プレイ方針
あくまでも勝利を目指すが、その勝利はキャンペーンシナリオを念頭に置いたものとする。例えばSS装甲師団をスターリノやポルタワのような要域に籠もらせて時間稼ぎ&VP保持を狙う手もあるが、キャンペーンシナリオを想定した場合、貴重な打撃兵力を失うような愚策は採りたくない。従ってあくまでもオーソドックスなプレイスタイルで勝利を目指したい。
8Turn(43/09/06-10)

北方ではロムニ(Romni 2809)付近で両翼を突破してきたソ連軍によりドイツ第11装甲師団(6-5-7)が後方を遮断された。ただちにグロスドイッチュランド装甲師団(以下、GD師団)(10-7-7)その他による救援部隊が編成された。救援部隊は第11装甲師団の背後を遮断しているソ連軍部隊を攻撃。これを撃破してドイツ第11装甲師団を救援した。


9Turn(43/09/11-15)
南方戦線。先ほどのTurnではドイツ軍による防御に成功したが、このTurnはソ連軍の進撃を許すことになる。まず要域コンスタンチノフスク(Konstantinovsk 5123)がソ連軍の猛攻を受けて陥落した。このシナリオでソ連軍が得た最初の勝利条件都市となる。
またソ連軍はマリウポリ(Mariupol 5133)を河口とするカルミウス川を渡河。ドネツ盆地に残る枢軸軍最後の要域スターリノ(Stalino 5227)の両翼を脅威した。

10Turn(43/09/16-20)

北部戦線ではソ連軍の機械化部隊が急速に南下してきており、クレメンチューク(Kremenchug 2820)が脅威にさらされている。そこでドイツ軍はクレメンチューク北方でグロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団(10-7-7)を含む装甲3個師団、歩兵2個師団にて反撃を実施し、ソ連軍機械化部隊を撃破した。

11Turn(43/09/21-25)


結果論だが、もう少しソ連軍主力がドニエプル川に接近した後で空挺降下を実施すれば、ドニエプル川渡河作戦に大きな貢献ができたかもしれない。
キエフ(Kiev 1211)に近づくソ連軍に対しては、その前面ブロバルィー(Brovary 1410)に陣地を築いて防御ラインを固める。またドニエプルペトロフスク以南では、ドニエプルペトロフスクからオシペンコ(Osipenko 4735)に至る平原に防衛ラインを築く。


この時、弊方の配置ミスでカーネフの橋梁をがら空きにしてしまった。次Turn移動時にソ連軍がそこを悠々と渡河してきたので、さすがにパニックになった私は、泣きを入れて再配置させてもらった。優しいソ連軍プレイヤーは、弊方の「泣き」を快く受け入れてくれた。心の広い対戦相手氏に感謝!!


南方ではソ連軍の猛進に対して第16装甲擲弾兵師団(4-6-7)がソ連軍戦線後方に取り残されてしまう。何とか救援したいが、「ミイラ取りがミイラになる」になる危険があったので、泣く泣く見捨てるしかない。


13Turn(43/10/01-05)
天候は雨。前線でソ連軍の動きが停滞する。北方でチェルニーヒウ(Chernigov 1604)を包囲したソ連軍が雨の中攻撃を仕掛けるが、1-2の低比率攻撃は見事に失敗。しかしその後の孤立損耗の判定でドイツ軍守備隊が壊滅したため、チェルニーヒウはソ連軍が占領した。14Turn(43/10/06-10)

一方ドニエプルペトロフスク西方で強行渡河作戦を実施したソ連軍は弱体なドイツ軍を撃破してドニエプルペトロフスクとドニプロゼルジーンシク(Dneprodzerzhinsk 3524)間に橋頭堡を築いた。ドイツ軍は最強編成に蘇ったグロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団(15-12-7)を含む装甲兵力を投入してこれに反撃を実施。5-1の比率を達成して橋頭堡を排除した。


感想
(配置ミスのことはさておき)当初の予定通り兵力を温存した形で勝利条件を満たせたので満足である。ドイツ軍は全般に地味なプレイが要求されるが、この地味さが良い。力で押しまくるソ連軍相手に機動防御を駆使して戦うのはまさに玄人好み。機動戦の醍醐味を体験できるのは、このシナリオの魅力と言える。空挺部隊や渡河作戦など、シナリオ1ではなかなか体験できないシチューエーションを体験できる点や、キエフ、クレメンチューク、ドニエプルペトロフスク、ザボロジェといった新しい戦場での戦いを体験できる点など、Ukraine'43の新たな魅力を満喫できるシナリオであった。
あくまでも個人的な意見だが、Ukraine'43(新版)は私の中では最も好きなWW2作戦級陸上戦ゲームである。(One of the BestではなくBest of the Best)
おまけ
本作については一部雑誌記事で「低比率攻撃が有利過ぎてゲームとして破綻している」という論説が紹介されたことがある。しかしこの説はあまりに表面的な事象に囚われており、個人的には到底受け入れられない意見である。まず低比率攻撃が有利か否かについては、一般のウォーゲームに比べると「低比率攻撃が有利な傾向がある」のはデザイナー自身が認めているので事実と認定して良かろう。しかしだから「ゲームとして破綻している」というのは論理が飛躍し過ぎている。
例えば1-2攻撃を4箇所で実施するのと、3-1攻撃を1箇所で実施するのを比較すると(ドイツ軍は練度が高いので、多くの場合ソ連軍は1コラムシフトダウンを強要される。従って必要兵力量で比べて1-2攻撃4箇所と3-1攻撃1箇所は概算でほぼ等価と言って良い)、平均損害量は前者が1.0対0.33、後者が0.5対0.5になり、前者が圧倒的に攻撃側にとって不利である。さらに戦闘結果についても前者は4箇所で不確実な突破が得られるのに対し、後者は1箇所で確実な突破が得られる。戦闘後の機動強襲まで言及すれば、到底1-2の低比率攻撃が有利とは思えない。
無論、低比率攻撃を連続して実施し、立て続けに大きいダイス目を出した場合、ドイツ軍プレイヤーをして大いにイライラさせることは間違いない。しかしイライラさせることと軍事的な効果とは必ずしも等価ではない。本作をドイツ軍の立場でプレイした感覚では、1-2攻撃で6の目を出されるよりも、2-1以上の攻撃で6の目を出されたときの方が遙かに衝撃はデカいし、実際の軍事的な効果も大きい。特に4-1で6を出されて"D1*"を食らったときには、それが重要拠点であったらその衝撃は計り知れない。

肯定的な意見であれ、否定的な意見であれ、どのような意見を表明しようとそれは個人の自由であり、意見の表明自体を否定するつもりはない。しかし作品に対して否定的な評価を表明する際には、十分に慎重な態度で臨んで行きたい。他人の作品を否定することがあたかも評価者自身をして自らの評価を高める(「スゲー、俺って頭良いぃ」的な)ような錯覚に陥っている場合を多々見受けるので(私自身がそうであった)、そのような錯覚に陥らないためにも敢えて私見を述べさせて頂く。







