
Combat Commander(GMT)をプレイしました
表題のゲームをプレイしました。このゲームは、WW2期における分隊レベルでの歩兵戦闘をテーマとしたSLGです。歩兵戦闘がテーマなので車両は一切登場しません。しかし、機関銃や迫撃砲、火炎放射器や爆薬といった歩兵戦闘レベルの支援火器や盤外からの砲撃支援も扱っています。ゲームのスケールは、1ヘクス=30メートル、1ユニット=1分隊、1班、1指揮官、1火器です。ちょうど「ASL」と同じぐらいです。

本ゲームのユニット。下の数値は左から「火力」「射程」「移動力」で、右肩の数値が「士気値」、六角形に囲まれた数値が「指揮修正」です。
ゲームの中心となるのはカードプレイです。カードには「移動」(Move)、「射撃」(Fire)、「回復」(Recover)、「遁走」(Route)等の「命令」(Order)が記載されています。プレイヤーは手持ちのカードに記載された命令を実行することによってゲームを進めていきます。
カードは国籍別に分けられています。国籍毎の違いもさりげなくカードに組み込まれていて、例えば米軍は他国に比べると煙幕や砲撃支援の面で有利になっています。
カードは国籍別に分けられています。国籍毎の違いもさりげなくカードに組み込まれていて、例えば米軍は他国に比べると煙幕や砲撃支援の面で有利になっています。

本ゲームのカード。本ゲームの基幹となるものです。
テーマ的には「スコードリーダー」等と似たゲームなのですが、雰囲気は随分違います。
ルールはかなり簡単です。例えば射撃ルール。火力にダイス目を加えて攻撃値を算出し、防御側の士気値+ダイス目と比較して結果を出す、といった方式に統一されています。射撃結果も「効果なし」「混乱」「士気阻喪」の3段階しかありません。それでもカードとの組み合わせで「突撃射撃」「擲弾筒射撃」「掃射」「機関砲の連続射撃」等も実施可能です。このあたり、ルールを複雑化しないで様々な状況を盛り込めるという「カードドリブン」方式の強みと言えましょう。
移動ルールも同じく「移動カード」を使い、ヘクス毎に移動力を消費していくという一般的なルールです。防御射撃は相手の移動中に「射撃」カードを使うことによって解決されます。この時「十字砲火」カードを組み合わせると火力が飛躍的に向上する場合があるので、安易に移動すると痛い目を見ます。(とは言っても、一撃で歩兵が死ぬことはないので、案外気楽に移動できますけど・・・)
ルールはかなり簡単です。例えば射撃ルール。火力にダイス目を加えて攻撃値を算出し、防御側の士気値+ダイス目と比較して結果を出す、といった方式に統一されています。射撃結果も「効果なし」「混乱」「士気阻喪」の3段階しかありません。それでもカードとの組み合わせで「突撃射撃」「擲弾筒射撃」「掃射」「機関砲の連続射撃」等も実施可能です。このあたり、ルールを複雑化しないで様々な状況を盛り込めるという「カードドリブン」方式の強みと言えましょう。
移動ルールも同じく「移動カード」を使い、ヘクス毎に移動力を消費していくという一般的なルールです。防御射撃は相手の移動中に「射撃」カードを使うことによって解決されます。この時「十字砲火」カードを組み合わせると火力が飛躍的に向上する場合があるので、安易に移動すると痛い目を見ます。(とは言っても、一撃で歩兵が死ぬことはないので、案外気楽に移動できますけど・・・)
その他、「地雷原」「鉄条網」「弾痕」「トーチカ」等の防御施設もルール化されています。「地雷原」や「鉄条網」はカードで解決されるので、「空から地雷が降ってくる」とか、「黒魔法で鉄条網を発生させる」といった場合もあります。
とあるリプレイ
早速ソロプレイしてみました。シナリオ2「Hedgerows & Hand Grenades」(生垣と手榴弾)。ノルマンディ地方のボカージュ地帯での米軍と独軍の歩兵部隊同士の激突を扱います。米軍は一線級の現役兵部隊ですが、独軍は国民擲弾兵や徴集兵主体の二線級部隊です。
両軍の戦闘序列

