もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2010年06月

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シーパワー その理論と実践

立川京一他 芙蓉書房出版

シーパワーに関する著作です。本書は全部で10章よりなり、それぞれ独立して読むことができます。ページ数は全部で373ページ。文字が大きめなので、ページ数の割に早く読み終えることができます。内容は全般的な話が1章、軍事思想に関する話が2章、潜水艦、水陸両用戦、空母に関して各1章、日本海軍及び海自関連が3章、シーベイシングに関する話が1章です。
全般的に「世界の艦船」の特集記事になりそうな内容が多く、特に潜水艦、水陸両用戦、空母、日本海軍及び海自関連の話はその感を強く持ちました。
興味深かったのは軍事思想に関する話で、特に20世紀初頭の英国海軍大学教授サー・ジュリアン・コルベットに対する評価の高さと、アルフレッド・セイヤー・マハンに対する冷淡さが印象的でした。
全般的に目を見張るような新しい発見こそありませんでしたが、良い勉強になりました。海軍について真面目に勉強したい方にはお奨めできる著作です。

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京阪神地区で「山科会」というゲーム会が開催されているという話を聞きつけて、参加させて頂きました。
今回はそのレポートです。

The Speed of Heat(COA)

The Speed of Heatとは・・・
Air Powerシリーズの第1弾、The Speed of Heatは、Crash of Arms社が1992年に出版した空戦ボードゲームです。テーマは朝鮮戦争からヴェトナム戦争までの期間で、F-86、F-4、F-8、MiG-17、MiG-21、B-52等の機体が登場します。1ターンは12秒、1ヘクスは1/3マイルです。空対空戦闘のルールだけではなく、空対地戦闘や地対空戦闘のルールも充実しており、現在空戦の戦術場面はほぼすべてルール化されている感があります。またこのゲームの扱う時期にはまだ実用化されていないアクティブ誘導式空対空ミサイルやヘルメット取付型照準器等もルール化されています。汎用ゲームならではの特徴と言えるでしょう。

まずはシナリオV-15「トーン大佐の死」を軽くプレイしてお互い間隔を取り戻し、続いて本格的な空中戦を試してみることにしました。史実シナリオはバランスが悪いものが多いので、一般シナリオで2対2の空中戦を試してみることにしました。まず対戦相手氏が機種を選択。彼が選んだのはF-8C「クルセイダー」。「最後のガンファイター」と呼ばれるだけのことはあり、運動性は抜群です。
私が選んだのはMiG-19SF「ファーマー」。新型のMiG-21と比べると速度性能にやや見劣りしますが、運動性能で勝り、撃たれ強く、かつ強力な30mm機関砲を3門を装備している、ということで、今回選択しました。搭載ミサイルが旧式のAA-2「アトール」というのが少し気になる所ですが・・・。

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高度20,000ft、速度800km/hで正面からF-8の編隊に接近する。正面からすれ違った直後、MiGのリーダー機が垂直ロール機動で米軍機の背後に回り込む。2番機は高速で左旋回を行い、リーダー機のバックアップに回る。

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米軍機はマッハ1近い高速で右旋回しながら、速度エネルギーを利用してズーム上昇。高度22,000ftまで上昇する。それを追う2機のMiG-19。リーダー機はF-8編隊の間に割り込むように突進。2番機は左へ5Gの急旋回を行い、リーダー機のバックアップを続ける。

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米軍機2機は垂直ロール機動で反転。MiGをやり過ごそうとする。MiGリーダー機は2回目の垂直ロール機動で米軍編隊の右側面に回り、もう1機のMiGは米軍機の左側を押さえる。

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両サイドを押さえられた米軍機は左右に分離して逃げに入る。それを追うMiG。リーダー機はハーフロール&ダイブ機動で降下機動。高度31,000ft、速度320km/hで前方2000mにF-8を捉えた。

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F-8の後方1500mまで近づいたMiGリーダー機がアトールミサイルを発射。狙われたF-8はエンジンをアイドリングまで落とし、左旋回で逃げようとする。

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アトールはクルセイダーを追ったが、所詮は低性能ミサイル。戦闘機の機動に追いつくことはできない。ミサイルはクルセイダーの遙か彼方で爆発。クルセイダーに傷一つつけることはできない。しかしエンジンカットによって速度の落ちたクルセイダーの背後にミグが迫る。レーダーロックオン。レティクルに目標を捉える。SSGTによって目標をたっぷり照準し、狙いをつける。
ヌーデルマン・リヒターの30mm機関砲、3門のNR-30が火を噴く。たっぷり2秒間の連射。3門合わせて約120発を吐き出した。そのうちの数発がクルセイダーを捉えた。炸裂弾が爆発。クルセイダーを引き裂く。
「1機撃墜」
クルセイダーは炎に包まれて落ちていった。

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その後F-8 1機とMiG-19 2機の間で激しい格闘戦が繰り広げられたが、互いに決定打がなく時間切れで終了した。

