Peter Perla's the Art of Wargaming: A Guide for Professionals ans Hobbyists

Edited by John Curry

著者のPeter Perlaは、これまで数多くのウォーゲームに関する著作やウォーゲーム自体を出版した人物である。本書はそのPeterが語るウォーゲーム解説書で、タイトル通りホビー用ゲーム(我々が普段楽しんでいるウォーゲーム)とプロ用ゲーム(米海軍等で実際に使われているウォーゲーム)の両方が取り上げられている。本書ではウォーゲームの誕生から戦前・戦中における発展(主に米海軍大学における)、そして戦後における発展について記している。さらにウォーゲームを構成する要素について解説し、ウォーゲームデザイン、デヴェロップ、プレイ、さらにウォーゲームを使った作戦・戦術分析について記している。そして最後に今日における米海軍におけるウォーゲームと未来の姿について触れている。これらの概要を読めば理解出来ると思うが、本書では単にホビーユースとしてのウォーゲームだけを取り上げているのではない。プロの使用に耐えるツールとしてのウォーゲームについて詳しく触れている。
ウォーゲーマである我々が読んで興味を引くのは、本書では様々なウォーゲーム(例えば"Pacific War"や"Gulf Strike"、"Fleetシリーズ"(いずれもVictory Games))が登場してくるところだろう。また日本におけるウォーゲーム事情についても僅かながら紹介されており、思わずニヤリとさせられる。またプロ用ツールとして見た場合、ウォーゲームは実動演習よりも安上がりで、しかも全体を俯瞰できるという利点があるため、プロにとっても有益である、としている。
最後に本書で定義するWargameについて紹介しよう。私の拙い翻訳よりも原文をそのまま紹介した方が良いだろう。
Wargames: A warfare model or simulation in which the flow of event shapes, and is shaped by, decisions made by a human player or players during the course of those events.

お奨め度★★★★