ザ・ゴール2
エリヤフ・ゴールドラット 三本木亨訳 ダイヤモンド社
以前に紹介したゴールドラット氏の著作「ザ・ゴール」は、世界的ベストセラーとなったビジネス書である。本書はその続編である。前書ではTOC(制約条件理論)の考え方で生産管理方式を改善する方法の紹介であった。一方本書はもう少し広い意味でビジネスを捉え、顧客と生産者という立場から、いかにして顧客に最大の価値を提供するか。その手法について記した著作である。
筆者はここで「思考プロセス」(Thinging Process)という考え方を紹介している。思考プロセスとは、現状問題構造ツリー、未来問題構造ツリー、前提条件ツリー、移行ツリーの4つからなる。現状問題構造ツリーで現状分析をし(「なぜなぜ分析」に近い)、未来問題構造ツリーで未来のあるべき姿を定義する。そして現状から未来へ移行するための流れを前提条件ツリー、移行ツリーといった手法で明らかにしていく。
とまあ、わかったような事を書いているが、実のところ上記は巻末の解説を要約したに過ぎない。実際「ザ・ゴール2」を一読しただけで思考プロセスの真髄を全て理解するのはかなり困難だろう。何度も何度も読み返し、実務の中で使っていくことで身につけていく手法だと思う。
本書の考え方は有益だと思うが、ビジネスの現場でそのまま応用できるかどうかは、実際に自分で試してみる必要があると感じた。
お奨め度★★★★