失敗の本質 戸部良一他5名 中公文庫
原作は今から20年以上も前に書かれた本です。発売当時は随分話題になった本でもあります。先日改めて読み返してみると、今更ながら新しい発見がありました。まず本書の構成を。
第1章「失敗の事例研究」では、日本軍が敗北を喫した6つ作戦、ノモンハン戦、ミッドウェー海戦、ガダルカナル戦、インパール作戦、レイテ海戦そして沖縄決戦を取り上げ、その中で見られた日本軍の「弱さ」を抽出しています。
続いて第2章では「失敗の本質」というタイトルで、上記6つの作戦に共通して見られた日本軍の組織としての弱さをを分析しています。日本軍の戦略面での弱さとしては「あいまいな戦略目標」「狭くて進化のない戦略オプション」「アンバランスな兵器体系」を、また組織面の弱さとしては「強い属人性」「学習に対する軽視」等を取り上げています。
第3章「失敗の教訓」は、全体のまとめ的な位置づけになり、組織の環境適応理論を用いて、日本軍の環境適応能力を分析しています。
「組織がうまく環境に適応するためには、組織は直面する機会や脅威に対して組織の戦略、資源、組織特性を一貫性をもってフィットさせなければならない」
この一文を読んだ時、思わず「うーん」と唸ってしまいました。この時私は冷戦構造崩壊後に米軍が行った大規模な構造改革を思い出しました。冷戦終結という環境変化に対し、米軍はそのドクトリンや兵器体系を一変させました。我々素人から見れば「そこまでやらずとも」と思う程の大規模な改革であるように思われるのですが、この本を読んだときその意味が少し理解できたように思います。
話を戻すと筆者らは日本軍を「環境に適応しすぎて変化に対応できなくなった組織」としています。その評価はやや辛辣過ぎるかも知れません。しかし例えばWW2当時や現在の米軍と比較したとき、当時の日本軍が組織として「自己変革能力」に劣っていたのは否定できない事実だと思います。そういった意味から筆者らの評価は的を得ているとも思います。
全体的にはやや結果論的な評価もあり、また俗説を無批判に継承しているという批判も可能です。それでも旧日本軍を組織論という側面から分析するという手法は斬新で、現在でも十分通用する書籍だと思います。
話を戻すと筆者らは日本軍を「環境に適応しすぎて変化に対応できなくなった組織」としています。その評価はやや辛辣過ぎるかも知れません。しかし例えばWW2当時や現在の米軍と比較したとき、当時の日本軍が組織として「自己変革能力」に劣っていたのは否定できない事実だと思います。そういった意味から筆者らの評価は的を得ているとも思います。
全体的にはやや結果論的な評価もあり、また俗説を無批判に継承しているという批判も可能です。それでも旧日本軍を組織論という側面から分析するという手法は斬新で、現在でも十分通用する書籍だと思います。
評価★★★



















