最近入手したTask Force(SPI)の艦艇を見ていると、奇妙な違和感を覚える。艦艇のレーティングが何か「ズレている」ような感じがあるのだ。同じデザイナーがデザインしたフリートシリーズと比べてもかなり傾向に違いがあるのだ。どのようなレーティングが正しいかは諸説あって「どれが正しい」というのは難しいのだが、正否を問題にするのではなく、取りあえず「こんな傾向だよ」ということを中心に紹介したい。
水上艦艇
まず最初に感じるのはソ連艦に対する評価の高さである。本作で最強の水上艦艇は恐らくカーラ型巡洋艦(1134B大型対潜艦)の「アゾフ」「ケルチ」である。水上打撃力こそ搭載ミサイルの性能の低さ(対潜戦兼用のSS-N-14だからやむを得ない)でやや評価が低いが、対空、対潜能力は最強級。特に対潜能力は全ての西側艦艇を凌いで世界最強である。同艦に匹敵する対潜能力を有する艦は、同じソ連海軍のキエフ級空母とクレスタ2型巡洋艦だけ。西側新鋭対潜艦、例えば米スプルーアンス級駆逐艦や英ブロードソード級フリゲートも及ばない。フリートシリーズではその評価が完全に逆転しているだけに、カーラ型に対する高評価は違和感を禁じ得ない。対空火力についてもカーラ型はゲーム中最強。解りやすく言えば、当時計画段階だったイージス艦と同じ評価(ただし、後にイージス艦が就役し、その性能諸元が明らかになった時点でイージス艦がカーラ型を上回ったが)、当時最新鋭の米原子力ミサイル巡洋艦「ヴァージニア」ですら、その対空火力はカーラ型に及ばない形でレーティングされている。
当時米海軍の最新鋭艦であるスプルーアンス級駆逐艦、ペリー級フリゲートについては、全般的に評価が辛口である。搭載ヘリが対潜攻撃システムとして評価される以前のレーティングになっているので、ヘリ搭載艦は単に索敵の際に便利というだけ。母艦のアレイソナーはコンバージェンスゾーン(CZ)を利用して敵潜水艦を遠方に探知し、ヘリが30海里乃至60海里進出してソノブイで敵潜を追い詰める。そういった運用は、Task Forceデザイン時はゲームの中では想定されていなったように思える。