最近嵌っているRed Storm - Baltic Aooroaches(以下、本作)。前回の シナリオ3「Clean Sweep」 に続き、今回は初めて対人戦に挑戦した。
今回プレイしたのは、シナリオ7「Very Low and Very Fast」。開戦7日目、悪天候下のバルト海。NATOディーゼル潜水艦(西ドイツ海軍のUボート等)に対して掃討作戦を展開しているソ連海軍対潜部隊に対し、NATO軍は航空攻撃によってこれに打撃を与えようとした。1個中隊規模の攻撃部隊が、護衛機や各種支援機を伴ってバルト海へ向けて飛ぶ。
今回、私はNATO軍を担当した。
作戦計画
まず勝利条件を見てみる。VPの焦点はソ連軍のFFL(軽フリゲート艦、ここではコルベット艦としておこう)である。このシナリオに登場するソ連コルベット艦は計12隻。そのうち1隻が小破以下の状態で生き残った場合、WP側は各4VPを得る。一方でコルベット艦に与えた損害ポイント(DP)あたりNATOは2VPを得る。ちなみにコルベット艦の最大許容損害ポイントは4~9だ。単純計算でソ連コルベット艦の半数(6隻)以上を撃沈すれば、24~54VPを獲得でき、WP側は24VPしか得られないので、収益上ほぼ黒字でかつVPラインもクリアできそうだ。ソ連コルベット艦は各4隻からなる3つのグループに分かれているので、2グループを攻撃する必要がある。なおWP側の兵力としては、上記対潜部隊の他、ソ連ミサイル駆逐艦・フリゲート艦各1隻からなる防空任務部隊が1個、迎撃戦闘機が2隊計4機である。
次にNATO側の戦力である。NATO側の戦力はランダムに以下の3パターンが設定されている。
・西ドイツ/デンマーク軍
・英空軍
・米空軍
どれが出てくるかはランダムで判定する。
それぞれの編成の特徴を見てみると、まず西ドイツ/デンマーク軍はコルモラン空対艦ミサイルを搭載したトーネード12機が攻撃の主役を成す。コルモランは最大射程が6Hexとやや短く、ミサイルを発射するためにはソ連ミサイル駆逐艦の射程距離内に飛び込む必要がある。さらにミサイルが目標に到達するまで誘導を継続しなければならない(誘導が切れると命中率が下がる)。他にSEAD(防空制圧任務)のトーネードが6機、護衛戦闘機がデンマーク空軍のF-16Aが8機、その他偵察機、哨戒機等が3機で、計29機となる。
この編隊の特徴としては、比較的バランスが取れた構成になっていること。確かにコルモランの最大射程は短いが、SEAD及び攻撃本隊のトーネード機が比較的高い電子戦能力を持っているので、ある程度SAMの威力圏内へ強行突入が可能である。ただ、敵戦闘機の迎撃に対しては脆弱な面があるのは否めず、さらに護衛のF-16Aが電子戦能力にやや劣った面があるのでSAM威力圏内の活動にやや不安がある。
次に英空軍の場合である。こちらは攻撃の主力がシーイーグル空対艦ミサイルを搭載したバッカニア攻撃機12機となる。またSEAD機は同じくAS-37対レーダーミサイルと搭載したバッカニア6機、護衛戦闘機はファントムFGR.2が8機、その他偵察機、哨戒機等が3機で、計29機となっている。
この編隊の強みは何と言ってもシーイーグル対艦ミサイルの長射程。実に22Hexの最大射程を誇っているので、ソ連ミサイル駆逐艦の射程外から対艦ミサイルをぶっ放せるのが強みである。一方弱点としては空対空戦闘能力にやや乏しい所。ファントムFGR.2は一昔前の機体だし、攻撃機のバッカニアも鈍足。敵戦闘機の反撃にあった場合、その生残性は極めて疑わしい。さらにいくら最大射程が長い対艦ミサイルとは言っても、対艦ミサイルを発射する前に敵艦を「識別」しなければならない。そのためには敵艦から8Hex以内に飛び込む必要があり、SAMや敵戦闘機に対して脆弱である。
