太平洋戦争はなぜ負けたか
別宮暖朗 並木書房
タイトルと筆者に惹かれて購入したのですが期待外れでした。まずこの本、基本的な所で誤認識が多い。「エセックス級戦艦」(p21)ぐらいはまあ「単なる誤植かな」と大目に見ることもできましょうが、
「ルンガ沖夜戦後、東京エクスプレスは順調に輸送を成功させた」(「戦史叢書」を読みましょう)
「日本の戦艦と空母は南太平洋海戦以降、マリアナ沖海戦まで1機の艦載機も戦場に送らず」(嘘つけ)
「い号作戦では空母艦載機をラバウル航空隊に所属させた」(あくまでも所属は第三艦隊のままでっせ)
とまあこんな感じです。他にも探せばいくらでも「アラ」が見つかります。
筆者の主張そのものには頷ける面がない訳ではありませんが、基本的なリサーチがこうも甘いと、中身についても「何をかいわんや」状態です。本作を読んだ後は、同じ筆者の著作についても色眼鏡で見てしまうのは止むを得ない所かな。
お奨め度★