
ザ・ゴール2
エリヤフ・ゴールドラット 三本木亨訳 ダイヤモンド社
以前に紹介したゴールドラット氏の著作「ザ・ゴール」は、世界的ベストセラーとなったビジネス書である。本書はその続編である。前書ではTOC(制約条件理論)の考え方で生産管理方式を改善する方法の紹介であった。一方本書はもう少し広い意味でビジネスを捉え、顧客と生産者という立場から、いかにして顧客に最大の価値を提供するか。その手法について記した著作である。
筆者はここで「思考プロセス」(Thinging Process)という考え方を紹介している。思考プロセスとは、現状問題構造ツリー、未来問題構造ツリー、前提条件ツリー、移行ツリーの4つからなる。現状問題構造ツリーで現状分析をし(「なぜなぜ分析」に近い)、未来問題構造ツリーで未来のあるべき姿を定義する。そして現状から未来へ移行するための流れを前提条件ツリー、移行ツリーといった手法で明らかにしていく。
とまあ、わかったような事を書いているが、実のところ上記は巻末の解説を要約したに過ぎない。実際「ザ・ゴール2」を一読しただけで思考プロセスの真髄を全て理解するのはかなり困難だろう。何度も何度も読み返し、実務の中で使っていくことで身につけていく手法だと思う。
本書の考え方は有益だと思うが、ビジネスの現場でそのまま応用できるかどうかは、実際に自分で試してみる必要があると感じた。
お奨め度★★★★

今回のプレイについての感想を書きます。













ブリテンはウェリントン公(Wellington 4-16-2)率いる英半島方面軍にてマドリッド(MADRID 1943)に侵攻。マドリッドを守るホセ王=ジョセフ・ボナパルト(Joseph B 2-16-0)率いるフランス軍と交戦する。兵力はほぼ互角の両軍であったが、ウェリントン公の優れた指揮能力、先遣部隊の優位、次席指揮官の優位等があってイギリス軍の圧勝。大敗によってナポレオンの怒りを買ったホセ王は解任されてしまう。ホセ王解任後のスペインには名将マッセナ元帥(Massena 4-16-2)が就任する。一方の勝利を収めたウェリントン公であったが、副将Cole将軍(2-x-1)が戦死。Stuart将軍(3-0-1)も負傷してしまう。
その間ドイツ戦線ではナポレオン(Napoleon 5-18-3)が大軍を率いてブリュッヒャー将軍(Blucher 4-16-1)率いるプロイセン・ロシア連合軍を猛撃。プロイセン軍は壊滅的な打撃を受けて後退。首都ベルリンもフランス軍の支配する所となってしまう。
ブリテンは外交攻勢を展開。エジプト政府に賄賂を贈り、エジプト政府をブリテンの同盟国にすることに成功した。これでブリテンは取りあえずスエズ運河支配の第1歩を記した。一方で悔しがるトルコ皇帝。
中欧戦線では、ナポレオンがプラハ北部の山中にロシア軍を追い詰めた。包囲下による攻撃でバルクライ将軍(B.de Tolly 3-16-1)は大損害を被った。ロシア兵の戦線でギリギリに踏み止まって全滅だけは防いだが、それでも6ステップの損害を被り、事実上全戦闘力を失って後退した。しかし勝利を得たフランス軍もオージュロ将軍(Augereau 3-0-1)が奮戦の後、敵弾を受けて戦死してしまう。
トルコがフランスと同盟して参戦する。ロシア南部又はエジプト進攻を視野に置いた大戦略だ。
中欧戦線ではベニングセン将軍(Benningsen 3-16-1)率いるロシア第2軍が、ウジェーヌ将軍(Eugene 3-16-1)率いるフランスドイツ方面軍の攻撃を受けて壊滅的打撃を被った。この戦いによってベルリン奪回の望みは絶たれた。プロイセンは屈辱的な講和条件を受け入れて和平を強いられ、対仏大同盟から脱落した。
基本システムはそれほど複雑ではない。しかし細かいルールがそれなりに多いので初心者がプレイするのはやや敷居が高い作品といえる。
一方、純粋なウォーゲームとして見た場合はさほどではない。チットによる活性化、1スタック毎の活性化、迎撃や籠城、野戦と攻城戦といったシステムなので、全般的にはシンプルといえる。また駒さばきの妙も楽しめる作品なので、多人数キャンペーンよりは少人数によるシナリオプレイの方が向いているのかもしれない。