もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2021年06月

NavalAAG

Naval Anti-Aircraft Guns and Gunnery

Norman Friedman Seaforth Publishing

以前にも紹介したことがあるが 、本書は主に第2次大戦期における火砲による艦隊防空の実態について記した著作である。本書は主に米英海軍における艦隊防空について触れており、それに付随する形で独伊日ソ等についても記している。
本書は対空射撃について、主に射撃管制装置と火砲に焦点を当てて、その機能と実態を記している。射撃管制装置に関する解説はかなり詳細に渡っており、全貌を理解するのは難しい。ただしある程度の流し読みでも米英両海軍における対空射撃の課題や実態については概要を理解できる。
本書によれば、英海軍における対空射撃は終戦まで満足できるレベルに達しておらず、特に米海軍に比べると実戦的な装備や訓練が不足していた。彼らの射撃指揮装置は高速で飛来する枢軸軍機を追尾する能力に欠き、従って英海軍の対空射撃は概略位置に対する弾幕射撃に依存するしかなかった。
対する米海軍について、英海軍よりも数段マシだとは言え、その射撃指揮装置は高速目標や偏差角の大きな目標を追尾するのは決して十分な性能とは言えなかった。米海軍の射撃指揮装置は英海軍のそれよりも実戦的でかつ高性能であったため、弾幕射撃ではなく照準射撃が可能であった。しかしそれでも40mm以下の自動火器に比べて中口径砲の有効性は高いとは言えず、5インチ砲による撃墜率は40mm機関砲に比べると低かった。5インチ砲の撃墜率が逆転するのはVT信管が広く使われるようになった1944年以降である。またVT信管は射撃指揮装置の性能不足を補完する役割を果たした。そういった意味では米海軍であっても終戦までに完全な意味で満足できる対空射撃用の射撃指揮装置を持つには至らなかった、という評価がどうやら正しい。
とはいえ、米海軍の対空射撃能力、中でも中口径砲による照準射撃能力が英海軍よりも数段優れたものであったことは本書を読めば明らかである。本書を読むと、インド洋であれほど高い命中率を発揮した日本空母の艦爆隊が何故ミッドウェーや南太平洋海戦でその数分の1の命中率しか発揮できなかったか、その理由が読めてくる。英海軍の対空射撃は事実上「当てずっぽう」に近い弾幕射撃であったため、撃たれた側に大した脅威を与えなかったのだ。それに対して曲りなりにも照準射撃を行う米海軍の対空射撃は、急降下爆撃機(それは1機ずつ順番に突っ込んでくる戦法を採用していた)に対して照準射撃を行い得たので、狙われた側にとっては相当の脅威を感じさせるものであったのだ。
本書を読んでわかることは、米英両国が戦前から航空機の脅威を重大なものと考え、その対策に力を注いでいたことである。それだけの努力を注いでも航空機の脅威を完全に排除することはできなかったが、それでもこれらの努力が一定レベルの成果を発揮して艦隊防空の成功に貢献したことは確かだ。本書は艦隊防空の実態を知るためには良い著作であるばかりではなく、艦隊防空について米英と我が国とで何が違っていたのかを知ることができる好著である。

お奨め度★★★★

Fighters Over the Fleet Naval Anti-Aircraft Guns & Gunnery Naval Firepower: Battleship Guns and Gunnery in the Dreadnought Era

Fighters Over the Fleet
Naval Anti-Aircraft Guns & Gunnery
Naval Firepower: Battleship Guns and Gunnery in the Dreadnought Era

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龍神温泉は、和歌山県の最深部に位置する温泉です。秘湯感満点のこの温泉に入ってみました。
美人の湯として有名な温泉。泉質は無色無臭ですが、やや温めのお湯はすべすべ感があって気持ち良い。ノンビリするには丁度良い感じのお湯でした。

お奨め度★★★★

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OpD


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対戦することになったので、そのための事前準備として本作のシナリオをソロプレイで試してみた。選択したシナリオは「18.7 "Barracuda"」。1944年6月25日から始まるドーントレス作戦の最初の半日を扱うものである。キャンペーンシナリオの序盤戦を再現する。
今回、全てのルールを使用することにし、選択ルールは19.1「射撃統制」を採用した。