セットアップ時の状況。米軍が左側から右へ向けて進撃します。
米軍突貫!!
初戦は中央部の建物群を巡る攻防となる。木造建造物に立て篭もる独軍歩兵分隊に対し、米軍は機関銃と迫撃砲による激しい砲撃を浴びせかけた(「連続射撃」カードを使用)。独軍が怯んだ隙に一気に距離を詰めた米軍歩兵小隊は至近距離からサブマシンガンと手榴弾による攻撃を敢行(「突撃射撃」カード、「ハンドグレネード」カードを使用)。たまらず独歩兵分隊は壊滅。米軍が建物に取り付いた。
中央の建造物群に米軍が取り付いたところ
砲兵支援
中央部の建物に取り付いた米軍は、続いてその向こうに見える森の中に陣取った独軍機関銃部隊に対して105mm砲の砲撃を行った。空中炸裂弾が木々を吹き飛ばし、破片が鋭い凶器となってドイツ軍兵士達を襲う。数斉射を浴びた独軍機関銃陣地は壊滅した。地雷原突破
右翼を突破してきた米軍歩兵部隊の前面に地雷原が立ちふさがった(「地雷原」カードを使用)。立ちすくむ米兵達。そこに独軍機銃陣地から銃火が飛ぶ。混乱する米兵。しかし混乱した後の米兵は強い。簡単に混乱するが、なかなか敗走しない。それが米軍の特徴だ。やがて立ち直った米兵は反撃を開始した。自動小銃を標準装備する米軍の火力は強大だ。次々と倒れていくドイツ兵。徴集兵(Conscript)を主力とする独軍に米軍のような粘りはない。次々と打ち倒されていく彼らは数分後に壊滅してしまった。

地雷原に捕まった米軍部隊
総仕上げ
戦線右翼から米軍が大きく突出していった。独軍は最後の防衛線で抵抗を試みる。しかし米軍の強大な火力はそれを粉砕した。後方の砲兵陣地から105mm砲弾が雨霰と降り注ぐ。さらに自動小銃の射撃もそれに加わる。独軍の抵抗は10分と持たなかった。国民擲弾兵の分隊は壊滅した。感想
まずこのシナリオについて。米軍が強いです。火力が独軍よりも1つ大きい「6」火力。しかも射程距離が長いので、独軍をアウトレンジできる場合もあります。米軍の場合、一般的に士気値が低い(同クラスの部隊同士で独軍に比べると-1)のが欠点ですが、士気阻喪した後の士気値が高いのでなかなか壊滅しません。その上米軍には砲兵支援もあり、しかも攻撃側なのでカードの持ち数が多いというのも強みです。
対する独軍は主力が士気値「6」の徴集兵です。強力な米軍部隊とまともに撃ち合っても勝ち目はありません。独軍としては麾下の兵力を分散させて時間稼ぎをするしか手がないようにも思えます。
ゲームそのものについて言えば、一見コンポーネントが巨大で、ルールの量も多めに見えますが、実質的には大したことはありません。ルールブックに全てのイベントやアクションを説明しているからルールの量が多くなっているのあって、全てを読まなくてもプレイできます。
ルールシステム自体もシンプルです。移動、射撃といった基本システムは至ってシンプル。地雷や砲兵といった特殊ルールもカードを使用することによってシンプルに処理しています。他の戦術級ゲームに比べると拍子抜けするほどアッサリしています。
ルールシステム自体もシンプルです。移動、射撃といった基本システムは至ってシンプル。地雷や砲兵といった特殊ルールもカードを使用することによってシンプルに処理しています。他の戦術級ゲームに比べると拍子抜けするほどアッサリしています。
カードドリブンが本作の特徴ですが、それについては賛否両論があるかもしれません。一般的な戦術級ゲームの場合、移動や射撃はプレイヤーが自由に実施できるのが普通です。しかし本作の場合、移動や射撃はそれぞれ専用のカードが手元にないと実施できないのです。このことはつまり「敵が目の前を走っているのに射撃カードがないから射撃できない」とか「敵が混乱しているのに移動カードがないから突撃できない」とかいった事態が起きます。
本作のように「プレイヤーがやりたいと思うこともカードがないと実行できない」というのが実際の戦場の姿に近いものなのか?。あるいは他の一般的な戦術級ゲームのような姿が実際の戦場に近いのか?。これはカードドリブン方式の是非をも含めて興味深い問題です。
本作のように「プレイヤーがやりたいと思うこともカードがないと実行できない」というのが実際の戦場の姿に近いものなのか?。あるいは他の一般的な戦術級ゲームのような姿が実際の戦場に近いのか?。これはカードドリブン方式の是非をも含めて興味深い問題です。
本作に対する個人的な評価は、
単品としてみた場合は完成度の高いゲーム。ただし戦術級陸戦ゲームの決定版と言うにはやや押しが弱い
といった所です。






