主題のゲームをソロでプレイしました。前回は第7ターン(1943年夏)までを紹介しました。今回は第8ターン(1943年冬)からです。
東からはソ連軍、西からは米英連合軍がドイツ本土目指していよいよ進撃を開始しようとしています。
東からはソ連軍、西からは米英連合軍がドイツ本土目指していよいよ進撃を開始しようとしています。
東部戦線のソ連軍。既に旧独ソ国境まで迫っていたが、遂に国境を越えてきた。東プロイセンが陥落、ブルガリア、ルーマニアも相次いで枢軸陣営から脱落していく。プロエシュティ油田にも赤軍部隊が迫ってきた。
イタリア戦線ではパットン軍がアルプスを越えて遂にドイツに侵入してきた。マンシュタインがパットンを迎え撃つ。マンシュタイン、パットンの一騎打ち。両者の戦いは互角であったが、パットン軍は戦車部隊を失った。米本土から戦車部隊が急遽イタリア戦線に送られる。
西部戦線では増援を得たモントゴメリー軍が独仏国境に向けて進撃を開始した。ドイツは虎の子ロンメル将軍を西部戦線に派遣。モンティとロンメルがアルデンヌ高原で激突する。両者の戦いは一歩も譲らず。アルデンヌ戦線はこう着状態となった。
第8ターン終了時の状況。戦場はドイツ本国に迫ってきた。
ここに至ると米英軍とソ連軍のベルリン奪取競争の感がある。米英連合軍、ソ連軍、そしてドイツ軍。それぞれの思惑を秘めた本土決戦が今始まろうとしていた。
最初に動いたのはドイツ軍である。米軍によって支配されていた南欧のプラハに対して反撃作戦を開始した。「春の目覚め」作戦である。グデリアン麾下の反撃部隊は空軍の劣勢をものともせず米軍部隊に襲い掛かった。米軍部隊撃破。プラハ奪回。この時ドイツ軍はまだ強かった。
続いて東部戦線のソ連軍が動く。反撃戦力を西部戦線に引き抜かれて弱体化した東部戦線を赤軍部隊は食いちぎった。ブダペスト解放によりハンガリー脱落。ワルシャワ陥落。プロエシュティ油田も赤軍の手に落ちた。オーデル川に迫るソ連軍は、遂にベルリンに隣接する地点にまで進出した。
このままでは赤軍にベルリンを解放されてしまう。焦った米英軍は大胆な作戦に打って出た。ハンブルク上陸作戦である。海空軍の支援を受けた部隊がハンブルクに上陸。低地諸国を前進してきたモントゴメリーがハンブルクに進出する。ハンブルクからさらに南下してハノーバーを占領するモントゴメリー軍。ベルリンはあと1ヘクスだ。
南欧戦線ではパットン軍がマンシュタイン軍と戦っていた。ルール工業地帯を守るマンシュタイン軍をパットン軍が包囲攻撃。航空機、戦車の支援を得たパットン軍はマンシュタイン軍を撃滅した。
第9ターン終了時の状況。ドイツの運命は風前の灯火。
こちらはベルリン周辺の拡大図
第10ターン(1944年冬)
ベルリンを落すのはソ連軍かそれとも米英連合軍か?。最初に動いたのはソ連軍だ。ジューコフ指揮下の歩戦連合部隊がベルリンに殺到する。しかしここでグデリアン将軍指揮下のドイツ軍が意地を見せた。ジューコフ軍はベルリンで完膚なきまでに撃破され、ドイツ軍は最後までその精強ぶりを見せつけた。
続いてモントゴメリー率いる米英軍がベルリンに殺到する。ドイツ軍はここでも善戦したが、米英軍の圧倒的な空軍戦力がドイツ軍の抵抗を粉砕した。ドイツ軍降伏。ベルリンは米英軍の占領する所となった。
ゲーム終了時の状況
感想
慣れるまでは何をして良いか感覚が掴めず苦労しましたが、ゲーム展開が読めてくると俄然面白くなってきました。「2~3時間で1ゲーム終えられる」というのが本作の触れ込みですが、最終ターンまでプレイする場合は2~3時間では無理でしょう。1ターンの所要時間が20~30分。全12ターンで4~6時間という所ではないでしょうか。1942年までにドイツがソ連を打倒してゲームを終えることができれば、2~3時間も可能だと思われますが。
私は西側連合軍の立場から考えてしまうのですが、西側連合軍の鍵は海軍力の優越にあるように思います。特に地中海における制海権確保と大西洋の海上交通線確保は勝利のための必要条件に思われます。また1942~1943年におけるレンドリースの成否は、東部戦線の戦況を左右しかねない重要な意味を持っています。連合軍としては枢軸海軍の妨害を突破制圧し、ロシアへのレンドリースを成功させるだけの強力な海軍力を整備する必要があります。
ドイツはロシア打倒の成否が鍵を握るように思います。ドイツとロシアの1対1の戦いであれば、恐らくドイツが勝てるでしょう。しかしドイツは西部戦線やアフリカにも派兵する必要があり、また西側連合軍の西ヨーロッパ反攻にも備えなければならないのが辛い所。また海軍力の整備も西側海軍の戦争努力を相対的に妨害する意味があり、決して疎かにはできません。ドイツのUボートはコストが安いので、比較的容易に西側連合軍の制海能力を妨害することができます。また地中海戦線の行方はイタリアの継戦能力に直結します。地中海で枢軸軍が最終的な勝利を得る可能性は小さいと思われますが、できるだけ長時間地中海戦線を支え、イタリアの脱落を阻止することができれば、連合軍の継戦能力のかなりの部分を地中海に引き寄せることができるでしょう。
ソ連はドイツの出方次第でしょう。ドイツがその全力を東部戦線にぶつけてきた場合、ソ連単独では勝ち目は乏しいように思います。ドイツ軍の投入兵力を見極めつつ、冬季反攻を利用してドイツ軍に打撃を与えるのが宜しいかと思います。あとは歩兵の大量生産で時間を稼ぎつつ、西側連合軍の反攻とレンドリースを待つのが宜しいかと思います。