もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2006年02月

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激闘、サンベルナルディノ海峡沖海戦


 以前に紹介しましたが、「ソロモン夜襲戦」のシナリオを作りました。タイトルは「タスクフォース34-サンベルナルディノ海峡沖海戦」。です。1944年10月。レイテ湾を目指す栗田艦隊がサンベルナルディノ海峡突破直後にリー中将率いる第34任務部隊と交戦したという想定で描く架空シナリオです。

シナリオの背景

 以下はシナリオシートからの抜粋です。
 「1944年10月下旬、連合軍は中部フィリピンのレイテ島に上陸した。「アイ、ハブ、リターンド」、マッカーサーの復讐戦、フィリピン奪回戦の開始である。一方、フィリピンを最後の決戦場と定める日本海軍は、レイテ沖の米輸送船団に痛打を与えるべく連合艦隊の殆ど全部を出撃させた。世に言うレイテ沖海戦の開幕である。
 日本艦隊の主力は戦艦5隻を基幹とする栗田部隊である。栗田部隊は潜水艦と航空機による数次に渡る攻撃を受け、大きな損害を被っていた。しかし生き残った艦艇は連合軍の攻撃を排除し、10月25日未明にはサンベルナルディノ海峡を抜けサマール島東岸に達しようとしていた。
 25日早朝、日本艦隊はサマール島近海で米護衛空母群と不意に遭遇した。この遭遇戦は日本艦隊にとって不本意なものであったが、連合軍にとっても衝撃的な出来事となった。
 「栗田艦隊は前夜までの空襲で壊滅的打撃を被って退却中」
 彼らはそう信じていた。だからレイテ湾口の封鎖線を解き、主力全艦艇を率いて北方に現れた新たな敵、オザワの機動部隊に襲いかかろうとしていたのである。米軍は日本軍の仕掛けたワナにはまったのだ。
 このシナリオは、米軍が史実よりもやや慎重だった場合を想定した仮想シナリオである。すなわち米軍は水上部隊の大半と空母の一部を割いてサンベルナルディノ海峡沖で待機。オザワ部隊の追跡は空母群の主力と一部の巡洋艦のみで行ったという想定である。」

両軍の戦力

日本軍

 戦艦4(大和、武蔵、金剛、榛名)
 重巡6(羽黒、鳥海、熊野、鈴谷、利根、筑摩)
 軽巡2(能代、矢矧)
 駆逐艦8(島風、岸波、浜波、秋霜、浦風、磯風、雪風、野分)

 上の戦力は一部「ウソ」が入っています。まず「武蔵」はこの時点では既に沈没しています。でも折角の日米艦隊決戦。世界に誇る「大和」型戦艦はやっぱり揃い踏みして欲しいものです。そこで今回はシブヤン海で「武蔵」の代わりに「長門」に犠牲になってもらい(どこかで聞いたような設定です)、あと2隻ほど駆逐艦にもご退場願いました。

連合軍

 戦艦6(アイオワ、ニュージャージ、アラバマ、マサチューセッツ、サウスダコタ、ワシントン)
 軽巡3(ヴィンセンス、マイアミ、ビロキシー)
 駆逐艦8(艦名省略)

 実際に編成されたTF34は、上記よりもさらに強力なものでした。戦艦数こそ同じ6隻ですが、巡洋艦はあと4隻加わって計7隻、駆逐艦は10隻加わって計18隻です。しかしこれだけの兵力を全部参戦させてしまうと、兵力の差が大きくなり過ぎてしまって日本側に勝ち目がなくなってしまいます。日本軍には「武蔵」を加えることによって少しだけ戦力底上げを図りましたが、より両者のバランスを確実にするため、米軍の戦力はTF34全戦力から史実のデュボース隊を引き抜いた戦力としました。やや苦しい設定ですが、これは「ハルゼーが麾下の兵力を2分し、オザワ追撃に向かうミッチャーにも少しばかりの水上打撃部隊を分けてあげた」結果であるとお考え下さい。

セットアップ

 日本軍はマップの西端付近に4列縦陣で配置しました。左右両翼に水雷戦隊を配置し、中央左列に重巡戦隊、中央右列に戦艦戦隊という布陣です。対する米軍はフリーセットアップ。ただしマップDに配置が固定されているので日本艦隊との距離はまだまだ遠いです。

指揮能力

 日本軍はBランク、連合軍はAランクで心持ちBに近い所にしました。具体的な指揮値は日本軍が8、連合軍が12です。それからこのシナリオには両軍とも大規模な戦艦部隊が登場してくるので、戦艦同士のフォーメーションを部分的に認めることにします。

勝利条件

 今回は両者の戦術目的を勝利条件に反映することにしました。両軍とも敵に与えた損害でVPを確保する他、日本軍は生き残った味方艦のうち東端の盤上に達した艦について何らかの勝利得点を与えることにします。損傷艦については日本側に厳しいVP判定としました。何故なら制空権を完全に奪われている日本軍の場合、重大な損傷はそのまま死を意味するからです。