最後の米空軍の場合である。こちらは攻撃の主力がF-111Eアードバーグ。この機体は対艦ミサイルは搭載できないだけではなく、なんと精密誘導兵器も搭載できない。従って敵艦を無誘導爆弾で直接攻撃するしかない。その間、敵のSAMや対空砲火の洗礼を浴びることになる。
一方で米空軍の強みは爆撃機を支援する各種航空機の優秀性と全体的な電子戦能力の高さだ。制空戦闘機はF-15C、SEAD機はF-16Cと、当時最強の戦闘爆撃機コンビ。さらに強力な電子ジャミング能力を持つEF-111Aレイヴンも登場する。攻撃本隊12機と制空用F-15C 8機、SEAD任務のF-16C 6機、そして各種支援機、偵察機が4機の計30機が登場する。
なお、いずれのパターンでもNATO側には水上部隊としてハープーン対艦ミサイル4発搭載したデンマーク海軍のミサイル艇1隻が登場する。
上の写真はセットアップ時の状況とNATO側の攻撃計画の概要を示したものである。写真下の海の上に点々と配置されている肌色の駒がソ連艦隊である。NATOの攻撃隊は写真左上から進入してくる。
上の写真はソ連艦隊の配置を拡大したもの。TF-1となっている所には長射程対空ミサイルを装備したミサイル駆逐艦が位置している。陸地に展開するSA-2、SA-3といったSAM部隊の存在に注意されたい。
0Turn
まず戦力を決める。航空兵力は米空軍となった。爆撃機主体なので対空砲火を浴びる危険性は高いが、世界最強の「鷲」F-15Cイーグル、強力なスタンドオフジャミング能力を持つEF-111Aレイヴン等、バラティに富んだ強力な戦力である。さらに天候チェック。悪天候となり、海面は波立ち、さらに海面付近にはミストが漂っている。このため目視による爆撃は命中精度が極めて悪化するのみならず、超低空に降下した際には、バーティゴに陥って墜落の危険すらある。攻撃側としてはちょっと嫌な天候である。
1Turn
先にも述べた通りミストの中へ降下すると墜落する危険がある。その確率は6%と決して高くはない。しかし回数を積めば出そうな値である。しかしこのチェックは、降下してミストの中に突っ込んだ場合のみ必要となる。従って単にミストの中を飛行するだけならチェックは不要である。だからゲーム開始時からミストの中、つまり超低空を飛行しておけば良いことになる。上記を利用し、NATO攻撃隊は、大半が超低空からマップに進入してきた。例外は、制空戦闘を担当するF-15戦闘機の半数(4機)、スタンドオフジャミングを担当するEF-111Aレイヴン、そして海上哨戒機P-3Cオライオン各1機で、これらは中高度又は高高度を飛行した。
WP側戦闘機も同じ考え方で超低空を飛行している。
2-3Turn
空対空レーダーが超低空を飛行するWP側戦闘機を捉えた。ポーランド空軍のMiG-21bisと東ドイツ空軍のMiG-23ML各2機である。どうやらWP側プレイヤーが引いた戦闘機は「外れ」だったらしい。ヘッドオンで向かってきたMiGに対し、F-15C 2個編隊は距離約20海里(8Hex)で交戦を開始。次々とAIM-7Mスパローミサイルを発射する。1機のMiG-21と1機のMiG-23がミサイルの直撃を受けて四散し、さらに1機のMiG-21が至近弾により損傷する。残ったMiGは這う這うの体で退散していき、戦闘機同士の戦いは一瞬でケリがついた。なお、F-15と対峙したWP側は、典型的な回避機動がある。それは敵に「ケツを見せる」ことだ。正面からなら最大9hex(22.5海里)の射程距離を誇るAIM-7Mスパローであったが、後方からなら射程距離は2Hex(5海里)まで減少する。さらにミサイル自体の有効性も小さくなる。まあWP側から見れば一方的に撃たれるだけだが、SAMや対空砲火で反撃することによってF-15側に思わぬ出血を強いる可能性もあるのだ。
つづく
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