もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2014年03月

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ザ・ゴール2

エリヤフ・ゴールドラット 三本木亨訳 ダイヤモンド社

以前に紹介したゴールドラット氏の著作「ザ・ゴール」は、世界的ベストセラーとなったビジネス書である。本書はその続編である。
前書ではTOC(制約条件理論)の考え方で生産管理方式を改善する方法の紹介であった。一方本書はもう少し広い意味でビジネスを捉え、顧客と生産者という立場から、いかにして顧客に最大の価値を提供するか。その手法について記した著作である。
筆者はここで「思考プロセス」(Thinging Process)という考え方を紹介している。思考プロセスとは、現状問題構造ツリー、未来問題構造ツリー、前提条件ツリー、移行ツリーの4つからなる。現状問題構造ツリーで現状分析をし(「なぜなぜ分析」に近い)、未来問題構造ツリーで未来のあるべき姿を定義する。そして現状から未来へ移行するための流れを前提条件ツリー、移行ツリーといった手法で明らかにしていく。
とまあ、わかったような事を書いているが、実のところ上記は巻末の解説を要約したに過ぎない。実際「ザ・ゴール2」を一読しただけで思考プロセスの真髄を全て理解するのはかなり困難だろう。何度も何度も読み返し、実務の中で使っていくことで身につけていく手法だと思う。
本書の考え方は有益だと思うが、ビジネスの現場でそのまま応用できるかどうかは、実際に自分で試してみる必要があると感じた。

お奨め度★★★★

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Breakout Normandyは、1992年にAvalon Hill社から発売されたシミュレーションゲームです。テーマはノルマンディ戦で、D-dayから7日間のノルマンディ海岸における連合軍とドイツ軍の戦いを扱っています。

本ゲームは、1981年にAvalon Hill社から発売されたStorm Over Arnhemから始まる所謂「アーンヘム・システム」の第4番目の作品です。これまでの作品がどちらかといえば市街戦における小規模部隊の動きを再現していた「アーンヘム・システム」でしたが、このBreakout Normandyでは連隊~師団規模の部隊同士の戦闘を描いています。

基本的なシステムですが、両軍とも交互にユニットを行動させて、行動したユニットは裏返す。1度裏返されたユニットは、同一Turnには行動できない。行動済状態から回復するためには補給ポイントの配分が必要という簡単なものです。それに加えて艦砲射撃、空挺降下、爆撃、上陸、沿岸砲台、橋梁等のルールがあります。ルールの量は中程度ですが、一般的な陸戦ゲームとは趣が異なるので、「慣れ」が必要だと思いました。

今回、Breakout Normandyの練習プレイとして、ドイツ軍を担当してみました。全7Turn中第5Turnまでプレイしたところで、連合軍が勝利条件を満足するところまで前進できたので、ここで終了することにしました。全5Turnのプレイでプレイ時間はセットアップ含めて3~4時間程度。思いの外、サクサク進みました。

イメージ 2今回のプレイについての感想を書きます。
上に書いたことの繰り返しになるのですが、良かった点は意外とサクサクゲームができたこと。この分では、4~5時間程度で1ゲームプレイでくりので、1日2ゲーム3ゲームというの「あり」だと思いました。
システム的にはダイスの当たり外れが激しいので、ダイス目で結構展開が揺れます。ただしトータルで見れば概ね「落ち着く所に落ち着く」ようにはなっています。また作戦級ゲームにも関わらず戦術級的な間隔も要求されます。その一方でティーガー戦車大隊等の所謂「キャラゲー」としての側面は、それほど強調されていないように思いました。ティーガーよりも盤上砲の方が余程「使えそう」に思いました。

今回は残念ながら勝利には至らず、連合軍の心胆を寒からしめるような作戦を行うことすらできませんでした。しかし今回のプレイで概ねルールを把握できたので、次回はもう少し「勝ちを意識して」プレイすることを心がけます。

