もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2013年11月

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Avalon Hill社のVictory in the Pacific(以下「VITP」)は、私が生まれた初めて購入し、プレイしたウォーゲームである。その後約30年の時を経て、久しぶりにVITPに触れる機会があった。改めてプレイしてみると、新たな発見があった。例えば勝敗ラインをゃんと計算し、日本軍をして「勝つために最適な手段」をゲーム上で実践してみる意外と史実に近い展開になることもわかってきた。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。

第1回目-->こちら
第2回目-->こちら
第3回目-->こちら

7Turn(1944年5月)

イメージ 11このTurnは史実でマリアナ沖海戦が行われた時期である。日本側に待望の増援部隊が登場した。期待の大型空母「大鳳」(0-3-7[3])を始め、3隻の軽空母「龍鳳」(0-0-4[1])、「千歳」(0-1-6[1])、「千代田」(0-1-6[1])が艦隊に加わる。それにしても「大鳳」のこの低評価は何?。かつて1/700で再現された「大鳳」の精悍なスタイルを見て「日本もこんな凄い空母を造っていたんだ」と憧れに似た思いを抱いていた少年の夢は、0-3-7[3]という余りに惨めな評価をみた瞬間、崩れ去った。何故「赤城」「加賀」よりも脆いんだ。何故攻撃ボーナスが無いんだ。何故、何故、なぜ・・・・。

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イメージ 12余談ついでに3隻の軽空母についても味わい深い評価になっている。実鑑については「瑞鳳」とほぼ同性能で同数の搭載能力を有しながら、VITPでは何故か空襲力が半減された「千歳」「千代田」。同じく空襲力が半減されただけではなく、速度、防御力まで下げられてしまった「龍鳳」(まあ「龍鳳」については実際にも速度性能に難があったのは事実だが・・・)。空襲力について攻撃ボーナスがないのは「大鳳」と同じで、理由は恐らく戦争後半に登場してきたため搭乗員の技量不足を反映してとのことだろう。
ともあれたった4隻とはいえ、弱体化しつつある日本軍にとって嬉しい増援には違いない。尤も今更役に立たない軽空母の1隻よりは、高速重巡の1隻の方が、日本軍にとっては嬉しかったかも知れない。

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イメージ 13一方の米軍は恐るべき兵力が増援として登場してきていた。新鋭高速戦艦2、正規空母4、軽空母3、重巡2がその全貌である。高速戦艦というのは、言うまでもなく「アイオワ」級のことで、その性能(⑤-9-7)は、総合力で日本の「大和」(6-9-5)を凌いでいた。これらの兵力を加えた両軍の兵力バランスを下表に示す。

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イメージ 14日本軍の戦略は「本土死守」であった。稼働艦艇のほぼ総てと基地航空兵力を本土水域に集中。同方面を保持せんとする。また一部の高速艦艇を各地に派遣し、連合軍の制海権を揺さぶる。
対する連合軍は、現段階では本土に集中する日本艦隊との決戦はリスクが大きいと判断した。なんといってもオーストラリア方面から出撃する艦艇が日本本土に届かないというのが大きい。水上戦力の不足は明らかで、仮に本土近海で戦った場合、水上戦力の不足によって大損害を被る可能性がある。そう判断したのだ。
その代り連合軍は日本本土以外の水域をカッチリ押さえる戦略を採った。

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イメージ 15従ってこのTurnは大きな戦闘はなく、各地に陽動のために派遣された日本艦艇が何隻か失われただけであった。ベンガル湾では重巡「愛宕」(①-2-7)が基地機の攻撃によって。インドシナでは戦艦「伊勢」(4-4-4)が米空母機の空襲によって。南太平洋では重巡「高雄」(①-2-7)が米空母機の空襲によって。そして中部太平洋では重巡「古鷹」(①-1-7)が米新鋭戦艦「アイオワ」の砲撃によってそれぞれ撃沈されていた。

このTurn終了時、日本軍に残された支配海域は日本本土のみとなった。POCは3点である。一方の連合軍は日本本土とアリューシャンを除く全海域を支配した。POCは13点。差分はー10点で累積POCは9点まで減少した。

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8Turn(1944年10月)