余談

 とまあ、こんな風な編成になりましたが、実は米艦隊の編成にはもう1つプランがありました。それは米軍の戦力をアイオワ級2隻を含む新鋭戦艦4隻とし、その代り巡洋艦群を充実させて日本艦隊と戦わせるというものです。この際に米軍側には是非「ボルチモア」級の重巡を参加させてみたいと思っています。個艦の水上戦闘能力においては日本の重巡に劣る所の多い米重巡ですが、この「ボルチモア」は違います。その重装甲と強力な主砲火力は、中遠距離の砲戦において日本の重巡を圧倒できるだけの能力を秘めています。レイテの戦場で「ボルチモア」と日本重巡戦隊の対決を是非再現したいと思うのは、私だけではありますまい(私だけかな?)。
 実際の所、「ボルチモア」級の重巡が栗田艦隊との直接対決の場に姿を現した可能性は非常に低いです。何故なら栗田と対決を企図していた米TF34の中に「ボルチモア」級の姿はなかったのですから。しかしそこは状況をデッチ上げて、「ボルチモア」「ボストン」「キャンベラ」の3兄弟に栗田艦隊と戦ってもらいたいものです。


余談の余談

 米重巡といえば、主砲威力について迷っています。一部の艦が搭載した8インチSHSは、従来の砲弾よりも2割ほど重く、その分貫通力も大きかったそうです。今まで米重巡の主砲については、その長砲身を加味して日本艦よりもやや長めの射程距離を与えてきました。今回もしSHSを再現するとなると、その主砲威力を増す代わりに射程距離を日本艦並に戻すことになるでしょう。それでも威力の増した主砲は、近距離砲戦であれば「金剛」の舷側装甲を苦もなく撃ち抜く威力を秘めています。
 8インチSHSを搭載したのは、「ウィチタ」「タスカルーサ」そして「ボルチモア」以降の新鋭艦です。これらの艦は今までシナリオで登場する機会がなかったのでSHSについても考える必要があまりなかったのですが、もし「ボルチモア」を登場させるとなると、SHSもゲームに登場させて見たくなりますね。

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(写真1) ムルマンスク地区。K-219はここから北極海へ出撃していった。
(写真2) セヴェロモルスク地区から北を見る。
(写真3) K-219と同形の677級潜水艦(NATOコード名「ヤンキー」)
(写真4) 米攻撃型原潜「オーガスタ」。K-219に対する追跡を行った艦で、ロス級初期型に属する艦である。

敵対水域-ソ連原潜浮上せず

ピーター・ハクソーゼン他2名、三宅真理訳 文春文庫

 詳しくはこちら
 ヤンキー級ソ連弾道ミサイル原潜K-219が1986年にバミューダ沖で沈没した事故を描くノンフィクションです。かつてトムクランシー等のSF作家によって架空のソ連海軍の姿が何度も描かれてきましたが、この著作は事実を描いているという点でこれらの著作と決定的に異なっています(あたりまえですね)。例えば政治士官。フィクションの中での政治士官といえば、「役立たず」とか「威張り散らしている」というイメージで描かれていることが多かったですが、本書の中での政治士官がまさにその通りの人物として描かれているのは面白かったです。また故障が多く信頼性に劣るソ連原潜の実態。ソ連領海を侵犯をしてでも情報を得ようとしている米原潜。やたらとプライドが高く、過度に攻撃的な行動を取りたがる米攻撃型原潜の艦長。老朽貨物船を利用してSOSUS網突破を図るソ連原潜と、それを苦もなく見破る老練な米音響捜索員など、見所満載の作品でした。単なる読み物としても、私生活に問題を抱えつつ職務怠慢により重大事故を引き起こした兵器士官、稼動中の原子炉内に単身乗り込んで制御棒を操作しメルトダウンを阻止した勇敢な水兵、他人を押しのけて真っ先に艦から逃亡した政治士官等、極限状態における人間の愚かさや崇高さが巧みに描かれています。これが単なるフィクションではなく、冷戦時代末期の大西洋上で現実に繰り広げられた実話であることを考えた時、それは一層興味深いものとして感じられます。
 本書の中で、私が特に気に入った一説を以下に紹介しましょう。これは原子炉内に単身乗り込んでメルトダウンを阻止し、遂に力尽きた1人のロシア水兵について語った筆者の言葉です。

 「栄光のためでも、報酬のためでも、他のためでもなく、ただ彼がその場にいて、彼だけがその方法を知っていたから、彼はそれをやり遂げたのだ」

 私も日々怠惰な生活を送っていますが、上の言葉は心の片隅でも良いから持っていたいものですね。

 ところでK-219の母港として描かれているガジーヴォ市ってどこなんでしょうね。今まで北海艦隊の原潜基地といえば、ポリャールヌイやムルマンスクが知られていましたが、ガジーヴォという名前は聞いたことがありませんでした。ネットで調べてみると、どうやらムルマンスク近郊の小都市みたいです。冷戦時代には「秘密都市」の1つとして地図からも抹消された軍事都市だったとのこと。人口1万2千人ですから、「横須賀に対する浦賀」みたいな関係なのかも知れません。

