もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2014年04月

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先日の山科会で、「関ヶ原1600」(EP/SSG)をプレイしました。この作品は、1980年代初頭にエポック社から発売されていた「ワールドウォーゲームシリーズ」の1作で、テーマはタイトル通り関ヶ原の合戦です。
このゲームは当時比較的シンプルなゲームを多くデザインしていたレックカンパニー(エポック社WWGシリーズの主要なデザインチーム)作品としては珍しく、かなり複雑なルールになっています。ルール量が多いのも勿論なのですが、メインマップでの移動戦闘、全国マップでの移動戦闘、そして盤面の局面とは別のルールで繰り広げられる調略戦。多重構造のルールになっているのでその分複雑です。しかもそれぞれの要素が相関関係を持っていて、それぞれの相関についても注意する必要があるので、プレイ自体もそれなりに複雑。盤面上の局面だけではなく、常に他の要素との関連をも含めて考慮しなければなりません。詰まる所、いきなり初心者が手を出して上級者と戦っても、余程の事がない限り勝ち目はないと思われます。

そんな「関ヶ原1600」ですが、過去プレイ機会2回で未だに初心者マークを付けた下名が、果敢にも本作に挑戦してみることにしました。今回下名は西軍を担当。過去2回はいずれも東軍だったので、西軍をやってみたい、と思ったのが動機です。

1Turn

イメージ 7いきなり戦場に雨が降る。泥の中、清州城に集結した福島正則、黒田長政以下の東軍諸将は、木曽川の線に向けて前進を開始する。岐阜城を守る西軍は、織田信長の孫にあたる織田秀信。戦意に燃える秀信は、周囲の反対を聞かずに約3000の兵を率いて木曽川北岸の米野に向けて出撃する。対する東軍は黒田長政率いる1万以上の兵が、木曽川を越えて長良川に迫ってきた。米野で対陣する黒田隊と織田隊。地形的には織田方が有利であったが、兵力差は如何ともし難く織田隊は瞬時に壊滅した。織田秀信は剃髪し、高野山に蟄居することになる。

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2Turn

イメージ 9伊勢路を進む西軍は、鍋島、長宗我部、毛利、吉川ら約3万の大軍である。元々主戦派ではない彼らの戦意は怪しく、東軍も様々な形で調略を進めてきた。しかし伊勢路の戦闘では、彼らは意外な程善戦し、安濃津、松坂といった東軍の城郭を次々と落城させていった。
美濃路では、木曽川の線を越えた東軍主力が岐阜城前面に姿を現した。先の米野の会戦で主力を失った織田秀信隊にとって残った兵力は僅か1000名余りの守備兵のみ。しかしその時援軍が到着した。島津義弘。西軍きっての猛将が昼夜兼行での強行軍の末、岐阜城に入城してきたのである。意気上がる守備軍。
そしてさらに異変は続く。
イメージ 8東軍井伊直正隊と行動を共にしてきた藤堂高虎麾下の約1000名が突如反旗を翻し、西軍に走ったのだ。長良川から岐阜城に入場していく藤堂勢。こうして守備兵力を約4000とした岐阜城が、福島、黒田、細川らの東軍部隊の前に立ちはだかる。
攻城戦は激しいものになったが、稲葉山の天嶮に寄る岐阜城の守りは固かった。さすがに故信長公が精魂を込めて作り上げた名城だけのことはある。東軍の猛攻を何度も跳ね返し、一方の東軍に手痛い打撃を与えていた。

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3Turn

イメージ 10東軍はなおも岐阜城に猛攻を加え続ける。先に寝返った藤堂高虎も、激しい攻防戦の末、壮烈な戦死を遂げていた。さしもの岐阜城も圧倒的な東軍の攻撃を前に落城の危機が迫った。
と、その時、大津方面から長躯挺進してきた立花宗茂隊約4000が金華山の背後から現れた。彼らは城の裏手から続々と岐阜城に入場する。さらにその後方からは、伊勢路から馳せ参じてきた宇喜多秀家隊約15,000も長良川の背後に陣取る。長良川を強引に渡河しようとした東軍池田輝政隊の側面を宇喜多隊が痛撃。池田隊は宇喜多隊の猛攻を支えきれずに後退していく。岐阜城の正面から攻める福島、黒田、細川らの各隊も、守りを固めた城に対する城攻めは難渋を極め、徒に損害を増していった。
とうとう損害に耐えきれなくなった東軍は岐阜城の前面より後退。岐阜城攻防戦は西軍の勝利に終わった。

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4~5Turn

大損害を被った東軍諸隊は木曽川以南に後退。そこで戦力の再編を行った。一方の西軍も島津、立花らの部隊を一旦後方に下げて再編成を図る。戦場にしばしの静寂が訪れた。

6Turn

イメージ 11静寂を破ったのは北陸路であった。兼ねてから東軍に通じていた小松城主丹羽長重が、西軍を見限って東軍に走ったのである。濃尾平野での決戦を有利に進めていた西軍にとって、この寝返りは(ある程度までは予想できたとは言え)痛かった。
焦った西軍は、こちらも兼ねてから調略を進めていた東軍池田輝政に対し、計80万石で寝返りを促した。西軍としては乾坤一擲に賭けに出たが、東軍もそこは手抜きをしていなかった。東軍や約束していた50万石の加増と、現在の所領35万石が西軍の提示した80万石を僅かに上回った。池田輝政は東軍に留まり続けることとなる。

