もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2005年06月

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サボ島沖海戦のリプレイはまだか?。
という声も聞こえてきそうだが、進んでいない訳ではない。
でも初の夜戦シナリオ。色々と手直ししなければならない項目が見えてきた。
既に3回シナリオをやり直しているが、まだまだフィックスしない。

さて、今回は魚雷戦について少し語ってみたい。
というのも、ゲーム上における魚雷の命中率がなかなか決まらなくて四苦八苦している。
苦し紛れに日本海軍の実績を調べてみた。
もちろん全部ではないし、誤差も入っているだろう。ただ目安にはなる。
以下はその分析結果である。

日本海軍魚雷の命中率

1942年~1943年における水上戦闘において、日本海軍の雷撃命中率はどのくらい?。
結論から書くと、以下のようになる。

 発射716本、命中53本、命中率7.4%

これを発射距離別に分類してみると、
 距離 0~4500m 14.0%
 距離4500~9000m 7.5%
 距離9000m 2.1%
こうしてみると距離による命中率の違いがはっきりとわかる。

次に年代別の命中率を比べてみると
 1942年 8.5%
 1943年 5.1%
これも年月が進むにつれてはっきりと低下している。
日本側の技量低下のためか、あるいは米側の技量向上か?。

最後に93式酸素魚雷の威力について。
酸素魚雷とその他の魚雷について命中率を比べてみると、
 酸素魚雷 7.40%
 その他  7.41%
と、ほんの少しだが酸素魚雷が下回っている。
これを「酸素魚雷」の欠陥と見ることも可能だが、遠距離から発射する機会の多い酸素魚雷だから命中率の低下もやむを得ない。むしろ遠距離発射を数多くこなしながらもその他の魚雷と同程度の命中率を発揮する当たり、酸素魚雷の優秀性を示しているようにも思う。

次は米魚雷についても調べてみるか・・・?。



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(写真1)夜戦ルール
(写真2)サボ島沖海戦記入シート
(写真3)サボ島沖海戦シナリオ

サボ島沖海戦の準備ができました。

まず夜戦ルール。
できるだけ簡便な形にしました。
照明弾射撃はCPを余分に消費するだけ。
探照灯はシナリオ指定艦のみが使用できる。

あと奇襲ルール。
サボ島沖海戦といえば米側の奇襲というイメージが強いが、本シナリオでは「奇襲に成功するかどうかはやってみないとわからない」というシステムにしてみました。もちろん日本側が奇襲を受ける可能性は高いのですが、運が良ければ日本軍がすばやく反応できるかも・・・。

さてさて・・・。

次回は夜戦に挑戦したい。

シナリオは「サボ島沖海戦」
隻数が手ごろ。
夜戦の特徴である「奇襲」「レーダー射撃」「指揮の混乱」「照明弾」「探照灯」等、一通り試せる。
その前にルールを作らないといけないが、まあ気長にやりましょう。

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(写真1)5500t級軽巡「多摩」
(写真2)阿賀野型軽巡「矢矧」

前回のリプレイで我が5500t級の非力さが目に付いたので、その主砲たる14サンチ砲の性能を調べてみました。
森恒英氏の「日本の巡洋艦」によると、

50口径三年式14センチ単装砲
 初速 850m/s
 弾丸重量 38kg
 最大射距離 18,000m
 発射速度 10発/分

これは射距離の面で駆逐艦の主砲と同等以下でしかなく、15.5センチ砲の2/3でしかありません。
これでは非力なのも仕方がないでしょう。
ただ発射速度10発/分は、15.5センチ砲の2倍です。また「発射速度が遅い」と揶揄されることの多い50口径12.7センチ砲(駆逐艦の主砲)よりも多分優秀なのでしょう。したがって射程距離は今のまま(駆逐艦と同じ)とし、火力をやや高めに評価することにします(今でも高めめに評価していますが)。

