Ukraine'43(GMT)(新版)は2015年に発売されたシミュレーションゲームである。テーマは1943年夏~秋にかけての独ソ戦。ウクライナにおけるドイツ南方軍集団とソ連機械化部隊の死闘を描いた作品である。
今回、シナリオS3「ドニエプル川の危機」をプレイしてみた。ドニエプル川前面に迫った赤軍とそれを迎え撃つドイツ軍の戦いを描いたシナリオである。第15Turnから21Turnまで、計7Turnをプレイする。
前回まで-->こちら
43年11月06-10日

その下流では消耗したドイツ軍歩兵師団が守る河川防御ラインに対して赤軍が1-2の低比率攻撃を実施。出目良くA1/DRの結果を得て独軍部隊を撃退した赤軍は、そのまま対岸の渡河点であるチェルカッシー(Cherkassy 2118)を占領した。

そして本命のザボロジェ攻撃。素の戦闘比は1-1だったが、練度と陣地で左2シフト。砲兵2個と航空支援で右3シフト。最終戦闘比は2-1となる。出目は・・・、赤軍にとって最悪の1。結果はA1。さらに重損害の1損害も加わって赤軍は合計2ステップを失った。


チェルカッシーではSS装甲師団2個を投入して奪回作戦を実施。航空支援をつけて3-1の攻撃であったが、赤軍の死守が成功し、チェルカッシー奪回作戦は失敗に終わった。
その南、ザボロジェ突出部では、ドイツ軍3個装甲師団をつぎ込む反撃を実施した。目標は要域ニコポリである。前線の弱小歩兵部隊を一蹴したドイツ軍機動部隊は、ニコポリに対して3-1の機動強襲を実施した。戦闘結果は最悪のA1/DRであったが、赤軍が死守に失敗して後退。ニコポリは独軍の奪回するところになった。

43年11月11-15日

赤軍は要域ドニエプルペトロフスクへ総攻撃を加えてきた。それまで赤軍の攻撃がザボロジェに指向してきたため、ザボロジェの防備は堅かったが、ドニエプルペトロフスクは完全戦力の歩兵師団1個と消耗した騎兵師団1個が守るだけ。そこへ3個戦車軍団、2個機械化師団、8個歩兵師団、その他独立部隊多数が襲いかかったのである。戦闘比は2-1。赤軍の砲兵2個、ジューコフ、航空支援で右4シフト。陣地、航空支援で左2シフト。最終結果は4-1になる。最初のダイスは3だったので、ジューコフの振り直しで5の目を出した。結果はD1。ここで独軍が死守に成功すれば、ドニエプルペトロフスクは守り切れる。死守の成功率は2/3。しかもマンシュタインの振り直しがあるので8/9で死守は成功する筈だった。
しかし・・・、
出目はなんとピンゾロ。ドニエプルペトロフスクを守る独軍歩兵師団はステップロスを食らった上でドニエプルペトロフスクを放棄。撤退を余儀なくされる。これで赤軍の獲得VPは30VPに達し、最低の勝利レベルに到達した。

無論ドイツ軍もこのままでは終わらない。最終Turnの所謂「最後だアタック」を仕掛ける。目標はザボロジェダム、チェルカッシー、そしてキエフだ。
まずキエフ方面への反撃だが、装甲3個師団+独立重戦車大隊で突撃グループを編成。最前線の赤軍部隊を撃破しつつキエフへ直接攻撃ではなく、川向こうの赤軍歩兵を攻撃する。戦闘比2-1で結果はDR。赤軍歩兵は死守に失敗して後退。独軍がヘクス1011の突破ヘクスを奪回した。
まずキエフ方面への反撃だが、装甲3個師団+独立重戦車大隊で突撃グループを編成。最前線の赤軍部隊を撃破しつつキエフへ直接攻撃ではなく、川向こうの赤軍歩兵を攻撃する。戦闘比2-1で結果はDR。赤軍歩兵は死守に失敗して後退。独軍がヘクス1011の突破ヘクスを奪回した。

チェルカッシーに対する攻撃は、新着の第1SS装甲擲弾兵師団「ライプシュタンダーテ・アドルフ・ヒトラー」(12-10-7)を含むSS装甲擲弾兵師団3個が参加する。戦闘比は2-1。結果はDR。赤軍は死守に失敗して後退。独軍がチェルカッシーを奪回した。
最後のザボロジェダムも独軍が奪回に成功した。最終VPは27。独軍の勝利である。


感想

以前に紹介したシナリオ2では独軍が一方的に後退するだけの後退戦シナリオであったが(それはそれで玄人好みで面白いが)、このシナリオはまた違った「味」がある。とにかく独軍がこれ以上は下がれない状況だったので、現戦線を死守しようとする。そこで装甲兵力を結集した機動防御戦になり、独軍としては「夢」の装甲3個スタックによる機動反撃が楽しめる。両軍ボロボロになりながらも機動戦を戦う両軍の動きが面白い。

Ukraine'43といえば、ハリコフ攻防戦が定番となっているが、ドニエプル川渡河戦もまた違った魅力がある。1つのシチュエーションに囚われず、様々なシチュエーションを楽しんでみたいゲームだ。