前回までの展開 --> こちら

6Turn

UK8B_FireFly_A_24L英軍は戦車兵力を強化するため、ファイアフライ戦車を装備したシャーマン戦車の1個増強中隊(スコードロン)を増援として投入した。さらに突撃支援用としてチャーチル重戦車に火炎放射器を装備した特殊車両2個小隊も増援に加わる。

英軍アクションフェイズ

フォントネ方面では英軍は慎重な動きを見せ、これまでのように強引に近接突撃を行うようなことはしない。それよりも独軍拠点の周囲を固め、次の戦闘フェイズで確実に奪取を図る方針である。

UK49D_Achilles_146ATそんな中、激しい戦闘が起こったのは、フォントネ西方地区、ボウデル川西岸地区であった。先ほどから猛威を振るっていたドイツ重戦車部隊に対し、正面から決戦を挑むべく17ポンド砲を搭載した強力なアキリーズ駆逐戦車3個小隊が、ドイツ重戦車の陣取る高地(テセルの森)に対して正面に布陣したのである。これに対してテセルの森に布陣するヤークトパンターが射撃距離約1200mで長砲身の88mmを発射。しかし砲手の腕が悪く初弾外れ(選択ルール19.1を見よ)。これをみたアキリーズは、直ちに反撃。的確な射撃を見舞ってヤークトパンターを葬った(選択ルール19.1を見よ)。

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この時テセルの森の高地上にはティーガー重戦車の小隊が残っていた。兵力的には圧倒的に不利な状況でティーガーは射撃を諦める手もあったが、敵を目の前にして逡巡するを潔しとしなかった重戦車は、的確な射撃でアキリーズ数両を葬った(選択ルール19.1・・・、はここではあまり関係なかった)。

「しめた」

と思ったのか、顔を出したティーガーに対して選択ルール19.1を見ながら放ったアキリーズの17ポンド徹甲弾は歴戦の重戦車を一撃で粉砕した。こうして英軍を悩ませ続けたテセルの森にある対戦車拠点は制圧され、ボウデル川西南部地区で英軍は機甲部隊を自由に行動できるようになったのである。

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英軍戦闘フェイズ

UK49D_D_TS英軍は独軍拠点2か所を占拠すべく攻撃を敢行する。まずヘクス1211への攻撃。額面値で既に4:1。しかも包囲攻撃、戦車支援アリという状況で「これは楽勝」と思われていたが、そうは問屋が卸さない。ここで発揮された独軍の突撃破砕射撃の威力は、まさに破壊的であった。平地を漫然と突撃してきた英軍兵士は、間接射撃の恐るべき破壊力を思い知ることになる。

Turn06b


GE12SS_1_Werfr2独軍がこの時投入したのは、火力9を誇る88mm砲と火力8の280mmロケット砲。いずれも独軍砲兵部隊の中では最強を誇る部隊だ。このうちロケット砲は1回しか使えないまさに「虎の子兵器」である。通常はDRM+5とか+6とかで行われる間接射撃(2d6)で、いきなり+11とか+12とかのDRMが適用されたのである。英軍は一気に3個中隊の歩兵を失い、突撃戦力は半減以下になってしまう。しかもコラムシフト3のおまけつき。最終戦闘比は1:2となり、圧倒的有利であった筈の戦闘は、いきなり自殺突撃に早変わりした。

教訓:歩兵による平地からの突撃は自殺行為である。

それでもさすがは英軍である。出目9(2d6)を出して1/1という互角の結果に持ち込んだ。損害を嫌がった独軍は拠点を捨てて後退し、英軍がそこを占拠し、なんとか当初の目的は達成した。

ちなみにこの時点で英軍は前線に投入した歩兵大隊4個のうち2個が「崩壊」状態、もう1個も半壊していた。崩壊状態についてはシナリオ特別ルールにより「3個歩兵中隊を失った大隊は崩壊し、全ユニットが除去される」というルールがあり、途中から適用漏れに気づいたが、敢えて無視した。いずれにしても今回のような状況が対人戦で起こったら、英軍プレイヤーは戦意を失って投了しているだろう。

