日本史テーマのウォーゲームの専門誌「ウォーゲーム日本史」。その第6号である「箱館戦争」について、VASSSLを使ってソロプレイしてみた。以下はその記録である。
前回までの展開 --> こちら
箱館市街突入
兵力不足に悩む共和国軍は、海軍の水兵を陸兵の補充要員として転用。兵力不足を補おうとする。そのたま共和国軍艦「千代田形」は事実上戦闘力を失い、共和国海軍の残存兵力は「回天」「蟠龍」の2艦のみとなった。陸上では、山田顕義(★)率いる津軽、徳山藩兵らからなる新政府軍が、箱館北部の大野を守る土方歳三(★★)率いる共和国軍を撃破した。さらに山田隊は箱館市街地北部の四稜郭を守る共和国軍を撃破。四稜郭に突入し、遂に箱館市街にその一歩を記した。土方率いる共和国軍は五稜郭に後退。榎本武揚(★)率いる部隊と合流した。しかし兵力不足は如何ともし難い。
箱館市街戦
共和国軍は木古内を放棄。大鳥圭介(★)と見国隊は箱館市内に帰還。残存兵力で矢不来の砦を守らせる。しかし残存兵力のみでは黒田清隆(★)率いる新政府軍に抗すべくもなく撤退を余儀なくされる。黒田隊は七里浜から箱館市内に突入した。共和国軍は新政府軍を各個撃破すべく土方歳三率いる新選組、伝習歩兵隊等6戦力を出撃させた。狙いは七里浜に進出した黒田清隆隊。土方の類まれな戦術能力により新政府軍は撤退を余儀なくされてしまう。
新政府軍は補充カードを使って兵力を再建。共和国軍も「蟠龍」の乗組員で陸戦隊を編制。兵力補充に努める。
新政府軍は山田顕義指揮の元、長州、津軽、筑後の兵を以て五稜郭に対する総攻撃を行う。しかし兵力の集中した共和国軍の守りは固く突破は失敗。大損害を被った新政府軍は四稜郭に撤退した。
新政府軍は山田顕義指揮の元、長州、津軽、筑後の兵を以て五稜郭に対する総攻撃を行う。しかし兵力の集中した共和国軍の守りは固く突破は失敗。大損害を被った新政府軍は四稜郭に撤退した。
ここで時間切れ。新政府軍側が勝利条件を達成できなかったため、共和国軍による勝利が確定した。
感想
ほぼ初プレイに近い形なので以下の勝因、敗因については正確な分析ではないかもしれないが、ご容赦を。新政府軍の敗因だが、1つ挙げられるとすれば松前城に固執し過ぎたことだろうか。確かに松前城を無視し、上ノ国から稲穂峠を越えて木古内を狙うルートもある。ただしこちらは木古内が要塞化されている上、稲穂峠-木古内間の道路網が脆弱なため、攻撃力を集中できないという難点もある。
あるいは噴火湾沿岸の鹿部から上陸し、森経由で峠下、七飯経由で箱館を狙うルートもある。こちらは森を制圧するまで港湾施設が脆弱なため兵力を集中し辛いことと、新政府軍主力と連絡を取るのが難しく、共和国軍による各個撃破の対象になりやすいことだろうか。いずれにしても噴火湾が新政府軍の主攻撃ルートになることはあまりなく、助攻としての役割が大きいと思われる。
ルールは簡単で理解しやすい。各Turnの選択肢も少なく、余り迷うことなくプレイできる。唯一セットアップの際の選択肢があるが、それほど悩むこともない。共和国軍は取りあえず箱館から見て内側の港湾から優先的に押さえていけば良く、新政府軍は空いている港湾の中で能力2以上の港湾を狙って第1波上陸を仕掛ければ良いと思われる。
バランス的には共和国軍有利と思われる。ウォーゲーム日本史16号の記事では共和国軍が新政府軍に翻弄される様が描かれているが、ちょっと信じられない。共和国軍は二股、木古内の2拠点を死守し、あとは噴火湾からの上陸に対しては足止め部隊を置いておく、という方針だけでかなり時間を稼げると思われる。少なくともサドンデスを食らうことはないだろう。無論二股を突破されたら事だが・・・。新政府軍の主攻撃軸を見極め、箱館に温存している増援部隊を逐次主攻性軸に向けて増援部隊として差し向ければ、簡単に突破されることはないと思われる。
バランス的には共和国軍有利と思われる。ウォーゲーム日本史16号の記事では共和国軍が新政府軍に翻弄される様が描かれているが、ちょっと信じられない。共和国軍は二股、木古内の2拠点を死守し、あとは噴火湾からの上陸に対しては足止め部隊を置いておく、という方針だけでかなり時間を稼げると思われる。少なくともサドンデスを食らうことはないだろう。無論二股を突破されたら事だが・・・。新政府軍の主攻撃軸を見極め、箱館に温存している増援部隊を逐次主攻性軸に向けて増援部隊として差し向ければ、簡単に突破されることはないと思われる。
いずれにしても数回のプレイだけなのでバランス云々するには時期尚早かもしれない。箱館戦争という有名ながらも今まで殆どゲーム化されていなかったテーマについて、本作でゲーム化されたことについては拍手を送りたい。ウォーゲーム日本史には、今後も新しいテーマの発掘を目指して頑張って欲しいと思う。