再び「ソロモン夜襲戦」のシナリオ4「第8艦隊突入す」の強襲バリアントです。
史実では連合軍艦隊に対して奇襲を成功させた日本海軍でしたが、このバリアントでは連合軍側が事前に日本艦隊を意図をある程度は掴んでいた状態を仮定しています。その分勝利条件も緩和しています。
史実では連合軍艦隊に対して奇襲を成功させた日本海軍でしたが、このバリアントでは連合軍側が事前に日本艦隊を意図をある程度は掴んでいた状態を仮定しています。その分勝利条件も緩和しています。
1Turn
正面からツラギ近海に突入しつつある日本海軍第8艦隊は、正面に敵艦隊の姿を認めて左旋回。右砲戦の態勢に入る。一方の連合軍。日本艦隊の正面に位置していたのは重巡2、駆逐艦2からなる南方部隊。日本艦隊の姿を認めるとやはり増速。右に大きく舵を切って日本艦隊の右前程に進出。日本艦隊の雷撃に警戒しつつ並行砲戦に入る。「鳥海」「青葉」「衣笠」の3艦が距離7.5~9kmに敵重巡を認めて砲火を開いた。「青葉」の放った主砲弾が米重巡「シカゴ」を夾叉した。しかし惜しくも直撃弾なし。一方連合軍も豪重巡「キャンベラ」と米重巡「シカゴ」が日本艦隊の姿を認めて砲火を開いた。そのうち「シカゴ」の主砲弾が「鳥海」を夾叉し、計3発の8インチ砲弾を「鳥海」命中せしめた。主砲弾は「鳥海」のヴァイタルパートを悉く打ち抜いたが、日本艦隊にとって幸いなことに、いずれも急所を外していたので、「鳥海」の戦闘能力に支障はなかった。
2Turn
米艦隊の巧みな運動によって雷撃力を封じられた日本艦隊は、主砲火力で戦うことを決心。敵艦隊を右前程に見ながら砲火を開く。しかし米艦隊は優速を活かして日本艦隊の頭を押さえつつある。T字の形が成立しつつある。「キャンベラ」「シカゴ」の2艦がT字戦法から主砲で「鳥海」を狙い撃ちする。夾叉弾を得た両艦からの砲火は熾烈を極め、計4発の8インチ砲弾を「鳥海」に命中させた。そのうちの1発が「鳥海」の機関室を貫き、「鳥海」は俄かに速度を落した。3Turn
日本艦隊は左に舵を切ってT字戦法から並行砲戦の態勢に持ち込んだ。5隻の重巡から初めて全力砲撃が行われた。猛烈な射撃が米重巡「シカゴ」を襲う。「シカゴ」に6発の8インチ砲弾が命中し、「シカゴ」は戦闘力を失い、速度を減じた。もう1隻、豪重巡「キャンベラ」にも「古鷹」の放った8インチ砲弾2発が命中した。こちらは戦闘力に影響が出る程ではなかったが、それでも放置しておけばヤバイ事態になりそうな予感である。連合軍の反撃。「キャンベラ」の砲火が「鳥海」に降り注ぐ。2発の8インチ砲弾が命中した。1発は主砲弾薬庫を貫いて内部で爆発。「鳥海」は真っ二つに折れて轟沈していった。
4Turn
北側から連合軍の増援部隊が戦場に現れた。重巡3、駆逐艦2からなる北方部隊だ。北方部隊と南方部隊は左右から日本艦隊を挟み込むように布陣し、日本艦隊に十字砲火を注ぎ込む。重巡4隻、駆逐艦3隻からなるその集中砲火は熾烈を極めたが、やや乱打傾向にあり、有効弾は比較的少なかった。一方の日本艦隊も南方部隊を狙って主砲を放ったが、僅かに「シカゴ」に1弾を命中させたに過ぎなかった。5Turn
「青葉」の放った93式魚雷の1本が豪重巡「キャンベラ」に命中した。「キャンベラ」は致命的な損害こそ被らなかったものの、その戦闘力は大いに減ぜられた。同じ頃日本艦隊にも災厄が襲いかかった。米駆逐艦「ウィルソン」の放った8本のMk-15魚雷の1本が重巡「古鷹」に命中したのだ。このクラスの米駆逐艦は重雷装艦といって、魚雷発射管を左右合わせて16門も装備しているのだから侮れない。これまた「古鷹」の急所をぶち抜いて「古鷹」轟沈。2隻目の犠牲者となってしまう。駆逐艦「夕凪」も数発を被弾し、速度が低下してしまう。
