もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2006年05月

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宮古島探訪期(3)

前回までのあらすじ

前回
先日、GWを利用して先島諸島に遊びに行きました。行き先は宮古島、石垣島と八重山諸島の島々です。青い海、青い空、白い砂・・・、そんな景色を期待したのですが、あいにく天候に恵まれず、上記のような景色には殆ど巡り合えませんでした。

前回は東平安名崎の景色を紹介しました。今回はその他に宮古島の景勝地をいくつか紹介します。

砂山ビーチ

宮古島空港から車で約20分。宮古島の景勝地の中では市街地に近い場所にあります。
駐車場から歩いて5分ほどで白い砂の海岸に出ます。快晴ならば空と海と白い砂がとても綺麗な場所でしょうね。

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西平安名崎

宮古島の北端付近にあります。宮古島の北側には池間島という小さな島がつながっています。宮古島本島とは橋でつながっていて、その橋も宮古島を代表する観光地の1つになっています。

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与那覇浜

宮古島南西部にある海水浴場です。対岸には来間島が見えます。宮古島には、池間島や来間島のような隣接する小さな「衛星島」がいくつかあります。「だからどうした」という訳でもないのですが、面白いですね。
ここも綺麗な場所でした。天気さえ良ければ。しかし空には白い雲が・・・。

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つづく(かもしれない)


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(写真)パリ近郊で戦う我が軍(右下)、上の舗装道路にはフランス軍戦車5両が見える。

Steel Panthers WAWでフランス戦

Steel Panthers World At War(以下SPWAW)にはまっています。
キャンペーンシナリオはポーランド戦を終えて対仏戦に突入しました。
我が軍の戦車も、従来の旧式35(t)戦車から、やや新型化された3号E型戦車に更新されつつあります。
しかしいずれも主砲は3.7cm「ドアノッカー」。前近代的なポーランド軍相手にはそこそこ通用したものの、フランス軍相手だと果たして・・・。

SPWAWについて、詳しくはこちら

任務はパリ近郊での追撃戦。こちらは攻める側です。この追撃戦というのはどちらかといえば機動的な戦いで、相手に地雷原とか機銃ボックスといった厄介者がない分、すこしは楽です。それでもフランス製戦車の重装甲は、我々の有する対戦車火器ではなかなか撃破するのが難しい代物でした。シナリオそのものは辛くも勝利を収めましたが、そろそろ「ドアノッカー」の限界を感じつつある今日この頃です。

フランス軍の装備

今回は色々とフランス軍の車両が沢山登場してきました。面白そうなので可能な限り紹介していきます。

Laffly S15 TOE

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この奇妙な形のトラックは、農業用トラクターを改造した装甲車です。単なる偵察用装甲車ではなく、後部に6名程度が搭乗できるシートが装備され、小規模の歩兵分隊を輸送することができたそうです。装甲は脆弱(最大7mm)で火力も貧弱(機銃のみ)なので、直接の脅威になることはないでしょう。


Char D2

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最大装甲厚63mmのこのルノー製戦車は、大変厄介な代物でした。全周装甲が厚いために我々の37mm砲ではまず撃破不可能。これを撃破するためには4号戦車が装備する短砲身の75mm砲を命中させるか、あとは歩兵部隊の近接突撃で倒すしかありませんでした。私の場合、最初から撃破そのものはあまり期待せず、銃撃等で敵戦車兵の士気低下を狙い、それによって敵の後退を期待する作戦を取りました。

この戦車の欠点は速度が遅いことです。重装甲、低速なので、最初は「重戦車かな?」と思って調べてみたところ、重量20t弱なので中戦車なんですね。3号戦車と殆ど同クラスです。50mm砲装備の新型3号戦車(G型以降)ならば、こいつと互角以上に戦えると思いますが、37mm砲クラスではちょっと分が悪そうです。

史実では100両程が1940年のフランス戦役に参加したそうです。フランス戦後はドイツ軍が自国部隊用の戦車としてこのChar D2を使用したそうですから、それなりに優秀な戦車だったのでしょうね。


H-35

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重量約10t、乗員2名の軽戦車です。にも関わらず最大装甲厚47mmは、軽戦車としてはかなり重装甲です。軽戦車としてはやや速度が遅い(移動力18)というのが難点といえますが、37mm砲を装備したその車体はそれなりに脅威と言えます。いずれにしても、わずか10t足らずの車体でこれだけの性能を実現したのですから、フランスの戦車製造技術は侮れません。

