もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2013年09月

イメージ 1

日本史テーマのウォーゲームの専門誌「ウォーゲーム日本史」。その第6号である「箱館戦争」について、VASSSLを使ってソロプレイしてみた。以下はその記録である。

前回までの展開 --> こちら

箱館市街突入

イメージ 6兵力不足に悩む共和国軍は、海軍の水兵を陸兵の補充要員として転用。兵力不足を補おうとする。そのたま共和国軍艦「千代田形」は事実上戦闘力を失い、共和国海軍の残存兵力は「回天」「蟠龍」の2艦のみとなった。

陸上では、山田顕義(★)率いる津軽、徳山藩兵らからなる新政府軍が、箱館北部の大野を守る土方歳三(★★)率いる共和国軍を撃破した。さらに山田隊は箱館市街地北部の四稜郭を守る共和国軍を撃破。四稜郭に突入し、遂に箱館市街にその一歩を記した。土方率いる共和国軍は五稜郭に後退。榎本武揚(★)率いる部隊と合流した。しかし兵力不足は如何ともし難い。

イメージ 2



箱館市街戦

イメージ 7共和国軍は木古内を放棄。大鳥圭介(★)と見国隊は箱館市内に帰還。残存兵力で矢不来の砦を守らせる。しかし残存兵力のみでは黒田清隆(★)率いる新政府軍に抗すべくもなく撤退を余儀なくされる。黒田隊は七里浜から箱館市内に突入した。

共和国軍は新政府軍を各個撃破すべく土方歳三率いる新選組、伝習歩兵隊等6戦力を出撃させた。狙いは七里浜に進出した黒田清隆隊。土方の類まれな戦術能力により新政府軍は撤退を余儀なくされてしまう。

新政府軍は補充カードを使って兵力を再建。共和国軍も「蟠龍」の乗組員で陸戦隊を編制。兵力補充に努める。
新政府軍は山田顕義指揮の元、長州、津軽、筑後の兵を以て五稜郭に対する総攻撃を行う。しかし兵力の集中した共和国軍の守りは固く突破は失敗。大損害を被った新政府軍は四稜郭に撤退した。

ここで時間切れ。新政府軍側が勝利条件を達成できなかったため、共和国軍による勝利が確定した。

イメージ 3


感想

イメージ 8ほぼ初プレイに近い形なので以下の勝因、敗因については正確な分析ではないかもしれないが、ご容赦を。
新政府軍の敗因だが、1つ挙げられるとすれば松前城に固執し過ぎたことだろうか。確かに松前城を無視し、上ノ国から稲穂峠を越えて木古内を狙うルートもある。ただしこちらは木古内が要塞化されている上、稲穂峠-木古内間の道路網が脆弱なため、攻撃力を集中できないという難点もある。
あるいは噴火湾沿岸の鹿部から上陸し、森経由で峠下、七飯経由で箱館を狙うルートもある。こちらは森を制圧するまで港湾施設が脆弱なため兵力を集中し辛いことと、新政府軍主力と連絡を取るのが難しく、共和国軍による各個撃破の対象になりやすいことだろうか。いずれにしても噴火湾が新政府軍の主攻撃ルートになることはあまりなく、助攻としての役割が大きいと思われる。

イメージ 5


イメージ 9ルールは簡単で理解しやすい。各Turnの選択肢も少なく、余り迷うことなくプレイできる。唯一セットアップの際の選択肢があるが、それほど悩むこともない。共和国軍は取りあえず箱館から見て内側の港湾から優先的に押さえていけば良く、新政府軍は空いている港湾の中で能力2以上の港湾を狙って第1波上陸を仕掛ければ良いと思われる。
バランス的には共和国軍有利と思われる。ウォーゲーム日本史16号の記事では共和国軍が新政府軍に翻弄される様が描かれているが、ちょっと信じられない。共和国軍は二股、木古内の2拠点を死守し、あとは噴火湾からの上陸に対しては足止め部隊を置いておく、という方針だけでかなり時間を稼げると思われる。少なくともサドンデスを食らうことはないだろう。無論二股を突破されたら事だが・・・。新政府軍の主攻撃軸を見極め、箱館に温存している増援部隊を逐次主攻性軸に向けて増援部隊として差し向ければ、簡単に突破されることはないと思われる。

