VASSAL版が完成したので、この機会に主題のゲームを再戦してみました。ルールのバージョンは3.00です。
セットアップ
「決戦!ア・バオア・クー」(以下「本作」)は、連邦軍、ジオン軍共にある程度の自由配置が認められている。連邦軍は麾下の兵力をNフィールドとSフィールドに任意に分割し、その後ジオン軍は麾下の兵力をア・バオア・クー付近に展開する。攻撃側たる連邦軍はジオン側守備兵力の分散を強いるため、N,Sフィールドにそれぞれある程度兵力を分割する必要がある。しかし過度に分散してしまうと、練度に優るジオン軍によって各個撃破されてしまう。VASSAL版のセットアップでは、連邦軍は艦艇兵力の90%以上、MSや戦闘機といった機動兵器の80%以上をNフィールドに展開し、残りをSフィールドに回している。この配置はSフィールドからけん制をかけつつ主攻撃軸をNフィールドに置いているのは明らかである。連邦軍は配置はVASSAL版のままとした。
次にジオン側のセットアップ。VASSAL版ジオン軍は、主力をNフィールドに配置し、チベx2、ムサイx1、ザクx4、ガトルx2をSフィールドに配置している。ジオン軍はSフィールドにゲルググx4、リックドムx2(エリート)を増強し、その代りザクx4をNフィールドに振り向けた。ジオンにとってゲルググx4とリックドムx2(エリート)は初期配置されている部隊の中で最有力なものである。それをNフィールドから引き抜いてSフィールドに回したその意図は、Sフィールドの連合軍を速やかに撃破し、Sフィールドの安全を確保した後、Nフィールドから迫る連合軍と決戦しようとするものであった。
このターン、ジオン軍は行動マーカーを引かず、連邦軍が2回行動マーカーを2回引いた。しかしまだ両軍とも本格的に交戦するには至らず、連合軍が若干前進して間合いを詰めただけに終わった。ジオン軍は衛星ミサイルで応戦し、RGM-79*1を葬った。
増援フェイズに連邦軍は「補充2」を、ジオン軍はMA-05ビグロを受け取った。ビグロはNフィールドに回され、連邦軍の主力部隊に備える。
第1行動フェイズに行動権を得たジオン軍。Nフィールドの部隊は全面的に後退し、連邦軍との間合いを保つ。Sフィールドのジオン軍は連邦軍に対して一撃を加えるべく移動する。
第3行動フェイズは連邦軍が動き、さらに間合いを詰める前進。
第1行動フェイズに行動権を得たジオン軍。Nフィールドの部隊は全面的に後退し、連邦軍との間合いを保つ。Sフィールドのジオン軍は連邦軍に対して一撃を加えるべく移動する。
第3行動フェイズは連邦軍が動き、さらに間合いを詰める前進。
第4行動フェイズはジオン軍。Sフィールドで連邦、ジオンのMS部隊同士がぶつかる。MS-14ゲルググとRGM-79ジムの激突。しかし性能と技量に優るゲルググ部隊は一気に間合いを詰めてジムを両断。別のゲルググはビームライフルでRB-79ボールを撃破し、ガトル戦闘爆撃隊はサラミス級軽巡を撃破した。
下の図はSフィールドで連邦軍に襲いかかるジオン軍部隊
増援フェイズ。連邦軍は「補充4」と「ザビ家の内乱」を引いた。ジオン軍はMS-18Eケンプファー。このケンプファー、対MS戦闘においては圧倒的な強さを見せるが、機体がやや脆いので反撃に弱い。
このターン先手を取ったのは連邦軍であったが、連邦軍は効果的な攻撃を仕掛けるには至らず。対するジオン軍はすぐさま反撃を実施。Sフィールドの戦闘では、ゲルググがビームライフルでジムを撃破した他、ガトル戦爆隊が2個戦隊をサラミス級軽巡を瞬時に撃破するという殊勲を上げた。Nフィールドではジオン軍はなおも後退を続け、ついに要塞の最終防衛ラインまで引きこんだ。その際、グワジン級戦艦やザンジバル級巡戦は、その遠距離砲撃によって連邦軍のジム部隊に嫌がらせ的な損害を与えていた。
このターンから連邦、ジオン双方共増援が1ターン2枚になる。連邦軍の増援はRX-77ガンキャノンと「補充5」。連邦軍は先ほどのターンに得た「補充4」を使ってSフィールドで撃破されたジムやサラミスを復活させる。それをNフィールドへ投入。ガンキャノンもNフィールドへ投入した。
ジオン軍はMA-06ヴァルヴァロとMS-14Sゲルググ(シャア専用)が登場。いずれもエリート部隊。先のMA-06やMS-18Eと合わせて計4ユニットのエリート部隊を得たジオン軍は、いよいよ連邦軍に対して総反撃に出る。
ジオン軍はMA-06ヴァルヴァロとMS-14Sゲルググ(シャア専用)が登場。いずれもエリート部隊。先のMA-06やMS-18Eと合わせて計4ユニットのエリート部隊を得たジオン軍は、いよいよ連邦軍に対して総反撃に出る。
第1行動フェーズに主導権を得たジオン軍は反撃開始。その先陣を切ってシャアゲルググが躍りかかる。量産型ガンキャノンに対してビーム一閃。見事に目標を撃破。と思いきや、出目はなんと「11」。いきなり弾切れ。
「えーいい、私としたことが」
と叫んだシャア。しかし後の祭りである。
「えーいい、私としたことが」
と叫んだシャア。しかし後の祭りである。
続いて突進するヴァルヴァロ。ジムを収容して整備中のサラミス戦隊を狙う。火力5のヴァルヴァロは出目にも助けられて目標を撃破。瞬く間に2ユニットを葬った。
Sフィールドでもジオン軍が連邦軍の残存部隊を次第に追い詰めていく。
Sフィールドでもジオン軍が連邦軍の残存部隊を次第に追い詰めていく。
第3行動フェイズに主導権を得た連邦軍は好機到来とばかり反撃を開始。ジムがリックドムに白兵戦を挑む。ザクに対してはスプレーガンで攻撃。ヴァルヴァロに挑んだガンキャノンは、しかしヴァルヴァロの餌食に。そのヴァルヴァロもビームを使いすぎてガス欠。ボールもジオン軍MS部隊に対して果敢な近接射撃戦を挑むが、返り討ちにあう部隊もまた多数。
総論的にいえば、連邦軍の反撃もいま一つキレがない。
総論的にいえば、連邦軍の反撃もいま一つキレがない。
第4行動フェイズも連邦軍が主導権を得た。切り札コアブースターも投入してジオン軍の包囲せん滅を図る。しかし戦線両翼を支えるザクやドムの部隊が意外な程の奮戦を見せ、ジムやボールが戦線後方に回り込むのを防いでいる。連邦軍がジオン軍の消耗した戦線を突破するのが先か、あるいは連邦軍の攻撃力が底を着くのが先か。Nフィールドの戦況は予断を許さない。
発着艦フェイズ。連邦軍は消耗したジムやボールを次々と母艦に収容した。サラミス級に7ユニット、コロンブス級に2ユニット、マゼラン級に1ユニットが収容された。脆弱なサラミスやコロンブスに収容された機数が多いのが気になるが、ルール改訂によって搭載機が死ににくくなったことを利用する作戦かもしれない。