もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2019年02月

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自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、追加シナリオである真珠湾シナリオについて紹介する。
このシナリオは、2019年5月26日のゲームマーケット春で発売予定の「雑誌、海空戦No.2」に収録予定である。

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「海空戦、南太平洋1942」の概要については-->こちらを参照して下さい。
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シナリオのコンセプト

真珠湾攻撃をシナリオ化するにあたり、コンセプトを決める必要があった。すぐに思いつくのは史実シナリオである。すなわち淵田、嶋崎両隊による真珠湾への攻撃を再現するものである。このタイプはどちらかといえば一方的な展開になるので、練習用又はソロプレイ用のシナリオに向いている。ただ本作の戦術戦闘システムはやや複雑なため、真珠湾攻撃のような大規模シナリオをソロプレイすると、時間がかかる。そのためソロプレイ用としては兎に角、練習用としてはやや不向きである。

そこで史実をややアレンジし、仮想戦とした。すなわち米側の防御態勢を史実よりもやや強化し、さらに実際には真珠湾近海にいなかった「レキシントン」や「サラトガ」機動部隊も真珠湾近海にいたものとする。従って日本軍にとっては、史実よりもやや厳しい状況としている。
懸念事項としては、真珠湾に対する一撃は通常通り実施することになるが、そこで時間がかかりすぎると連合軍プレイヤーが暇になること。また第1撃の結果によって勝敗が決まってしまう可能性があること、である。

(注1)実際に真珠湾に在泊していた駆逐艦は30隻を超えているが、出撃可能な隻数として17隻に制約した。
(注2)実際にオアフ島に展開していた航空機は300機を超えているが、出撃可能な航空機は25ユニット(約220機)としている。ただしゲーム開始時及びゲーム途中で航空補充ポイントが与えられるので、稼働機数が徐々に増えてくる仕組みになっている。

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初期兵力

日本軍及び連合軍の初期兵力は史実通り。日本軍は6隻の空母に航空機43ユニットが搭載されている。連合軍は真珠湾に在泊中の戦艦8、巡洋艦7、駆逐艦17(注1)と、航空機25ユニット(注2)である。また増援で登場するのは、空母3、巡洋艦10、駆逐艦22からなる3群の機動部隊で、その艦載機は計24ユニット(水上機除く)になる。空母戦力や艦載機の戦力では日本機動部隊に敵わないが、水上戦力では優っている。あとは奇襲効果を上手に使って日本機動部隊を叩けるかどうかがポイントになる。

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ブレスト的に考えよう

まず勝利条件を見る。両軍とも250VPを獲得し、その時相手よりも20VP以上多く確保していればサドンデスで勝利する。また最終Turn終了時に相手よりも20VP以上多く確保してれば勝利する。また連合軍は最初から150VPのハンデを得ている。

日本軍の立場から言えば、150VPのハンデをクリアすれば勝てる。史実を当てはめると、日本軍は戦艦4隻を撃沈、4隻を撃破しており、他に巡洋艦2隻が大破、1隻が小破、駆逐艦3隻大破している。さらに航空機の全損が188機(約44ステップ相当)になる。これをVP換算すると、実に186VPに相当する。さらに戦艦にダメージを与えたことによるボーナス50VPが入手できる。合計236VPはサドンデスラインには届かないが、勝ち逃げするには十分な値だ。日本機の損害は29機なので、6~7ステップ相当。それに特殊潜航艇1ユニット(2隻相当)を失っているので、8~9VPを米軍に献上することになるが、日本軍にとっては勝ち逃げ可能なラインにいることは変わりない。史実における南雲中将が一目散に撤退したのも理解できるというものだ。

この問題は後で考えるとして、その他に必勝法はないだろうか。
連合軍の立場で考えると、何もしなければ勝利が転がり込んでくる。しかしこれは現実的ではない。なぜなら日本側は攻撃を実施できる立場にあり、連合軍の反撃がなければ一方的にVPを蓄積することが可能だ。従って連合軍に必勝法は存在せず、日本軍の攻撃力を反撃のよって無力化し、その結果として勝利を得るしかない。