いずれにしても数回のプレイだけなのでバランス云々するには時期尚早かもしれない。箱館戦争という有名ながらも今まで殆どゲーム化されていなかったテーマについて、本作でゲーム化されたことについては拍手を送りたい。ウォーゲーム日本史には、今後も新しいテーマの発掘を目指して頑張って欲しいと思う。

イメージ 4

イメージ 1

Shattered Sword

Jonathan Parshall and Anthony Tully Potomac Books

ミッドウェー海戦を扱った洋書である。とはいえ本書は只の戦記ではない。米国人が日本側の目線に立ってミッドウェー海戦について書かれている点が凄いのである。本書を読むと、米国人の歴史や戦史に対する凄まじいばかりの執念を感じることができる。例えば、例えばかつて日本人の書いたミッドウェー海戦の戦史の中で、以下のような事項について触れたものがあっただろうか。
 ・日本の艦爆、艦攻の武装変更作業が行われた場所は格納庫か飛行甲板上かどちらか?
 ・「蒼龍」と「飛龍」の飛行甲板レイアウトの違いは、航空機運用上どのような影響がったのか。そして有利なのはどちらか。
 ・魚雷や爆弾を搭載するための台車は、空母1隻あたり何台あったのか。
 ・日本潜水艦隊が海戦前に犯した致命的な失策は何か。そしてそれが何故日本側ではそのことが問題視されてこなかったのか。
 ・五月雨式に飛来する米軍機を迎え撃った日本側零戦隊はどのような編制だったのか。それは状況に応じてどう変化していったのか。
 ・被爆後の各空母の艦内ではどのような惨劇が進行していたのか。またそれらに対して乗組員達はどのように戦ったのか。
 ・ミッドウェー海戦で失われた航空要員や整備員の正確な人数
等等。
無論本書の魅力はそれだけではない。筆者は同海戦における日本側の動きについて資料に基づいて極めて丹念に調べ上げた上で、同海戦における様々な神話を暴いていく。いわゆる「運命の5分間」がなかったこと。米雷撃隊が零戦隊を低空に引き付けたために上空がガラ空きになったという説は時間的に無理があること。「利根」機の発進遅延が敗因ではなく、むしろその遅延が日本側に利したこと。等。
これらの中には日本では既に常識となっている事項もある。そういった意味では必ずしも本書は初見ではない。しかし米国では未だに「運命の5分間」的史観が支配的であったこと(その理由として筆者は淵田・奥宮著の「ミッドウェー」の存在を上げている)や、その理由として「言語の壁」が存在していたことなど、日本ではなかなか理解できない米国側の事情が伺えて興味深い。
圧巻は巻末の付録(Appendix)で、日本艦隊の詳細な編制や航空機、艦船の性能諸元は当然として、海底に眠る空母「加賀」の水中写真映像や日本空母艦載機のコードレターの意味、はてはミッドウェー海戦で日本艦隊がレーダーを使っていた説の紹介(なんでも「飛龍」にレーダーを装備していたいう説があったとか)等もあって興味深い。
LundstromのTheFirstTeamと並んで太平洋戦争初期の日米海空戦を扱った作品の中では傑作と評して間違いなく、ミッドウェー海戦のみならず日米海戦に興味がある向きには必読といって良い著作である。

お奨め度★★★★★

ミッドウェー海戦第1部:知略と驕慢 ミッドウェー海戦第2部:運命の日 Midway Inquest: Why the Japanese Lost the Battle of Midway Shattered Sword

イメージ 1

日本史テーマのウォーゲームの専門誌「ウォーゲーム日本史」。これまで定番の戦国モノは勿論、幕末や明治初期、源平時代や忠臣蔵等、様々なテーマを取り上げてきた。いずれも簡単なルールとゲームとしての面白さを追求した作品となっており、例会等の余った時間にもプレイできる手軽さが良い。

