守備隊を撃破。さらに上陸部隊に対して猛威を振るっていたAgingan岬の日本海軍海岸砲を制圧した。

結局、今回は上陸初日計6Turn分(09:00~17:00)プレイし、米軍は橋頭保を確立したものの、米軍の損害は司令部1個、歩兵22個中隊、迫撃砲5個中隊、アムトラック6個中隊が壊滅した。

プレイ後の感想としては、日本軍の防御射撃が強すぎるのではないかという意見が出た。特に間接射撃が強力で、指揮ポイントさえ許せば全ユニットがほぼ全砲兵ユニットが間接射撃を実施できる。間接射撃自体の命中率は必ずしも高くない(20~40%ぐらい)が、それでも数を撃たれるといつかは当たる。しかも上陸直後の米軍部隊の場合、射撃結果で士気チェックを強要されて指揮チェックに失敗するとそのユニットは壊滅する。上陸戦の雰囲気としては悪くないのだが、やや過剰すぎる感がある。
その他の点では、ルールの量はやや多いが、基本的なシステムは意外とシンプルなので、サクサクと進む。中隊規模ということで、兵器の性能差と作戦級としての駒さばきの両方を楽しめるというのは良い。テーマとしてもサイパンの地上戦を扱った作品は必ずしも多くはないので、その点は貴重である。CSSシリーズの続編も用意されているとのこと。今後の展開が楽しみである。
今回の教訓
1.迫撃砲と歩兵をスタックさせるべからず。
2.間接射撃部隊を稜線ヘクスに配置するべからず(稜線に隣接するヘクスはLOSが通る)。
3.海軍歩兵部隊はDirect Commandが余るので、アスリート飛行場付近で塹壕を掘るべし。
4.湿地に布陣すべからず。
1.迫撃砲と歩兵をスタックさせるべからず。
2.間接射撃部隊を稜線ヘクスに配置するべからず(稜線に隣接するヘクスはLOSが通る)。
3.海軍歩兵部隊はDirect Commandが余るので、アスリート飛行場付近で塹壕を掘るべし。
4.湿地に布陣すべからず。








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