イメージ 16最終Turnである。このTurnの増援は、日本軍が2隻の正規空母「雲龍」「天城」(いずれも1-2-7[3])、連合軍は正規空母、軽空母各1隻と「アイオワ」級高速戦艦(⑤-9-7)が2隻だ。両軍の稼働兵力を下表に示す。

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イメージ 14日本軍は4つの海域を狙う作戦に出た。すなわち日本本土、インドシナ、マリアナ、南太平洋だ。4つのうち2つを支配すれば勝ち逃げできるという算段だ。日本軍は艦隊戦力のほぼ全力と基地航空兵力の半数を本土海域に展開。本土を死守する態勢である。その一方で基地航空隊各1個をインドシナ、マリアナ、南太平洋に向けた。基地航空隊1個でも出目如何では制海権を奪えるはず。何故なら水上艦に基地機を攻撃する能力はないからだ。さらに連合軍には別の弱点があった。この方面で使用できる航空基地が少なく、特にマリアナ方面へ基地航空部隊を展開させるためにはフィリピンを必ず確保しておく必要があった。フィリピンを奪われるとマリアナ方面の連合軍基地航空部隊は撤退を余儀なくされるのだ。

対する連合軍は各地に対応する兵力をばら撒きつつ、それぞれの海域で制海権を狙う。そして主力である日本本土攻略部隊は、空母13、戦艦8、巡洋艦11を投入した。対する日本本土防衛艦隊は空母14、戦艦9、巡洋艦1だ。

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イメージ 17まずインドシナ海域。この海域では日本軍上陸部隊3個が投入された。彼らのうち2個が第1次戦闘を生き延びれば、フィリピンを奪回できる。しかし運命の女神は連合軍に微笑んだ。上陸部隊3個中2個は航空攻撃で撃沈され、この時点でフィリピン奪回の夢は断たれた。さらに残った最後の上陸部隊も米潜水艦(①-*-*)の餌食となり、フィリピン奪回を目指した日本軍上陸部隊は、いずれも目的を達成できなかった。
基地航空部隊についても、上陸部隊が米軍機の攻撃を引き付けている間に軽空母「キャボット」(0-2-7②)を撃沈、同じく「バターン」(0-2-7②)を帰還させたが、そこまでだった。米軍機の猛攻を受けた日本軍基地航空部隊もまた沈黙を余儀なくされてしまう。

イメージ 18続いて南太平洋。ここでは日本軍基地航空部隊1個と連合軍基地航空部隊2個+軽空母2隻の戦い。ここでも展開はインドシナ戦と酷似した結果となった。すなわち日本側基地航空部隊の攻撃で軽空母「ベローウッド」(0-2-7②)が沈没。同「ラングレー2」(0-2-7②)も帰還を余儀なくされるが、生き残った米基地航空部隊の反撃によって、日本軍基地航空部隊は撃破された。

マリアナ海域では日本軍基地航空部隊1個と連合軍基地航空部隊3個の戦い。この戦いは双方基地航空部隊を1つずつ失って終了した。

イメージ 20この段階で日本軍の勝利はなくなったが、最後のクライマックスというべき日本本土沖での大海戦の結果を記しておこう。最初の航空戦で日本側は空母3、基地航空隊1を失い、空母4が帰還。対する米軍は空母4を失い、空母6が戦闘不能となった。
イメージ 19第2ラウンドは水上戦となり、日本側は空母5、戦艦2、巡洋艦1を失い、戦艦2、空母1が戦闘不能となった。撃沈された空母の中には、「ニュージャージー」(⑤-9-7)に追撃されて撃沈された空母「大鳳」(1-3-7[3])や「ミズーリ」(⑤-9-7)の追撃を受けて撃沈された空母「飛鷹」(1-2-4③)等もある。米軍は戦艦1隻沈没、戦艦1隻大破、戦艦5、巡洋艦1戦闘不能となった。
第3ラウンドは航空・水上戦となり、米空母2隻が沈没。水上砲戦で日本戦艦1隻沈没、1隻大破。この時点で航空戦力を失った米軍が戦闘を諦め後退していった。
両軍の損害を比較すると以下の通りになる。