軽巡の主砲話が出たついでに・・・。
前掲書によると、阿賀野型軽巡の主砲たる50口径152mm砲は、あまり良いものではなかったようです。
米軽巡の6インチ砲に対抗するために無理やり152mm砲にしたのですが、重量の問題で機力弾丸装填式を採用できず、結果的に発射速度が大幅に低下してしまったのです。
カタログスペックでは毎分6発となっていますが、実戦での能力はもっと低いものになるでしょう。
阿賀野型軽巡は流麗なデザインが個人的に気に入っているのですが、主砲がダメなのは残念です。

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(写真)第29ターン:遂に多摩が中破。米艦隊の追撃が始まる。

前回

でもやっぱり・・・・

いくらなんでも衝突でゲームオーバーは悲しい。
また、衝突ルールも厳しすぎるように思う。
ここは急遽ルールを変更する。
曰く。
「衝突チェックは同一ヘクスに3隻以上存在する場合のみ実施する」
この神の見えざる手によって「那智」は復活。「摩耶」も米艦隊に対する追撃を再開した。

第16ターン(やり直し)

中破した「那智」を列外に残し、「摩耶」「多摩」の2艦があくまで米艦隊を追撃する。米艦隊と「摩耶」「多摩」は距離15キロで並行砲戦に入った。リッチモンドの射弾が「多摩」に命中。実質的な損害は皆無であったが、ショック状態によって一時的な戦闘不能に陥った。「摩耶」は10門の20センチ砲でソルトレークを狙ったが、夾叉は得られなかった。

[解説]「ショック状態」とは陸戦ゲームで言う所のモラルチェック失敗のようなもの。回復するまで砲雷撃が禁止となる

第17ターン

日米艦隊の激しい砲撃戦。リッチモンドは「多摩」に対する夾叉を得たが、命中はなし。

第18ターン

リッチモンドの砲撃が「多摩」に命中。損害1ポイントで累積損害は3ポイント。
「摩耶」の砲撃は相変わらず正確さを欠き、弾は明後日の方向に飛んで行くー。

第19ターン

ソルトレークの砲撃が「摩耶」を捉えた。1発命中。損害1ポイント。
「摩耶」の砲撃は相変わらずはずれ。

第20ターン

「多摩」の射撃がリッチモンドに命中。損害1。
「摩耶」の砲撃はまたもやはずれ。
ソルトレークの砲弾がまたもや「摩耶」に命中。損害1。累積損害2

第21ターン

「摩耶」「多摩」は敵側の射弾を回避すべく蛇行運動を行う。
リッチモンドの射弾2発が「多摩」に命中したが、装甲に阻まれて実質的な被害はなし。

第22ターン

米駆逐艦の砲弾が「多摩」に命中したが実質的な被害なし。
「摩耶」の射弾が遂にソルトレークを捉えた。2発命中。損害2、累積損害6。あと一撃でソルトレークは中破する。

第23ターン

危機を感じた米艦隊は左60度一斉回頭。煙幕を展開して「摩耶」との離隔を図る。
しかしその運動は左舷後方から追撃してきた日本第1水戦に横腹をさらすことになる。
「阿武隈」の砲撃が米駆逐艦デールに命中。損害1を与える。
米艦隊は煙幕越しに電探射撃を行ったが外れた。

第24ターン

米艦隊は右60度一斉回頭。複雑な運動を行う。
リッチモンドの射弾が「多摩」に命中する。が、装甲を貫けない。15センチ砲は今ひとつ威力不足である。

第25ターン

日本艦隊はCPが不足気味。「摩耶」「多摩」の主隊と第1水戦を運動させたらCPがなくなった。
米艦隊はシンプルな運動なのでCPはまだ余裕がある。
リッチモンドの射弾が「多摩」に命中する。損害1、累積損害3。

第26ターン

ソルトレークシティの砲弾2発が「摩耶」に命中。損害2、累積損害4。「摩耶」小破
「摩耶」の砲撃もソルトレークを夾又したが、運悪く命中はなかった。

第27ターン

既に米軍としては勝ちが見えている。ここは慎重にプレイして足元を掬われないようにするのが常道である。
しかしこのまま終わってしまうのもなんだか惜しい。「摩耶」にトドメをさすチャンスでもある。米艦隊はここで牙をむいた。まだ魚雷も残っている。一気に距離を詰めて「摩耶」を沈めるのだ。
米艦隊は右60度変針。日本艦隊の進路を扼する形になる。距離12キロ。駆逐艦からの射弾が「摩耶」に命中したが、装甲に阻まれて被害なし。

