2007年08月
アジフリ-シナリオ2リプレイ(前編)
先日購入した「アジアン・フリート」のシナリオを試してみました。
前回はシナリオ3「Target Nodong」にチャレンジしたので、今回は別のシナリオということ、シナリオ2「油田水域 Oil Filed Waters」を試してみました。これは、東シナ海の油田地帯を巡る日本と中国の激突を描いた仮想シナリオです。前回のシナリオ3は航空戦の様相が強く、水上艦や潜水艦は「おまけ」といった感があったのですが、今回のシナリオは両軍とも強力な水上部隊が登場してくる上、水上艦に護衛された建設資材を油田地帯まで輸送するといういわば正統的な「護送船団」型のシナリオなので、水上部隊の活躍が期待できそうです。
前回はシナリオ3「Target Nodong」にチャレンジしたので、今回は別のシナリオということ、シナリオ2「油田水域 Oil Filed Waters」を試してみました。これは、東シナ海の油田地帯を巡る日本と中国の激突を描いた仮想シナリオです。前回のシナリオ3は航空戦の様相が強く、水上艦や潜水艦は「おまけ」といった感があったのですが、今回のシナリオは両軍とも強力な水上部隊が登場してくる上、水上艦に護衛された建設資材を油田地帯まで輸送するといういわば正統的な「護送船団」型のシナリオなので、水上部隊の活躍が期待できそうです。
水上部隊はすべて佐世保に初期配置。潜水艦は東シナ海に先行している。航空兵力は九州各地と沖縄に展開し、油田地帯を包囲する形になっている。日本側の目的は油田地帯に建設資材を搭載した輸送船団を送り届けることである。
中国海軍の主力は潜水艦である。最有力艦はキロ級のSS366で、魚雷の他に対艦ミサイルも発射可能である。同じくキロ級のSS365も厄介な艦であるが、その他は比較的低性能の宗級やさらに旧式のロメオ級小艦隊等であり、煩い存在ではあるが対処は困難ではない。
水上部隊はソブレメンヌイ級の「杭州」(Hangzhou)が主力であり、他は「江衛I型」の小型フリゲート艦が4隻である。戦力的には大きくないが、「杭州」が搭載するSS-N-22「サンバーン」高速対艦ミサイルは、撃たれた方としては厄介な存在になりそうである。
航空部隊は数こそ多いものの旧式機が過半を占め、見た目ほど脅威ではない。その中でSu-30とその改造型Su-30MMK2は、F-15をも上回る高性能機である。また国産のJ-10軽戦闘機や、JH-7戦闘攻撃機も厄介といえば厄介である。
水上部隊はソブレメンヌイ級の「杭州」(Hangzhou)が主力であり、他は「江衛I型」の小型フリゲート艦が4隻である。戦力的には大きくないが、「杭州」が搭載するSS-N-22「サンバーン」高速対艦ミサイルは、撃たれた方としては厄介な存在になりそうである。
航空部隊は数こそ多いものの旧式機が過半を占め、見た目ほど脅威ではない。その中でSu-30とその改造型Su-30MMK2は、F-15をも上回る高性能機である。また国産のJ-10軽戦闘機や、JH-7戦闘攻撃機も厄介といえば厄介である。
セットアップ時の状況
戦略航空作戦
自衛隊は東シナ海にF-15に護衛されたAWACSとP-3Cx2ユニットを投入した。中国空軍も東シナ海にSu-30を始めとする戦闘機4ユニットを投入してきたが、この段階ではまだ両国とも本格的な交戦を決意していなかった。そのため両軍の戦闘機は互いに警戒しながらも任務を遂行した。
このシナリオでは、どちらか一方が「開戦」を決意するまで、両者とも相手を攻撃することはできません。日本側は先制攻撃を行った際にペナルティが適用されますが、中国側にはそのようなペナルティはありません。また日本側にしてもペナルティは左程厳しいものではないので、あえて「先制攻撃」を行うことも十分可能です。
第1ターン(D-1 Day 午前)
