大東亜戦争というちょっと「右」っぽいタイトルが気になったので、購入しようかどうか迷いました。しかしゲームとして面白そうだし、何といっても日本人がデザインする久しぶりの本格的な太平洋戦争のキャンペーンなので、買ってしまいました。
マップはフルマップ1枚で、東はハワイ諸島から西はセイロン島まで、北がダッチハーバーから南はオーストラリア大陸北部までがポイントトウポイントのマップに描かれています。1Turnは実際の3ヵ月、1ユニットは艦艇が主力艦2隻、巡洋艦以下は4隻以上、航空機は数十機から数百機、1個師団から1個軍団/軍規模の陸軍を表します。
システム的にはGMTのPaths of Gloryに準拠したものになっており、PoGと同じくラージユニットとスモールユニットの違いがあります(戦艦、正規空母はラージユニット、軽空母、巡洋艦等はスモールユニット)。また日本人の拘りとして、「信濃」が空母ではなく戦艦として就役できたり、「伊勢」「日向」を完全空母化できたりします。面白そうなのは新型機の開発で、天山や彗星を開発すると日本軍の練度が1ずつ上がります。SSG/HJの「太平洋艦隊」では、新鋭機就役時期になると自動的に日本海軍の練度が一時的に上昇するように調整されていますが、何だか細工されているようでスッキリしません。その点はこのゲームの方がスマートな処理に思えます。他にも米軍の艦攻が「デバステータ」の場合と「アヴェンジャー」の場合で攻撃効果が異なってくる点などは、デザイナーの航空機に対する拘りを感じます。
シナリオは4本で、うち2本はどちらかと言えば練習用のミニシナリオ。本命のキャンペーンシナリオは1941年10月開始のものと1942年4月開始のものの2本が用意されています。
なんだか航空機や艦船開発に関するカードばかりが目立つのが気になる所。いずれにしても機会を見つけてプレイしてみたい作品です。