
世界の艦船2016年6月号別冊-第2次大戦のイギリス軍艦
海人社
この種の本について、ネットで何でも調べることができる昨今、情報的な価値は下がっています。しかし、店頭で見るとはやはり欲しくなってしまいます。タイトル通りWW2期の英国海軍艦船を扱った著作で、戦艦や空母といった主力艦は勿論、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、護衛艦艇、各種補助艦艇まで、英国海軍の主な艦艇の大半を網羅しています。大戦期を扱った著作なので、写真も大戦期のものが中心で、実戦下の写真は緊張感が伝わってくるようです。これだけの写真を見るだけでも一見の価値ありです。またスペックや戦歴で見た時、開戦時の英空母の貧弱さ(使える空母が「アークロイヤル」しかない、いや、「カレイジャス」級も「隼鷹」並みには使えるか、と思ったら開戦後1年以内で全滅・・・)、何だか違和感を感じる巡洋艦群、被害の大きさに驚く駆逐艦群、通商破壊何それの潜水艦群などなど、日米の艦とは違った面白みがあります。
艦好きなら買っても損はないかも・・・です。
お奨め度★★★



ウェーク島、北方400マイルの位置に進出した空母「蒼龍」「飛龍」からなる第2航空戦隊から攻撃隊が発進していく。マーシャル諸島から発進する陸攻隊と共同でウェーク島を爆撃する。レーダー不備によって日本機の発見が遅れたウェーク島の基地は日本機の奇襲を受けた。地上で炎上するグラマン戦闘機。一連の爆撃でウェーク島に残っていた約15機のワイルドキャットは、その悉くが炎上してしまう。
日本側が主導権プレイヤーの特権を利用してこのサイクルを夜間Turnとした。米空母が接近中で裸の水上部隊が敵機の攻撃を避けるためだ。日本側の上陸部隊がウェーク島近海に集結。激しい艦砲射撃を加えて米守備隊を制圧せんとするが、米守備隊(6-0-1)は健在だ。
日本機動部隊が索敵に成功。空母「サラトガ」を中心とする米機動部隊を発見した。日本側の機動部隊は未だに発見されていない。チャンスである。「蒼龍」「飛龍」から可動全機(7ステップ105機)が発進して攻撃に向かう。この攻撃隊は米機動部隊の発見する所となり、「サラトガ」から発進したCAP機と対空砲火による迎撃を受けたが、何たる僥倖か。CAPによる迎撃も対空砲火も悉くスカ。日本側攻撃機は全力で「サラトガ」に襲いかかったが、何たることか。日本側攻撃機が与えた命中は僅かに1Hitのみ。「サラトガ」は軽傷のまま戦闘継続が可能である。
既にウェーク島に接近している日本軍上陸船団は米軍の発見する所となっている。現在、「サラトガ」「レキシントン」の2空母がウェーク島を攻撃圏内に捉えようとしており、早晩空襲を受けるのは必至だ。空母機による空襲を受ければ、対空装備に乏しい上陸船団は大被害を免れない。幸いこのサイクルで先手を取ったのは日本軍だ。空襲を受ける前に上陸を敢行し、ウェーク島を奪ってしまえば良い。本来なら敵の守備隊を砲爆撃で混乱させた上で上陸に移りたい所だが、どうやらそんな余裕はなさそうだ。それでも支援の艦艇が懸命に艦砲射撃を行い、守備に任じる米海兵大隊を混乱させようとするが、海兵隊の士気は高く、混乱してくれない。


南軍の名将ジャクソン少将(Jackson 2-2-5★★)がチャタヌーガ(Chattanooga 3026)西2ヘクスのウィンチェスター(Winchester 3024)に赴任してきた。麾下4SP(1SP=5000名)を率いてナッシュビル(Nashville 2622)に進撃してきた。ナッシュビルにはレイモンド少将(Reymonds 1-2-4★★)が赴任していたが、兵力が1SPしかないので戦闘を回避。クラークスビル(Clarksville 2521)まで後退し、ハンター中将(Hunter 0-1-3★★★)麾下の1SPと合流する。

南軍ブラッグ中将(Bragg 1-1-4★★★)がテネシー軍(9SP)を率いてメキシコ湾岸のモービル奪回に南下する。兵力差があったのでモービル(Mobile 4619)を奪回した。しかしこれは死の罠であった。ミシシッピ中部ジャクソン(Jackson 4013)付近で集結していた北軍グラント中将(Grant 2-2-5★★★)率いるテネシー軍は、17SPもの大軍を率いてモービルへ向けて南下する。モービル川(Mobile R.)河口付近でグラント軍を待ちうけるブラッグ軍は、しかし迎撃に失敗。モービル市街に押し込められた形でグラント軍を迎えることになる。兵力差は2倍。塹壕を使って待つブラッグ軍だが、兵力差は如何ともし難くモービルは陥落。背後を海、正面を北軍に押さえられた南軍部隊は悉く壊滅。計9SPもの大軍が瞬時に霧散した。南軍指揮官の皆さんは、夜陰に紛れてモービルを脱出する。
モービル支配を終えたテネシー軍はトムビックビー川(Tombigbee)沿いに北上。別動隊のシャーマン少将(Sherman 1-1-5★★)麾下の6SPがディモポリス(Demopolis 4019)前面に塹壕を築いて南軍の海上支配を打ち消し、対岸に渡ってディモポリスを占領した。
結果的には北軍の大勝に終わったが、転機となったのは3つあったと思う。第6Turnのメンフィス(Memphis 3013)要塞陥落、第7Turnのビックスバーグ(Vicksburg 4011)要塞陥落、そして第9Turnのモービル会戦である。最初のメンフィス、ビックスバーグについては、ワンセットで考えた方が良いだろう。メンフィスの陥落によってミシシッピ川沿いの補給線が南に延伸することに成功し、そのことでビックスバーグの陥落を招いたということだ。無論メンフィスもビックスバーグもいずれは落ちる運命だが、それをどれだけ遅らせるかが南軍にとってポイントになろう。無論、下名の担当しなかった戦線で地道に南軍貿易港を奪取していった北軍水陸両用部隊の活躍も無視できないことは言うまでもない。














