もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2006年11月

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(写真)私が現在保有している唯一のSPIゲーム「Drive on Stalingrad」(サンセット製)

takobaさんの「持っていないゲームのこと」という記事に触発されて以下の記事を書きました。

SPIゲームと私

何も知らない人がこのタイトルを読むと「SPIってsynthetic personality inventory、つまり総合適性検査のこと?」と思ってしまうかも知れません。

 「全然違う」んですよ。

SPIとは「Simulations Publications, Inc」の略で、1969-1982まで存在したボードゲーム出版社です。SPIのデザインしたゲームがどうしたとか、SPIの経営はどうだったかとかいった話題は、もっと詳しい方にお任せします。ただ、同社がある時期、米国のシミュレーションゲーム業界において重要な位置を占めていたことは確かなようです。

SPIはその硬派なゲーム振りが有名でした。Tacticsの古い記事で潜水艦戦を扱ったSPIのゲーム(「Up Scope!」)が紹介されていました。その記事の中で

「魚雷を命中させるためには、魚雷と目標艦があるターンに交差するだけではなく、あるターンの中で時分割した魚雷の移動と同じく時分割した艦の移動があるヘクスで時間的に合致しなければならない」

というようなことが書かれていました。当時の私はその記事を読んで、

「なんて凄いゲームなんだ」

と素直に感動していました。お馬鹿ですね。
ちなみに余談ですけど、その「Up Scope!」は、

「日本艦が出てこないから」

という愛国的な理由によって購入を見合わせた覚えがあります。

さてさて、そんな素敵な「SPIの世界」。では実際にプレイしたことがあるSPIゲームって、と考えると、これがまた意外に少ないんですよね。実際にSPIのゲームをプレイしてみると、必ずしも上記のような「お馬鹿な」ゲームばかりではなく、それなりにちゃんと楽しめるゲームも多かったように記憶しているのですが、マニアックな視点や論評のみが先行し、冷静な評価が少ないようにも思います。またSPIのマニアックぶりは、HJ等が過剰に吹聴したきらいもあります。

そこで今回私は

「そのような間違ったSPI評に一石を投じる」

といった大げさな話ではなく、タイトル通り「私とSPIゲームの関わり」について、思いつくままに書き連ねていきます。

Air War

私にとって一番関わりの深かったSPIゲームです。今まで何度かこのゲームについては書いてきましたが、「SPIゲームと私」というテーマから言えば、「このゲームは私が最初に購入したSPIゲーム」ということになります。マニアックで有名なSPI社が製作した現代空戦のゲームということで、当時はかなり神格化していたきらいはありました。このゲームから教わったことも多いのですが、今から思えば「ちょっと変」というルールも確かにありましたね。

5th Corps

セントラルフロントシリーズと呼ばれるゲーム群の第1作です。中欧におけるNATOとWPの地上戦を扱った連隊規模の作戦級ゲームで、この作品では「フルダギャップ」と呼ばれている地域での戦闘を扱っていました。WPの主力が赤軍第8親衛戦車軍団、対するNATOはUS第11機甲騎兵連隊。軍団対連隊の戦いなのでまともな戦いにならないようにも思うのですが、CRTがかなり防御側有利になっていることや、砲兵支援が攻防とも「火力加算式」(同じ火力で支援すれば当然オッズは下がる)なので、NATO側も遅退戦術でかなり粘れます。まあ「身を削りながらの勝利」しか望めませんが・・・・。化学兵器は3コラムシフトで一見凶悪なのですが、逆に言えばそれがないと赤軍第8親衛戦車軍団はフルダ渓谷で立ち往生してしまうやも知れません。「オペレーションポイントによる移動・戦闘方式」も斬新でしたが、プレイに時間がかかる(半日では終わらないかも)が難点と言えば難点でした。ゲームとしては成功作と言えるのではないでしょうか。

War in Europe

日本語版で再販された時にプレイしました。学生時代のゲーム合宿でプレイしました。今日では良く知られていることですが、このゲームはCRTに重大な欠点があり、バルバロッサ戦以外は「まともな展開」にはなりません。北アフリカ戦線なんて「両軍とも歩兵師団を1個づつ置いて、あとはにらめっこ」という状態になってしまいます。昔Tactics誌のゲームレビューで「このゲームを購入すれば、他のWW2作戦級ゲーム数個を買うのと同じ価値がある」という意味のことが書いてありましたが、今から思えば「詐欺」に近いレビューですね。あるいは「他の作戦級クソゲーを数個買うのと同じ価値がある」と書けば、もう少し正直な紹介記事だったのですが。

