もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2018年07月

こちらでも紹介したが、新版Ukraine'43のシナリオ2をプレイしてみた。
前回のレポートはソロプレイであったが、今回は対人戦について報告する。ちなみに下名は枢軸軍を担当した。

プレイ方針

あくまでも勝利を目指すが、その勝利はキャンペーンシナリオを念頭に置いたものとする。例えばSS装甲師団をスターリノやポルタワのような要域に籠もらせて時間稼ぎ&VP保持を狙う手もあるが、キャンペーンシナリオを想定した場合、貴重な打撃兵力を失うような愚策は採りたくない。従ってあくまでもオーソドックスなプレイスタイルで勝利を目指したい。

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8Turn(43/09/06-10)

イメージ 15ソ連軍の攻撃始まる。しかし南部戦線ではソ連軍の攻撃は2-1以下の低比率攻撃に終始し、一歩も前進できないでいる。
北方ではロムニ(Romni 2809)付近で両翼を突破してきたソ連軍によりドイツ第11装甲師団(6-5-7)が後方を遮断された。ただちにグロスドイッチュランド装甲師団(以下、GD師団)(10-7-7)その他による救援部隊が編成された。救援部隊は第11装甲師団の背後を遮断しているソ連軍部隊を攻撃。これを撃破してドイツ第11装甲師団を救援した。

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9Turn(43/09/11-15)

南方戦線。先ほどのTurnではドイツ軍による防御に成功したが、このTurnはソ連軍の進撃を許すことになる。
まず要域コンスタンチノフスク(Konstantinovsk 5123)がソ連軍の猛攻を受けて陥落した。このシナリオでソ連軍が得た最初の勝利条件都市となる。
またソ連軍はマリウポリ(Mariupol 5133)を河口とするカルミウス川を渡河。ドネツ盆地に残る枢軸軍最後の要域スターリノ(Stalino 5227)の両翼を脅威した。

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10Turn(43/09/16-20)

イメージ 17アゾフ海に面する港湾都市マリウポリが陥落した。またその西方、ドニエプル川近くでは、パブログラード(Pavlograd 4123)が陥落していた。しかしスターリノでは包囲下にありながらも、守備隊がなおも奮戦している。
北部戦線ではソ連軍の機械化部隊が急速に南下してきており、クレメンチューク(Kremenchug 2820)が脅威にさらされている。そこでドイツ軍はクレメンチューク北方でグロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団(10-7-7)を含む装甲3個師団、歩兵2個師団にて反撃を実施し、ソ連軍機械化部隊を撃破した。

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11Turn(43/09/21-25)

イメージ 16ドニエプルペトロフスク(Dnepropetrovsk 3724)~クレメンチューク間では、ほぼドイツ軍がドニエプル川の西岸に撤退を完了していた。それに対してソ連軍は虎の子空挺大隊を投入してドニエプル西岸に起死回生の空挺降下作戦を敢行した。しかし降下を実施した3個大隊のうち2個大隊は壊滅。残る1個大隊も混乱状態になり、大きな降下はなかった。

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結果論だが、もう少しソ連軍主力がドニエプル川に接近した後で空挺降下を実施すれば、ドニエプル川渡河作戦に大きな貢献ができたかもしれない。

キエフ(Kiev 1211)に近づくソ連軍に対しては、その前面ブロバルィー(Brovary 1410)に陣地を築いて防御ラインを固める。またドニエプルペトロフスク以南では、ドニエプルペトロフスクからオシペンコ(Osipenko 4735)に至る平原に防衛ラインを築く。

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この時、弊方の配置ミスでカーネフの橋梁をがら空きにしてしまった。次Turn移動時にソ連軍がそこを悠々と渡河してきたので、さすがにパニックになった私は、泣きを入れて再配置させてもらった。優しいソ連軍プレイヤーは、弊方の「泣き」を快く受け入れてくれた。心の広い対戦相手氏に感謝!!

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12Turn(43/09/26-30)

ブロバルィーにソ連軍が殺到する。陣地に籠もるドイツ軍第19装甲師団(6-5-7)が必死に迎撃するが、死守に失敗して後退。ソ連軍が遂にキエフ前面に殺到した。

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南方ではソ連軍の猛進に対して第16装甲擲弾兵師団(4-6-7)がソ連軍戦線後方に取り残されてしまう。何とか救援したいが、「ミイラ取りがミイラになる」になる危険があったので、泣く泣く見捨てるしかない。

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13Turn(43/10/01-05)

天候は雨。前線でソ連軍の動きが停滞する。北方でチェルニーヒウ(Chernigov 1604)を包囲したソ連軍が雨の中攻撃を仕掛けるが、1-2の低比率攻撃は見事に失敗。しかしその後の孤立損耗の判定でドイツ軍守備隊が壊滅したため、チェルニーヒウはソ連軍が占領した。

