もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2019年11月

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苗場山は標高2145m、新潟県と長野県の県境の山で日本百名山の一座に数えられている。
この山は山頂部に広大な高層湿原が広がっていることで知られており、それがまたこの山の魅力になっている。

この秋、紅葉の綺麗な時期を狙って苗場山に登ってみた。今回選んだコースは秡川コース。新潟県の湯沢方面からスキー場を上がっていくコースである。

前日の夜に赤城高原のSAに到着。その夜は同SAで車中泊し、起床0430。朝食を食べた後出発する。関越道を北上、湯沢ICで関越道を降りて、湯沢市街地に向かう途中のファミマで食料品と飲料水を買う。その後国道17号線を南下する。みつまたの道の駅で手洗いを済ませて、そこから山の中に入っていく。林道を走ること約20分。標高1220mの秡川登山口の駐車場には0630頃に到着した。
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0645に出発。舗装路を歩いて標高1370mの和田小屋まで登る。和田小屋に着いたのは0700過ぎ。天気は快晴。良い紅葉が期待できそうだ。和田小屋からはスキー場を登っていくが、すぐに登山路に入る。そこそこ急登だが、登山路が整備されていて歩きやすい。1時間ほど歩いて下の芝という開けた場所に着く。

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このあたりから徐々に紅葉が綺麗になってくる。下の芝から中の芝、上の芝と徐々に標高を上げていく。その間、登山路から見える紅葉が綺麗になっていく。特に中の芝から見る紅葉が素晴らしい。赤と黄色の色が映えて、一番の見頃感がる。

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歩き始めて3時間弱で神楽峰と呼ばれるピークに着く。ここから目の前に苗場山の雄大な姿が見えてくる。しかし雄大だが最後の登りがきつそうだ。神楽峰から一旦鞍部に標高を下げて、そこから約300m登り返す。イメージとしては夏に歩いた白馬鑓ヶ岳の雰囲気に近い。

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神楽峰から急な坂道を降りていってお花畑という鞍部にたどり着く。そこから見える紅葉はまた素晴らしい。広大な山岳の斜面そこそこで赤や黄色の紅葉が見えている。
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そしてそこから最後の急登が始まる。標高差約300mの上り坂。しかしその所々で美しい紅葉が見えるのが嬉しい。また振り返ると周辺の山々が雄大な姿を見せている。写真を撮りまくる。

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急登を登り切った所が苗場山の山頂部である。苗場山山頂部は広大な高層湿原になっていて、雄大な景観を見せている。湿原のそこかしこが紅葉しているのが嬉しい。苗場山の山頂は山頂小屋のすぐ近く。広大な高層湿原の一角に山頂を示すポールが立っている。山頂までの所要時間は3:45。ちなみにコースタイムは4:15である。

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山頂部の高層湿原はそれだけで見て回るだけの価値がある。せっかくここまで来たので湿原の紅葉を見て回る。紅葉の近くまで近づけないのが残念だが、遠方から見ても十分に美しい。

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1時間ほど山頂部を散策した後、下山を開始する。帰りも雄大な景観と紅葉を堪能しながらの下山となる。所要時間3:00弱。ちなみにコースタイムは3:05である。
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コースタイムは登り4:15、下り3:05、標高差は925m。累積標高差は1220mぐらいだと思う。それなりにヘビーなコースであった。やはり最後の登り返しがしんどい。その一方で登り返しの向こうに見える雄大な苗場山の景観や苗場山への登る途中に見た山々の美しさはこのコースの一番の魅力であろう。また紅葉も丁度良い時期であり、特に中の芝付近でみた紅葉の美しさが格別であった。
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苗場山の秡川コース。登り切るのはそれなりに厳しいが、登り切った後には大いなる満足が得られるコースであった。

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現代戦車戦ゲームの傑作「MBT」シリーズ。その拡張キットである「FRG」のソロプレイである。選択したシナリオは、シナリオ13「Over Hill-and-Date」。森林地帯を進撃するソ連軍増強戦車大隊。それを迎え撃つドイツ連邦軍は、最新鋭のレオパルド2A4戦車4両と歩兵部隊。西ドイツ軍にとっては、数少ない戦車数を歩兵で如何に補うかがポイントとなるだろう。なお、選択ルールは7.1士気ルールを除いて全採用としたが、ルールの適用を忘れている場合があるかもしれない。