感想

MiG-19は良い機体ですねえ。機動性は言うに及ばず、被弾にも強いし、機関砲の火力も良い。今回はボロのアトールを使ったのでミサイル戦はダメでしたが、より強力なAA-2B「新型アトール」も使えます。ちなみにこのMiG-19、某Air Warではダメダメ機体でした。

ミサイルと言えば、アトールは使えませんなあ。初期型のサイドワインダーもそうなんですが、このAir Powerシリーズをプレイしてみると、なぜベトナム戦の際にあれほど空対空ミサイルの命中率が低かったのかが痛いほどわかります。そしてF-4C/Dが機動性の低下や安定性の不利を承知の上でガンポッド搭載に踏み切った理由や中東戦争でイスラエルのパイロット達がなぜミサイルよりも機銃を好んだかも理解できます。そして某「エ●ア8○」のパイロット達がガンファイトに固執した訳も・・・。
とにかく発射制限が厳しい。激しい機動をしながら発射すると途端に発射成功率が低下する。射角制限が厳しく自機前方の極めて狭い象限しか狙えない。相手の排気熱を追いかけるために後方からしか撃てない。さらにミサイル自体の機動性が低いので敵機との相対角が大きいとミサイルが目標を追随できない。フレア等のIRCMに対して脆弱である。等等。ちなみにより新型のAIM-9M/LやAA-8の場合、左記のような問題点は一部を除いてほぼ解消されています。
無論機関砲とて万能兵器ではなく、特に射程の短さが泣き所なのですが、旧式ミサイルに比べるとG制限は緩く、射角制限も緩やかです。命中率や威力は機関砲の種類と数に依存しますが、MiG-19のように30mm機関砲を3門も積んだ機体の場合、少なくとも命中率は旧式ミサイルを遙かに上回ります。

ちなみに1970年以前の機体で最強のガンファイターは何か、という問いかけに対し、The Speed of Heatの世界では、という限定付きであれば、MiG-19「ファーマー」をその候補の1つに上げることはできます。

6月は結局1度も山登りできませんでした。
毎月1回以上、オンシーズンは2回以上を年始の目標として掲げていたにも関わらず、今年の実績は・・・、
 1月:1回
 2月:なし
 3月:なし
 4月:1回
 5月:1回
 6月:なし
目標の半分以下の達成度。うーん、これでは如何です。

といいつつ、今週末も伊吹山登りに麓まで行ったものの、雨に負けて断念してしまいました。
我ながら「根性なし」です。

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先日(といっても半年ぐらい前の話ですが・・・)、横手の近くを通る機会があったので、街に立ち寄ってみました。

横手の焼きそば

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横手といえば「かまくら」が有名なのですが、最近はどうなんでしょうか。地球温暖化の影響でかまくらを作る機会が少なくなった、ということがなければ良いのですが。

さて、そんな横手で最近名物といえば「焼きそば」。横手の焼きそばは、例年B級グルメの大会等で常に上位にランクされている、なんて話を聞いたことがあります。そこで今回はその横手焼きそばを食べてみることにしました。

横手駅から歩いて10分ほどに「横手焼きそば館ゆう」があります。店に入ったのは1100過ぎ。少し早かったのですが、早速「肉焼きそば」\500を注文しました。
待つこと約5分。出てきた焼きそばは、一見何の変哲もない焼きそばなのですが、真ん中に目玉焼きが乗っている点が他とは違う所です。早速一口。うーん、普通の焼きそばかなー。さらに一口。うーん、これでは★3つぐらいかなー・・・。

そう思いながら今度は玉子の黄身をつぶして麺に絡めてみると・・・、
「旨い!!」
確かに玉子の黄身が絡まると味がまるで違いました。普通の麺だけでは「他で食べる焼きそばと大差なし」になりますが、玉子が絡まると確かに他の焼きそばよりも格段に旨くなります。なるほど、これが横手焼きそばの秘密なのか、と思いました。

お奨め度★★★★
(3か4か迷いましたが、ここはおおまけにまけて)

横手温泉 - ゆうゆう館

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駅から歩いて3分程の場所に「ゆうゆう館」という日帰り入浴施設があります。時間があったので早速入ってみました。
入浴料\900はやや高め。ただし設備は良く、浴室も綺麗でした。
駅から近いので長旅の際にちょっと立ち寄るにはお奨めです。

お奨め度★★


(写真0)焼きそば
(写真1)横手やきそば館ゆう
(写真2)ゆうゆう館

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前回に引き続きLPS社のゲーム付き雑誌「Against the Odds」誌の 「Operation Cartwheel」のリプレイ報告です。
前回はシナリオ2「トーネイルズ作戦」のレポートを紹介しました。