このように基本的な性能は優秀なH-35でしたが、我々にとって組し易い相手でした。側面に回り込めば37mm砲でも撃破可能で、場合によっては2号戦車の20mm機関砲によっても撃破することができました。カタログスペックを見る限り側面装甲厚もそれほど劣っている訳ではないのですが、車体側面装甲34mmというのが弱点だったのかもしれません。

1936年から1939年にかけて約700台が製造され、フランス戦役にも参加しました。その後はドイツ軍で使用され、一部は自走対戦車砲「マルダー1」に改造されたそうです。


H-39

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H-35の改造型です。エンジンが強化され、その結果装甲が強化された、とゲームの解説文にはありますが、データを見ると装甲性能はH-35から変化していません。速度性能が18から22にアップしました。

1939年から1940年にかけて590台が製造され、フランス戦役ではドイツ軍と戦いました。その後はドイツ軍で使用され、「マルダー1」型自走対戦車砲やその他各種の自走砲の母体となりました。戦後はイスラエル軍も使用し、1956年まで使われていたそうです。


AMR-33

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重量5.5tの偵察用小型戦車です。最大装甲厚20mm、主兵装は7.5mm機関銃なので、戦車にとっては殆ど脅威になりません。ただの煩いハエです。20mm、37mm、75mmと、当時我々が使用していた主要な対戦車火砲すべてで撃破が可能でした。


その頃ドイツ軍は?

2度のポーランド戦を経て実戦経験を積んだ我々は、このフランス戦開始までに新装備を入手していました。今回はその中からいくつかを紹介します。

3号戦車E型

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ポーランド戦役で主力であった35(t)戦車に代わり、新たにこの3号戦車E型が戦列に加わりました。私の増強大隊は当時3個の中戦車小隊を有していましたが、そのうち2個が3号戦車への改編を終えていて、もう1個が3号戦車へ改編中でした。

35(t)戦車に比べると装甲厚(最大38mm))と走行射撃時の命中精度で優っています。地味な部分ではありますが、いずれも戦闘効率に直結する大事なファクターなので、その強化は喜ばしい限りです。ただし主砲の37mm砲の威力不足はそろそろ無視できないレベルになりつつあり、50mm砲クラスを搭載した新型戦車の就役が望まれます。

敵戦車との比較では、Char D2には装甲と火力で負けているものの機動力で優越し、H-35やH-39相手ならばすべての面で優越していました。従ってChar D2相手には積極的な交戦は避けて、その他の戦車を狙い撃ちにするような戦い方が宜しいかと思います。


4号戦車C型

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これはポーランド戦役で既に実戦参加していた車両ですが、前回紹介しなかったので、今回改めて紹介します。
75mm砲を搭載した大型戦車ですが、装甲厚は最大35mmで、3号戦車E型に及びません。特に致命的なのが側面装甲の脆弱さで、砲塔17mm、車体15mmでは対戦車火器に対する抵抗力は無に等しいです。主砲の75mm砲にしても、口径こそ大であるにしても、短砲身であるために貫通力では見劣りし、対戦車戦闘では必ずしも有利な訳ではありません。基本的には歩兵支援戦車なので、そのように運用するのが宜しいかと思います。

つづく


おまけ

フランス戦開始時期における我が戦車部隊の編成です。

 第1小隊 軽戦車x5両 2号戦車C型
 第2小隊 軽戦車x5両 2号戦車C型
 第3小隊 軽戦車x5両 1号戦車B型(2号戦車C型に改編中)
 第4小隊 中戦車x5両 3号戦車E型
 第5小隊 中戦車x5両 3号戦車E型
 第6小隊 中戦車x5両 35(t)戦車(3号戦車E型に改編中)
 第7小隊 重戦車x4両 4号戦車C型


オマケのオマケ

今までてっきり「STEEL PANTHER」だと思っていたのが、サンセットの掲示板で「スチールパンサーズ」と書かれているのを見て、赤面しつつ修正しました。


AirWar

空戦ゲームと私

シミュレーション・ウォーゲームの一分野に「空戦ゲーム」と呼ばれるジャンルがあります。現在でこそ電脳ゲームに押されて新作を見る機会が少なくなってきていますが、それでも未だに細々と新作が発表されている息の長い分野でもあります。
そこで今回は「空戦ゲームと私」というタイトルで、私が過去にプレイしてきた空戦ゲームの数々を紹介してみたく思います。