佐世保から艦隊が出港していった。護衛艦16隻、補給艦2隻に護衛された2隻の作業船は、粛々と東シナ海の油田地帯へ向かっていった。それを水中から密かに追う影があった。中国海軍の潜水艦「SS366」号である。中国海軍潜水艦「SS366」号。キロ級に属する本艦は、中国海軍の保有する最有力のディーゼル潜水艦であった
第2ターン(D-1 Day 午後)
日本船団の位置を捉えた中国側は即座に行動に出た。Su-30MKK2に護衛されたJH-7「フライング・レオパルド」3ユニット(約60機)が中国東岸の航空基地を発進、東シナ海を進む日本艦隊に向かった。日本艦隊付近ではAWACS機とF-4EJ改戦闘機が空中哨戒にあたっていたが、
「先制攻撃は厳禁」
という政府指示のため、接近してくる中国機を迎撃することができなかった。爆弾を抱えた「フライング・レオパルド」の編隊が日本艦隊から5マイル以内に迫った時、ようやく日本艦隊は防空戦闘を開始した。3隻のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」「あしがら」が、その垂直ランチャーからミサイルを空中に吐き出す。超低空飛行でミサイルを回避する中国機に対して、5インチ砲や「シースパロー」が迎え撃つ。大空を睨むイージス艦のレーダーと対空火器
中国機の攻撃が終わった時、作業船1隻とその直衛にあたっていた護衛艦「ゆうだち」が撃沈されていた。日本艦隊の対空砲火は中国機10機以上を撃墜していたが、その攻撃を完全に阻止することはできなかった。
中国空軍の攻撃を受けて撃沈された作業船と護衛艦「ゆうだち」
中国軍の攻撃はなおも続いた。続いて接近してきた中国潜水艦が数発の対艦ミサイルを発射。日本艦隊の防空網をすり抜けたその1発が護衛艦「くらま」に命中した。「くらま」は辛くも沈没を免れたものの、その戦闘能力は大きく殺がれてしまった。日本艦隊で最も有力な対潜艦が撃破されたことは、後の戦局に大きな影響を与えずにはいなかっただろう。
チャンスとみた中国軍はなおも追撃の手を緩めない。中国沿岸に待機していた水上打撃部隊(駆逐艦1、フリゲート艦4)が日本艦隊に接近し、対艦ミサイルの攻撃を仕掛けてきたのである。中国艦隊の主力は、ロシアから輸入したソブレメンヌイ級駆逐艦「杭州」。その搭載する高速対艦ミサイルSS-N-22「サンバーン」が日本艦隊を襲った。
護衛艦「ありあけ」に数発の対艦ミサイルが命中。「ありあけ」は瞬時に轟沈した。また作業船1隻にもミサイルが命中。作業船は沈没こそ免れたものの、重大な損害を被った。
護衛艦「ありあけ」に数発の対艦ミサイルが命中。「ありあけ」は瞬時に轟沈した。また作業船1隻にもミサイルが命中。作業船は沈没こそ免れたものの、重大な損害を被った。
中国海軍駆逐艦「杭州」。ソブレメンヌイ級に所属する本艦は強力な対艦ミサイルを搭載する有力な水上打撃艦・・・の筈だったが、近年では「失敗作を買わされた」という評判もチラホラ・・・・
「日本艦隊攻撃さる」
緊急警報を受けた九州各地の自衛隊基地からは、日本艦隊を援護すべく攻撃隊が次々と飛び立っていった。鹿屋基地からは「ハープーン」空対艦ミサイルを搭載したP-3Cx2個飛行隊が、築城の航空自衛隊基地からは国産のASM-2空対艦ミサイルを搭載したF-2部隊が発進。東シナ海を遊弋する中国艦隊を目指した。距離約30マイルから次々と発射された空対艦ミサイルは中国艦隊を襲った。主力の「杭州」は2発のミサイルを受けて大破し、他にフリゲート艦1隻もミサイルの命中を受けて損傷した。
中国艦隊に対して空からの反撃を実行した我が航空部隊
第3ターン(D-1 Day 夜間)