(1) 日本軍
 沈没:
  戦艦2(「山城」「陸奥」)
  正規空母3(「赤城」「加賀」「大鳳」)
  軽空母5(「隼鷹」「飛鷹」「龍驤」「千歳」「鳳翔」)
  重巡1(「羽黒」)
 大中破:
  戦艦4(「大和」「武蔵」「金剛」「日向」)
 基地航空隊1隊壊滅
(2) 米軍
 沈没:
  戦艦1(「ワシントン」)
  正規空母5(「ワスプ2」「ホーネット2」「バンカーヒル」「イントレピッド」「タイコンデロガ」)
  軽空母1(「プリンストン」)
  重巡1(「ポートランド」)
 大中破:
  戦艦4(「ミズーリ」「ノースカロライナ」「マサチューセッツ」「インディアナ」)
  正規空母2(「ヨークタウン2」「レキシントン」)
  軽空母1(「サンジャシント」)
  重巡1(「キャンベラ2」)

何はともあれ、日本本土近海の戦いは辛くも日本軍の勝利に終わった。米艦隊、なかんずく空母群は大損害を被り、無傷で行動可能な空母は正規空母1隻「エセックス」(1-3-7④)、軽空母2隻「カウペンス」「インデペンデンス」(いずれも0-2-7②)の計3隻にまで激減した。このTurnだけで失われた米空母の隻数は8隻、大中破3隻に及び、威容を誇った太平洋艦隊は一気に戦力を半減せしめられたのである。

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このTurn終了時、日本軍に残された支配海域は日本本土のみとなった。POCは3点である。一方の連合軍は日本本土以外の全海域を支配した。POCは14点。差分はー11点で累積POCは-2点である。僅差であるが、最終的な勝利の栄冠は連合軍の元に輝いた。

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カウントダウン・メルトダウン(上下)

舩橋洋一 文藝春秋

この本も福島第1原発事故を扱ったノンフィクションである。以前に紹介したメルトダウン(大鹿靖明)が原発事故のみならず、その後の復旧や損害補償、さらには大飯原発の再稼働問題にまで範囲を広げているのに対し、本書はほぼ原発事故そのものに絞った書き方をしている。逆に「メルトダウン」ではあまり深く触れていなかった3月16日以降の事故対策については、本書の方がより詳しく紹介されている。
もう一点、本書の特徴をあげるとすれば、本書がほぼ政治的には「無色」だということである。本書の著者は、原発に対して賛成とも反対とも言っていない。筆者はただ事故が起こり、それに対して様々な人々がどのように振舞ったか。そして事故がどのように拡大・収束していったのか、それだけを淡々とした筆致で描いている。従って読み物としてみた場合、「メルトダウン」に比べると本書はやや退屈に感じるかもしれない。しかし原発事故という未曽有の災害の実相と、それに対して立ち向かった人々の戦いを見るという点では本書の方が勝っていると思う。

お奨め度★★★★

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Avalon Hill社のVictory in the Pacific(以下「VITP」)は、私が生まれた初めて購入し、プレイしたウォーゲームである。その後約30年の時を経て、久しぶりにVITPに触れる機会があった。改めてプレイしてみると、新たな発見があった。例えば勝敗ラインをゃんと計算し、日本軍をして「勝つために最適な手段」をゲーム上で実践してみる意外と史実に近い展開になることもわかってきた。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。

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5Turn(1943年6月)

イメージ 12連合軍に戦艦「マサチューセッツ」(⑤-6-5)、空母「ヴィクトリアス」(0-2-7[2])、重巡「ウィチタ」(1-1-7)が登場する。「ヴィクトリアス」はセイロンではなく真珠湾に登場する。「ヴィクトリアス」の登場は、史実において空母戦力不足に悩んだ米海軍が、英海軍に空母戦力の太平洋方面への派遣を依頼してきた結果である。しかし「ヴィクトリアス」は当時の米空母に比べると航空兵力が弱体で、米海軍を大いに失望させたという話もある。
今では広く知られるようになった英空母「ヴィクトリアス」の太平洋派遣だが、VITPが発売された1970年代後半では、日本では余り知られていなかった。今回のリプレイでしばしば登場する英艦隊の動向についても、1970年代当時は日本では余り知られていなかった。そういった意味においてVITPは、単なるゲームとしてではなく、ある種の教育メディアとしての意味もあったと考える。私自身、VITPから教えられたことは多々あった。