池田の寝返りが成功すれば、西軍としてはサドンデスラインに逃げ込めるだけに、返す返すも残念な場面であった。

イメージ 12戦場でも新たな動きがあった。西軍が濃尾平野北西部に位置する黒野城を守る加藤氏に調略を試み成功。一方平野西部の湿地帯にある福束城に向かったのは西軍毛利秀元隊約2万であったが、毛利隊の軍監であった吉川広家が突如反旗を翻して東軍に走ってしまう。吉川隊約4000は、揖斐川下流の湿地帯を越えて清州の徳川家康も元に向かう。残された毛利秀元以下約15000の兵は、とにかく一旦様子を見ようと、関ヶ原北方の高地隊まで出かけていき、そこで弁当を広げた。これが後の世に言う所の「毛利の手弁当」である。

吉川の寝返りは兎に角、この期に及んで西軍が濃尾平野北西部の城攻めを仕掛けたのは奇異に感じる方もいるかもしれない。これは単に西軍プレイヤーたる私のポカミスである。地図の真ん中に東軍の城が残っているということ自体が予想の外で、揖斐川以西の城は全て西軍側だと思い込んでいたのが、そもそも勘違いの発端であった。


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激闘関ヶ原 論争関ヶ原合戦 関ヶ原合戦の真実 関ヶ原-司馬遼太郎(上中下) 群雲、関ヶ原へ(上) 群雲、関ヶ原へ(下)

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成功する要求仕様、失敗する要求仕様

アラン・M・デービス 高橋優子訳 日経BP社

情報システム開発において要求定義は重要である。顧客にとって価値のある情報システムを提供できるか否かは要求定義の適否にかかっているといっても過言ではない。本著は情報システム開発における要求仕様について記載した著作である。
本書は要求活動を「要求の導出」「要求のトリアージ」「要求仕様化」と3段階に分け、それぞれの活動の中でシステムアナリストが注意すべき点を記載している。そう。本著は所謂ノウハウ本ではなく、情報システムにおける要求活動の基本的な流れと留意すべき事項がバランス良く記載されている。
筆者は言う。要求は安上がりな方法で文書化しよう。変化を受け入れよう。短期間で結果が見えるように小さなイテレーションを繰り返そう。等等
全般に文章は平易で読みやすく、わかりやすいが、難点としては専門書としてはやや厳密性に欠ける所かな?。

お奨め度★★★★

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少し前ですが、3月初めに先日山科会に参加しました。
今回プレイしたのは以下の作品です。
「関ヶ原1600」(SSG/EP)
「競争試作」(旧GJ)

前者については後日詳細を報告します。

後者は某国における架空の航空機開発メーカーをシミュレーションするゲームです。
史実上の戦闘機をベースとして架空の戦闘機を設計。国に売り込んで主力戦闘機の座を狙うというのがゲームのコンセプトです。とはいっても限られたルール量で戦闘機の設計をシミュレートするのは土台無理というもの。本作でも現実から見ればかなり「怪しい」戦闘機が市場を席巻したりします。
例えば下名がデザインした「スーパーエアラコブラ」なぞは、史実におけるP-39「エアラコブラ」をベースとして、そこに大馬力エンジンを積み、さらに二重反転プロペラ、推力式排気管などを取り付けた完全な「奇形」戦闘機。それが「コルセア」や「ヘルキャット」をバタバタ落とすのは如何にも・・・。
多人数カードゲームなので史実性云々で評価するのは如何なものかとも思いますが、あまりに奇怪な戦闘機を見ると。ヒコーキ好きとしては少し悲しくなりました。
ちなみに順位については、「スーパーエアラコブラ」で市場を席巻したのは良かったものの、k中重工業が戦争初期に「隼改」で荒稼ぎした分を取り返せずに2位に終わりました。

ちなみに別テーブルではGCACWの「ゲティスバーグ」シナリオをプレイしていたようです。

夜は「飲み会」ならぬ「食事会」。ご飯と卵かけご飯とお酒少々、さらに魚や肉も食べたので、完全に食べ過ぎ状態でした。要反省。

とにかく楽しい会合でした。
次回もまた宜しくお願いします。


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中野駅の近くに用事があったので、美味しいラーメンを、と思って行きました。
駅から歩いて5分ほどの場所にあるラーメン屋さんです。

ネットの評判は良かったのですが、「常に行列ができている」ということで少し憂欝な思いがあったのですが、幸い行列はなかったです。

つけ麺(\700)を注文しました。
まず麺が光っている。見た目だけで「美味そう」に思える麺でした。
つけ汁も及第点以上です。

評判通り美味しいラーメン屋さんでした。

お奨め度★★★★

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小説 宇宙戦艦ヤマト2199(下)

豊田巧 マックガーデン

以前に紹介した「宇宙戦艦ヤマト(上)」の続編にあたる。本作では原作の14~26話に相当する部分を描いている。上巻とは違い、この下巻ではガミラス側の事情も描いており、ガミラス側から見たヤマトの描き方が興味深い。またガミラスの内部事情や大義についても記されており、原作では十分に描ききれなかった部分にも筆が及んでいる点を評価したい。
上巻に比べると、「敵側」の視点が加わったため、より内容が充実してきた。上巻よりも圧倒的に面白く感じるのは、上記の点につきるだろう。特に七色星団の決戦場面は一読の価値ありとしておきたい。
やや残念に思えるのは、後半のガミラス本星での戦いから地球帰還に至るまでの内容がやや薄っぺらく感じる部分だろうか。これは本書の問題というよりも原作側の問題と言えるだろう。

お奨め度★★★★

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