Army Group South

Tactics誌の付録として何作か入手しました。駒を購入してプレイした覚えがあります。「星作戦」「コルスン」の2作だったかな。1,2度のプレイだったので詳しい感想は覚えていないのですが、一応「ちゃんとしたゲーム」になっていました。

War in the Pacific

一度だけプレイに参加させて頂いたことがあります。これだけ大きいゲームになると全体像を把握するのが難しいですね。「空母を率いて戦争をした」という記憶しかありません。サンセットでプレオーダーを募集していますが、さてさてどうしたものでしょうね?。

Drive on Stalingrad

サンセットでの再販時に購入しました。4人ぐらいでプレイすると丁度良いビッグゲームです。確か2002年に4人集ってプレイしましたが、ゲーム途中でロシア軍がモラル崩壊してジエンドです。「まともに練習しないでビッグゲームするとこうなる」という典型でした。ゲームに罪はありません(多分)。

見たことないけど興味あるゲーム達

The Fast Carriers

当時AHのFLAT TOPを購入し、そこにおけるあまりに国辱的なレーティング(なんで零戦がワイルドキャットより弱いねん?)に憤慨していた私にとって、「SPIが製造した空母戦ゲーム」というのは魅力的な存在でした。

NATO Division Commander

箱は見た事があります。デカイ箱でした。師団長の任務を追体験できるそうです。殆ど話題にならなかったゲームですけど、一度で良いからプレイしているのを見てみたい気はしますね(自分がプレイするのではなく)。それにしてもこんなゲームが大阪のキディランドで入手できたなんて、素敵な時代だったのですね。

The Next War

セントラルフロントシリーズのようなシステムで中欧地域全域における現在戦を再現するビッグゲームです。空軍や海軍も登場してくるそうですが(西ドイツ海軍航空隊所属のF-104Gは対艦ミサイルを運用可能だそうな)、主役は当然陸軍ですね。先のNATO Division Commanderよりは「まともなゲーム」みたいです。SPI現在戦の集大成的なゲームで、それなりに評価されているようなので、一度はプレイしてみたいです(今ならもう「現代戦」ではなくなってしまいましたが、それはあまり気になりません。所詮は仮想戦ですから・・・・)。

とまあこんな感じです。

次回予告:「GDWと私」(嘘)

<余談1> SPIのことを調べていたら、こんなページが見つかりました。参考まで -->SPIって?

<余談2> それにしても、今の就職活動って大変ですね。こんなことも試験に出るんですか -->SPI問題集

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(写真)駒ヶ岳山頂から見下ろした芦ノ湖

箱根へ行ってきました

少し前の話になりますが、箱根の山に行ってきました。
平日の早朝の列車に乗り、小田原駅で小田急線に乗り換えて箱根湯本に向かいます。箱根湯本では箱根登山鉄道に乗り換え。この辺りまで来ると温泉地特有の硫黄臭が漂ってきます。早朝の登山列車はさすがにガラガラ。車内ではグーグー寝ていました。強羅駅ではケーブルに乗り換え、10分ほどの乗車時間で早雲山駅に到着しました。

(写真)箱根登山鉄道-箱根湯本駅にて
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早雲山駅に着いたのは午前8時少し前でした。標高約800[m]のこの早雲山駅が出発点です。ここから歩いて約1時間で標高約1200[m]の早雲山山頂、さらに1時間で箱根最高峰の神山(標高約1400[m])、そして最後は駒ヶ岳山頂にたどり着くはずです。所要時間は約3時間。ちょっとした運動には丁度良い距離です。

歩き始めは0800過ぎでした。最初に目指すのは早雲山。約400m強の登りになります。「丁度紅葉が見頃」ということで期待して登ってきました。なるほど、確かに途中で紅葉が綺麗な場所もありました、しかし全般的に紅葉は今ひとつの感があります。そりゃ、北アルプスで見たような「鮮やかな」紅葉は最初から期待していませんけど、もう少し鮮やかさがあっても良かったかな、という気がします。

(写真)山中で見る紅葉
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早雲山までは緩やかな登りが続きます。平日の早朝ということで登山者の姿はありません。静かな山登りが続きます。箱根の山ということで、登山そのものの難易度は大したことはありませんが、登山路にマーキングが少ないため、悪天候時は迷うかも知れません。