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イメージ 13英艦隊と言えば、このTurn、インド洋方面から戦艦4隻が撤収していった。ヨーロッパ方面での反攻作戦に備えた再配置なのだろう。日本側には「大和」級戦艦2番艦「武蔵」(6-9-5)が登場する。第5Turn開始時の稼働兵力を下表に示す。

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イメージ 14連合軍の狙いは南太平洋である。ガダルカナルの基地を築いた連合軍は、基地航空兵力を集中投入して南太平洋の制圧を図る。集中投入された基地航空兵力は非常に厄介であり、空母戦力でこれを排除しようとしても著しい困難が伴う。そこを狙った作戦である。

イメージ 15対する日本軍は連合軍の基地航空兵力を分散させて間接的な形で作戦の支援を図る。真珠湾とセイロン方面への強襲だ。連合軍の拠点である真珠湾とセイロンのどちらかを制圧することで、連合軍に基地航空部隊の分断を強いると同時に、真珠湾の場合は連合軍反攻部隊の釘付け、セイロン方面では安全な後背地の確保が狙いだ。

偵察巡洋艦の動きで日本軍の意図を察した連合軍は、基地航空兵力3隊をハワイ方面へ、2隊をセイロン方面に配備した。また虎の子である3隻の正規空母をハワイからサモア方面で出撃艦として待機させ、日本側の動きを伺う。

イメージ 16日本軍はセイロンへ主力を向けてきた。トラック島に集結している日本艦隊にとって、セイロン島は遠い。移動チェック失敗による兵力不足が懸念されたが、案の定戦艦3隻、軽空母3隻が移動に失敗。戦場に投入できたのは戦艦・高速戦艦7、正規空母2、重巡6だった。水上兵力は十分だが、空母がたった2隻なので、航空攻撃力不足が懸念される。対する英軍は戦艦2、重巡5、基地航空隊2、そこにオーストラリア方面から増援に現れた米重巡5が加わる。水上戦力だけはそこそこ充実しているよにも見えるが、日本軍に比べると劣勢は否めない。

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イメージ 17セイロン方面の戦いについて結果から言えば一方的な戦いだった。連合軍基地航空部隊2隊が、空母「赤城」(1-4-6④)、「加賀」(1-4-5④)の艦載機によって制圧された瞬間に「勝負あった」の感がった。優勢な日本艦隊の砲火によって連合軍は戦艦「ロイヤルザブリン」(4-4-3)他、重巡5隻を失った。日本軍の損害は高速戦艦「比叡」(4-3-6)が沈没した他、同型の「榛名」「金剛」がいずれも中破(2hit)、空母「赤城」が中破(3Hit)しただけであった。

イメージ 18これに対して真珠湾方面は悲惨だった。日本軍の重巡4隻に対し、米艦隊は実に戦艦8、重巡5、基地航空隊3を投入してきたのである。日本軍にとって望みの綱は速力を生かして逃げ切ることだが、夜間に米艦隊と遭遇してしまい、自慢の速度を発揮する間もなかった。前日の空襲で退避を余儀なくされた「鈴谷」(①-1-8)は幸運な例外であったが、それ以外の3艦「熊野」「利根」「筑摩」(いずれも①-1-8)は全て米艦隊の砲火によって撃沈されてしまう。米艦隊の損害はなし。まさに一方的な戦いだった。

イメージ 24マーシャル諸島では米英空母3隻と日本軍基地航空部隊の死闘が演じられた。潜水艦の雷撃で空母「ワスプ」(0-2-6④)が戦場離脱を余議なくされ、続いて空母「レキシントン」(1-3-7④)が航空攻撃によって同じく帰還を余儀なくされる。残った英空母「ヴィクトリアス」と日本軍基地航空隊の1対1の死闘は、お互いに一歩も譲らず、最後は両方とも壊滅、沈没という結果に終わった。しかし日本軍基地航空部隊を撃破したことによって連合軍は一応目的を達成し、マーシャル諸島における日本軍の支配権に風穴をあけることに成功した。また同時に海兵隊がマロエラップ環礁に上陸。同地の飛行場を占領した。

