ニューギニア沖海戦。1942年2月20日、日本海軍陸攻隊と米空母機動部隊が初めて対決した戦いである。ラバウル東方約400海里に接近してきた米空母「レキシントン」を中核とする機動部隊に対し、爆装した陸攻17機が反撃のために出撃。米戦闘機の妨害と対空砲火で15機もの損失を出すという大損害を被って攻撃そのものは失敗に終わったが、日本機の攻撃を受けた米機動部隊はラバウル攻撃を諦めて撤退。ラバウルを守るという日本軍の目的は辛うじて達成された。
現在作成中の「海空戦、南太平洋1942」では、練習シナリオとしてこのニューギニア沖海戦を収録している。航空機運用、索敵システム、空対空、空対艦戦闘を学ぶ教材として利用できるようにしている。かつてAH社から発表されていたFlat Topでも、同じ戦いが練習シナリオとして用意されていた。
勝利条件
(1) 空母「レキシントン」に中破以上の損害を与えれば、日本軍の勝利(2) (1)以外でラバウルの飛行場に4打撃以上与えれば連合軍の勝利
(3) (1)(2)以外の場合、獲得のVPが大きい方が勝利
連合軍の作戦
(1) 第1波はラバウルから12ヘクスの距離から放つ。護衛戦闘機の付けれられない裸攻撃だが、止むを得ない。(2) 第2波はラバウルから9ヘクスの距離から放つ。可能ならば護衛戦闘機1ユニットをつける。
(3) 空母上空に必ずCAPを2ユニットつけて艦隊防空に万全を期す。
日本軍
(1) 索敵は水偵と飛行艇で行う。(2) 攻撃は陸攻の水平爆撃とするが、可能なら大艇による少数機の薄暮雷撃を試みる。
(3) 戦闘機隊は基地防空を主任務とするが、可能なら陸攻隊の護衛を行う。

「サンタイサベル島北方90海里に敵艦隊発見」
索敵機の報告は正確だったが、まだ敵の概要を捉えたに過ぎない。日本軍は正確を期するために第2報を待つ。一方、米軍はCAP機を増強して日本機の来襲に備える。
「先の報告は誤り。敵はサンタイサベル島北方150海里」
実際には2回目の索敵が位置誤認で、1回目は正確だったが、日本軍プレイヤーは知る由もない。しかし2ヶ所のどちらかが本物だとすれば、両方に接するヘクスに目標地点を設定すれば攻撃は可能だ。本ゲームでは、攻撃目標の隣接ヘクスに敵艦隊が存在すれば、攻撃が実施できるようになっている。
「攻撃隊発進せよ」

日本軍の思惑通り、陸攻18機からなる攻撃隊は首尾よく米空母部隊を捉えた。ここまでは予定通り。しかし期待していた奇襲は失敗。レーダーによって日本攻撃隊の接近を知っていた米機動部隊は18機の戦闘機でこれを迎え撃つ。


陸攻隊全滅。
ニューギニア沖海戦の第1ラウンドは史実通り米軍の一方的な勝利に終わった。
10:00

ラバウル上空では、零戦1個中隊、96艦戦2個中隊、計3個中隊がこれを迎え撃つ。
実際に「レキシントン」が搭載している艦爆はもっと多いが、このシナリオでは艦爆のうち半個中隊(9機)は索敵のために出撃していると仮定している。

かくして米攻撃隊は半数を失うという大損害を被ったが、爆撃によってラバウル基地の機能を一部奪うことに成功した。
14:00

この時点でほぼ決着がついたのでテストプレイは終了とした。プレイに要した時間は約2時間だった。
感想
概ね期待通りの展開であった。ただしSBDの攻撃距離がやや長すぎる(360海里)という気がする。例えば対艦攻撃の攻撃距離の基準値を240海里とし、対地攻撃時を270海里ぐらいにするのが妥当かもしれない。見直してみよう。







