
今度のシナリオ「空母対空母」は架空戦で、日米の新鋭艦隊空母が2対2で対決するというもの。時期は1942年9月~10月で、時期的には南太平洋海戦の時期に相当する。登場兵力はお互いに空母機動部隊と僅かな長距離哨戒兵力に絞り込んでいるため、比較的短時間で空母同士の対決を堪能できるようにデザインされている。

日本軍の長所
・艦上戦闘機の性能(特に空戦性能と航続距離)・艦上爆撃機の航続距離
・艦上攻撃機の魚雷攻撃力
・複数の空母同士で統合攻撃が可能
・空母同士が共同行動可能(米軍はドクトリン制約があって共同行動できない)
・艦載水偵の索敵力が卓越している
・艦隊全体の速力
このように比較してみると、両者ほぼ互角であることが伺えよう。
ルール改正


艦隊編成

両軍は麾下の艦隊を以下のように編制した。


一方の米軍は空母1隻を中心とした機動部隊を2個編制した。これは軍事的合理性というよりは、シナリオ特別ルールの制約による。これは当時の米海軍における空母機動部隊運用のドクトリンを表したもので、2隻以上の空母が同じ艦隊に入ることはできない、という内容である。
それでは前置きが長くなったが、早速ゲームを開始してみよう。
「敵空母ミユ」

その時の位置関係であるが、空母同士の距離は7ヘクス(210海里)だった。このことを日本軍はほぼ正確に把握していたが、米軍は距離を読み違えていた。というのも米軍の索敵機は日本空母の発見位置について約30海里の誤差を含んでいたからである。米軍は彼我の距離を6ヘクス(180海里)だと誤認識し、攻撃準備を進めていた。
このあたり、ソロプレイではなかなか感じが分からないが、対人戦だと「敵がどこにいるのか、本当はわからない」という緊張感はブラインドサーチゲームの特権だと思う(ダミー方式では逆立ちしてもこの緊張感は味わえない)。そのあたりの緊張感を上手くゲームの中で演出していきたいものだ。

攻撃隊が目標上空に到達した時、彼らは各空母1隻からなる2つの大機動部隊を発見した。そして何たる幸運。日本軍の第1波攻撃機が目標上空に到達した時、米空母の飛行甲板にはまだ発進準備中の攻撃隊が並んでいた。72機の攻撃隊は、艦爆隊と艦攻隊に分かれて目標に向かう。日本機に狙われたのは空母「ホーネット」を中心とする第17機動部隊だ。


艦爆36機、艦攻18機は、「ホーネット」を狙う。空母を沈めてしまえばこちらの勝ちだ。激しい対空砲火がそれを迎え撃つ。対空砲火のために半数近い機体(約20機)が炎に包まれた。しかし残る機体は「ホーネット」に必殺の一撃を叩き込む。

東京空襲やミッドウェー海戦で名を馳せた栄光の空母「ホーネット」は、サンタクルズ諸島近海でその最期を遂げたのである。



残る期待は艦爆隊。計18機が「エンタープライズ」上空で突撃態勢を作る。
先の「ホーネット」隊とは比較にならない程物凄い対空砲火が艦爆隊を襲った。この部隊には新鋭戦艦「サウスダコタ」が含まれており、その対空威力がモノをいった。艦爆隊は3/4が対空砲火の犠牲となった。爆弾を投下できたのは全体の約半数。9発前後の爆弾が「エンタープライズ」を襲った。しかしその全部が外れ。「エンタープライズ」無傷だった。
かくして日本軍第2次攻撃隊は、3/4を失うという大損害を被り、戦果は全く皆無という悲惨な状況となった。