中国艦隊に対する日本艦隊の報復攻撃が始まっていた。生き残った護衛艦のうち、対艦ミサイルを搭載した13隻は次々と対艦ミサイルを発射した。新鋭の「たかなみ」級、「むらさめ」級の各艦は国産の90式対艦ミサイル、その他の艦は米国製「ハープーン」ミサイルを発射した。発射弾数は各艦4発づつ、合計52発もの艦対艦ミサイルが中国艦隊に降り注いだ。中国艦隊は必死に抵抗したが、圧倒的な飽和攻撃に抗すべくもなかった。2隻のフリゲート艦がそれぞれ10発前後の命中弾を浴びて瞬時に轟沈していった。
対艦ミサイルの飽和攻撃について、フリートシリーズでは全般に過小評価している感があります。実際に数十発の対艦ミサイル攻撃を受けた場合、イージス艦でもない限りそれを阻止することは不可能のように思われるのですが、フリートシリーズの場合はダイス目によっては意外と軽微な損害で済むことが多々あります。
水上部隊に大きな損害を被った中国海軍は、潜水艦による反撃を行った。まず大破していた護衛艦「くらま」が雷撃を受けて轟沈。続いて護衛艦「まきなみ」も雷撃によって大破した後、さらなる攻撃によって沈没していった。この段階で早くも4隻もの護衛艦が中国軍の攻撃によって失われていった。
さらに衝撃が日本艦隊を襲う。潜水艦の雷撃が作業船に命中。唯一残っていた作業船が沈没していった。これで日本側は2隻の作業船を共に失ったことになる。作業船の沈没は、同時に多数の民間人が犠牲になったことを意味していた。作戦は凄惨な様相を呈してきた。
さらに衝撃が日本艦隊を襲う。潜水艦の雷撃が作業船に命中。唯一残っていた作業船が沈没していった。これで日本側は2隻の作業船を共に失ったことになる。作業船の沈没は、同時に多数の民間人が犠牲になったことを意味していた。作戦は凄惨な様相を呈してきた。
傷ついた日本艦隊を今度は中国空軍機が襲う。約50機のJH-7攻撃機が爆弾を抱えて日本艦隊に襲いかかった。しかし今度は日本艦隊の対空砲火が猛威を振るった。3隻のイージス艦が多数のミサイルを打ち上げた。20機以上の中国機が撃墜され、生き残ったその他の機体はほうほうの体で逃げ出していった。
中国海軍航空隊の攻撃機JH-7。中国では珍しい大型の双発複座攻撃機で、最大約6.5tという大きな兵装搭載量を誇る。
パソコン復活
週末に少し出かけていましたが、外から帰ってくるとパソコンが修理から戻ってきました。
修理に1ヶ月近くもかかってしまいました。
とりあえずメールチェックをすると800通以上もメールが溜まっていました。
まあ大半はスパムでしたけど。
とりあえず一安心です。
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ソロモン夜襲戦、登場艦列伝 - 日本軍重巡洋艦編(3)
「ソロモン夜襲戦」登場艦艇紹介
今回は「ソロモン夜襲戦」に登場する艦艇について紹介したいと思います。実際の性能や戦歴は他の史料等を見ればわかる話なので、ここでは「ソロモン夜襲戦」におけるこれらの艦(フネ)の扱いについて書いていきたいと思います。 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちら
「最上」(a)
概説
1930年に締結されたロンドン海軍軍縮条約は、重巡洋艦の保有量に制約を課すこととなりました。それを受けて日本海軍は、8インチ砲搭載重巡を補完する8500t級大型軽巡洋艦の建造に着手しました。それが「最上」型です。新型の3連装15.5cm砲5基15門を備えた「最上」は、重巡に匹敵する性能を持った大型軽巡として世界が注目する所となり、米「ブルックリン」級軽巡や英「サザンプトン」級軽巡を生み出すことになったのです。「最上」「三隈」「鈴谷」「熊野」の4艦が就役しました。その後「最上」型4艦は主砲を20cm連装砲5基に換装し、「妙高」「高雄」型に匹敵する能力を持った巡洋艦に生まれ変わったのです。開戦後は4艦共南方攻略戦に参加し、「最上」「三隈」はバタビア沖海戦で米重巡「ヒューストン」と豪軽巡「パース」を撃沈しています。ミッドウェー海戦で「三隈」が失われた後、航空巡洋艦に改造された「最上」を除く2艦は、空母部隊の直衛任務や夜戦兵力としてソロモン方面で活動しました。その後マリアナ、レイテ沖海戦にも参加しました。サマール島沖海戦には「鈴谷」「熊野」が参加しましたが、いずれも戦闘開始後比較的早い時期に戦闘力を失ったため、大きな活躍はありませんでした。ゲームでの性能