今回紹介する「箱館戦争」は、文字通り戊辰戦争の掉尾を飾った箱館戦争を扱ったシミュレーションゲームである。マップはポイントトゥポイントで渡島半島南部一帯が描かれており、中央右下に箱館が描かれている。箱館を中心として道路が放射状に延びており、箱館の地理的重要性が伺えるマップとなっている。さらに箱館市内を描く拡大マップも用意されており、五稜郭や弁天台場といった戦略的な拠点が描かれている。

イメージ 2


1ユニットは指揮官、部隊、艦船を表し、指揮官は1人、艦船は1隻、部隊は1ユニット数百人からなる。

基本的なシステムはカードドリブンだが、本ゲームではやや特殊な処理方式を採用している。カードをイベント又は作戦ポイントとして使用できる点は一般のカードドリブンと同じだが、手札の作り方が違っている。本ゲームでは所謂「手札」は作らない。山札を2分割し、それぞれ政府軍、旧幕府軍で山札を作る。プレイヤーは自分の山札から1枚上のカードを引き。それを公開する。プレイヤーは引いてきたカードと先のTurnに相手プレイヤーが引いてきたカードの2枚のカードを使って作戦行動又はイベントを発動する。つまり通常のカードドリブンシステムとは異なり、プレイヤーは山札からどのカードを使うか悩むことはない。プレイヤーが悩むのは、カードを作戦として使うか、イベントとして使うかだけである。これをカードドリブンと呼ぶかどうかは異論もあるだろう。

ちなみに、本ゲームの基本システムについては、こちらで要領良く紹介されているので、参照されたい。

今回、この「箱館戦争」について、VASSSLを使ってソロプレイしてみた。以下はその記録である。

セットアップ

イメージ 8共和国軍の配置。全ての上陸地点を守ることはできないので、西側海岸一帯は無防備のまま放置する。逆に箱館に近い東海岸、すなわち森、砂原、鷲ノ木といった地点はしっかり守る。それでも兵力が足らないので鹿部は無防備のまま放棄する。
対する新政府軍は西海岸東端の茂草に上陸した。第1波の上陸戦力は黒田清隆(★)率いる津軽藩兵3戦力。さらに第1Turnの後続波として松前藩兵3戦力、薩摩藩兵2戦力が続く。

イメージ 3



前哨戦

イメージ 9新政府軍の攻勢正面が津軽海峡沿いの海岸道路と分かったので、共和国軍は最強の指揮官、土方歳三(★★)を同方面の守りに就かしめる。一方の政府軍は第2波上陸を乙部に敢行。山田顕義(★)率いる長州藩兵、津軽藩兵各3戦力である。彼らは二股経由の山道から箱館を伺う。

イメージ 4


松前城攻防戦

イメージ 10黒田清隆率いる津軽、備前福山、備前岡山の新政府軍計8戦力が松前城を守る共和国軍を攻撃する。兵力的には新政府軍が優位だったが、松前城の防御施設を利用した共和国軍の守備は強力であり、政府軍は2戦力、共和国軍は1戦力を失った。新政府軍の攻撃は失敗。茂草に向けて後退した。
同じ時期、新政府海軍所属の「甲鉄」「朝陽」の2艦が木古内に対する艦砲射撃を実施していた。

イメージ 5


共和国軍は土方歳三を松前城に入城させ同地の守りを固める。一方の新政府軍は黒田清隆以下の兵力でさらに2度に渡って松前城に攻撃を仕掛けるがいずれも失敗。新政府軍は薩摩藩兵2戦力、備前岡山藩兵2戦力を失い、熊本藩兵2戦力も深手を負った。共和国軍は彰義隊2戦力を失い、額兵隊2戦力も深手を負ったが、箱館守備隊から兵力を抽出し、土方歳三麾下の衛鋒隊3戦力を中心になおも松前城を死守する構えである。