6Turn
日本艦隊は南に反転し米北方部隊と並行砲戦に入る。距離9km。日本艦隊にとっては手頃な距離だ。「青葉」以下3艦が主砲を発射。米巡「ヴィンセンス」を狙う。しかし目標変更直後のため命中率が低下し、夾叉弾を得ることはできなかった。8Turn
日本艦隊が一矢を報いた。「青葉」「衣笠」の主砲弾が相次いで「ヴィンセンス」に命中。「ヴィンセンス」は舵機を破壊され、行動の自由を失った。しかしその「青葉」を襲ったのが米駆逐艦「ウィルソン」の12cm砲弾である。その1発が「青葉」の艦橋に命中。「青葉」は混乱のため戦闘能力を失った。10Turn
日本艦隊は艦隊を二手に分けてきた。軽巡2隻からなる第18戦隊は勇躍して敵に肉薄。必殺の魚雷を叩きこまんとする。そうはさせじと重雷装駆逐艦「ウィルソン」。右舷発射管から計8本のMk-15魚雷を発射。日本艦隊を牽制する。11Turn
「ウィルソン」の放った魚雷が軽巡「夕張」の左舷前方から迫ってくる。緊急回避で艦首を魚雷の進行方向に向けた「夕張」は、危うい所で魚雷を回避した。しかし魚雷回避のため第18戦隊の足並みが乱れる。12Turn
追い打ちをかけるように駆逐艦「ヘルム」が右舷発射管から8本の魚雷を放った。こちらも重雷装艦である。そのうちの1本が軽巡「夕張」に命中した。「夕張」は大破。沈没しなかったのがむしろ幸いと言うべきであろう。しかし「夕張」の幸運も長くは続かなかった。その直後至近距離から重巡「クインシー」の猛砲撃を受けて、哀れ、南海にその姿を没した。感想
「意外な伏兵」といっては何だが、バッグレー級重雷装駆逐艦にかき回された感があった。発射魚雷計40本、うち2本が「古鷹」「夕張」に命中し、両艦損失の直接的な原因となった。命中率5%は決して高くはないが、40本という大量発射で命中率の低さを補った。一方日本海軍にとって水雷戦はいわばお家芸。特に93式酸素魚雷の威力は列強の水準を遥かに凌いでいたが、今回はあまり振るわなかった。発射魚雷数が12本。うち1本が重巡「キャンベラ」に命中した。命中率は米側のそれを凌いでいたが、発射数の少なさを練度でカバーすることはできなかった。また「キャンベラ」に重大な損害を与えられなかったことも日本艦隊にとっては不幸だっただろう。
このゲーム、魚雷戦の成否が勝敗を左右する。魚雷戦は運に左右する面もあるが、運頼みでは勝利は覚束ない。特に連合軍は魚雷の威力が劣っているだけに、日本艦隊の魚雷力をいかに封ずるかがカギになる。こちらに「ソロモン夜襲戦」における基本的な魚雷戦戦術を記載したので、参考にされたい。
第1次ソロモン海戦の連合軍といえば、史実における一方的な敗北のイメージが強いため、あまり良いイメージはない。しかしハードウェア面ではかなり充実しており、例えば護衛兵力である駆逐艦は、その大半がバッグレー級重雷装駆逐艦である。また巡洋艦についても、米海軍の中では最も有力なクラスであるニューオーリンズ級重巡を3隻も揃え、正面戦力だけなら日本艦隊に見劣りしない。無論練度面では日本艦隊が優越しており、初期配置についても日本軍有利である。従ってこの強襲シナリオでも日本側に十分勝機がある。
今までとは違った第1次ソロモン海戦が楽しめるシナリオである「強襲」シナリオ。
是非、堪能して欲しい。
是非、堪能して欲しい。
P.S. VASSAL版もありますよ。いつでも私がお相手させて頂きます。