主砲は20cm砲6-10-4。艦首射界に対する火力が「妙高」「高雄」よりも強化されているため、何かと便利だと思います。水雷兵装は左右それぞれ93式魚雷発射管6門づつ。改造後の「妙高」「高雄」の8射線には及びませんが、まあ十分な火力と言えるでしょう。装甲は「妙高」「高雄」と同レベルです。「妙高」の解説でも述べましたが、本型の砲力及び装甲防御力では「ノーザンプトン」級以前の比較的旧式の米重巡とは互角の砲戦が可能としても、「ポートランド」級以降の艦と撃ちあうには明らかに力不足です。本型が重装甲を誇る米重巡に打ち勝つためには、接近戦と魚雷の活用が決め手になると思われます。シナリオでの扱い
仮想戦であるシナリオ3で4艦揃って登場します。相手は強敵「プリンス・オブ・ウェールズ」。「最上」型の戦闘力を遺憾なく発揮できるシナリオなので、ファンの方にはお奨めしたいです。他にはシナリオ13,15,16に「熊野」「鈴谷」の2艦が登場します。いずれも仮想戦シナリオです。そういえば「最上」型が登場するシナリオはいずれも仮想戦ですね。個艦性能は優秀でも、実際にはあまり活躍の機会がなかった不遇なクラスなのかもしれません。史実戦で「最上」型の活躍する機会を探してみると、1942年2月のバタビア沖海戦か、あとは1944年10月のサマール島沖海戦ぐらいしかなさそうです。「最上」(b)
概説
ミッドウェー海戦で大破した「最上」は、その損害復旧を利用して航空巡洋艦に改造されることになりました。後部主砲はすべて撤去され、そこには大型の飛行甲板が設置されました。最大11機の水上偵察機を搭載可能な同艦は、艦隊の航空偵察能力向上に大きく貢献することが期待されました。レイテ沖海戦では同艦の水上偵察機がレイテ湾内に対して強行偵察を実施し、日本側に貴重な情報をもたらしました。「利根」
概説
日本海軍が最後に整備した重巡洋艦が「利根」型です。4基の20cm連装砲はすべて前部に集中され、後部は広大な飛行甲板となりました。水上機の搭載数は最大8機。実際には4~6機程度が搭載されました。「利根」「筑摩」の2艦が建造されました。開戦後は主に機動部隊と行動を共にし、ハワイ作戦やミッドウェー海戦等では、その卓越した偵察能力を生かして活躍しました。戦争後半は遊撃部隊に所属し、マリアナ、レイテの二大海戦にも参加しています。サマール島沖海戦では「利根」「筑摩」が揃って奮戦し、米護衛空母群に大きな脅威を与えたましたが、米艦載機の反撃により「筑摩」が失われました。「利根」はその後もしばらく活動を続けましたが、1945年7月の呉大空襲の際に大破着底してしまいました。「世界の重巡洋艦パーフェクトガイド」によると「利根型は各国が建造した重巡の中でも最も耐弾防御が良好な部類に属する艦のひとつと評価されている」そうです。もしこの評価が正当なものであるならば、「利根」の装甲値にもう少し「色」をつけても良いかも知れませんね。
アジフリ-シナリオ3「ミサイル基地を叩け」
先日購入した「アジアン・フリート」のシナリオを試してみました。シナリオ3「Target Nodong」です。これは北朝鮮ミサイル危機をシミュレーションするシナリオです。弾道ミサイルによる攻撃を画策する北朝鮮に対し、日米連合軍が先制攻撃を行ってミサイル基地の撃破を目論むという、ある意味「とても好戦的」なシナリオです。
初期戦力