前回まで-->こちら 

8Turn

ZM_Turn_NATO主導権は今度もNATOである。主導権ダイスだけは良いNATOなのだが・・・。というよりも、VeteranによるDRM+20の効果が大きいのだが・・・。先手を取ったNATO側はソ連戦車を狙い撃ちする。距離200mから放たれたパンツァーファウスト2発が次々とT-64BVに命中したが、いずれも頑丈な砲塔装甲に命中したため効果なし。別の戦闘でパンツァーファウスト1発がT-64BVの履帯に命中。そのT-64BVは動けなくなった。
ソ連軍に西ドイツ歩兵に対して猛烈な反撃を行ったが、2個分隊が制圧されたのみ。意外なほど頑強な歩兵なのであった。
僅かに生き残ったレオパルド1両は距離900m(9Hex)でT-64BVに対して徹甲弾を車体正面に命中させて、ようやく1両を葬った。動けるT-64BVは残り5両。それらの戦車はレオパルドを追い詰めようと間合いを詰めていくが、またもやレオパルドは巧みに森の中へ下がっていく。

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9Turn

Leopard2A4_186主導権はまたもやNATOである。距離100mの至近距離から発射されたレオパルドの主砲弾。しかし距離が近いと意外に当たりにくい。しかも地形は錯綜している。レオパルドの放った120mm徹甲弾は、空しく地面を抉った。パンツァーファウストも3発が発射されたが、T-64BVに命中した1発は、またもや砲塔装甲に弾かれた。M113A1Gも戦闘に加入しソ連歩兵を機銃で狙い撃ちするが、装甲車程度の火力では殆ど効果がなかった。
ソ連軍の攻撃。西ドイツ軍歩兵1個分隊が自走砲3両からの集中砲火を浴びて壊滅。別の歩兵1個分隊は戦車砲の攻撃で制圧された。奮闘を続ける西ドイツ軍歩兵だったが、徐々に戦闘力を失っていく。

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10Turn

BMP-1P_243ソ連軍はそろそろ突破を意識した行動を起こすことになる。西ドイツ軍の兵力を概ね制圧できたので、後はマップの西橋から突破を果たすのみだ。突破できなかった場合、NATO側に撃破時と同等のVPを与えてしまうので要注意。
主導権は久しぶりにソ連側が握った。ソ連側はレオパルドを撃破できる千載一遇のチャンスが訪れた訳だが、果たして。
ソ連軍はレオパルドの撃破は狙わず、後退していく。レオパルドの両翼に西ドイツ軍歩兵が潜んでいるので、迂闊に近づいてパンツァーファウストの餌食になるのを避けたのだ。既にソ連軍は盤端に向けての突破態勢に入っており、各部隊は突破を成功させることを第一とした行動に移りつつあった。
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11Turn

SO_Inf長かった戦いも残り1/3となった。このTurn、またもや主導権はソ連側である。しかし最早主導権に大きな意味はなくなってきている。レオパルドの徹甲弾がT-64BVを貫いた。T-64BVは爆発炎上。これで移動可能なT-64BVは4両まで減少した。
履帯に命中弾を受けて動けなくなった西ドイツ軍兵員輸送車(M113A1Gに)対してソ連軍歩兵が近接突撃を敢行し、これを撃破した。
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12Turn

WG_InfNATO側が主導権を取り返した。しかしレオパルドの視界にはソ連軍戦車の姿がない。いずれもレオパルドとの交戦を避けて西方へ突破を図っているのだ。残ったのは移動不能になった2両のT-64BVである。レオパルドは距離1200mで擱坐しているT-64BVに対して120mm徹甲弾を放った。しかしどうも今回レオパルドの射撃は出目が悪い。徹甲弾はまたもや目標をそれて明後日の方向に飛び去った。
西ドイツ軍2個分隊がソ連軍1個分隊に突撃を敢行する。数に劣るソ連兵だったが、激しい抵抗を見せ、西ドイツ軍の半固分隊を道連れにした後、自らは玉砕した。
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13Turn