そんなこんなでとりあえず試しにプレイしてみよう。

1941年12月7日

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イメージ 5択捉島ヒトカップ湾を密かに出港した南雲中将麾下の第1航空艦隊は、現地時間12月7日未明、ハワイ真珠湾北方約200海里の地点に到達した。第1航空艦隊は6隻の航空母艦を主力とする世界初の空母打撃部隊である。護衛兵力は戦艦2隻、航空巡洋艦2隻、軽巡1隻、駆逐艦8隻を数えた。空母艦載機は零戦108機、九九艦爆135機、九七艦攻144機の計387機(他に予備機若干)、さらに水上偵察機13機を搭載しており、機動部隊全体としての航空兵力は400機を超える。
12月7日未明、真珠湾北方海域に接近した南雲機動部隊は、攻撃態勢に入った。真珠湾を襲う攻撃隊は計350機の攻撃編隊で、それが2波に分かれて攻撃を実施する。

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イメージ 6第1波攻撃隊は零戦36、九九艦爆54、九七艦攻90の計180機である。艦爆隊の目標はハワイ・オアフ島に散在する航空基地群。浅深度魚雷と徹甲爆弾を抱えた艦攻隊の主目標は湾内の艦船群である。
目標上空に到達した攻撃隊は、散発的な対空砲火を無視して攻撃を敢行した。しかし艦攻隊の戦果は旧式戦艦5隻を中小破させただけで撃沈は1隻もなし。地上でも約20機が撃破又は大中破しただけであった。

イメージ 7第2波攻撃隊は、零戦36、艦爆81、艦攻54の計171機である。混乱から立ち直ったオアフ島守備隊は、戦闘機を発進させてこれを迎え撃つ。36機の零戦と32機のP-40がオアフ島上空で激しい戦いを繰り広げる。しかし日本海軍の新鋭機「ゼロ戦」は強かった。3機の零戦が撃墜されたが、P-40は6機が撃墜され、しかも零戦隊は見事な阻止戦闘により艦爆・艦攻隊を敵戦闘機による攻撃から完全に守り切った。

イメージ 8艦爆隊は生き残った戦艦群を攻撃し、艦攻隊も水平爆撃で戦艦群を狙う。艦攻隊と艦爆隊のグループは2つに分かれて戦艦「ウェストバージニア」「アリゾナ」を狙った。「ウェストバージニア」には250kg爆弾6発と800kg爆弾2発を命中させたが、「ウェストバージニア」の損害は比較的軽微なものであった。「アリゾナ」には250kg爆弾4発が命中したが、800kg爆弾の命中はなし。こちらも中破止まりである。
残った27機の艦爆は軽巡「ヘレナ」を攻撃。5発の250kg爆弾を命中させてこれを大破せしめた。
一連の攻撃で真珠湾内の被害は、以下の通りである。

 沈没:なし
 大破:軽巡1
 中破:戦艦3
 小破:戦艦2

日本軍にとって戦果は些か期待外れに終わった。

イメージ 9その頃、真珠湾を発進していた定時哨戒機のPBYカタリナ1機が、真珠湾北方210海里(7ヘクス)の地点に国籍不明の艦隊を発見した。これこそ真珠湾を襲った南雲機動部隊の姿であった。


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運命の夜明け 空母瑞鶴戦史:ソロモン攻防戦 空母瑞鶴戦史:南太平洋海戦 日本空母戦史 機動部隊 空母エンタープライズ上巻 Pacific Carrier War Midway Inquest How Carrier Fought

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北海道北西部にある留萌市は、日本海に面した港湾都市です。漁港もあるので寿司屋が多く、寿司の旨い街としても知られています。個人的には、稚内よりも留萌の方が旨いような・・・。
駅から歩いて15分ほどの場所にある「蛇の目」はそんな寿司屋の1つ。新鮮で美味しい寿司がリーズナブルな価格で楽しめます。私が注文したのは21貫入りの「蛇の目スペシャル寿司」。トロ、ハマチ、マグロ、サバ等の様々な寿司をじっくりと堪能できます。そこにキューと熱燗をつければ、もう極楽極楽・・・。
寒い冬に寿司と熱燗。こんな贅沢はありません。

お奨め度★★★★

Across the Pacific(以下、AtP)は、元々米国Pacific Rim社から出版されたシミュレーションゲームだが、2014年に国際通信社から日本語版が発売されたことで本邦でも有名になった。
AtPの発売から5年近くが経過した2019年1月のある日。いわば「押し入れて眠っているゲームを復活させようキャンペーン」の一環としてAtPをプレイしてみることにした。参加者は筆者を含めて2名。いずれもAtPのプレイ経験は乏しいので(筆者は発売時期に一度プレイしたのみ、もう1名はプレイ経験なし)、今回は短期シナリオをプレイして感触を掴んでみることにした。筆者は連合軍を担当する。