Air Force (AH)

私がこのゲームと初めて出会ったのは、今からもう20年以上も前のことでした。当時は国産のウォーゲームがぼつぼつ出始めた頃で、ウォーゲームという分野がようやく1つのジャンルとして確立されつつあった時期です。
当時空戦ゲームといえば、同じAvalon Hill社が出版していたLuftwafe(邦訳「ナチ・ドイツ空軍」)ぐらいしか作品がなく、このAir Forceを手にした時には、
「一体どんなゲームなんだろう?」
と半信半疑に箱を眺めたものでした。

ルールブックを読み、一通り理解した上で、早速練習シナリオにチャレンジしました。最初のシナリオは英戦闘機1機を操縦して次々飛来するV1ミサイルを撃ち落とすというものです。
「なーんだ、真っ直ぐ飛ぶだけのミサイルなんて、簡単だよ」
と思ってプレイしてみると、これがなかなか難しい。ミサイルを真横に見て「よし」と180度ターンを試みても、旋回を終えた頃にはミサイルははるか彼方に飛び去ってしまっています。先読みの重要性を身につけるという意味ではとても良いシナリオでした。

続いてチャレンジしたのは米重爆撃機の編隊をドイツ軍戦闘機隊で迎撃するソロプレイシナリオ。相手は9機のB-17G、こちらは4機のFW-190Aです。
「いくらなんでもこれは楽勝だろう」
と思ってプレイしてみたのですが、やはり世の中甘くはなかった。ものすごい防御砲火にさらされた我が戦闘機隊は次々と火を噴いて撃墜されていきました。後に編隊の最弱部を4機全部の集中射撃で撃ち落とすという戦法によってようやく勝利を得ることができましたが、対爆撃機戦闘の難しさを教えてくれたシナリオです。

Dauntless (AH)

左記のAir Forceの太平洋版がこのゲームです。土曜日にわざわざ大阪の百貨店まで買いに行きました。当時は百貨店でゲームが買える時代だったのです。
家に帰ってきて早速データの確認。零戦の高速運動性と20mm機関砲の評価が低かったのが悲しかった(当時は零戦ファン)。それでも日本機の大半は上昇時の速度低下が小さく(要するに機体が軽い)、旋回時の最小直進距離が小さく(要するに旋回性能が良い)、大馬力エンジンで無理やり引っ張り回す欧米の機体とは違った「味」がありました。簡単なルールなのですが、各国別の機体性能がそれらしく表現されていることがこのゲーム最大の魅力でした。

零戦は21型、52型、52型甲、52型乙、52型丙が登場します。最強なのは52型丙。火力はヘルキャットやコルセアを凌駕し、運動性も52型と何ら変わらないので、上手く乗りこなせればヘルキャットぐらいなら勝てます。我が国ではあまり評判の宜しくない52型丙ですが、このあたりの評価の違いは面白いですね。

日本機で最強なのは「紫電」です。N1K1-Jとなっているので11型の方なのですが、多分米人達は「紫電改」(N1K2-J)をイメージしてデザインしたのではないかと思います。だって「紫電」は史実では殆ど活躍していないでしょ。ヘルキャット相手なら優位、コルセア相手でも互角以上の戦いができる性能でした。

このゲームは何度もプレイし、神戸の「タクコン」では知らない人相手にプレイしたりもしました。

Air War (SPI/HJ)

このゲームについては、HJがかなり力を入れて宣伝していました。私もこのゲームの販売は心待ちにし、販売と同時に大阪へ買出しにでかけたものです。デカイ箱、ドカーンと描かれたF-15、炎を引いて落ちていくフラゴン等、非常に購買欲をそそる箱でした。中身といえば、分厚いルールブック、多数のデータカード。かなり難解なルールでしたが、
「現代ジェット機同士の空中戦を盤上で再現したい」
という欲求はその障害を乗越えました。
このゲームは何度かプレイし、梅田の「タクコン」でも知らない人相手にプレイしたりもしました。

このゲームは空中戦以外に、空対地攻撃や対空射撃に関するルールも用意されています。しかしこれらのルールはかなり大雑把でかつあまり洗練されたものではなく、後に登場した「Air Strike」に比べると明らかに見劣りしました。実際にプレイしたのも殆どが空対空戦闘だったと思います。