Leopard2A4_186レオパルドが漸く移動不能になっているT-64BVを仕留めた。
ソ連軍の主力は続々と盤端を突破していく。レオパルドはバックしてそれを追うが、もう間に合わない。ソ連梯団の最後尾を移動していた自走砲3両に対し、高地に潜んでいた西ドイツ軍対戦車ミサイルチームがミラン対戦車ミサイルを放ったが、またもやミサイルは目標をそれた。

14Turn

WG_HalfSQ西ドイツ軍の対戦車ミサイルチームが漸く戦果を上げた。突破するソ連軍自動砲3両の最後尾車両にミサイルを命中させたのである。自走砲は爆発炎上したが、残り2両は対戦車ミサイルチームの視界外に去った。
レオパルド戦車が後退してソ連軍の後尾を追う。最後尾のT-64BVを捕捉可能なポジションまで移動。山の上で突破の援護にあたっていたBMP-1Pがそのレオパルドに向けて対戦車ミサイルを放ったが、当然ながらレオパルドの強靭な装甲は対戦車ミサイルを物ともしなかった。

15Turn

最終Turnである。最終Turnまできっちりプレイできるのが、VASSALソロプレイの良い所だ。対人戦だと時間の都合や大局が決した等の理由でなかなか最終Turnまでプレイできることはない。
レオパルドは狙いを突破していないT-64BV 1本に絞った。突破さえ阻止すれば撃破したも同じ。T-64BVは突破するためにはレオパルドの視界内を横切るしかないのだ。

意を決したT-64BVは、レオパルドの目の前300mを全速力で横切っていく。それを待ち構えていたレオパルドは必中の射弾を放つ。命中率72%。
出目は"61"。ここまで命中判定の出目に泣かされてきた西ドイツ軍は、最後の最後に意地を見せた。そして撃破判定。
出目は"82"。え、"82"?。最初の"8"は命中個所の判定だから問題はない。車体側面の弱っちい装甲を120mm徹甲弾がバターナイフのように切り裂いた。
問題は次の"2"だ。これは撃破判定の出目。"1"ならNo Damage"、"2"ならDamegedだ。いずれにしてもKillしていない。

「まだだ、脱出判定がある」

そう。損傷した戦車で脱出判定に失敗すると、クルーが勝手に自車を放棄してしまうのだ。これに賭ける西ドイツ軍。

出目は"05"。ロシア人戦車兵たちは、戦車を捨てて脱出したのだ。これにより西ドイツ軍は最後の撃破戦果を上げた

結果

ソ連軍の損害

T-64BV 9両(2736VP)
BMP-1P 2両(132VP)
2S1自走砲 1両(90VP)
歩兵分隊 1個(98VP)

西ドイツ軍の損害

レオパルド2A4 3両(1143VP)
M113A1G 2両(114VP)
対戦車ミサイルチーム 2個(218VP)
歩兵分隊 1個(90VP)

突破に成功したソ連軍

T-64BV 3両(810VP)
BMP-1P 7両(330VP)(VP対象は5両)
2S1自走砲 2両(0VP)
ZSU-23 2両(0VP)
歩兵分隊 8個(338VP)(VP対象は6個分隊)

突破に失敗したソ連軍

T-64BV 1両(203VP)
ソ連軍:3043VP、NATO:3259VP
引分け

感想

プレイしている間はNATOの完敗と思ったが、引分けとは意外だった。ただソ連側が突破VPをもう少し効率よく突破していれば(つまり歩兵ではなく戦車、BMPを先に突破させること)、ソ連側の勝利は固かったかもしれない。その辺りも含めてソ連側は慎重な戦い方が必要であった。
それにしてもレオパルド2A4は強い。正面からならT-64BVの125mm徹甲弾ではいかなる距離からも射貫けない。序盤にアッサリやられたのは、運用が不味かったから。その場に停止しているのではなく、動くことで相手の命中率を下げさて、こちらは優秀なスタビライザーの性能を生かして移動射撃で戦う。さらに相手が側面に回り込んできたら、移動によって後退させ、彼我の態勢を有利な状況にするべきだった。