英軍はヘクス1111に対しても攻撃を実施した。当初こちらの方が苦戦を予想されていたため、英軍は多数の重砲支援を投入した。これが功を奏して間接射撃によりドイツ歩兵中隊に1ステップロス。戦闘自体も最高比の5-1となり、戦闘結果0/4となってドイツ歩兵中隊は壊滅(後退限界を超えていた)。英軍は戦闘後前進で歩兵と機関銃を前進させて地歩を広げた。

この時点でフォントネ全14ヘクスのうち、英軍は10ヘクスを支配。独軍の支配は4ヘクスを残すのみであった。

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独軍アクションフェイズ

GE12SS_2_Flak12ドイツ軍は重戦車戦力を強化すべく、最後のヤークトパンターを増援として投入した。そして壊滅したテセルの森の対戦車拠点を再度立て直すべく、ヤークトパンター2個小隊を同地に送り込んだ。しかしこの高地は既に英軍駆逐戦車の射撃管制下にある。果してどこまで耐えられるか・・・。

この時のドイツ軍は、全く異なる兵種である対戦車砲が欲しい所だろう。対戦車砲であれば駆逐戦車の17ポンド砲など恐れる必要はないからだ。

一方、フォントネ東部では、孤立していたチャーチルAVREに対してティーガー戦車が近接戦闘を仕掛けた。技量に勝るティーガー大隊は戦術アドバンテージを得て有利に戦いを展開(選択ルール19.1を見よ)。性能の優越と相まってチャーチルAVREを葬った。

独軍戦闘フェイズ

独軍は1012に包囲した英軍キャリア部隊を殲滅せんと攻撃を仕掛けた。戦闘比は5-1の最高比であったが、出目は最低の2(2d6)で、ドイツ軍にとっては残念な結果に終わった。

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つづく

Paths to Hell, Barbarossa Montelimar、The Anvil of Fate ドイツ装甲軍団1  83-ノルマンディ強襲
ノルマンディ上陸作戦1944 西部戦線 (歴史群像アーカイブVol.17) Tank Killers: A History of America's World War II Tank Destroyer Force ドイツ重戦車 戦場写真集

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那智勝浦市街から数キロ内陸に入った所にある那智の滝。今まで一度も行ったことがなかった(近くは何度も通ったことがあるのですが・・・・)ので、この機会に出かけてみました。
現地に着いたのは昼過ぎ。駐車場から見ても巨大な滝の姿を見ることができます。予想以上にデカかったので、「これはすごい」と思わず実感。
駐車場から歩いて石段を降りていくと、目の前に那智大滝と呼ばれる巨大な滝の姿が。落差100m以上の日本一の落差は伊達ではありません。

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那智大滝から一旦駐車場に戻ります。
そこから石段を数段登っていくと、そこには熊野那智大社の巨大な神殿の姿が。

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その隣に青岸渡寺。これぞ典型的な神仏混交。ちなみに青岸渡寺には端正な姿の三重塔があり、その向こうに那智大滝が見えるようになっています。なかなか計算されたアングルです。

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1周の所要時間は約1時間。今回は大門坂を歩くことがなかったので、次回は大門坂も歩いてみたいです。

お奨め度★★★★

「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
今回、選択したシナリオは「18.7 "Barracuda"」。1944年6月25日から始まるドーントレス作戦の最初の半日を扱うものである。キャンペーンシナリオの序盤戦を再現する。
今回、全てのルールを使用することにし、選択ルールは19.1「射撃統制」を採用した。

前回までの展開 --> こちら

5Turn

UK49D_6pdr_AT_7DWR_Tow戦場を覆っていた霧が晴れ上がった。これまでお互いに近接戦闘しかできなかった所が、ここからは各種長距離火器が使用可能となる。狭い地域の戦闘では威力を発揮できなかった戦車や駆逐戦車が、ようやくその威力を発揮し始めた・・・。筈だったが・・・。

英軍アクションフェイズ

フォントネ・ル・プネル北端部では、英軍のシャーマン戦車と独軍4号戦車が近距離で撃ち合うが、お互いに効果なし。その4号戦車の正面約400mの村に6ポンド対戦車砲を運び込んだ英軍のトラックが4号戦車の射撃を受けて炎上する。も、6ポンド砲は辛くも展開に成功。この6ポンド砲が後に大いに活躍することになる。