北太平洋では、新鋭戦艦「マサチューセッツ」が重巡「青葉」(①-1-7)を撃沈している。

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このTurn、日本軍は南太平洋とマーシャル諸島を失ったものの、アリューシャン方面を奪回。さらにベンガル湾を制圧下に置いたため、POCは11点となった。一方の連合軍は南太平洋を得たものの、アリューシャンとベンガル湾を失ったため、POCは9点。差は+2で累積POCは24点となった。

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6Turn(1944年1月)

イメージ 20いよいよ1944年に突入する。米新鋭艦隊空母「エセックス」(1-3-7④)が初登場。同じく軽空母「インデペンデンス」(0-2-7②)も大挙として艦隊に加わる。このTurnの増援だけで空母8、戦艦1、重巡2が米艦隊に加わった。下表に示す通り戦力のバランスは確実に米側に傾きつつある。

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イメージ 21ベンガル湾を制圧するために派遣された日本の重巡5隻であるが、その直後連合軍によるインドシナ直撃の恐れが高まったとして後続部隊との合流を得なかった。それでも彼らは優勢な夜戦能力を生かすべく戦い、英戦艦「プリンスオブウェールズ」(4-5-6)を大破(5Hit)させる等の戦果をあげたが、主に基地航空隊の反撃によって3隻の重巡「妙高」「足柄」「鳥海」(いずれも①-2-7)が撃沈され、残りは撤退を余議なくされた。

イメージ 19南太平洋方面では反撃に転じた日本基地航空部隊と米機動部隊(正規空母2その他)との間で死闘があった。日本側基地航空部隊がベテラン空母「ワスプ」(0-2-6④)を航空攻撃によって撃沈するも、残存部隊の反撃によって基地航空部隊は制圧されてしまう。またその時重雷装軽巡「大井」も砲撃戦に巻き込まれて沈没する。

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イメージ 22マリアナ方面では、正規空母1、軽空母4からなる米機動部隊が突如来襲。日本側基地航空部隊との間で死闘が展開された。日本機の攻撃によって新鋭空母「サラトガ2」(*1)が撃沈されるも、日本側基地航空部隊と哨戒中の重巡「鈴谷」(①-1-8)が米空母機の攻撃によって壊滅、撃沈されてしまう。

(*1)ゲーム上の呼称はCV-16で、これに該当する空母は「レキシントン2」である。今回のプレイでは「レキシントン」が健在で、代わりに「サラトガ」が失われていたため、艦名を「サラトガ2」とした。

イメージ 23中部太平洋では、日本の重巡「摩耶」(①-2-7)と米新鋭戦艦「アラバマ」(⑤-6-5)が一騎打ち。「アラバマ」が精確なレーダー射撃で「摩耶」を仕留めたが、「摩耶」も渾身の雷撃戦によって2本の酸素魚雷を「アラバマ」に命中させていた。「アラバマ」大破。

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このTurn、日本軍はベンガル湾、マリアナ、中部太平洋の3海域を失い、残ったのは日本本土、インドシナ、アリューシャンの3箇所となってしまった。POCも6まで減少。いよいよ退潮期に入った感がある。
一方の連合軍は、このTurn、ベンガル湾とマーシャル諸島の支配を得たので、POCは2点増えて11点。差はー5点で、累積POCは19点まで減少した。

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あと2Turn。あと2Turnで19点リードを守り切れるか、日本軍。

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攻防-ラバウル航空隊発進篇

森史郎 光人社

タイトルはラバウル航空隊となっているが、ラバウル航空戦は主題ではなく、どちらかといえばフィリピン航空戦から始まる零戦隊と連合軍航空部隊との戦いを描いている。扱っている時期は日米海戦からガダルカナル攻防戦初日までで、フィリピン航空戦、ジャワ航空戦、スラバヤ沖・バタビア沖海戦、米空母群による機動襲撃、そして本命のラバウル航空戦へと続いていく。この時期は零戦の全盛期として知られているが、航空戦の実際がどうであったかは実の所あまり知られていない。というのもこの時期、連合軍側の記録が混乱しており、出撃機数や損害の実数が良く分かっていないためである。この時期、零戦の強さが最も発揮されていた時期という印象が強く、それはその通りなのだが、実際の戦果が日本側の考えていた通りだったかどうかは別の問題。本書を読み進むに行くにつれて、これらの疑問についても1つの解が得られよう。
太平洋戦争初期の航空戦について興味のある向きには購入して損のない著作と言える。