このゲームで教わったことは数多いです。例えば「レーダー誘導ミサイルを撃つためには敵機をロックオンしなければならない」こと。チャフやフレアの存在。アムラーム、アスラームの存在。ソ連製空対空ミサイルのこと等。当時、戦闘機の名前は知っていても、武器システム等については素人に近い状態であった私に様々な知識を与えてくれたのは、このゲームではなかったかと思います。

現在の視点から見れば色々と「アラ」の多いゲームではありますが、それでも複雑な現代空戦を盤上で再現したという意味は大きいと思います。

Flight Leader (AH/HJ)

「Air Warが複雑すぎるから」という理由かどうかはわかりませんが、Avalon Hillが「比較的簡単なルールによる空中戦ゲームを」ということで発表したのがこのゲームです。確かにルールは簡単になりましたが、空中戦ゲームの魅力の1つである「機体や兵器のディテール」の多くが失われてしまったのは残念でした。また1ターン30秒というスケールは現用機の空中戦ゲームとしてはやや長すぎるスケールで、ドッグファイトの面白味が失われてしまったのは残念です。

このゲームについては殆どプレイしていません。ですから本来ならばもっと面白いゲームであったのかもしれません。私はその面白さに気づくことがなかっただけなのかもしれません。しかしこのゲームそのものは私にとって非常に有益なものでした。何故ならこの美しい駒とマップは自作空中戦ゲームをデザインする上で最適なものとなったからです。

Air Superiority (GDW/HJ)

タクテクス誌に有坂純氏の興味深いレビューが掲載されて以来、私はこのゲームの虜になりました。米国からGDW版のAir Superiorityを入手。F-14 vs Su-22というボックスアートはチープな感じを受けましたが、中身は期待を裏切らない素晴しいものでした。Air Warが「朝鮮戦争から現代戦まで」ということでF-86からF-15までの戦闘機を揃えてきたのに対し、こちらは完全に現在戦1本に絞った感があります。登場機体もF-4,F-15,F-18,MiG-29,Su-27等。一部にドラケン、ライトニング、MiG-21、F-104といった旧式機も登場してきますが、いずれも「現用の旧式装備」扱いであり、ベトナムやアラブ・イスラエル戦争を再現するための機体ではありません。またそういったシナリオもルールもありません。

このゲームではAir Warよりも簡易なルールを目指しながらも、「リアリティ」という面ではAir Warを遥かに凌ぐものをもっていました。その一例が機動ルール。Air Warでは今ひとつスッキリしなかった「機有エネルギー」の概念も、このゲームでは極めてスマートに処理されています。各種テクノロジーデバイスのルールや機外搭載兵装に関するルールもこちらの方が遥かに納得できる形でルール化されています。特に続編「Air Strike」で定義された各種地対空ミサイルに関するルールや、空対地兵装に関するルールは非常に精緻に作られていて、そこらのマニア本を読むよりも遥かにこれらについての理解が深まります。

残念なことに、このゲームをプレイした機会は殆ど覚えていません。一応ルールを熟読し、飛ばしたりミサイルを撃ったりするのならいつでもできるのですが、何故か対戦相手に恵まれなかったようです。ソロプレイ用のシナリオもあることだし、一度くらいプレイしてみるのも悪くないかも知れません。

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海軍航空隊、発進 源田實 文春文庫

海軍航空隊発進 詳しくはこちら
源田實という名前は、海軍航空隊について興味を持つ者ならば知らない人が少ないと思います。いわゆる「源田サーカス」とよばれた名戦闘機乗りであり、真珠湾からインド洋作戦、ミッドウェー海戦まで南雲機動部隊の航空作戦を担当し、さらに終戦間際には「紫電改」を装備した343空司令として米軍と死闘を演じた、あの「源田實」氏です。本書はその氏自身が海軍航空隊に綴った著作です。原作が出版されたのが1961年ですから、終戦後16年目にして発表された作品です。

本書の価値は、なんといっても海軍航空隊の中で中枢を占めていた筆者自身が海軍航空隊の興亡について記しているという点です。内容の是非はとにかくとしても、まず当事者自身が語る証言ですから、その史料的価値が高いものであることは言うまでもありません。またこの「発進編」では、他ではあまり取り上げられていない上海事変や日華事変初期の航空作戦についてもかなり詳しい記述がなされているので、そういった点から興味深いです。