第28ターン

日本艦隊右60度変針。距離9キロで米艦隊と並行する。ソルトレークの主砲弾1発と駆逐艦の砲弾が命中。「摩耶」の損害2、累積損害6。さらに特殊損傷「強い衝撃」により「摩耶」は砲雷撃戦能力を失う。
リッチモンドの1発が「多摩」に命中。損害1、累積損害4。「多摩」中破。速度4に低下。

第29ターン

「多摩」は速度4に低下。優勢な米艦隊は目前に迫ってきた。「摩耶」もショック状態で砲戦能力を失い、日本艦隊は危機である。
「摩耶」は「多摩」と行動を共にすべく速度4に落とす。立場は逆転した。日本艦隊は右60度回頭。煙幕を展開したいがCPが足りない・・・。とにかく逃げる。
米艦隊も右60度変針。日本艦隊の頭を抑えるべく運動する。9キロの距離から放たれたソルトレークからの砲撃が「摩耶」に命中。損害1。累積損害7。しかし「摩耶」はショック状態から回復に成功。戦闘能力を取り戻した。


第30ターン

最終ターンである。傷ついた日本艦隊はさらに右60度変針。煙幕を展開しつつ逃げの一手である。ソルトレークは煙幕越しに「摩耶」を電探射撃。2発命中。損害2。累積損害9。「摩耶」中破。この一撃がこのシナリオ最後の一発になった。

両軍の損害

日本軍
 中破:重巡2(那智、摩耶)、軽巡1(多摩)
米軍
 小破:重巡1(ソルトレークシティ)

プレイ時間:4時間半

プレイの感想

展開としてはいささか単調。逃げる米軍と追う日本軍。表面的な兵力では日本軍優勢だが、実際に戦ってみると日本側もかなり苦しい。日本側の軽巡2隻は主砲が非力なので中遠距離の砲戦では力不足。結局日本側重巡2隻と米重巡1、軽巡1の戦いになる。兵力的にはそれでも日本側有利だが、米側は逃げの一手という強みがある。今回、日本艦隊は射撃をソルトレークに集中したが、むしろ脆弱で撃破しやすいリッチモンドを狙った方が得策だったかも知れない。リッチモンドの足止めが出来れば、米艦隊との距離を詰めることができ、得意の接近戦に持ち込むことも可能だった。
ところで今回両軍とも魚雷を使う機会が全くなかったが、これは砲戦距離が15キロ前後と比較的遠距離に終始したこと。長距離魚雷を持つ日本艦隊がCP不足で雷撃を行う余裕がなかったこと。それと日本艦隊が追う展開だったために雷撃に有利な射点を得られなかったことだ。

ゲームの感想

今回正式に導入してみた指揮統制ルールだが、プレイし易さの上はではほぼ問題ない。
肝心のポイント量だが、米艦隊は概ね不足することなく行動できた。これは米艦隊が終始1つのグループで行動したために余分なCPを必要としなかったためだ。もし1隻でも落伍艦が出れば、CP不足になっていたかも知れない。日本側は特に後半CP不足に悩まされた。これはシナリオの指定により日本艦隊がその規模相応の指揮能力を与えられていないことと、米艦隊追撃のために艦隊を2手に分けたことだ。
あと今回日本側軽巡の非力さが気になった。14センチ主砲の威力を過小評価し過ぎていたのかも知れない。データを見直してみよう。

ルール改定

衝突ルール、煙幕ルールは本文中に触れた通り改定する。
もう1点:駆逐艦の主砲による持続射撃ルールはなしにする。その代わり駆逐艦の主砲は目標変更時に適用される-1の修正は適用しない。

次はいよいよ夜戦に挑戦する。


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