お奨め度★★★★★

攻防-ラバウル航空隊発進篇 ミッドウェー海戦第1部:知略と驕慢 ミッドウェー海戦第2部:運命の日 勇者の海 空母瑞鶴戦史:機動部隊出撃 空母瑞鶴戦史:敵空母ミユ 空母瑞鶴戦史:ソロモン攻防戦 空母瑞鶴戦史:南太平洋海戦 空母瑞鶴戦史:ラバウル航空戦

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Avalon Hill社のVictory in the Pacific(以下「VITP」)は、私が生まれた初めて購入し、プレイしたウォーゲームである。その後約30年の時を経て、久しぶりにVITPに触れる機会があった。改めてプレイしてみると、新たな発見があった。例えば勝敗ラインをゃんと計算し、日本軍をして「勝つために最適な手段」をゲーム上で実践してみる意外と史実に近い展開になることもわかってきた。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。

前回までの流れ-->こちら

2Turn(1942年5月)(承前)

イメージ 10最初の戦いはマーシャル近海で切って落とされた。戦艦1、空母2、重巡3からなる米襲撃部隊に対し、日本軍の兵力は巡洋艦1、基地航空隊1、そして潜水艦だ。最大の脅威は基地航空部隊だが、それを首尾よく撃破できるか・・・。
最初の伊号潜水艦(①-*-*)による雷撃は外れ。続いて航空戦が戦われる。空母「ヨークタウン」「ホーネット」(いずれも0-2-7④)と日本軍基地航空部隊(3-4-*)。数では空母部隊が優勢だが、基地航空隊は思いの外しぶとい。空母「ヨークタウン」が陸攻隊による雷撃の犠牲となったが、なんとか基地航空隊を制圧することに成功した。残った「ホーネット」の艦載機が重雷装軽巡「北上」(①-0-7)を撃沈。マーシャル海域を制圧した。

イメージ 11続いてミッドウェー海域である。こちらは空母「エンタープライズ」(0-2-7④)、「レキシントン」(1-3-7④)、戦艦「ニューメキシコ」(4-5-3)、重巡3隻の米艦隊に対し、巡洋艦1、基地航空隊1の日本軍との戦いである。
日本機の攻撃で空母「エンタープライズ」が帰還を余議なくされたが、日本側基地機は2隻の米空母による爆撃により壊滅した。「レキシントン」艦載機の爆撃によって重巡「加古」(①-1-7)を撃沈。中部太平洋を米軍が支配した。

アリューシャン方面でも哨戒中の重巡「那智」(①-2-7)が米重巡3隻の襲撃を受けて沈没する。
サモア方面でも哨戒中の重巡「衣笠」(①-1-7)が空母「サラトガ」(1-3-7④)艦載機の攻撃を受けて沈没する。

イメージ 13このTurn、最大の激戦地となったのは、インドシナ水域であった。日本側はこの方面に戦艦6隻と基地航空隊3隊を投入。対する英軍も戦艦4、空母3、重巡2、基地航空隊2隊を投入した。
しかし海戦の結果は一方的なものだった。英空母部隊は日本側陸攻隊の攻撃で早々に退場してしまい、2隊投入した連合軍基地航空隊も内1隊が早々に壊滅した。起死回生を狙って砲戦を挑んだ英艦隊だったが、戦艦「ウォースパイト」(4-4-4)が沈没、「リヴェンジ」「レゾリューション」は退却してしまう。英艦隊は砲撃で日本の誇り戦艦「長門」を撃沈したのが唯一の戦果だった。