0910頃に早雲山に到着。眼下に箱根の町並み、その向こうに富士山が見えます。ここまででかなり標高を稼いだので、ここからは稜線歩きになります。緩やかな登りを登って標高1437mの神山に着いたのが1000頃。ここは箱根連山の最高峰です。間近に見える富士山がきれいです。

(写真)神山から見た富士山
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ここから少し山を降り、最終目的地である駒ヶ岳へ向かいます。この途中で数名の登山者とすれ違いました。どうやら駒ヶ岳方面からロープウェーで上がってきたみたいです。登山者達の話によるとロープウェーの始発が0900過ぎなのでここまで時間がかかったとのコトでした。

駒ヶ岳に着いたのが1100頃。この駒ヶ岳山頂まではロープウェーが来ているので、一般の観光客が数多く来ていました。昼食として持参してきた握り飯をここで食べます。山頂付近で少し歩き、1120発の下りロープウェーに乗って芦ノ湖岸の箱根園に降りていきました。

(写真)箱根園から見上げた駒ヶ岳
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帰り

箱根園からバスに乗って帰るつもりでしたが、何でも途中の大涌谷付近で大渋滞が発生しているとのこと。そのためかバスがなかなか来てくれません。仕方が無いのでここから歩いて芦ノ湖畔の元箱根を目指すことにしました。元箱根からは小涌谷経由で箱根湯本・小田原方面行きのバスが数多く出ているからです。30分ほど歩いた後、元箱根に着きました。
渋滞の影響はこの元箱根にも出ていましたが、幸い30分ほど待っただけでバスが着ました。バスに乗って峠を越え、あとは登山列車に乗り換えて箱根湯本を目指します。
箱根湯本に着いたのは1330頃。駅から歩いて5分ほどの場所にある「弥次喜多の湯」という日帰り入浴施設に行き、山歩きの汗を流しました。入浴料は\900。露天風呂あり、洗い場ありの綺麗な設備でしたが、休憩施設が少し悲しかったです。畳の間のようなものがあって、そこで横になってゆっくりできる、というのが有難いのですが、なかなかそういった施設は都市部だと難しいのかもしれませんね。

感想

箱根は家から近いのでちょっとした山歩きには最適なのですが、山登りとして考えた場合はやや魅力に乏しいですね。景観的には富士山と芦ノ湖、それから相模湾の風景が魅力なのですが、例えば北アルプスで見るような日常離れした風景に比べると景観的な魅力に欠ける点は否めません。
箱根の魅力はその「手軽さ」にあるのかもしれません。バス、登山列車、ロープウェイ、ケーブルカーといった様々な交通機関を使い、かなり標高の高い場所まで手軽に行くことができる。景観的な魅力には乏しくても、高尾山等に比べたら少し本格的な山歩きが楽しめる。さらには温泉、美術館といった娯楽設備にも恵まれている。

「軽く山にでも行ってみようかな」

そう思ったときに「箱根」というオプションは魅力的なものかも知れません。

GJ#21に「ソロモン夜襲戦」の紹介記事


本日、我が家にGame Journal誌の最新号(#21)が届きました。

「あれ?」

と思い、その後

「もしや」

と思って中をパラパラめくってみると、

「あった!!」

ページの最後の方ですが、小さく「ソロモン夜襲戦」の文字があるではないですか。

正直な所、前回投稿した「ガンダム」に比べると、やや扱いは寂しいです。また「精密海戦級」というイメージがかなり強調されていて、もう少し全体像を見て欲しかったな、というのが偽らざる気持ちです。紹介頂いただけでも有難い話なんですが。

難易度4(5段階)

うーん、そんなものかな?。IJNと同じぐらいだと思うんだけど・・・・。

コンポーネント=シート類38枚

確かにそうだけど、全シナリオ分の記録シートを添付することになるのかな?。それだとコンポーネント的にも辛そうだけど。一層汎用記録シートだけを添付して、各シナリオの分はGame JournalのHPからダウンロードするとか(勝手なこと書いてスイマセン、変酋長)。

とりあえず紹介頂いたと言うことで一歩前進です。
できれば製品の形になって欲しいですね。

今後とも「ソロモン夜襲戦」をよろしくお願いします。

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「ソロモン夜襲戦」 シナリオ7のエラッタ

ソロモン夜襲戦のシナリオ7で誤記が見つかりました。本来ならば訂正版を出すべきなのですが、量が少ないので今回はエラッタで対応させて頂きます。

(注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちらをご覧下さい

まず地図の配置です。下図が正しい配置となります。
https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/b/9/b93b7e55.gif


