世界の傑作機No.155 B-26マローダー
文林堂
B-26マローダーは、B-25ミッチェルと並んでWW2期における米軍を代表する双発爆撃機である。にも拘らず日本ではB-25に比べてB-26の評価は一段低い感がある。B-25がドゥーリトル空襲やビスマルク海海戦における反跳爆撃等で日本軍に大きな打撃を与えたイメージがあるのに対し、B-26は戦争初期に日本軍と対峙したためにミッドウェー海戦での大損害や「大空のサムライ」等での「やられメカ」のイメージが強いためかもしれない。本書はB-26の生い立ちや機体構造、バリエーション、戦歴等を豊富な写真と共に紹介している。本書を読めば、B-26がB-25に勝るとも劣らない傑作機であることが理解できよう。特に欧州戦線では抜群の生還率を誇り、「殺人機」の汚名を払拭していたことは特筆に値する。「知っているようで余り知らない」機体について認識を新たにするには好適な著作である。
お奨め度★★★