14Turn(43/10/06-10)

イメージ 18シナリオ最終Turnである。戦いの焦点はザボロジェダム(3927)を巡る攻防戦とドニエプル川渡河作戦の成否にかかってきた。ドイツ軍はザボロジェダムに第13装甲師団(9-8-7)を含むハイスタックを配置し、ソ連軍の攻撃に備える。四方から攻撃するソ連軍は2-1の50戦力を集中するものの、2-1の比率しかならない。陣地のエリート降下、そしてソ連空軍の支援で1-1で実施された攻撃は出目2で失敗。ザボロジェダムに対するソ連愚の攻略作戦は失敗に終わる。
一方ドニエプルペトロフスク西方で強行渡河作戦を実施したソ連軍は弱体なドイツ軍を撃破してドニエプルペトロフスクとドニプロゼルジーンシク(Dneprodzerzhinsk 3524)間に橋頭堡を築いた。ドイツ軍は最強編成に蘇ったグロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団(15-12-7)を含む装甲兵力を投入してこれに反撃を実施。5-1の比率を達成して橋頭堡を排除した。

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結果

ソ連軍19VP獲得。勝利条件はソ連軍は20VP以上の獲得なので、ギリギリでドイツ軍が勝利した。

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感想

(配置ミスのことはさておき)当初の予定通り兵力を温存した形で勝利条件を満たせたので満足である。ドイツ軍は全般に地味なプレイが要求されるが、この地味さが良い。力で押しまくるソ連軍相手に機動防御を駆使して戦うのはまさに玄人好み。機動戦の醍醐味を体験できるのは、このシナリオの魅力と言える。
空挺部隊や渡河作戦など、シナリオ1ではなかなか体験できないシチューエーションを体験できる点や、キエフ、クレメンチューク、ドニエプルペトロフスク、ザボロジェといった新しい戦場での戦いを体験できる点など、Ukraine'43の新たな魅力を満喫できるシナリオであった。

あくまでも個人的な意見だが、Ukraine'43(新版)は私の中では最も好きなWW2作戦級陸上戦ゲームである。(One of the BestではなくBest of the Best)

おまけ

本作については一部雑誌記事で「低比率攻撃が有利過ぎてゲームとして破綻している」という論説が紹介されたことがある。しかしこの説はあまりに表面的な事象に囚われており、個人的には到底受け入れられない意見である。
まず低比率攻撃が有利か否かについては、一般のウォーゲームに比べると「低比率攻撃が有利な傾向がある」のはデザイナー自身が認めているので事実と認定して良かろう。しかしだから「ゲームとして破綻している」というのは論理が飛躍し過ぎている。
例えば1-2攻撃を4箇所で実施するのと、3-1攻撃を1箇所で実施するのを比較すると(ドイツ軍は練度が高いので、多くの場合ソ連軍は1コラムシフトダウンを強要される。従って必要兵力量で比べて1-2攻撃4箇所と3-1攻撃1箇所は概算でほぼ等価と言って良い)、平均損害量は前者が1.0対0.33、後者が0.5対0.5になり、前者が圧倒的に攻撃側にとって不利である。さらに戦闘結果についても前者は4箇所で不確実な突破が得られるのに対し、後者は1箇所で確実な突破が得られる。戦闘後の機動強襲まで言及すれば、到底1-2の低比率攻撃が有利とは思えない。
無論、低比率攻撃を連続して実施し、立て続けに大きいダイス目を出した場合、ドイツ軍プレイヤーをして大いにイライラさせることは間違いない。しかしイライラさせることと軍事的な効果とは必ずしも等価ではない。本作をドイツ軍の立場でプレイした感覚では、1-2攻撃で6の目を出されるよりも、2-1以上の攻撃で6の目を出されたときの方が遙かに衝撃はデカいし、実際の軍事的な効果も大きい。特に4-1で6を出されて"D1*"を食らったときには、それが重要拠点であったらその衝撃は計り知れない。

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肯定的な意見であれ、否定的な意見であれ、どのような意見を表明しようとそれは個人の自由であり、意見の表明自体を否定するつもりはない。しかし作品に対して否定的な評価を表明する際には、十分に慎重な態度で臨んで行きたい。他人の作品を否定することがあたかも評価者自身をして自らの評価を高める(「スゲー、俺って頭良いぃ」的な)ような錯覚に陥っている場合を多々見受けるので(私自身がそうであった)、そのような錯覚に陥らないためにも敢えて私見を述べさせて頂く。