それにしてもMBTシリーズは面白い。最初は米ソ関係の兵器した含まれていなかったが、続編の登場によって西ドイツ、英国が加わった。近々カナダ軍も加わるという。どんどん広がるPanzer/MBTの世界の今後に期待したい。

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191006_新聞

新聞という病

門田隆将 産経新聞出版

新聞記者というのは、その性格上世の中の権力とは対立することが多いようである。それはそれで必要な面もあると思うが、例えば朝日新聞の姿勢は度を過ぎている。本書の中からその一部を紹介しょう。

「ファクトが先にあるのではなく、自分の言いたい「主張」や「イデオロギー」が先にある」
「どんなことをしてでも、「日本」そのものを糾弾し、貶めたい、という意図が見え隠れしている」
「ここまで日本と日本人を国際的に貶め、不利な立場に追い込んだメディアは、日本ではほかに例を見ない」


本書は、朝日新聞や毎日新聞といった所謂「左派系」の新聞が、如何に事実を曲げ、国民を自ら望む方向に誘導しようとしてる姿勢を糾弾している。そして情報に溢れた昨今、国民は独善的かつ偏向した新聞記事に見切りをつけ、その結果新聞はかつてない危機に陥っている、としている。
私は本書の主張に全面的に合意する。そしてこのような形で新聞の持つ問題点を浮き彫りにしてくれる筆者の奮闘に心から拍手を送りたい。

お奨め度★★★★

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タウシュベツ橋梁は、かつて北海道を走っていたローカル支線の名残です。
国鉄士幌線が帯広から十勝三股までの78.3kmを結んでいたのは、今から40年以上も前のこと。士幌線が糠平からさらに上流の幌加に向かう途中、タウシュベツ川を超える場所があり、そこに建設されたのがタウシュベツ川橋梁です。
現在でも往時の面影を残すタウシュベツ橋梁ですが、残念なことに年々風化が進んでおり、橋の中央部付近は2個所に渡って崩落しつつあります。

私はタウシュベツ橋梁を訪れたのは9月後半三連休の最終日。台風接近中で雨の降る中、出かけたタウシュベツ橋梁は、その優美な姿を水面から見せていました。もし雨がなく、晴天に恵まれていれば、湖面に浮かぶメガネ橋の優美な姿を堪能できたかもしれません。

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1987年9月27日、チェコとの国境に近い西ドイツ領内。ソ連第30親衛機械化歩兵師団の戦車大隊が西に向けて進撃を続けていた。森林地帯に待ち伏せるのは、ドイツ連邦軍(FRG)のレオパルド2A4。ドイツ連邦軍誇る新鋭戦車である。数は僅か4両だが、その威力を発揮できるか。

という訳で現代戦車戦ゲームの傑作「MBT」シリーズ。その拡張キットである「FRG」のソロプレイである。選択したシナリオは、シナリオ13「Over Hill-and-Date」。森林地帯を進撃するソ連軍増強戦車大隊。T-64BV戦車13両、BMP-1P歩兵戦闘車9両からなる。それを迎え撃つドイツ連邦軍は、最新鋭のレオパルド2A4戦車4両と歩兵部隊。西ドイツ軍にとっては、数少ない戦車数を歩兵で如何に補うかがポイントとなるだろう。なお、選択ルールは7.1士気ルールを除いて全採用としたが、ルールの適用を忘れている場合があるかもしれない。

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1Turn

T-64BV_179このシナリオは、マップの北部が平地、南部が森林地帯となっている。森林地帯の方が視界が効かないため、突破に時間がかかるが、NATOの優れた長距離射撃能力が生かしにくい。その一方で平地は移動が容易だが、NATO側の防御射撃に晒されるリスクがある。

ソ連側は兵力の優位を生かすため、平地を強引に突破することにした。MBT(主力戦闘戦車)を前に立てて、IFV(歩兵戦闘車両)はその後方から前進する。IFVには歩兵を乗車させたままとし、戦車部隊の交戦状況を見ながら、必要に応じて下車戦法を使う予定だ。
進入するソ連軍戦車に対し、高地に布陣する西ドイツ軍のレオパルドが、距離1000m(10Hex)からまず初弾を発射する。命中率70%が期待されたが、初弾は残念ながら外れであった。さらにミラン対戦車ミサイルの分隊が距離1400m(14hex)からミサイルを発射したが、これまた外れである。

