北海道の阿寒岳は日本百名山にも指定されている山だ。阿寒岳といっても雌阿寒岳と雄阿寒岳の2つがあり、さらの阿寒富士のいう別の山も登場してくるので話はヤヤコシイ。要するに阿寒岳と呼ばれる山には3つの頂があると思えば良い。
そのうち雌阿寒岳については2002年に既に登頂済み。阿寒富士もその時同時に制覇した。しかしその時登り損ねた雄阿寒岳の存在がずっと気になっていた。そしてそれから13年経過した2015年。遂に雄阿寒岳に登る時がやってきた。
雄阿寒岳登山
10月12日体育の日。北海道某所の宿を早朝に出発した私は、レンタカーを飛ばして0640頃に雄阿寒岳登山口に到着した。雄阿寒岳登山口の駐車スペースは狭く、車10数台が停められるだけだが、その時は幸いにも駐車できた。登山口は阿寒湖の湖畔にあり、阿寒湖の紅葉が綺麗に見えるビューポイントでもある。0700過ぎに出発。天気が良いが風が強いのが気になる。最初のルートは阿寒湖の湖畔に沿って歩くコース。太郎湖への取水口から山の中に入っていく。太郎湖、次郎湖という阿寒湖の兄弟湖の間を抜けて、次郎湖を右手に見ながら山の中へ。暫く歩くと一合目の看板が見える。その後、二合目、三合目。四合目と続く。その間、紅葉が美しい。
五合目という看板に到着すると、「ここまで来たら8割方は終わりです」などと書いてある。8割終わりなら素直に8合目にすれば良いものを・・・。ここからは樹林帯を抜けてハイマツ帯を歩く。その後も六合目、七合目、八合目と律儀に看板が続くが、その間隔は五合目までとは明らかに異なっている。
雄阿寒岳山頂に着いたのは1040頃だった。登山口からの所要時間はほぼ3.5時間。コースタイム通りである。山頂からは幻の湖と呼ばれているパンケトウ、ペンケトウの姿をハッキリと見ることができる。無論阿寒湖も一望の元だ。
帰りは元来た道を降りて行く。できれば早めに下山したかったが、下山途中で美しい紅葉を見て気が変わった。こんなに綺麗な紅葉なら写真をじっくりと撮りたい。という訳で帰りは写真を撮りながら降りて行った。カメラを構えると其処彼処で紅葉の綺麗なのが見える。涸沢の豪快さ、高原沼の鮮やかさには及ばないものの、この紅葉はこれはこれで良い。思わぬ掘り出し物に大満足であった。
往路はさっさと通り過ぎた太郎湖、次郎湖も、岸から見える阿寒湖の紅葉も、帰りはじっくりと写真を撮った。
登山口に帰ってきたのは1415。結局下りの所要時間も約3.5時間だった。
感想
登る数日前に台風が来ていたので倒木等がないか心配だった。事前に電話で問い合わせた所、何カ所か倒れているが登山には支障がないとのことだった。登ってみると確かに倒木が数カ所あったが、登るのに苦労する程でもなかった。標高差は約900mで累積標高差なら1000m近くになりそうだ。そう言った意味ではかなりハードな山で、所要時間もそれなりにかかる山でもある。しかし登山路は比較的良く整備されており、休憩ポイントも明確なので、登っていて疲労感のようなものは感じなかった。一番気になったのは強風で、特に五合目よりも上はかなりきつかったが、手袋と雨具で凌げる程度。登れない程ではない。
景観的には山頂から見る阿寒湖とペンケトウ、パンケトウが圧巻。他には今回の場合は四合目付近までの紅葉が素晴らしかった。登山の最初に阿寒湖沿いを歩くのも良い。
総じて雄阿寒岳はそこそこキツイ山だが、危険個所は特になく、景観も良いので、万人にお奨めできる山と言える。