そして空母11隻を投入した第2次真珠湾攻撃。奇跡を期待した米軍だったが、奇跡は起こらなかった。真珠湾の泥に眠っていた6隻の戦艦は全て破壊尽くされた。戦艦6隻完全損失。ここに開戦時に真珠湾に残っていた米艦隊は、文字通り壊滅したのである。

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このTurn、日本軍はハワイ海域を得たものの、アリューシャン、中部太平洋、マーシャル海域の支配を失った・。POCの合計は前回同様13点。一方連合軍は中部太平洋、マーシャル諸島を得たのでPOCは計6点。その差は7点で、累積POCは15点となった。またこのTurn、フィリピン、シンガポール、ラエの3拠点がそれぞれ補給切れによって降服した。

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3Turn(1942年9月)

イメージ 14両軍とも増援が登場する。日本軍は最大最強の戦艦「大和」(6-9-5)が空母「飛鷹」(1-2-4③)と共に登場する。また連合軍も新鋭戦艦「ノースカロライナ」(5-6-5)を始め、戦艦が計3隻登場した。まだまだ日本軍の優位は動かないが、稼働兵力の面では徐々に拮抗しつつある。

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イメージ 12サモア沖で大海戦が起こった。日本軍はサモア襲撃用に速度8の超高速艦艇ばかりで空母4、重巡4の艦隊を編成してきた。対する米軍は空母4、戦艦1、重巡9、さらに基地航空部隊を投入し、数の力で敵を圧倒しようとする。
空母同士の戦いは壮烈であった。日米合計8隻の空母が参加した壮烈な空母決戦の結果、日本側4隻、米側3隻の計7隻が失われた。艦名を列挙すると「蒼龍」「飛龍」「翔鶴」「瑞鶴」「エンタープライズ」「ホーネット」「サラトガ」だ。「レキシントン」だけが生き残った。残った日本の高速重巡4隻は、快速を生かして戦場を離脱していく。

イメージ 15インドシナでは英艦隊が再びチョッカイを出してきた。日本軍は戦艦6、空母1、重巡1、基地航空隊1隊を投入。戦艦の1隻は最新鋭の「大和」(6-9-5)だ。対する英軍は戦艦1、空母4、重巡2だ。夜間に遭遇した両軍であったが、砲力に勝る日本軍が一方的な勝利を収めた。戦艦「ヴァリアント」(4-4-4)は「大和」の砲撃を受けて大破(4Hit)。2隻の空母「フォーダブル」「イラストリアス」(共に0-2-7[2])は日本戦艦の砲撃を受けて沈没してしまう。日本軍の損害は殆どゼロ。第2次インドシナ沖海戦は日本軍の圧勝に終わった。

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このTurn、日本軍はハワイ近海の制海権を失ったが、アリューシャン、中部太平洋、マーシャル方面の支配を取り返した。日本軍の支配した海域は計7海域。獲得POCは13である。一方連合軍はベンガル湾、インド洋、珊瑚海、米委任統治領、ハワイ海域の計5海域を支配した。獲得POCは8である。差は+5点で、累積POCは+20点になった。

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4Turn(1943年1月)

イメージ 16年が変わって1943年。連合軍には空母「ワスプ」(0-2-6④)、新鋭戦艦「ワシントン」「サウスダコタ」「インディア」(最初が5-6-5、後の2つが⑤-6-5)が登場する。同じ空母、戦艦であっても、種別によって微妙に性能差があるのが嬉しい。WASやVITPの名作たる所以は、簡単なルールながらも軍艦マニアの壺をキッチリ押さえてある所だろう。両軍の稼働戦力を下表に示す。

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このTurn、両軍とも大きな動きはなかった。唯一動きがあったのがアリューシャン方面である。日本軍と連合軍の基地航空隊同士が北の海で激突する。ユニット数は2対2で互角。火力が日本軍の方が有利だが、ダイス目で連合軍が勝利した。日本軍基地航空部隊2隊が撃破され、アリューシャンの制海権を米軍が奪い返した。

日本軍はアリューシャンを失って12POCに減少。一方の連合軍はアリューシャン、北太平洋の支配を獲得し、10POCとした。その差は+2点で、累積POCが+22点となった。その他米海兵隊がガダルカナルに上陸し、連合軍が南太平洋に向けて制空権を伸ばすチャンスを得た。


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