前回まではこちら

6Turn(1944年1-5月)

イメージ 3パラオを手に入れた連合軍は、日本軍の占領地奥深くに拠点を得た。連合軍による次の侵攻は、マリアナ、フィリピン、台湾、沖縄等、様々な方向が考えられる。対する日本軍もようやく迎撃用艦隊を整備し、空母中心の第3艦隊(ゲーム上はC任務部隊))と戦艦中心の第2艦隊(同B任務部隊)の二本立てで米艦隊を迎えうつ「あ号作戦」を立案した。マジックの影響で先に動かざるを得ない日本軍は戦艦部隊をサイパン近海に出撃させ、空母部隊はサイパンとレイテの中間海域に配置した。この布陣は連合軍のサイパン侵攻阻止を第1に狙ったものだが、空母部隊は連合軍のフィリピン侵攻を念頭に置いた布陣になってもいる。
日本軍の布陣を察知した連合軍は、戦艦部隊の交戦を避けるためにサイパン上陸を中止。比較的防備の弱いフィリピン、マニラ侵攻を実施することとした。物量を誇る連合軍であったが、現段階では上陸部隊と空母部隊の2個任務部隊の編成が精一杯であり、戦艦中心の部隊を編制する余力はなかったからだ。
連合軍のマニラ侵攻に対して対応できたのは、日本の空母機動部隊だけであった。アウトレンジ戦法よろしく先制攻撃に成功した日本艦隊は、3波に渡る攻撃隊を発進させた。必勝を期して米艦隊を襲った日本攻撃隊であったが、結果は悲惨であった。米艦隊を守るCAPによって打撃を受けて、なおも進撃を続ける彗星艦爆、天山艦攻は、米空母を守る激しい対空砲火に晒された。まさに壁の如く立ち塞がる対空砲火は日本側攻撃隊を文字通り粉砕。米機動部隊上空にたどり着いたものは1機もなかった。文字通り全滅である。
イメージ 2頃合い良し。間合いを詰めた米機動部隊は、日本空母に対して反撃の刃を向けた。SBD艦爆からなる急降下爆撃隊に混じって、この戦争では初陣となるTBD、TBF艦攻隊が魚雷を抱えて発進していった。
数の上で優位に立つ米攻撃隊は、日本攻撃隊のように全滅の憂き目を見ることはなかったが、それでもCAPと何より対空砲火によって攻撃隊の約半数が失われた。それでも何とか防御砲火を抜けた艦爆、艦攻隊は日本空母に対して必殺の雷爆撃を見舞うが、何たることか。魚雷や爆弾は日本空母に傷一つつけることができなかったのである。そしてこの攻撃によって米空母機動部隊は、その対艦攻撃部隊に再建不能と思わせる程の大被害を被った。
今次大戦2度目の空母決戦=マリアナ沖海戦(米国名フィリピン海海戦)は両軍にとって失望感を感じる結果となったが、それと並行してマニラ侵攻作戦も実施されていた。上陸部隊として海兵隊を含む4個師団を投入した連合軍は、僅か1個師団しかない日本軍マニラ守備隊を軽く撃破。マニラを占領し、連合軍は南シナ海へ出るための優良な港湾を確保した。

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結果

時間の関係上、今回のプレイはここまでとした。プレイ時間はセットアップを含めて約9時間である。セットアップを工夫すればもっと短縮化できるし、ルールにも習熟すればもっとスピードアップが図れるだろう。朝から開始して1日プレイし、珊瑚海海戦からマリアナ沖海戦までの太平洋戦争における主要な流れを体験できることは素晴らしいことである。

感想

イメージ 4本質とはあまり関係ない話から入って恐縮なのだが、とにかく航空機の対艦攻撃が弱い。今回ダイス目に恵まれなかったせいもあるが、シナリオ全期間を通じて両軍の航空機が達成した唯一の対艦攻撃戦果は、ミッドウェー海戦における「赤城/加賀」撃沈のみであった(対潜戦除く)。その一方で1度攻撃を行うと、CAPや対空砲火によって攻撃兵力の半数以上を失うことも多い。「航空主兵何それ?」と言わんばかりである。さらに空母艦載機の場合は補充も少ない。これほど航空機(空母艦載機)による対艦攻撃力が遇されている作品も珍しいのではないだろうか。
ゲーム面で運用を考えるのであれば、空母部隊はCAPによる友軍防衛を主任務とし、チャンスがあれば機銃掃射や制空戦闘で敵航空兵力の減殺を図るのが正しい運用と思われる。また厳重に防御された敵艦隊に対する航空攻撃は効果が薄いので、貴重な空母機による対艦攻撃は、弱体な敵に対する限定的な実施に絞った方が良い。主要な目標に対する空母艦載機による攻撃は、何らかの事情で敵艦隊の防空網に隙が出来た場合に限って行った方が良い。間違っても「石壁に卵をぶつけるような」攻撃を行うべきではない。個人的には史実とはかなりイメージが異なっているのだが、デザインコンセプトがそうなっているので諦めるしかない。