本書について、「なるほど」とか「これは違うのでは?」と思った点をいくつか紹介します。

まず「空戦性能を巡る論争」(p132)で紹介されている将来戦闘機像を巡る横空と空技廠の対立。運動性重視のために翼面積増加を主張する横空と、「将来の戦闘機は高速力が重要」としてそれに異を唱える空技廠。結果的には横空側の主張が概ね通る形になって96艦戦、零戦、烈風へと続くわけですが、このような議論が未だ複葉戦闘機全盛の時代に戦われていたという事実は興味深いものがあります。なお筆者は「この時操縦性を重視する方向に決定したことは正しい選択だった」としていますが、この件について私は疑問なしとはしません。

また「制空権獲得戦法」(p200)で、筆者は「日本海軍の空母は攻撃力重視で戦闘機よりも雷爆撃機を重視し、米海軍の空母は戦闘機を重視したが、これは日本海軍の方が遥かに賢明であった」としています。しかし太平洋戦争が始まると両軍とも母艦搭載機に占める戦闘機の割合を漸次増加させていき、攻撃力重視よりもむしろ戦闘機重視という方向にシフトしていってます。そう考えると筆者の言う「日本海軍の方が遥かに賢明」という主張については、「ちょっと違うんじゃないの?」と思ってしまいました。

他にも「戦争中期までは海軍航空隊は米英の戦闘機に対して圧倒的優位に立っていた」等とも書かれていますが、これについてはやや「ひいきが過ぎるのでは」という気がします。

なにはともあれ、当時の海軍航空隊の中枢を占めた個人の回想記ですから、一読して損はないと思います。

評価★★★


海軍航空隊発進 海軍航空隊始末記 ニミッツの太平洋戦史 なぜ日本軍は敗れるのか敗因21ヶ条

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(写真)ワルシャワ郊外でポーランド軍と戦う我が戦車部隊

Steel Panther WAWでポーランド戦

相変わらずSteel Panther World At War(以下SPWAW)にはまっています。

今回は仕切り直しということで、キャンペーンシナリオに再度トライします。今回もやはり独軍を担当し、ポーランド戦役から順番にプレイすることにしました。

ポーランド軍と前近代的な軍隊というイメージが強かったので、大して苦戦することはないだろうと思っていました。こちらの主力戦車は、チェコ製の35t戦車で、他に軽戦車の1号戦車、2号戦車が偵察用に配備されています。最初から新鋭戦車を配備するよりも、旧式戦車で数を確保し、後々に装備を更新していく方が「面白い」と思えたためです。

最初のシナリオはポーランド軍相手の侵攻任務でした。当初の予想通りポーランド軍の機械化装備は時代遅れで、有力な対戦車火器も乏しかったです。ただ濃密に埋設された地雷原にはかなり苦戦を強いられました。何しろ相手が地雷であれば、こちらの性能優越なんて全然関係ありません。やっとの思いで地雷源を突破したら、その後方には機関銃陣地が待ち構えていました。
結局第1シナリオは引き分け。前近代的なポーランド軍相手とはいえ、攻撃任務の難しさを実感した次第です。

2つめのシナリオは進撃してきたポーランド軍の迎撃任務です。こういった任務は戦いやすいです。相手が前進してくるのをひたすら待っておけば良く、射程距離に入ってきた敵を片っ端から撃破すればいいのだから。結局このシナリオは圧勝。この後戦場は西部戦線に移っていきました。

ポーランド軍の装備

今回のシナリオでは、普段馴染みのないポーランド軍戦車にお目にかかりました。その一部を紹介します。

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ポーランドが英国のヴィッカース6トン戦車を元にして改造した軽戦車だそうです。"dw"というのは「2重砲塔(twin turret)」の意味らしく(砲塔が二段重ねになっているのかな?)、主兵装の7.92mm機銃2基がそれぞれの砲塔に装備されているのでしょう。主に訓練用として用いられました。1939年の独軍侵攻時にはワルシャワ防衛司令部に所属して戦闘に参加しましたが、火力不足と脆弱な装甲により殆ど戦力にはならかなかったようです。一説によると「1939年9月時点ではポーランド軍で最も有力な戦車」であったとか・・・。本当かな・・・?。
ちなみにこの"7TP"には37mm砲を搭載した改造型も存在したそうです。ゲームでの解説によれば「装甲は相変わらず不足気味であったが、37mm砲のおかげで全ての敵戦車と互角以上に戦えた」とのことでした。今回のキャンペーンでは、このタイプとは遭遇する機会がありませんでした。もし遭遇していたら、少し苦労が増えたかも知れません。

