Draco社「Normandy - The Beginning of the End」(以下、本作)は、同社のWar Storm Series(以下、WSS)と銘打ったシリーズの1作品である。WW2の陸上戦闘を戦術レベルで扱った作品で、1Hex=150~200m、1Turn=12~15分、1ユニットは1個小隊を表す。
WSSのシステムは比較的オーソドックスで、中隊単位で交互にアクションを繰り返すというもの。1度のアクションで1個中隊が活性化でき、両方とも1個中隊単位で活性化を繰り返す。両軍ともパスを実施できるが、両軍が連続してパスをするとTurn終了となる。
戦術級なので、射撃戦、白兵戦、間接射撃、対戦車戦闘、航空攻撃、防御施設等があり、ルール量は決して少なくない。
WSSのシステムは比較的オーソドックスで、中隊単位で交互にアクションを繰り返すというもの。1度のアクションで1個中隊が活性化でき、両方とも1個中隊単位で活性化を繰り返す。両軍ともパスを実施できるが、両軍が連続してパスをするとTurn終了となる。
戦術級なので、射撃戦、白兵戦、間接射撃、対戦車戦闘、航空攻撃、防御施設等があり、ルール量は決して少なくない。
という訳で早速チャレンジしてみた。
シナリオ1.Patrolling the Front




WWSの射撃システムはファイアーパワー方式だが、戦闘結果はユニット固有の防御力に割り当てられるのではなく、目標地形によって割り算される。例えば平地は防御効果2、果樹園は防御効果3という具合に。射撃戦で"8"の結果を得たとすると、平地の目標に対しては4Hit(=8/2)となり、果樹園の目標に対しては2Hit(=8/3)となる。 付け加えると、地形効果は射撃のタイプによっても違っており、ソフトターゲットに対する直接射撃は地形の影響を最も多く受ける。だから市街地のように地形効果の大きな地形に対しては、歩兵による射撃戦よりも砲兵射撃の方が効果が出やすくなっている。

さらに両軍は距離を詰めて白兵戦。しかしドイツ軍右翼の1個中隊がまず損害過多で撤退。さらにもう1個中隊も戦力を失う。全戦力の2/3を失ったドイツ軍がこの戦いを失った。
米軍の勝利
所要時間約1.5h
所要時間約1.5h
シナリオ3.La Nueve

自由フランス軍はシャーマン戦車を装備した1個戦車中隊と機械化歩兵2個中隊、そしてM7プリーストを装備した機動砲兵1個中隊からなる。
ドイツ軍は、2個装甲擲弾兵中隊だが、そのうち1個中隊には強力無比なパンター戦車からなる1個小隊が含まれている。
筆者は自由フランス軍を担当した。
ここでWSSにおける対戦車戦闘について紹介したい。基本的なシステムは対歩兵射撃の場合と同じで、違いは対戦車火力を使う点と地形効果の違いだが、もう1つ大きな違いがある。それは装甲値の存在だ。AFVにはそれぞれ固有の装甲値が与えられており、また対戦車火力には固有の貫通力が与えられている。貫通力が装甲値未満なら原則として損害が出ない。救済ルールとして貫通力が装甲値-2以上ならラッキーヒットの可能性があるが、それ未満なら全く戦果の可能性がない。 例をあげると、貫通力が最大で9のシャーマン75mm砲なら、装甲値12のティーガーや同13のパンターに対して全く無力である。モラルチェック等の可能性すらない。シャーマン75が何台集めてもパンター1個小隊に傷一つつけられない。些か極端な気がするが、まあWSSでは戦車戦での勝敗はあまりシナリオの勝敗に関係ない場合が多いので、気にする必要はないのかもしれない。 これがもう少しスケールの小さなゲームなら側面に回り込む等の技が使えるのだが、そういう技が使えない本作の場合は、もう少し対戦車戦闘の結果に変化が欲しかったようにも思う。


上図は独軍の初期配置である。中央の森林地帯に陣取るのはパンター戦車を装備した中隊。左翼に陣取るのは歩兵中心の中隊である。当然ながら弱そうな左翼から叩くことにする。ちなみに自由フランス軍の勝利条件は、マップ中央部につながる2本の道路を確保し、そこに隣接する独軍を排除することである。
我々は機械化歩兵1個中隊を戦線右翼に回して牽制としつつ、主力となる戦車、機械化歩兵、機動砲兵各1個中隊を戦線左翼に回す。





しかし包囲された独軍歩兵が自由フランス軍機械化歩兵の近接射撃によって次々と撃破されていくと、さすがのパンター小隊も浮足立ってきた。自身は全く無傷でも、同じ中隊に所属する小隊が損害を被ると、中隊全体でモラルチェックを食らってしまうのだ。

結局、独軍中隊がモラル崩壊を起こして壊滅。パンター小隊は敵の射撃によってではなく自身のモラル崩壊によって壊滅した。
自由フランスの勝利
所要時間約2.0h
所要時間約2.0h
