先日、紅葉を見るために雨飾山へ行ってきました。雨飾山とは、長野県と新潟県の県境に位置する山です。標高は1963mと比較的低いのですが、アルペンチックな山容は名山の名に相応しいものです。
雨飾山への登山口は、長野県側から、あるいは新潟県側から、といくつかあります。今回私が選んだコースは、雨飾山の南側に位置する雨飾キャンプ場を基点とし、山頂までピストンするというコースです。このコースの場合、車で白馬方面から小谷温泉を経て雨飾キャンプ場に入ることになります。
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その日は土曜日に仕事が残ってしまったため、夜19時過ぎまで会社にいた。仕事を終えて駐車場に戻り、そのまま家には帰らずに直接山へ向かった(山登りの道具は車に積んであった)。いつもの通り相模湖ICへ向かい、相模湖ICから中央高速を西へ向かう。目指す雨飾山は遠いので、できれば今日中に松本付近まで進出しておきたかった。しかし週末の疲れが溜まっていたのだろう。運転中に時折睡魔が襲ってくる。途中で休憩を取ったりコーヒーを飲んだりしてなんとか騙し騙し運転していたが、双葉SA(甲府市付近)に辿り着くのが精一杯だった。時刻は2230。双葉SAの一角に車を停めて、シュラフに包まって仮眠する。
翌朝は0320頃に目が覚めた。トイレを済ませ、コーヒーを飲んで出発する。この時点では目が冴えていたので、高速道を一気に西に向かう。岡谷JCTから長野道に入り、豊科ICで高速を降りて白馬方面へ向かう。大町を過ぎた頃から再び睡魔が襲ってきた。それでもなんとか車を走らせたが、白馬を過ぎたあたりから「このままじゃヤバイ」と思った。大袈裟な話「今日の登山はやめようか?」と一時は真剣に考えた程である。結局南小谷駅前に車を停めて、その場で20分ほど仮眠を取った。仮眠のおかげで睡魔は去り、再び快調に車を走らせることができた。目指す登山口=雨飾キャンプ場には0630頃に到着した。
登山口から最初の1kmほどは湿地帯を平坦に進むが(標高約1100m)、それから山の中に入っていく。それなりにキツイ登りが続く。すこしつづ我慢しながら高度を稼いで行く。
標高1400mを過ぎる頃から周囲の紅葉がハッキリと綺麗になってきた。ここらあたりはブナ平といい、雨飾山で屈指の紅葉地域である。さらに少し登っていくと、やがて前方に1本の沢筋とその両脇に聳える雨飾山の勇姿が眼に入ってくる。そこから少し降りた所が荒管沢である。登山口から頂上へ向かうほぼ中間地点となる。到着時刻は0815。登山口からの所要時間は1時間強である。なかなか良いペースだ。ここでお茶休憩とし、前方に見える雄大な荒管沢の風景を写真に収める。
(写真1)ブナ平の紅葉
(写真2)荒管沢の紅葉
山頂へ
荒管沢を出たのは0825。今までのペースを維持できれば、1000までには頂上に辿り着けそうだ。荒管沢から先は急登になるが、真っ直ぐ上がっていく一方なのでとにかく我慢して登るだけ。時折周囲の紅葉が目に入ってくるので、それを狙ってシャッターを押した。(写真3)登っていく途中に見える雨飾山の紅葉
標高1700m付近より登山道が渋滞していた。先に登っていた団体が上のハシゴで苦戦しているらしい。自動車での渋滞は珍しくないが、山登りで渋滞というのは珍しい。ここまで順調だったのに、渋滞に巻き込まれてぐっとペースが落ちる。後で聞いた話だが、この雨飾山は上の方の登山道が狭く、また秋の紅葉で有名な山なので、紅葉期の週末はいつも渋滞しているらしい。
(写真4)渋滞する登山道
渋滞に悩まされながらもなんとか笹平に着いたのが0930頃。コースタイムではここから20分ほどで雨飾山の頂上に辿り着けるのだが、そうは問屋が卸さなかった。雨飾山頂上には何組もの団体が既に登ったり降りたりしていて、彼らが移動する度に頂上付近の坂道は大渋滞となっている。こういう時はとにかく焦っても仕方がないので、渋滞の動きに合わせて徐々に登っていくだけ。
(写真5)山頂へ続く最後の渋滞
結局頂上に着いたのは1015頃だった。この時刻になると雲が下から上がってきていて、辛うじて妙高、火打は一部が見えていたものの、北アルプス方面への視界は殆どゼロだった。もう少し早く頂上に辿り着ければアルプスの景観を楽しむ事ができたかもしれないのに・・・・。
(写真6)雨飾山山頂の風景。相変わらず「人、人、人・・・」
下山
雨飾山頂で昼飯を食べた後、1030頃下山を開始する。下山もやっぱり大渋滞。笹平に着いたのは1100頃、さらに笹平から荒管沢へ降りていく下山路も時間が取られる。坂の途中で「渋滞の先頭」を形成している団体客を追い抜くことができたため、その後比較的ハイペースで降りていった。荒管沢に下りてきたのは1210頃。その後約10分間ほど写真を撮った。朝に比べると雲の量は増えてきたが、荒管沢周辺はまだ晴れていて、前方に見える雨飾山もとても綺麗に写っていた。
荒管沢から先はブナ林を眺めてゆっくり降りていく。写真を撮りながらの歩行だったので時間が結構かかってしまった。それでも綺麗な紅葉写真を撮ることができたのは大満足である。
キャンプ場に戻ってきたのは1345。所要時間は合計約7時間だった。
キャンプ場に戻ってきたのは1345。所要時間は合計約7時間だった。
感想
今回の登山は、9月の富士登山以来およそ1ヶ月ぶりになるピークハンティング目的の登山でした。標高は1963m。登山口からの標高差は約800mで、若干のアップダウンを加味すると累積標高差は1000m弱になると思います。体力的には中程度かそれ以下ぐらい。所要時間は登りが3時間前後、下りが3時間弱です。早朝に山へ入れば、昼過ぎには十分下山できる行程です。危険個所はあまりありませんが、上の方のハシゴ場は注意が必要です。特に今回のように「渋滞」していた場合、さらに下りで渋滞していた場合、先を急ぐ登山者同士が変な形でぶつかったり、ガレ場での落石があったりして思わぬ事故に遭遇するかも知れません。渋滞の時は「順番を守ること」「焦らないこと」「割り込み等があっても腹を立てないこと」が大事だと思います。まあ最初の項目を除くとなかなかムツカシイんですけどね。この雨飾山は紅葉の美しさが印象的でした。「紅葉が綺麗」と聞いてはいたのですが、これほどとは思いませんでした。私が登ったのは10月中旬でしたけど、登山口からブナ平、荒管沢といった紅葉の名所、さらには山頂部から見下ろした山腹の紅葉等、ほぼ全山で紅葉を楽しめました。
私は今までいくつかの山に登ってきましたが、本州以南の山で
私は今までいくつかの山に登ってきましたが、本州以南の山で
(1) 2000m前後の高さ
(2) 日帰り可能な山域
という条件を満たす山では、雨飾山よりも美しい紅葉を見たことがありません(さすがに北海道の山は別格)。(2) 日帰り可能な山域
そういう意味で今回の登山は十分に満足できる登山でした。
満足度★★★★★