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2Turn

Leopard2A4_186お互いに視界内に両軍の戦車が布陣した。数で劣るレオパルドだったが、高度の優位とCIS(車長用独立視察装置)の利点を生かすため「射撃」命令を採用する。対するソ連軍は、数の優位を生かすべく「Shprt Halt」(移動・射撃)命令を採用した。
主導権はNATOが得た。射撃フェイズ。レオパルドが発砲する。距離10hex(1000m)。今度は命中した。120mm滑腔砲から放たれたAPFSDS弾がT-64の車体側面を綺麗に貫通した。しかしあまりに威力が大きかったためか、徹甲弾は車体を貫通した後、反対側から突き抜けてしまい、狙われたT-64は九死に一生を得た。 別のレオパルドが放った120mm徹甲弾も目標に命中。今度は砲塔に誘爆を生じてT-64は炎上。NATOは漸く最初の獲物を得た。
ソ連軍の反撃。8両のT-64が移動しながらレオパルドを狙う。距離1000~1100m(10~11Hex)。強力な125mm徹甲弾がレオパルドを襲う。3発の徹甲弾がレオパルドに命中した。そのうち2発は強固な砲塔装甲が跳ね返したが、3発目が脆弱な車体側面に命中。レオパルドは爆発炎上する。もう1両にも徹甲弾3発が命中したが、こちらは強固な前面装甲が全て跳ね返した。射撃を行ったT-64のうち、2両が早くも弾薬欠乏状態となった。これらの車両には以後-3の命中修正が適用される。
ソ連軍はじわじわと前進してレオパルドとの距離を詰めていく。NATOは森林地帯を守っていたレオパルド2両を北に向かわせると共に、ミラン対戦車ミサイルの1個チームを増援として送りこむ。

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3Turn

T-64BV_179T-64BVの主砲では、重装甲を誇るレオパルド2A4の前面装甲を打ち抜けないことを悟ったソ連軍。「射撃」はレオパルドの前側面に展開した3両のT-64に託し、残りの大半は「移動」を選択した。下手に撃って弾切れになるよりは、有利な場所を得るような機動を実施した方が得策という判断である。 今回も主導権はNATOが得た。増援で現れたレオパルドが距離1200m(12Hex)から徹甲弾発射。T-64BVの左側面に命中して、1両を撃破した。さらにもう1両のT-64BVが撃破され、これでソ連軍の損害は3両となった。しかしT-64BVの反撃によりレオパルド1両が被弾。そのショックでクルーが戦車を捨てて脱出してしまう。 早くも戦車戦力の半数を失った西ドイツ軍に暗雲が漂う。

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ZM_Cmd_ShortHalt主導権はまたもやNATOである。NATO側は「Short Halt」を選択。敵の移動に対応できるようにした。レオパルド2両が射撃を実施。1発がT-64BVの履帯に命中。走行不能となったT-64からクルーが脱出する。4両目の戦果。 山を越えてNATOの背後に回り込まんとする2両のT-64に対してミラン対戦車ミサイル2発が発射された。2発とも目標に命中。1両のT-64BVは砲塔に損傷を被ったが、辛うじて撃破を免れた。もう1両は履帯に命中を受けて走行不能となる。
前進してきたソ連軍戦車に対し、生き残った2両のレオパルドが各々移動して新たな射点につく。そこを狙ってT-64BVが1600mの距離から射撃を実施したが、レオパルドの至近距離に土煙を上げただけであった。

