Across the Pacific(以下、AtP)は、元々米国Pacific Rim社から出版されたシミュレーションゲームだが、2014年に国際通信社から日本語版が発売されたことで本邦でも有名になった。
1Hexは赤道付近で約120マイル、1Turnは実際の5ヶ月を表す。1ユニットは空母や戦艦の場合は2~3隻、巡洋艦は3~6隻、駆逐艦や潜水艦は10隻以上となっている。航空機は数十機程度。特徴的なのは航空機ユニットで、機種別にユニット化されており、単なる陸軍戦闘機ではなく、P-47、P-38といった機種名で登場する(さすがにP-38GとP-38Jとの違いまではレーティングされていないが・・・)。こういった細かな違いはちょっと嬉しい。零戦よりも空戦性能の高い飛燕が登場するとちょっと強くなった気分になる。また空母と艦載機が別ユニット化されているので、例えば「彗星、天山が揃ったのであ号作戦を発動しよう」といった楽しみもある。
フルマップ2枚、カウンター約1000個というビックゲームなのでルールはそれなりに多いが、ビックゲームとしてはシンプルな部類に入るだろう。ルールに精通した人物が1名いれば、口頭説明でもプレイは可能である。最もルール面ではなくゲーム面で従来の太平洋戦争ものとはやや異なる部分があるので、その点注意が必要だが・・・。
実際の5ヶ月に相当する1Turnは、戦略フェイズと戦術フェイズよりなる。それぞれのフェイズはチットドリブン方式になっており、戦略任務として5種類(両軍合わせて10種類))、戦術任務として5種類(同左)となっている。戦略フェイズには大艦隊の移動や小艦隊の前線展開、CAP配置等を行うが、チットを引く順番によって両軍の手番が変わってくる。例えば連合軍が日本軍よりも先に「任務部隊配置」チットを引くと、連合軍が日本軍よりも先に主力艦隊を目標付近に配置しなければならない。その逆もまた真なり。連合軍の情報面での優位性を表すルールとして「マジック」があり、連合軍プレイヤーは1Turnに1度だけ引いた戦略チットを「カップに戻す」ことができる。
戦略フェイズの次は戦術フェイズ。ここでは水上部隊による襲撃、艦載機による航空攻撃等といったより「戦術的な」行動を行うことになる、ここではマジックルールは適用されず、行動順は完全にランダムになる。なお、戦略・戦術行動両方とも所謂「実行されない」行動はない。
また太平洋戦争のゲームとしては補給に関する概念が緩いのもAtPの特徴である。艦船にせよ地上部隊にせよ、補給線や補給という概念は必要ない。補給が無くても自由に行動できる。
補給に代わる概念としてエアアンブレラと呼ばれる概念がある。これは航空機の航続距離でリンクしていく概念だが、これは航空機の再配置や日本軍の艦船用重油の搬送、勝利条件に絡んでくる。いわば船舶輸送路を抽象的に表した概念である。
1Hexは赤道付近で約120マイル、1Turnは実際の5ヶ月を表す。1ユニットは空母や戦艦の場合は2~3隻、巡洋艦は3~6隻、駆逐艦や潜水艦は10隻以上となっている。航空機は数十機程度。特徴的なのは航空機ユニットで、機種別にユニット化されており、単なる陸軍戦闘機ではなく、P-47、P-38といった機種名で登場する(さすがにP-38GとP-38Jとの違いまではレーティングされていないが・・・)。こういった細かな違いはちょっと嬉しい。零戦よりも空戦性能の高い飛燕が登場するとちょっと強くなった気分になる。また空母と艦載機が別ユニット化されているので、例えば「彗星、天山が揃ったのであ号作戦を発動しよう」といった楽しみもある。
フルマップ2枚、カウンター約1000個というビックゲームなのでルールはそれなりに多いが、ビックゲームとしてはシンプルな部類に入るだろう。ルールに精通した人物が1名いれば、口頭説明でもプレイは可能である。最もルール面ではなくゲーム面で従来の太平洋戦争ものとはやや異なる部分があるので、その点注意が必要だが・・・。