Game Journal 93-パンツァーカイル
パンツァー・オペラツィオーネン――第三装甲集団司令官「バルバロッサ」作戦回顧録 独ソ戦大全 失われた勝利(上) 失われた勝利(下)

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日露戦争1~8

児島襄 文春文庫

戦記作家として名高い児島襄(こじま のぼる)氏の作品である。日露戦争の開戦前から戦争そのもの、ポーツマスでの講話会談から日比谷の焼き討ち事件を経て終戦までの約3年間を描いたノンフィクション作品で、日露戦争における陸戦、海戦が詳細に描かれている。日露戦争を扱った作品としては、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」が有名だが、「坂の上の雲」があくまでも歴史小説であるのに対し、こちらはノンフィクション作品となっている。従って「読み物」としての面白さは、当然ながら「坂の上」が勝る。
本書は純粋に日露戦争史と読む事も可能だが、現在の東アジア情勢のルーツとして読むこともできる。例えば朝鮮半島と日本とのギクシャクした関係は何に起因しているのか。あるいは現在の日中、日露関係の起源は何か。そういった疑問に対してある種の答えを与えてくれるだろう。
本書を読んで興味深かったのは、なんと言ってもポーツマスでの講話会談である。小村寿太郎とウィッテの駆け引きも興味深いが、それよりも日本国民がこぞって反対した講話条約の今日的な意味について考えてみるのも良いだろう。
また最終章における日露戦争全般に関する考察も興味深い。動員兵力では日本の方がロシアよりも若干だが多かったという事実。にもかかわらず陸戦における死者数では日本はロシアの4~5倍に達し、人的被害ではむしろ日本側の方が多かったという事実。これらの事実を目にしたとき、日露戦争は決して日本側が「勝利を得た」戦争ではなく、ギリギリで何とか引き分けに持ち込んだ戦争というのが正しいのかもしれない。
現在でも容易に入手できる著作であり、廉価でもあるので、万人にお奨めできる作品である。

お奨め度★★★★

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JR高松駅前にある讃岐うどんの店です。所謂チェーン店です。駅前で便利なので利用しましたが、実の所あまり期待はしていませんでした。

醤油うどんを注文しましたが、味はしっかり讃岐うどんしていました。関東で食べる讃岐うどん(〇亀製麺、はな〇うどん等)とは明らかに違う味です。

駅前で気軽に讃岐うどんが食べられる店。「めりけんや」高松駅前店。

侮れません。

お奨め度★★★★

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JR高松駅から3分、琴電高松築港駅からすぐ近くに高松城址があります。
天守閣は残っていませんが、こじんまりとまとまった庭園があります。
瀬戸内海の水を引いてきたという堀では、城舟体験ができるとのこと。

駅に近く、アクセスという面からは申し分のない城でした。

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「田原坂」は、ウォーゲームハンドブック2017の付録ゲームである。西南戦争最大の激戦となった田原坂周辺の戦いを1Hex=約1km、1Turm=約3日のスケールで描いたシミュレーションゲームだ。基本システムは、ドイツ戦車軍団シリーズと同じで、戦闘比、メイアタック、ZoC2ZoC禁止である。また本作では連絡線ルール、陣地ルール(薩軍のみ)、抜刀隊ルール(政府軍のみ)といった特別ルールがあり、田原坂らしさを表現している。

A3サイズマップには西は高瀬周辺、東は植木周辺が描かれ、マップほぼ中央に田原坂がある。勝利条件は政府軍が田原坂の向こう側まで連絡線を通すことで政府軍は勝利し、それを阻止すれば薩軍が勝利する。

Wild Blue Yonderの対戦が終わり、時間が余ったので、本作をプレイしてみた。下名は政府軍を担当する。

序盤、薩軍が優勢な兵力を生かして高瀬に迫るが、政府軍の増援が到着すると高瀬への進撃を阻まれる。その後、両軍一進一退の戦闘が続くが、兵力に劣る薩軍は徐々に政府軍に押され始める。
第7~8Turnぐらいだったか、吉次峠の西方で薩軍3ユニットが連絡線を立たれて孤立。政府軍の包囲攻撃を受けて壊滅すると、兵力バランスは一気に政府軍に傾く。

その後政府軍は抜刀隊を投入して薩軍を圧倒。田原坂のラインも落ちそうになった時点で時間切れで終了となった。このまま戦い続ければ、ほぼ間違いなく政府軍の勝利に終わっただろう。

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基本システムはシンプル。しかもマップの広さに比してコマ数が多いので、戦線を張るのに苦労はしない。「少ない駒を巧みに操る」といった感じではないが、その分初心者には優しい仕様に仕上がっている。ルールも簡単でテーマ的にも興味深い作品なので、短い時間にプレイするには最適の作品だ。


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