「Operation Cartwheel」の詳細については --> こちら

シナリオ1「ビスマルク海」

イメージ 4時間が余ったので別のシナリオを、ということで、一番短時間で終わるシナリオ1をプレイすることにしました。
このシナリオは、1943年3月のビスマルク海海戦を扱ったものです。史実では日本軍の一方的な敗北に終わった戦いですが、このシナリオでは日本側にも増援兵力が与えられているので、挽回できる可能性は十分にあります。

下名は連合軍を担当しました。

1Turn(1943年3月前半)


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イメージ 6このシナリオにおける日本軍の目的は輸送船団をラバウルからラエに送り込むことである。史実同様それを阻止する最大の脅威が東部ニューギニアに展開する米豪空軍機である。日本軍としては東部ニューギニアにおける米豪軍機を叩いておきたい所だ。

最初に動いたのは連合軍。B-17とB-24各1ユニットからなる爆撃隊がラエ飛行場を襲った。ラエ飛行場は機能喪失。日本軍は船団を守るための有力な戦闘機基地を失うことになる。

日本軍はポートモレスピーに対して大規模な航空攻撃を敢行した。零戦x2ユニット、1式陸攻x1ユニットからなる攻撃編隊である。P-40x1ユニット、P-38x2ユニットが迎撃発進。日本機を迎え撃つ。連合軍はいつものダイブ&ズーム戦法を仕掛けようとするが、今度は零戦がその格闘戦性能を生かして米軍機を苦しめた。日本軍の損害は零戦1ユニット壊滅と陸攻1ユニットがステップロス。対する米軍はP-38x1ユニットが壊滅した。戦闘機同士の対決では日米が星を分けたことになる。

続いて日本軍の第2波攻撃隊がポートモレスピーに飛来した。九七重爆と二式水戦各1ユニットからなる攻撃隊である。これをP-38x1ユニットが迎撃。P-38が高速性能を生かして九七重爆を撃墜した所で決着が着いた。

頃合い良しと見た日本軍はラバウルから輸送船団を出撃させてラエに向かう。ラエ入港直前、米豪空軍の猛攻が始まった。
第1波はA-20x2ユニット。それをエースが操る零戦が迎え撃つ。護衛のない爆撃機は脆い。忽ちA-20x1ユニットが零戦の猛攻でステップロス。さらに船団上空で対空砲火を浴びた別のA-20もステップロス。最後に攻撃を終えて離脱中のA-20が零戦に捕まって撃墜されてしまう。この攻撃で米軍の損害は75%に達した。
第2波はB-25x3ユニット。こちらは幸い日本機の迎撃を受けることなく目標上空に到達。低空から船団に猛爆を加えた。攻撃隊は半数以上が被弾するという損害を出したが、輸送船1ユニットを撃沈した。

残った日本軍輸送船はラエに入港。日本軍は輸送物資の半数を失いながらも、残り半数をラエに送り込むことに成功した。

この時点でシナリオ終了。プレイ時間は約1時間であった。結果は、勝利得点で14:10で連合軍の辛勝となった。

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おまけ

イメージ 5さらに時間があったので練習シナリオをプレイすることになった。以前に紹介したこともある「山本シナリオ」である。今回も連合軍を担当した。

今回は第1RoundでP-38が山本機をアッサリ撃墜。これで勝負ついたはずだったが、その後P-38は同数の零戦に追い回されることになってしまった。P-38の損害は大きく、殆ど全機を失った。勝利条件的には引き分けに終わった。

感想

ルール量は多いのですが、実際にプレイしてみると細かいルールこそ多いものの個々のルールは比較的シンプルに組まれているので、見た目ほど複雑ではありません。またユニット数が少ないため、プレイ時間もそれほど極端に伸びることはないです。1Turnの所要時間は1~2時間。ターン数が短いシナリオプレイなら最大でも6時間程度。全12ターンのキャンペーンシナリオであっても、20時間前後でプレイできそうです。

今回のリプレイを見て頂ければご理解頂けるとは思いますが、本作のプレイ時間は大半が戦術マップ上での空対空戦闘です。このスケールのゲームで戦術マップというのは少しアンバランスな気がしますが、戦術マップでの空中戦はゲームとしてとても盛り上がります。また「高速で火力と防弾性には優れるものの、動きの鈍重なライトニング」や「防弾性に難はあるものの無類の格闘戦性能を発揮する零戦」といった個々の機材の特徴が上手く表現されています。

気になる点はユニット数の少なさです。陸海兵力については「まあこんなものかな」という気がしますが、航空兵力はちょっと少なすぎるような・・・。例えばゲームに含まれるF4Uは2ユニット、P-38は3ユニットですが、ソロモン、ニューギニア全域でコルセアが最大24機、ライトニングが最大36機というのは、どう考えても少ない。現実に投入された両軍航空兵力の実数を考慮すれば、現状の2~4倍(あるいはそれ以上)のユニット数があってしかるべきだと思います。

いずれにしても今回のプレイで本作のルール概要は掴めたので、次回はキャンペーンシナリオに挑戦してみたいです。

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