いずれにしても、再戦してみたい作品の一つです。

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中野駅の南口から2~3分の所にあるラーメン屋さんです。
ソフィア会の帰りに立ち寄りました。

煮玉子入りラーメン(\800)を注文しました。典型的な家系ラーメンで味はかなり濃いです。
麺がやや平な麺なのが気に入らない。家系なら太麺の方が会うと思うのですが・・・。

店の中には若い人が多かったので、若者向けの味付けになっているのかもしれません。
個人的には、やや重く感じました。

お奨め度★★

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軍事学入門-防衛大学校・防衛学研究会編

平間洋一他 かや書房

タイトル通り軍事学について基本的な内容を記載した著作である。軍事力の概念、軍事力の歴史的変遷、現在の軍事力、現在の各種戦闘様相、後方支援、軍事科学技術といった形で省が構成されている。軍事力の概念については、交戦権や戦時法等について概念を理解することができ、有益であった。また軍事史については、個々の記述に深みはないが、有史以来の軍事力の流れを体系的に理解するには良い。現在の軍事力、現在戦の様相といった所は、戦略的な概念を理解するには有益であった。
全般的に深い部分まで述べた著作ではないが、軍事力の関する一般的な理解を得るという意味では有益な著作であった。また文章も平易であり、読みやすい。ただ、入門書という位置付け故か、内容的に「これは」と驚かされるような内容には乏しく、どちらかと言えば自分の中にある常識を再確認する、といった読後感が残った。

お奨め度★★★

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Compass Gameが2013年に発表したナポレオニックゲーム「Nation in Arms」。フランス革命後の1792年からワーテルローでナポレオンが敗れる1815年までの戦役を複数のシナリオで描く野心的な作品だ。

今回、1813年キャンペーンシナリオを9人という大所帯でプレイすることになった。フランス担当が3名、その他にブリテン、プロイセン、オーストリア、ロシア、トルコ、スペインが各1名だ。ゲーム開始時の状況としては、ブリテン、プロイセン、ロシア、スペインが対仏同盟を構成し、オーストリアがフランスと同盟関係にあった。トルコは中立で独自路線という状況である。

私はブリテンを担当する。

1813年春Turn

イメージ 5イメージ 6ブリテンはウェリントン公(Wellington 4-16-2)率いる英半島方面軍にてマドリッド(MADRID 1943)に侵攻。マドリッドを守るホセ王=ジョセフ・ボナパルト(Joseph B 2-16-0)率いるフランス軍と交戦する。兵力はほぼ互角の両軍であったが、ウェリントン公の優れた指揮能力、先遣部隊の優位、次席指揮官の優位等があってイギリス軍の圧勝。大敗によってナポレオンの怒りを買ったホセ王は解任されてしまう。ホセ王解任後のスペインには名将マッセナ元帥(Massena 4-16-2)が就任する。一方の勝利を収めたウェリントン公であったが、副将Cole将軍(2-x-1)が戦死。Stuart将軍(3-0-1)も負傷してしまう。

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イメージ 7その間ドイツ戦線ではナポレオン(Napoleon 5-18-3)が大軍を率いてブリュッヒャー将軍(Blucher 4-16-1)率いるプロイセン・ロシア連合軍を猛撃。プロイセン軍は壊滅的な打撃を受けて後退。首都ベルリンもフランス軍の支配する所となってしまう。

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このゲームでは、ウェリントン公の能力が比較的低めに抑えられている。軍司令官としての能力は、ナポレオンに劣り、フランス軍のマッセナ、ダヴー元帥と互角。他のゲームではウェリントン公の能力がナポレオンに匹敵する場合もあるので、評価の違いが面白い。

1813年夏Turn

イメージ 8ブリテンは外交攻勢を展開。エジプト政府に賄賂を贈り、エジプト政府をブリテンの同盟国にすることに成功した。これでブリテンは取りあえずスエズ運河支配の第1歩を記した。一方で悔しがるトルコ皇帝。
オーストリアも大陸同盟から脱して対仏同盟に参加した。これまで対仏同盟を構成していたブリテン、ロシア、プロイセン、スペインに加えて、オーストリアも加わり、いよいよ対仏大同盟の様相を呈してきた。