イメージ 6


松前、二股陥落

イメージ 11新政府軍4度目の攻撃により松前城はついに陥落した。松前城攻略を達成したのは備後福山、松前、津軽、熊本の諸藩兵である。敗退した土方歳三麾下の共和国軍は福島まで後退。さらにその後方の要域木古内まで後退し、増援で表れた見国隊3戦力を加えた計5戦力で木古内城の守りを固める。

一方、二股経由で箱館を目指す新政府軍は、山田顕義麾下の長州、津軽の藩兵計6戦力で二股城を守る大鳥圭介(★)麾下の共和国軍を攻撃した。兵力的には劣勢であっても要塞の地形効果で十分に勝機があると踏んだ共和国軍であったが、ダイス目に振るわなかった。二股城は一撃で陥落。新政府軍は箱館に向かう第2の突破口を開いた。

共和国軍は土方歳三を木古内から二股方面に向かわせて守りを固める。一方の政府軍は補充カードを使って兵力の回復に努める。続いて黒田清隆率いる新政府軍兵力で木古内に対して攻撃を仕掛けるが、大鳥圭介率いる共和国軍の抵抗に阻まれて攻撃は失敗に終わった。

イメージ 7


この時点で前半戦が終了。新政府軍の制圧した拠点はこの時点で2箇所だった。勝利条件である3箇所には一歩及ばず。ゲームは後半戦に突入する。

イメージ 1

Arab MiG-19 and MiG-21 Units in Combat

David Nicolle and Tom Cooper Osprey

タイトル通りアラブ諸国(エジプト、シリア、イラク)空軍のMiG-19、MiG-21部隊の戦いをコンパクトにまとめた著作である。珍しいテーマなので気になるのは資料性だが、本文以外はこのシリーズお馴染みの機体カラーパターンが16ページ。それからエジプト、シリア、イラク空軍でMiG-19、MiG-21を運用した部隊リストが掲載されている。本文の方ではエピソードが中心だが、例えばシリアやイラクのエースパイロットが1982年のレバノン紛争、1991年の湾岸戦争等で西側の新鋭機F-15、F-16に落とされて戦死したこと。あるいはソ連がアラブ諸国に新型ミサイル(後期型R-13(アトール)やR-60(AA-8アフィッド))の供給を渋ったため、西側のAIM-9PサイドワインダーやR550マジックをMiG-21に装備した話等が興味深い。
資料性があまり高くないが、珍しいテーマである上、比較的廉価なので、現在空戦に興味のある向きには購入して損のない著作である。

お奨め度★★★

イメージ 1

以前から興味を持っていた「Here I Stand」(GMT)について、遂にプレイする機会を得ました。
担当はプロテスタント。ゲームタイトル「Here I Stand」を叫んだマルティン・ルターが率いる陣営なので、ある意味主役と言っても良い陣営です。

ゲーム展開

第1~3Turn --> こちら
第4~7Turn --> こちら

感想

イメージ 6さあこれから、という状況で突然ゲーム終了。トルコが勢力を広げて勝利ラインである25VPを達成したからだ。とはいっても朝10時過ぎから始めたゲームは、気が付けばいつの間にか午後7時を回っていて、「もうお腹一杯」というのが正直な所。このゲーム、フルTurnをプレイすると9Turnになるが、実際9Turnプレイすることは稀であるとのことだった。
プロテスタントの獲得VPはこの時点で22VP。順位的にはトルコ、イングランドに次いでハプスブルクと並ぶ3位。勝ちを目指した訳ではなく、どちらかといえばルールの理解が目的のプレイだったが、負けるとやはり悔しい。次は勝ちたいと切に思う。