Turn05a


GELehr_HT_3_901英軍の迫撃砲や盤外砲兵がフォントネ・ル・プネルを守る独軍部隊に対して激しい砲火を浴びせる。この砲撃による物理的な損害はそれほど大きなものではなかったが、独軍守備隊に多少の混乱を引き起こしたことは確かだ。
この砲撃を受けて英軍の歩戦連合部隊が市街地を守る独軍部隊に対して突撃を敢行する。市街地における近接戦闘で英軍のチャーチルAVRE特殊戦車が1ステップを失ったが、英軍歩兵も近接突撃によって独軍4号戦車1ユニットを葬った。

なおも激しい砲撃が続く。そこから800mほど西に目を向けると、英軍シャーマン戦車が独軍ハーフトラックを見つけて射撃を加えてが、惜しくも外れ。さらに近接突撃を加えてドイツ軍歩兵部隊を後退に追いやったものの、ハーフトラックが健在なため英軍は戦闘後前進できず。AFVを潰さないと元の木阿弥。攻撃側の損害だけが増えていく・・・。

Turn05b


AFVは通常の戦闘結果を無視し、損害も後退も不要である。従って通常戦闘で攻撃側が勝利しても、防御側の歩兵は後退するだけ。そこに防御側のAFVが残っていたら、攻撃側は戦闘後前進もできない。そして後退したはずの防御側歩兵が悠々と元の場所の戻ってくる。まさに「賽の河原」。
このような事態を避けるためには、突撃(Assaults)なり通常戦闘なりを仕掛ける前に、同じヘクス内のAFVを一掃しておく必要がある(あるいは目標ヘクスを包囲して後退路を断っておくのもありかも・・・)。それを怠ると攻撃側ばかりが損害を強要されるというバカげた展開になりかねない。
ちなみにAFVを撃破するためにはAT射撃が必要。他には歩兵による突撃(Assaults)を仕掛けて撃破する方法もあるが、これは不確実性が高い上、もし1ステップでも残すと上に書いたような「空しい突撃」を強いられることになる。

CRT


ちなみにどうしても突撃を仕掛けなければならない場合、攻撃側として無用な損害を出来る限り回避したい。そのためにどうすればよいか?。CRTを見れば、戦闘比が高いと攻撃側の損害が出る可能性が小さくなることがわかる。例えば2:1なら約28%、3:1で約17%だ。攻撃側としては、できれば3:1、最低でも2:1以上には持っていきたい所だが、これがなかなか難しい。額面戦力で防御側を圧倒していればよいが、掃討戦的な状況ではない限りこれはあまり期待できない。額面戦力は大抵は1:1で、状況が良ければ3:2ぐらいが関の山である。あとはコラムシフトに期待だが、防御側は地形、AFV支援、ドイツ軍による諸兵科連合などで3~4シフト。攻撃側は確実に期待できるのがAFV支援とチャーチルAVREによる計3シフトだ。だから普通なら額面値以上の戦闘比は期待できない。後は支援射撃によるシフトアップとチャーチルAVREの集中投入ぐらいしか思いつかないが、「自軍の損害リスクを下げる」というだけの理由でそれだけの戦争資源を投入する必要があるのか・・・。まあ人命重視の英軍ならあり得ないこともないが・・・。


UK49D_6pdr_AT_7DWR先に英軍が6ポンド砲の設置に成功した地点では、さらに増援の6ポンド砲がトラックに乗って運ばれてきた。しかし今度は設置前にドイツ軍4号戦車の射撃を受けてトラック諸共炎上してしまう。それを見た設置済の英6ポンド砲は、茂みから顔を出した4号戦車に猛烈な砲火を浴びせかける。直撃弾を食らった4号戦車数両が燃え上がった。

フォントネ・ル・プネル北東端から延びる浅いボカージュ地帯にはドイツ軍の小部隊が拠点を築いて守っていた。しかしここは防衛ラインの端部にあたり、AFVは配備されていなかった(配備されていたとしても英戦車の攻撃で壊滅するのがオチ)。そこに対して英軍は2度に渡って突撃を敢行し、独軍守備隊を撃破。この一角を占拠した。

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その前進してきた英軍戦車に対して村に潜んでいた4号戦車が突然発砲。直撃弾を受けたシャーマン戦車数両が燃え上がる。その4号戦車に対して英6ポンド対戦車砲が火を噴き、4号戦車数両を撃破する。