ちなみに艦載機の補充に乏しい連合軍は、1944年になってもF4FやTBDを空母艦載機として運用を継続することになる。特にF4Fは戦闘機兵力の主力といっても良い程だ。

イメージ 6その一方で作戦面での自由度の高さは他の作品の追随を許さない。例えば1942年の段階でもその気になれば連合軍は東京に上陸を敢行することは可能だ。逆に真珠湾の防衛が弱体なら、日本軍はいつでも真珠湾攻略を狙える。先にも述べたが、AtPは補給の概念が緩いので、両軍とも史実を超越した柔軟な部隊運用が可能だ。だから今回のように連合軍が史実を上回るハイペースで進撃することも可能になってくる。
ならば連合軍が必勝か、といえばそうでもない。プレイ回数が少ないのでバランス云々するには経験不足だが、日本軍にも対抗手段は十分にある(と思う)。肝になるのは連合軍の後方地帯だ。例えば連合軍の備えが甘ければ、積極的にハワイを狙う手も良い。あるいはハワイとオーストラリア間の島々を狙う手もある。それに成功したところで戦争に勝てるわけではないが、連合軍のエアアンブレラネットワークを破壊することは可能だ。その結果、連合軍は貴重な1Turnをエアアンブレラ再構築に費やすことになる。1Turn5ヶ月のAtPにとって1Turnの時間稼ぎは重要である。
また前線地帯の防衛には積極的に水上部隊を使いたい。マジックルールの影響で米軍の動きを読むのは困難だが、任務部隊と任務群を上手く使い分けることで迎撃の可能性を高めることは可能だ。

イメージ 5太平洋戦争は我々にとって身近なテーマだけに各人の思い入れが強い。傑作ゲームと呼ばれる「Victory in the Pacific」(以下、VitP)(AH)にしても万人がこれを支持する訳ではない。逆に歴史的な忠実度を重視した「太平洋艦隊」(SSG/HJ)にしても、「日本軍が弱すぎる」という批判もある。ゲームとしてはVitPを超える傑作と思われる「Empire of the Sun」(GMT)にしても、私の周囲では「ゲーム的過ぎる」という評価が多い。そういった意味では太平洋戦争をテーマとしたゲームで所謂「決定版」は決して現れることはないだろう。
AtPが描き出す太平洋戦争の映像は、私の持つそれとはかなり異なるものである。そういった意味で私が本作に対して不満がないと言えば嘘になる。しかし太平洋戦争テーマ(には限らず全てのウォーゲームで言えることだが)で決定版というものが有り得ない以上、我々は「作品を受け入れるか拒否するか」の2者択一しかない(注1)。AtPが完全に拒否するには惜しい内容を持った作品である以上、私としてはデザイナーが提示する歴史観を受け入れ、その中で最善策を考えてみたい。

そういった意味ではAtPは再戦してみたい作品の1つである。

(注1)第3の選択肢として所謂「ハウスルール」がある。しかし明らかなバグなら兎に角、そうではない所謂「史観の違い」によるハウスルールについては、料理にいきなり醤油をかけるような感覚を覚える。「まずは何もつけないでお召し上がりください」。
Pacific War Carrier Battle - Philippine Sea  77-ガダルカナル  69-南方作戦1941
帝国海軍の最後 太平洋の試練(上)-真珠湾からミッドウェーまで 空母エンタープライズ上巻 米軍が恐れた「卑怯な日本軍」

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山と渓谷2019年2月号

山と渓谷社

特集は「リスクに備える単独行の登山術」。あまり考えたくはないが、単独登山では様々な危険がある。道迷い、滑落、転倒による負傷、病気、低体温症などだ。本書では単独行における様々な危険場面を想定し、それに対する対処方法や予防方法について記している。安全な登山のためにも一読しておきたい。

お奨め度★★★

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冬の美瑛の風景(続き)です。
有名な観光地ではなく、車で走りながら見た風景を撮りました。

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