次にユニットの初期配置。ヘクス番号は間違っていないのですがマップ番号が間違っていました。正しくは以下の通りです。


日本軍
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連合軍
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サボ島の位置は「E0413から3ヘクス以内」です。

勝利条件7.6.2は以下の通り修正して下さい。
「相手よりも先に必要勝利得点を獲得した側が勝利する。ゲーム終了までに両プレイヤーが勝利条件を獲得できなかった場合は、ゲーム終了時に地図「F」又は地図「J」に中破していない日本戦艦が存在していれば日本軍の勝利、それ以外は連合軍の勝利とする。」

もし訂正版をご希望の場合、私宛にご連絡下さい。折り返し送付させていただきます。

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(写真)在りし日の神岡鉄道。猪谷駅にて

神岡鉄道廃止について

今日、ニュースを見て初めて知ったのですが、第3セクターの「神岡鉄道」が今月一杯で廃止になるそうですね。多分、鉄道マニアの間ではもう周知の事なんでしょうけど、「なんちゃって鉄」の私にとっては青天の霹靂でした。
神岡鉄道といっても知らない人には「何それ?」という感じでしょう。JR高山本線の猪谷駅から奥飛騨温泉口まで約20[km]を結ぶ第3セクターの鉄道です。非電化単線区間を単行のローカル線が1日数往復しています。トンネルや橋梁が多いために「奥飛騨の地下鉄」と呼ばれているそうです。

廃止の直接原因は神岡鉱山からの硫酸輸送が鉄道からトラックに転換されたことだそうです。確かに旅客輸送だけを考えてみた場合、神岡鉄道周辺だけでは観光資源が乏しいことは否めません。終点の奥飛騨温泉口からバスで平湯温泉や上高地へ向かうこともできなくはないようですが、そんな面倒なことをしなくても高山から直接バスに乗って上記の目的地へ向かったほうがはるかに便利です。第一、山岳観光の中心は公共交通機関から自家用車にシフトしているのは確実。そういった意味から今回の廃止はやむを得ないことなのでしょう。

それにしても残念な話です。
宮脇俊三氏の名作「時刻表2万キロ」の冒頭で筆者が旧国鉄神岡線(神岡鉄道の前身)を尋ねる件があるのですが、その場面での鉄道や鉄道旅の描写が秀逸でした。夜の上野駅で夜行列車に乗り込む場面。朝の猪谷駅で列車を間違えてその場に取り残される件。その周囲に広がる水墨画のような風景等。この部分を読んだだけで私は鉄道旅行の虜になってしまいました。
それだけに今回は廃止前に是非一度乗っておきたいと思っているのですが、なんせ廃止が「今月一杯」とまあ急な話。今から切符を買って富山まで新幹線と特急を乗り継いで、日帰りで「さよなら神岡鉄道」というのもちょっと辛い所です。

神岡鉄道に限らず、第3セクター方式の鉄道はどこも苦戦を続けているようです。北海道の第3セクター「ふるさと銀河線」が廃止されたのは今年の4月。全長140[km]の比較的長距離を走る線で、帯広方面と北見を結ぶ路線だったのですが、少子高齢化とマイカーへのシフトには抗し得なかったようです。九州の高千穂鉄道は昨年秋の台風による災害復旧の目処が立たないので廃止が決定。昨年廃止された石川県ののと鉄道では鉄道再開運動が盛り上がっているようですが、先行きは苦しそう。また第3セクターではありませんが、茨城県の鹿島鉄道鉾田線は来年の廃止が決定しているし、千葉県の銚子鉄道は経営難を「ぬれ煎餅」事業だけで支えているというようなニュースも伝わっています。

九州新幹線開業や東北新幹線延伸等、鉄道事業を巡る動きは悲観的なものばかりでもないのですが、地方ローカル線については確実に淘汰が進んでいるようです。近い将来、鉄道は都市部と幹線網のみ、というような時代がやってくるかもしれません。

(写真1)奥飛騨温泉口駅に停車するディーゼル機関車。5年前の写真なので、まだ貨物輸送は継続していたのだろう。
https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/5/e/5ecf2c5c.jpg

(写真2)神岡市街の景観
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(写真3)奥飛騨温泉口駅の風景
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