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これが37mm砲搭載タイプです。スタイルは結構精悍になっていますね。どこか強そうな感じもしてきます。まあ独軍戦車、例えば35(t)戦車なんかと比較すると、これでも性能面ではかなり見劣りするのですが・・・。

TKS

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"Main Battle Tank"となっていますが、重量僅かに2.5tの実質的には「豆戦車」です。装甲は薄いし、装備は7.92mm機銃のみなので、脅威になるような存在ではありません。ゲームでの解説でも「一部の20mm機関砲に換装したタイプは別として、他の大多数は対装甲戦闘を行う能力はない」とされています。しかしゲームでの解説はこうも書いています

「しかしサイズの小ささと機動性の優位により、本車は相手にとって極めて発見・命中させにくい目標となった。そして偵察車両にも関わらず本車はしばしば"本物の戦車"として用いられ、大きな損害を被った」。

wz 34

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37mm砲搭載の装輪装甲車です。もうこのクラスになると、少なくとも日本語で読める資料はネット上では見つかりませんでした。ゲームでの解説記事がかなり詳しいので、そちらを元に解説します。
元々はハーフトラックを改造したものです。1934年に最初の改造車が登場し、1938年には少なくとも80台以上が改良されました。この車両にはエンジンその他の違いによるいくつかのバリエーションが存在します。37mm機関砲を装備しているのは30台ほどで、残りは機銃のみの武装でした。今回のキャンペーンシナリオで私が遭遇したタイプは、その数少ない37mm砲搭載型だったわけです。
史実の話に戻ります。ポーランド侵攻時は10個装甲車中隊(それぞれ騎兵旅団に所属する装甲大隊所属)で使用されていました。当時は完全に時代遅れで、偵察及び支援任務に投入され、大きな損害を被りました。しかしその一方で敵に何らかの打撃を与えています。

キャンペーンシナリオの中で今回戦った相手としては数少ない対戦車火器を装備した車両なのでそれなりに警戒しましたが、威力に乏しい砲だったので、実際には殆ど脅威にはなりませんでした。


我が忠勇なるドイツ軍兵士諸君

さてさて、ポーランド戦を戦った我が軍の方は、主に以下のような装備でありました。

35(t)戦車

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今回のキャンペーンでシナリオで、私は戦車小隊7個(軽戦車3個、中戦車3個、支援戦車1個、合計34台)を揃えましたが、そのうち3個小隊に配備されていたのが、この35(t)戦車です。この時期入手できる中戦車の中では最弱の部類に入ります。主砲の37mm砲は、ポーランド戦役ではまあ問題なく使えていたのですが、次の西方戦域では威力不足を露呈し、北アフリカ戦役の途中で全車が3号戦車に更新されました。火力、装甲共に軽戦車クラス。足の速さが取り柄なのですが、火力が弱いために敵の側面に回りこんでも有効打を与えられない。最初は「背に腹は変えられない」ということで我慢して使っていたのですが、装備更新の最優先車両となり早々に戦列を離れました。

2号戦車c型

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私の部隊には3個の偵察戦車小隊(計15両)が配備されているのですが、ポーランド戦当時はそのうち2個がこの2号戦車c型を装備していました。こちらは優秀な車両です。火力、装甲は先に紹介した35(t)戦車の同レベルなのですが、足が速く、また軽戦車なので偵察能力にも優れています。主砲の20mm機関砲は、勿論本格的な戦車戦に耐えられる代物ではないのですが、それでも相手が巡航戦車クラスであれば、側面に回りこんで撃破することも可能でした。事実、この後の「北アフリカ」シナリオでは、英「クルセイダー」戦車の側面に回りこんだ我が2号戦車2両が、立て続けに4両の「クルセイダー」を撃破する殊勲を上げています。また強行偵察任務で、敵の軽装甲車や歩兵部隊と交戦する際、発射速度の高いこの20mm機関砲は何かと便利な代物です。
現在、ロシア戦線で戦う我が軍にあって、2号戦車c型は次第に新型の2号戦車f型に更新されつつありますが、それでも未だに数両が部隊に残っています。

つづく


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