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WG_HalfSQ始めてソ連側が主導権を握った。先に射撃できることよりも後に移動できるメリットの方が大きい。相手の動きを見てから動けるからだ。
T-64BV 3両が森に潜むミラン対戦車砲チームに対して距離500mから制圧射撃を行う。しかし森に潜むミサイルチームは頑強であり、制圧できなかった。走行不能になったT-64BVからも900m(9Hex)の距離からレオパルドに対して徹甲弾が放たれたが、そのAPFSDS弾はレオパルドの車体前面に命中して空しく弾かれた。
レオパルドからの反撃はT-64BV 1両に命中し、これを炎上させた。5両目の撃破である。動けないT-64が1両あるので、ソ連軍の中で移動可能なT-64は計7両を残すのみとなった(初期戦力が13両)。
ソ連軍の戦車部隊が大きく展開してレオパルドの左右に展開する。レオパルドは少しでも命中率を避けるべく森の中に逃げ込んだが、それでも両翼を取ったソ連軍戦車からの十字砲火は免れない。

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BMP-1P_243主導権決定に先立ってレオパルドはスモークディスチャージャーを作動させる。これは自身を隠す煙幕だ。100%の効果は期待できないが、それでも相手からの射撃の命中率を少しでも低減できる。こちらの射撃も妨害されるので諸刃の剣ではあるが・・・。
NATOが主導権を奪い返した。狙いすましたレオパルドの主砲弾が、目標に命中・・・、ではなく、目標前面に空しく土煙を上げた。さすがのレオパルドでも、自身と相手の両方が動いている状況下でしかも煙幕の効果があっては百発百中とはいかない。
ソ連軍の反撃、主体はレオパルドの右前方に回り込んだ3両のT-64BVである。距離800mは現在の戦車にとっては至近距離と言って良い。しかし煙幕の存在、地形障害、さらにはレオパルド自身の回避行動により命中率はかなり低下している。3両の戦車からの射撃は悉く外れ。レオパルドの周囲に空しく着弾するだけであった。さらに正面から3両のT-64BVが600m以内の近距離から射撃を加えたが、これも命中しない。
戦車戦の間隙を縫って歩兵を乗車させた数両のソ連軍BMP-1P歩兵戦闘車が西に向けて走る。それを待ち構えていた西ドイツ軍ミラン対戦車ミサイルチームが2発のミサイルを発射。両方ともBMPに命中し、2両のBMPが一瞬にして燃え上がる残骸と化した。乗車していた歩兵たちは辛くも地獄から脱出に成功する。もっともその西ドイツ軍対戦車ミサイルチームの方も、発射を捉えたソ連軍自走砲反撃を受けて、1チームが壊滅してしまうのだが・・・。生き残ったBMP-1の4両がさらに前進を続ける。

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Leopard2A4_186主導権はNATOである。ソ連軍はレオパルドに対して間接射撃を実施した。もとより装甲車両相手に間接射撃の効果は期待薄だが、着弾煙によって少しでも相手の射撃を妨害しようとする腹である。
NATOの射撃。レオパルドから放たれた徹甲弾はT-64BVの前面装甲を貫いたものの、運悪く反対側に突き抜けてしまって効果なしだった。別のレオパルドが停止中のT-64BVを狙ったものの、こちらは運悪く外れである。
ソ連側の射撃。3両のT-64BVが森に潜むレオパルドを狙う。2両は狙いを外したが、最後の1両(既に走行不能となっている車両)が放った125mm徹甲弾がレオパルドの車体側面に命中した。弱点を撃ち抜かれたレオパルドは爆発炎上。遂に残った西ドイツ軍戦車は僅か1両となってしまう。
最早ソ連軍としては残敵掃討に近い状態である。歩兵戦闘車は歩兵を降ろして下車戦闘。戦車部隊は左右に展開して残り1両のレオパルドを刈り取るべく布陣する。西ドイツ軍歩兵の放ったミラン対戦車ミサイルがBMP-1P目指して発射されるが、ミサイルは目標を逸れた。
そのミサイルチームもT-64BVからの反撃を受けて壊滅してしまう。
不用意にケツを晒したT-64BVに対してドイツ軍歩兵が200m(2Hex)の距離からパンツァーファウストを発射したが、これまた惜しくも狙いを外れた。

西ドイツ軍は生き残ったレオパルドで現地点を死守させつつ、機械化歩兵を後方に再展開し、敵戦車の側面や後面からパンツァーファウストで狙い撃ちすることにした。

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(つづく)


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