そこから800mほど南に下った地点では、塹壕構築中の独軍歩戦連合部隊に対し、チャーチルAVRE特殊戦車を含む英軍部隊が近接突撃を仕掛けた。突撃自体は成功し、独軍歩兵は工事を中断して遁走していったが、そこにもドイツ軍の武装ハーフトラックが残っていたので、拠点奪取には失敗した。

英軍戦闘フェイズ


「AFVを追い出さない限り歩兵による勝利は無意味」

この事実に遅まきながらも気づいた英軍は、ハーフトラックとか装甲車とかいった「弱いAFV」を始末すべく集中砲火を浴びせた。
UK8B_Sherman_B_SRYフォントネ・ル・プネル北部ドイツ軍拠点に対してはシャーマン戦車やアキリーズ駆逐戦車がドイツ軍武装ハーフトラックに集中砲火を浴びせてこれを排除した。邪魔なAFVを排除した英軍は、このヘクスに対して通常攻撃を敢行。オッズ1:1でかなり厳しい比率であったが、出目に恵まれ(2d6で10が出た)独軍を撃退。英軍がようやく地歩を広げた。
そこから東へ800mほど離れた地点でもドイツ軍装甲車がシャーマン戦車の砲撃を受けて撃破されている。無論ドイツ軍も手をこまねいていた訳ではなく、4号戦車や75mm対戦車砲の反撃によってシャーマン戦車2ステップを撃破していた。

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独軍アクションフェイズ

GELehr_2_654ドイツ側の機甲兵力もそれなりに損害が出ていたので、このTurn、補充ポイントを使って増援を投入する。強力な5号駆逐戦車「ヤークトパンター」2ユニットだ。フォントネ・ル・プネル市街地から1200mほど南の高台(テセルの森)に配置し、上から狙い撃つ態勢である。
その高地に陣取っていたティーガー重戦車1個中隊が1200m前方のシャーマンを狙う。視界が悪い上に距離もやや遠かったが、ティーガーは腕の冴えを見せ(選択ルール19.1を見よ)、見事に命中弾を与えてシャーマン数両を撃破した。生き残ったシャーマンは慌てて物影に隠れる(リアクション移動)。

JagdPanther


フォントネ・ル・プネル東方でも別のティーガーが牙をむき、射撃距離約1.5kmでシャーマン数両を撃破していた。ただし至近距離からチャーチルAVRE特殊戦車を狙ったティーガーの射撃は惜しくも外れ。

独軍戦闘フェイズ

GE_Tiger_1_101ティーガーの猛威が英軍歩兵戦闘車に向けられた。キャリア小隊(CP)が次々と命中弾を受けて、そのうち1個小隊がステップロス。ステップロスを免れた小隊についても貴重な輸送ポイントが失われていった。
ちなみにこの戦闘には増援で登場してきたヤークトパンター1個小隊も参加していたが、こちらは見事に「外れ」の目を出してしまい、ティーガーとの腕の違いを見せてしまった(選択ルール19.1を見よ)。

独軍の盤外砲撃が火を噴き、平地に展開する英軍歩兵に降り注ぐ。錯綜地形であれば頑強な抵抗を見せる歩兵だが、平地では脆い。一連の砲撃で英軍は歩兵3ステップを失ってしまう。

英軍の戦果と言えば、キャリア小隊に対してAT射撃を加えてきた20mm対空機関砲に対し。キャリア小隊が反撃を行ってこれを返り討ちにしたくらいである。

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このTurn終了時点で英軍はフォントネ・ル・プネル市街地全14ヘクスのうち7ヘクスを支配下に収めた。一方の損害については、英軍側の完全損失は歩兵6個中隊、シャーマン戦車4個小隊、対戦車砲1個小隊。対する独軍側の完全損失は4号戦車2個小隊、装甲車/ハーフトラック5個小隊、対空機関砲1個小隊、歩兵1個小隊、機関銃1個小隊である。

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つづく

Paths to Hell, Barbarossa Montelimar、The Anvil of Fate ドイツ装甲軍団1  83-ノルマンディ強襲
ノルマンディ上陸作戦1944 西部戦線 (歴史群像アーカイブVol.17) Tank Killers: A History of America's World War II Tank Destroyer Force ドイツ重戦車 戦場写真集

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