戦場は朝鮮半島とその周辺海域です。日米連合軍の兵力は、空母機動部隊1群、水上部隊2群、潜水艦5隻、そしてF-15やF-2といた航空自衛隊の主力、三沢のF-16、岩国のF/A-18、八戸/厚木のP-3C、空母「キティーホーク」の艦載機群、さらにはグアム島からはB-52やB-2が飛来します。日米連合軍の目的は、最小限の損害で北朝鮮側ミサイル基地を全て破壊することです。対する北朝鮮は、MiG-29やMiG-23等の戦闘機隊、若干の攻撃機、旧式潜水艦、そしてミサイル艇部隊です。兵力面での劣勢は覆うべくもありません。北朝鮮は、ミサイル基地攻撃にやってくる日米軍にできるだけ大きな損害を与えることが目標になります(ミサイル基地を守りきることはほぼ不可能です)。
セットアップ時の状況
戦略航空作戦
日米連合軍は日本海ゾーンにF-15 2ユニット、EA-6 1ユニット、E-767AWACS 2ユニット、その他を投入した。北朝鮮軍は兵力温存のために戦略航空作戦には部隊を投入しなかった。当然のように日米連合軍が日本海ゾーンの制空権を確保した。AWACS部隊が北朝鮮領海すれすれまで接近し、管制任務を開始した。AWACSの管制下には百里、小松、築城の各基地を発進したF-15計5ユニットが入り、北朝鮮領空内での航空優勢任務についた。第1ターン(D Day 午前)
戦争が始まった。空母「キティホーク」を基幹とする第77機動部隊は佐世保基地を出港。9隻の護衛艦艇(すべてイージス艦)を従えて北の海を目指した。午前3時15分。「シャイロー」以下9隻のイージス艦はトマホークミサイルによる第1波攻撃を敢行した。目標は北朝鮮東部にあるxx航空基地である。北朝鮮空軍機による厳重な警戒網を突破したトマホークミサイルは次々と目標に命中。航空基地は一時的に機能を失った。ミサイル攻撃に引き続いて日米の航空部隊が北朝鮮各地に殺到した。航空戦略のセオリーとして、まず敵防空組織を破壊する、というのがある。しかし今回は敵防空組織が元々弱体なことや時間が限られていること、さらには自軍の損害をできる限り完封するという意味もあるので、日米軍の主目標はミサイル基地に集中した。グアムを発進したB-52部隊を皮切りに、三沢から発進した米空軍のF-16(途中空中給油で航続距離を延伸した)、同じく三沢の空自F-2、F-4EJ混成部隊、「キティーホーク」のF/A-18、さらにはグアムに展開していた「虎の子」B-2爆撃機も投入され、北朝鮮各地を思うままに破壊した。このターンの爆撃だけで北朝鮮ミサイル基地の半数が壊滅し、残り半数も重大な被害を被った。
北朝鮮空軍機も懸命に迎撃したが、AWACSの支援で飛び回る航空自衛隊F-15Jの敵ではなく、虎の子MiG-29 1ユニットが壊滅し、他は基地へ逃げ込んだ。
日本海では海上自衛隊も活躍した。「せとしお」以下の潜水艦隊が北朝鮮潜水艦部隊を捉え、魚雷攻撃で数隻を撃沈していた。また厚木を飛び立ったP-3C部隊は、元山港に潜む北朝鮮ミサイル艇部隊をハープーン対艦ミサイルで攻撃。1ユニットを壊滅させた。
連合軍機による猛攻
第2ターン(D Day 午後)
「せめて一太刀でも浴びせん」そう考えたのか、北朝鮮東部各地を出撃したミサイル艇部隊が日本海で行動中の海上自衛隊水上部隊を射程距離に捉えた。しかし彼らはミサイルを発射する直前、連合軍機の猛攻を浴びることになってしまった。厚木を飛び立った海自P-3C部隊はミサイル艇1ユニットを壊滅させた。岩国を発進した米海兵隊のF/A-18部隊は、築城の空自F-2部隊と共同で北朝鮮コルベット部隊を壊滅させた。
北朝鮮での戦いは既に末期的な様相を呈してきた。ほぼ完全に制空権を掌握した連合軍機は、北朝鮮上空を思うがままに飛びまわった。B-52が、B-2が、F-16が、F/A-18が、F-2が、F-4EJが・・・・、ミサイル基地を爆粋し、飛行場の機能を停止させた。洋上の第77機動部隊所艦からはなおもトマホークによる激しい攻撃が続き、水中に潜む米潜水艦「ヘレナ」「アッシュビル」の2艦もトマホーク攻撃に参加した。