スペイン半島では、ブリテンの同盟国スペイン軍のCastanos将軍(3-0-1)がBurgos要塞(2040)を陥落させたので、補給線を前線に進展させることができた。そこでウェリントン公は軍を進め、Saragossa要塞(2242)にまで前進した。そのままSaragossa要塞を包囲して陥落せしめたウェリントン軍は、そのまま軍を東に海岸に進めた。地中海に面した風光明美な街バルセロナ(Barrcelona 2742)に攻め込んだ。

イメージ 9中欧戦線では、ナポレオンがプラハ北部の山中にロシア軍を追い詰めた。包囲下による攻撃でバルクライ将軍(B.de Tolly 3-16-1)は大損害を被った。ロシア兵の戦線でギリギリに踏み止まって全滅だけは防いだが、それでも6ステップの損害を被り、事実上全戦闘力を失って後退した。しかし勝利を得たフランス軍もオージュロ将軍(Augereau 3-0-1)が奮戦の後、敵弾を受けて戦死してしまう。

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1813年秋Turn

イメージ 10トルコがフランスと同盟して参戦する。ロシア南部又はエジプト進攻を視野に置いた大戦略だ。
ブリテン海軍は直ちにフッド提督(Hood 3-x-2)率いる艦隊を編成して東地中海に派遣した。
ブリテン海軍の動きを見たトルコはエジプト進攻を諦めロシア南部に進攻を開始。トルコ皇帝マホメット2世(Mahmut2 2-18-0)自らが率いる艦隊がロシア黒海艦隊交戦。トルコ艦隊の勝利に終わった海戦の後、トルコ軍はオチャコフ(Ochakov 2418)に上陸した。しかし上陸部隊はロシア要塞との戦いに敗れて全滅。艦隊もほうほうの体でコンスタンチノープルへ撤退していった。

スペインで作戦行動中のウェリントン軍は兵力の消耗を回復するためバルセロナに待機する。

イメージ 11中欧戦線ではベニングセン将軍(Benningsen 3-16-1)率いるロシア第2軍が、ウジェーヌ将軍(Eugene 3-16-1)率いるフランスドイツ方面軍の攻撃を受けて壊滅的打撃を被った。この戦いによってベルリン奪回の望みは絶たれた。プロイセンは屈辱的な講和条件を受け入れて和平を強いられ、対仏大同盟から脱落した。

対仏大同盟はここに崩壊した。

ここで時間切れで終了。ここまでのプレイ時間は、セットアップも含めて約9時間であった。

感想

イメージ 12基本システムはそれほど複雑ではない。しかし細かいルールがそれなりに多いので初心者がプレイするのはやや敷居が高い作品といえる。
キャンペーンシナリオを多人数でプレイする場合、問題になるのは待ち時間である。今回も忙しいフランス大陸軍とプロイセン、ロシア軍。参戦するまでは暇なオーストリア軍。敵がいないのでやる事がないトルコ。地味に戦うブリテンとスペインといった感じで、戦線や陣営ごとの濃淡がかなり違う。
また外交ルールも結構わかりにくい。PMP、UMP、コントロールアライ、プレイヤーアライといった用語をちゃんと理解しておかなければ、外交ルールを完全に把握できないだろう。また講和会談のルールなんかも読んでいる分には面白そうなのだが、実際に使いこなすのはかなり敷居が高そうだ。

イメージ 13一方、純粋なウォーゲームとして見た場合はさほどではない。チットによる活性化、1スタック毎の活性化、迎撃や籠城、野戦と攻城戦といったシステムなので、全般的にはシンプルといえる。また駒さばきの妙も楽しめる作品なので、多人数キャンペーンよりは少人数によるシナリオプレイの方が向いているのかもしれない。

次回はワーテルローシナリオかマレンゴシナリオを楽しんでみたいものである。

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