イメージ 5


イメージ 3初プレイで敗因を語るのも何だが、強いてあげるならば勝負を仕掛けるのが遅すぎたことだろうか。プロテスタントの場合、最初の4~5Turn頃までが勝負だろう。この時点であればカトリック側司祭の能力も数もプロテスタントに及ばない。それが第6Turnになると、カトリック最強の論客イグナチオ・デ・ロヨラが登場し、プロテスタント側ではルターが死亡したりカルヴァンが追放されたりして相対的にカトリック側が有利になってくる。さらにシュマルカルデン同盟によってプロテスタントも軍事的な活動が必要になると、今度はハプスブルク(本文中は神聖ローマ帝国と表現)との軍事的衝突にも対応する必要が出てくる。そういった意味では、プロテスタントは電撃的に勝利を得るのが最良ではないだろうか。

イメージ 4



イメージ 2さらに根源的な敗因を求めるとすれば、勝利のためのプランを持たなかったことと外交関係を使いこなせなかったことだろう。まず勝利のためのプランとしては、本ゲームの勝利条件は、いずれの陣営も25VP以上を獲得することである。また勝利得点を達成した時点でゲーム終了となる。勝利得点はオープンなので、勝利に近づいたプレイヤーは他のプレイヤーから攻撃を受けて足を引っ張られることになる。勝つためには他のプレイヤーの妨害を見越した上で、それを凌ぐ形でVPを獲得していく必要がある。ただ漫然とプレイしていても勝てないようになっているのだ。
外交関係についていえば、本作は「自分以外は全部敵だが、全部味方のように振る舞う」ゲームではない。歴史的な枠組みと陣営毎の特徴づけによってある程度潜在的な敵と味方がハッキリしている。プロテスタントにとって不倶戴天の敵は間違いなくローマ法王。次いでハプスブルクが潜在的な敵となる。逆に潜在的な味方は、同じくプロテスタント陣営に属するイングランドとカトリックの天敵トルコといった所か。フランスは中立といった所。プロテスタントが勝つためには彼らの力関係を把握しつつ、そのバランスを利用して自陣営に有利になるように外交戦を仕掛ける必要があるだろう。そういった意味ではプロテスタントとはいえ宗教ルールだけではなく、軍事面でのルールや新大陸の探検、海賊行為といった一見プロテスタントには関係なさそうなルールについても把握しておく必要があるだろう。

不倶戴天と書いたが、実の所、プロテスタントとローマ法王は意外な所で協調できる場合がある。それは論争だ。お互いに論争合戦を仕掛けて「火炙り」や「破門」を出すことだ。これによってお互いVPを稼げるので、勝利ラインに近づくことができる。やや苦しいたとえ話だが、プロテスタントによる宗教改革によってカトリック側で危機意識が高まり、そのことがカトリック側の自浄作用を引き起こした、と言えるのかもしれない。

イメージ 8Here I Standについては、これまで色々と噂話は聞いていたが、ゲームのテーマが私にとってのストライクゾーンからやや(大幅に?)外れていることやマルチゲームは守備範囲外という意識もあって今までは手を出しかねていた。またルールの多さや対戦相手にゲーム慣れしたプレイヤーが多いという点もネックになったように思う。
「初心者がいきなり参加しても、何をして良いかわからない間にカモにされて終わりでしょ?」
という偏見があったことも否定できない。

イメージ 9


今回参加した感想としては、本作の魅力を云々できるほど本作に習熟した訳ではないが、間違いなく佳作以上の作品であると感じることはできた。軍事的な対決を軸に置きながらも、その裏で繰り広げられる宗教上の争い。さらに新大陸発見やヘンリー8世の6人の妻といった生々しい話など、16世紀の欧州情勢を余すことなく再現している。確かにルールは多いが、これだけ多彩なドラマ性を持ったゲームで、しかも十分理解できる範囲のルール量で収まっていることは素晴らしい。ドラマ性といえば、中世史について殆ど素人の下名が、プロテスタントという限られた立場で、しかもルールブックとWikipediaだけを片手に、(内容は兎に角として量的には)これだけの文章をでっち上げることができることからも本作のドラマ性が伺えよう。

本当に再戦したいと思える作品だった。

イメージ 7

↑このページのトップヘ