実際の5ヶ月に相当する1Turnは、戦略フェイズと戦術フェイズよりなる。それぞれのフェイズはチットドリブン方式になっており、戦略任務として5種類(両軍合わせて10種類))、戦術任務として5種類(同左)となっている。戦略フェイズには大艦隊の移動や小艦隊の前線展開、CAP配置等を行うが、チットを引く順番によって両軍の手番が変わってくる。例えば連合軍が日本軍よりも先に「任務部隊配置」チットを引くと、連合軍が日本軍よりも先に主力艦隊を目標付近に配置しなければならない。その逆もまた真なり。連合軍の情報面での優位性を表すルールとして「マジック」があり、連合軍プレイヤーは1Turnに1度だけ引いた戦略チットを「カップに戻す」ことができる。
戦略フェイズの次は戦術フェイズ。ここでは水上部隊による襲撃、艦載機による航空攻撃等といったより「戦術的な」行動を行うことになる、ここではマジックルールは適用されず、行動順は完全にランダムになる。なお、戦略・戦術行動両方とも所謂「実行されない」行動はない。
また太平洋戦争のゲームとしては補給に関する概念が緩いのもAtPの特徴である。艦船にせよ地上部隊にせよ、補給線や補給という概念は必要ない。補給が無くても自由に行動できる。
補給に代わる概念としてエアアンブレラと呼ばれる概念がある。これは航空機の航続距離でリンクしていく概念だが、これは航空機の再配置や日本軍の艦船用重油の搬送、勝利条件に絡んでくる。いわば船舶輸送路を抽象的に表した概念である。
AtPの発売から5年近くが経過した2019年1月のある日。いわば「押し入れて眠っているゲームを復活させようキャンペーン」の一環としてAtPをプレイしてみることにした。参加者は筆者を含めて2名。いずれもAtPのプレイ経験は乏しいので(筆者は発売時期に一度プレイしたのみ、もう1名はプレイ経験なし)、今回は短期シナリオをプレイして感触を掴んでみることにした。
2Turn(1942年5月-9月)
最初は第2Turnシナリオをプレイするつもりであった。これはミッドウェー海戦や珊瑚海海戦を再現するシナリオである。勝利条件は、日本軍がアリューシャン、ミッドウェー、ポートモレスピーの3個所のうちいくつを占領するかと、失った両軍の空母数の比較である。筆者は連合軍を担当する。当然日本軍はアリューシャン、ミッドウェー、ポートモレスピーの3ヵ所で攻勢を仕掛けてきた。対する連合軍はミッドウェー方面へ空母機動部隊を全力出撃させ、アリューシャン方面は潜水艦、ポートモレスピー方面は地上部隊と基地航空兵力で守備を図る。
ミッドウェー海域では日米の機動部隊が激突する。米空母を発進した艦爆隊は、日本機の迎撃と対空砲火によって出撃機の2/3を失う大損害を被ったが、残った1/3の兵力で空母「赤城/加賀」を攻撃。これを見事に撃沈した。
ミッドウェー海域では日米の機動部隊が激突する。米空母を発進した艦爆隊は、日本機の迎撃と対空砲火によって出撃機の2/3を失う大損害を被ったが、残った1/3の兵力で空母「赤城/加賀」を攻撃。これを見事に撃沈した。
これにより航空兵力の過半を失った日本軍は、ミッドウェー攻略をあきらめて引き揚げていった。
アリューシャン方面では米潜水艦の活躍で日本軍の上陸部隊は上陸をあきらめて引き揚げる。
肝心のポートモレスピー方面では、日本軍が強襲上陸作戦を仕掛けてきた。結果は相打ち。ポートモレスピーはオーストラリア守備隊の死守によって守り切った。
アリューシャン方面では米潜水艦の活躍で日本軍の上陸部隊は上陸をあきらめて引き揚げる。
肝心のポートモレスピー方面では、日本軍が強襲上陸作戦を仕掛けてきた。結果は相打ち。ポートモレスピーはオーストラリア守備隊の死守によって守り切った。
3Turn(1942年10月-43年2月)
最初は第2Turnシナリオをプレイするつもりであったが、相手プレイヤーからの申し入れもあり、折角なので続きをプレイしてみた。筆者はそのまま連合軍を担当する。戦いの焦点は南投太平洋方面に移っていった。連合軍の空母機動部隊がソロモン海に進出し、精鋭海兵師団を搭載した上陸船団がラバウルを目指す。ポートモレスピーを進発した米豪連合軍は、ココダ街道を通ってスタンレー山脈を越えてブナに出る。
連合軍の目標はラバウル。3個師団がラバウルに上陸する。1個師団の日本軍は米大上陸部隊に抗するべくもなく壊滅。ラバウルは連合軍の手中に落ちた。
連合軍の目標はラバウル。3個師団がラバウルに上陸する。1個師団の日本軍は米大上陸部隊に抗するべくもなく壊滅。ラバウルは連合軍の手中に落ちた。