 本書の中では、米海軍と旧ソ連海軍の力の差があまりに極端に描かれているので(もちろん前者が強い)、最初読んだときは

 「またトムクランシーみたいな「アメリカ万歳」的なライターが書いたんじゃないの?」

 と半信半疑でした。しかし作者の中に元ソ連潜水艦艦長が加わっているのを見て、

 「ひょっとしたら海洋における米ソの力の差は予想以上に大きかったのかもしれないな」

 と思ってしまいました。


評価★★★★

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京阪電車と私(3) - ラーメン屋「大中」

 伏見桃山駅近くにあるラーメン屋さんです。どちらかといえば近鉄桃山御陵前駅の方が近いです。
 京阪伏見桃山駅を降りて近鉄線方面へ向かって歩きます。すぐに近鉄の桃山御陵前駅の前に出ますので、そこで高架下の方に入っていくと、すぐ左手に「大中」が見えてきます。
 麺は普通のストレート。味はとんこつと和風があるようですが、私はとんこつにしました。味は悪くありません。京阪沿線の他のラーメン店についてそれほど詳しい訳ではありませんが、一般的なレベルと比較しても「美味しい」部類に入るのではないかと思います。

USS Lichmond
今日1日がんばって(といいつつ横でTV見ながら) 「ソロモン夜襲戦」のシナリオつくりをしました。今回作ったのは以下の3本です。

 「ルンガ沖夜戦」
 「クラ湾夜戦」
 「サンベルナルディノ沖海戦」(架空戦)

 「ルンガ沖夜戦」は当初の予定通りです。「クラ湾夜戦」は当初「コロンバンガラ島沖夜戦」にしようと思った所、こっちの方が面白そうかなー、と思って乗り換えました。でも、失敗だったかな・・・?。
 「サンベルナルディノ沖海戦」は、いわゆる「栗田vsリー」シナリオです。前回紹介した「バジャー追撃」シナリオとは違ってここでは米新鋭戦艦6隻が揃い踏みです。対抗上日本側も大和+武蔵でコンビを組むことにしました。太平洋戦争最大の水上戦シナリオ。夜戦をメインテーマとする本ゲームでも、「客寄せパンダ」的な意味合いからもこのような大型シナリオは1本ぐらい入れておきたい所です。

 それにしても史実シナリオは作るのが大変でした。1本作るのに4、5時間かかってしまいました。地形やら特別ルールやらを考えるのが結構大変でした。その点、架空戦シナリオは楽です。OBのある程度史実にしたがっておけば、あとは自由が効くし、ゲーム展開も史実を意識しなくて良いので純粋に競技性重視で絞り込めるし・・・。

 個々のシナリオの詳細は後日紹介します。

 あとシナリオのリプレイも追々進めていきます。

 では。


たまには軽いネタなど。
最近CSで「ガンダムシードDestiny」を放映しています。
本放送は見ていなかった私でしたが、うちの会社で妙に評判が良いので、CS放送を機会に見てみました。
戦闘場面の描写等はさすがにCG等を駆使していてとても綺麗です。
いわゆる「ファーストガンダム」に比べれば雲泥の差です。

しかし、「ファーストガンダム」原理主義者の私としては、気になる点がいくつかありました。

 (1) 主役級キャラが強すぎる
 (2) 政治臭が臭い

 (1)については、ザコが10機、20機集まった所で例えば「インパルス」(今主役の機体)や「フリーダム」(元主役の機体)には歯が立ちません。というよりも例えば「フリーダム」がほんの一瞬ロックオンしただけで、ザコキャラがまとめて100機単位で消し飛びます。
 私は「ガンダムシード」の世界背景を詳しく知らないので、

 「それには、これこれこういう理由があるんだよ」

 という裏話があるのかも知れません。あるいは、ナチュラル(地球軍=敵)とコーディネーター(ザフト軍=味方)って雑魚同士が戦ってもキルレシオが1:10ぐらいあって、主役級の場合はそれが0:1000ぐらいになる、という話なんでしょうか・・・。

 思えば、ファーストのアムロ君は、その能力か開花した時点ですら「リックドム9機を連続撃墜するのがやっと」。しかもそれを成し遂げた後に「肩で息をしていた」というレベルですから、思えば

 「良い時代だったなあ」

 (2)については、地球連合=「悪玉」、ザフト=「善玉」。これはこれで良いのですが、地球連合のイメージが現在のアメリカ合衆国にダブっていて、作者の反米思想のようなものが物語の中ににじみ出ているようで「気持ち悪い」です。作者は「イラク戦争」に代表される現在のアメリカのやり方に異を唱えたかったのかもしれませんが、このような娯楽番組にあからさまな政治ネタを盛り込まれると、正直「なんだかなあ」という気持ちになってしまいます。
 まあ、このあたりは個人の好みですね。

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