第3ターン(D Day 夜)
この時点で北朝鮮のミサイル基地は全て壊滅していた。連合軍は当初の目的を達成し、あとは残敵掃討段階に入った。朝鮮半島東岸の清津と馬養島に爆撃機と巡航ミサイルを投入し、その両方を壊滅させた。それ以外の目標はあえて手をつけない。何故なら友軍の犠牲は最小限に留めなければならないから。終了
作戦開始わずか1日で連合軍は勝利を宣言した。北朝鮮のミサイル基地は全て壊滅。水上部隊も全滅した。潜水艦はその1/3、航空兵力も1/4を失った。連合軍の損害は皆無である。北朝鮮は敗北を認め、連合軍に対して屈辱的な和平案を受け入れることを余儀なくされた。ゲーム終了時の状況
圧倒的じゃないか我が軍は
うーん、どうなんでしょうね?。ハッキリ言って北朝鮮側で勝利するのは殆ど「不可能」だと思います。連合軍の航空兵力は殆ど圧倒的で、AWACSの効果も相まって北朝鮮全土で航空優勢を保持しています。単純に空戦力を比較しただけでも、連合軍はF-15、F-16、F/A-18等合計で200近い火力を有しているのに対し、北朝鮮側は合計48戦力。しかも連合軍の主力が足の長いF-15なのに対し、北朝鮮軍はその4割が短足のMiG-21です(戦略航空作戦に投入できない)。さらに連合軍側にはトマホーク搭載艦が合計11隻。しかもそのうちの9隻は6発以上のトマホークを搭載し、「毎ターン巡航ミサイル攻撃を行える」ほどの火力投射量を誇ります。このような状況下では北朝鮮側に航空戦力による反撃は思いもよりません。飛び上がった瞬間AWACSに誘導されたF-15によって袋叩きにされるでしょう。運良く相討ちで敵AWACSを撃退したとしても、連合軍は2ユニットのAWACSを有しているのでその防御網はいささかの揺るぎもないでしょう。
北朝鮮側にとって残る手段としては潜水艦と水上艦による反撃があります。この中で最も有望なのが潜水艦による攻撃です。洋上行動中の連合軍艦艇を上手く捕捉できれば、敵イージス艦の1~2隻をステップロスさせることは可能かもしれません(あくまで「運が良ければ」ですが)。しかし北朝鮮潜水艦は低速ゆえ高速で走り回る敵水上艦の捕捉は困難です。
一方の水上艦は足が速いので、敵を発見することに成功すれば対艦ミサイルによる一撃を見舞うことは可能です。しかしこちらは潜水艦に比べると非脆弱性に劣り、開戦初頭に連合軍機の集中攻撃を浴びる可能性が高いです。ひとたび連合軍機の攻撃を受けた場合、元々防御力が小さい上に近接対空火力も貧弱なので、容易に壊滅させられるでしょう。
結局の所、このシナリオで北朝鮮軍は連合軍に「多少の損害」を与えることは可能かもしれませんが、それは勝利条件という観点から見た場合は程遠いものです。
「連合軍側に立って圧倒的な破壊力を満喫する」
というのがこのシナリオの正しい遊び方なのかもしれませんね。
「ダイスを振って偶数なら連合軍、奇数ならソ連軍」
と明記されていますが、「アジフリ」のルールブックには上記の記述に相当するようなルールは見当たりません。またAWACSルールも絡んでくるので単純に「第7艦隊のルールをそのまま適用する」という訳にも行かないようです。そこで今回は以下のように解釈しました。
(1) 相方がAWACSを持たない場合は「第7艦隊」のルールに従う。
(2) いずれかがAWACSを持つ場合はAWCAS側が常に攻撃側になる。
(3) 相方がAWACSを有する場合は「アジフリ」ルール9.4項に従う。
いかがでしょうか。(2) いずれかがAWACSを持つ場合はAWCAS側が常に攻撃側になる。
(3) 相方がAWACSを有する場合は「アジフリ」ルール9.4項に従う。