

失われた勝利(上)(下)
E.V.マンシュタイン 中央公論新社
第2次大戦当時のドイツ軍にあって、最も優れた将軍と言われたエーリヒ・フォン・マンシュタイン将軍の自らの戦歴を記した戦記である。上巻ではポーランド戦役からフランス戦を経て独ソ戦初期におけるクリミア半島攻防戦と北方軍集団での戦いを扱ている。下巻ではスターリングラード攻防戦からクルスク戦、ドニエプル川を巡る攻防戦と1944年序盤の西部ウクライナでの戦いを描いている。上巻での見どころはフランス戦役で、アルデンヌを突破したドイツ軍がフランス軍を圧倒する様は圧巻である。またクリミア半島での戦いも興味深い。下巻では次第に悪化する戦況の中で、ヒトラーの不合理な干渉に苛立ち乍らも自らの職責を全うしようとするマンシュタイン将軍の苦闘が興味深い。
本書は戦史として読んでも面白いが、それ以上に危機的状況における人間のあり方という観点から見ても興味深い。圧倒的な敵軍、無理解な上官、そのような絶望的な状況下で彼はどのようにして職責を全うしたのか。あるいは自らが同じ立場に置かれた時にどうするのか。あるいは自らが同じ立場に置かれないためにはどうすればよいのか。対人折衝、リスク管理、危機管理等、本書から学ぶ点は多い。
お奨め度★★★★













「決戦、連合艦隊」は、1980年代にエポック社から発売された「シミュレーションゲーム入門2」の1作品である。テーマはガダルカナル近海の夜間水上戦闘で、戦艦、巡洋艦、駆逐艦が1隻1ユニットで登場する。全て艦名入り。登場艦艇は「比叡」「霧島」「愛宕」「青葉」「長良」「雪風」「ワシントン」「サンフランシスコ」「ヘレナ」「オバノン」等計111隻。その中には日本海軍の誇る巨大戦艦「大和」も含まれている。

米艦隊先頭を走る駆逐艦「ダンカン」がレーダーで日本艦隊を捕捉した。しかし米艦隊は砲火を開かない。ここで砲火を開いても大きな効果を期待できないからだ。米艦隊はなおも日本艦隊の接近を待つ。
距離8ヘクス(4海里)まで近づいた時、日本艦隊も米艦隊を姿を肉眼でとらえた。この段階で米艦隊も発砲準備を整える。両軍ともほぼ同時に砲火を開いた。重巡「青葉」の放った射弾がブキャナンの弾薬庫に命中。これを轟沈せしめた。対する米艦隊も軽巡「ヘレナ」の射弾が重巡「衣笠」の艦橋に命中。同艦に火災を生じせしめていた。また日本艦隊左舷側を警戒していた駆逐艦「初雪」は、米駆逐艦3隻の砲火を浴びて火災が発生する。

すれ違った両軍は再び反転して交戦せんとする。その過程で重巡「衣笠」もまた上部構造物に多数の命中弾を受けて戦闘力を失った。米側は駆逐艦「ダンカン」「ファーレンホルト」「ラフィー」が上部構造物に被弾する、米駆逐艦2隻が重巡「青葉」を狙って魚雷を放ったが、いずれも命中しなかった。

形勢は明らかに米軍側に有利に傾いていた。重巡「衣笠」は火災を起こしたまま米重巡2隻の標的のような有様で、多数の命中弾を受けて今にも沈没しそうである。今まで奮戦していた6戦隊の旗艦「青葉」も米大型軽巡2隻の集中砲火を浴びて遂に火災を発した。日本艦隊でまともな戦力を残す艦は、遂に「古鷹」1艦となってしまう。
米大型軽巡「ボイシー」がクリーンヒットを得た。距離1ヘクスというベストのポジションから放った「ボイシー」の一撃は、ピンゾロ2連発という米軍プレイヤーにとって望み得る最高の結果を得た。戦闘結果は5G5M。既に重大な損傷を被っていた「青葉」は、クリティカルヒットのダイスを振るまでもなく轟沈した。さらに重巡「衣笠」も米重巡2隻の砲撃を受けて轟沈。サボ島沖海戦は米軍の圧勝に終わった。
まず本作が「ソロモン夜襲戦」よりも優れた点は、まずそのプレイアビリティにある。砲撃戦はダイスを振って命中判定をした後に損害判定のダイスを振るだけ。雷撃もダイスを振るだけである。また移動は完全な交互移動なので、1ヘクスずつ移動する「ソロモン夜襲戦」よりもプレイは楽だ。指揮統制ルールや探照灯、照明弾等のルールもないので、ルール量も少ない。
一方で(些か手前味噌ながら)「ソロモン夜襲戦」が優れている点は、まずディテールの細かさがある。本作では米駆逐艦は全て同じ性能であり、米防空軽巡も単に「弱いだけの巡洋艦」としか評価されていないが、「ソロモン夜襲戦」では駆逐艦の性能はタイプ別に細かくその差が表現されており、防空軽巡も中口径砲多数を装備した「駆逐艦キラー」として特徴づけられている。火砲の性能、魚雷の性能についても事細かに表現されており、ディテールの表現では「ソロモン夜襲戦」が勝っていると言えよう。















NATO軍のAWACSに手を焼いたWP軍は、遂に尋常ならざる手段に訴えてきた。片道出撃のブルガリア空軍機を使ってNATO軍AWACS機の除去を図ってきたのである。片道出撃だから帰還は最初からムリ。まさに決死の攻撃であった。
先のTurn、シリウリを占領したソ連軍戦車師団はイスタンブールへ向けて最後の攻撃を敢行した。イスタンブール前面に展開するトルコ軍第3機械化歩兵師団(7-2-8)を攻撃する。しかしこの攻撃でもトルコ軍を撃破することができず、ソ連軍はイスタンブールへ取り付くこともできない。
今回は勝利条件的には勝ったが、米空母を沈められたので素直には喜べない結果となった。これまでGulf Strike、Aegean Strikeについて、ソロ、対戦合わせて7回程プレイしてきたが、沈んだ米空母は計4隻。多いか少ないかは微妙な所だが、1回のプレイで半分以上の確率で1隻が沈んでいる計算になる。
発見回避が困難だとした場合、米空母を守る手段は敵の攻撃手段の無力化になる。WP側が米空母を攻撃する手段としては、潜水艦、水上艦、そして航空機がある。中でもミサイル原潜、同じく高速攻撃型原潜、対艦ミサイルを搭載した水上艦艇、そして長距離対艦ミサイル装備のソ連爆撃機が最有力手段だ。今回のプレイでは、そのうちの3つまでは無力化した。残りの長距離爆撃機についても初戦で半数弱を撃破していた。従って僅か2個中隊の長距離爆撃機だけが残っているだけだったが、その2個中隊にやられた。やっぱり長距離爆撃機を完全に無力化しない間は米空母はイタリア半島に籠っているべきだったのか。しかし長距離爆撃機が攻撃困難なソ連本土に引き籠ってしまえばどうなるのか。それまで米空母はイタリアで無聊をかこつべきなのか。あるいは危険を覚悟で東地中海に進出すべきなのか・・・。あるいは米空母は消耗品として割り切るべきなのか・・・。







